空想の錬金術師   作:篠原えれの

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 さて。答えを知ってる僕は調べてるフリをしてもバレるので元々研究資料の解読事態はとても得意なので数時間調べたフリをしてどこを調べたら分かるのかを把握しつつ必要本も置いとく。本に関しては完全にヒントになるようなの置いてるけど、まあ見るかどうかは任せよう。神話とか人間の生体に関する本ね。マルコーの研究資料の答えがわかったと弟達に告げる。もちろんネタバレになるのでちゃんと答えが知りたいかどうか聞く。

 

 「エド、僕この資料の解読方法大体分かったし賢者の石の材料もわかったけど知りたい?」

 「はっっや。この研究資料のどこを見て分かるんだよクソ兄貴。俺なんてくやしいけどまださっぱりだぞ。やっぱ法則がなんかあるのか……。さすがにそりゃチートだチート。自分で調べたいから黙ってて」

 

 チートは完全に僕の影響だね。去年ぐらいに大佐と決闘した時に僕が口走ったのエドが真似して使ってんの。あ、因みに僕も戦ったけど負けました。いいところまでいったんだけど無遠慮に焔撒き散らかされて死ぬかと思ったよね。気配消したり背後に忍び寄ったりしたのに微量の殺気で分かられるのはさすがとしか。僕の認識妨害の錬金術も大概反則だからハンデねって感じでこれぐらいの殺気なら分かるかなって舐めてかかったのが間違いだった。戦場だと生きるか死ぬかの世界だしね。本番ではちゃんと殺気隠すようにするからねえ僕。

 

 「ほんとにそうだよね。僕もさすがにエドワード兄さんに賛成かも。ネタバレ禁止だからね。やる気なくなるから。ミシェル兄さん本もほとんど調べなくて若干メモして資料見通してただけじゃん。ほんとにそれあってるの?よくそれでこれが分かるねほんと」

 

 あと、ネタバレとか現代用語ちらほらエド達使うのもみんな僕の影響なんだよね。兄貴、それってどんな意味?って聞かれるのでその都度教えてる次第です。僕はアルの質問に答えていく。

 

 「うん。あってるよ。ぶっちゃけ知らない方がいい内容だと思うけどね。答えが分かってもクソ兄貴って後から怒んないでよ。どうしても分からなくなったらここに置いてある本使っていいからね」

 「神話と生物に関する本……?ヒントになるのか、それ」

 「うんまあ。神話は正直微妙だけど基本を振り返るのに参考になるよ。常識に囚われないのがこの研究書を解読するコツかな。こんなろくでもないもの、僕は今すぐ燃やしたいぐらいだけど。マルコーさんが見せたがらない理由が改めてよく分かったよ。……答え分かっても怒らないでよね、ほんと。」

 

 見事にボロクソ言われた次第です。そうだよね。全く分からないのになんで僕だけそんなわかるんだってなるよね。とりあえず弟達が改めて賢者の石の材料の正体に気付いた時の保険に、怒るなって念を押しときます。洗脳して無理やり分らせる方法もあるけど、原作の流れ崩したくないんだよね。気長に待とう。

 

 「もうミシェルさん分かったんですか」

 

 ブロッシュ軍曹が僕に尋ねる。賢者の石の材料について知りたそうだな。散々脅してるのに知りたがるのもわりとすごいが。

 

 「まあね。僕これ系の解読は得意だよ。司令部からたまに依頼が来る程度には」

 「そうなんですか」

 「兄貴はねぇ、ほんとにそれ系のプロだよ。さすがにこの量を数時間とかで解読したのは頭おかしいけどな」

 「読解力とかそういう次元超えてるもんね」

 

 そりゃ最初から答えが分かってたら後はどうやってそれが分かるのかの粗探しするだけだからね。正解が分かれば解読もはやいよ。全部読み切るのに時間かかるだけだなあ。司令部からたまに依頼がくるのもそうだけど、この間ショウ・タッカーの家でそれ系の研究書を見つけた時も爆速で解読できちゃったし。なんであの家にホムンクルスの複製方法なんて研究書があるんだよ。おかしいだろとはなったけどね。ああいう危険物を見つけては燃やしていくのも僕の仕事だと思ってる。

 

 「因みに、私達に教えて頂くことってできるんですか」

 

 ほらね。うん、もうなにも言うまい。

 

 「だめ。こんなの、人が知るべき内容じゃないから。後戻りできなくなるよ。これは、こういうもの。これが分らない内は知るべきじゃない。だから喧嘩もしたしね。もう僕は僕で折れたから君達が弟達に聞く分は僕止めないよ。生半可な気持ちで知ると後悔する。エドも、分かったからって不用意に喋ったらダメだよ。これはその人の人生を左右するものだ」

 「分かったよ。というかアルにも言えよな」

 「アルは口堅いから大丈夫でしょ」

 

 と、警告した甲斐があって。一週間たってシェスカが無事に軍法会議所勤務になり、10日後、その成果は現れた。

 

 「兄貴のクソ野郎!!なんてもんをあの速さで解読してんだ!常識に囚われるな、知ると後悔する、人の人生を左右するとか好き勝って偉そうに説教たれやがって……その通りだけどよ!クソ。こんなことがあってたまるか。まさしくこりゃ、悪魔の研究だ。マルコーさんが見せたがらないし、兄貴が猛反対する訳だ。クッソ……なんで俺はこんなもんを知りたがったんだ、そりゃ確かに万能になるんだよ。タッカーの時と一緒かよ、畜生!」

「タッカーの時と一緒....そういうことか、兄さんこれ」

 

 アルもエドの言葉で賢者の石が何で出来ているのか理解した。いかなる万能も人の命を使えば簡単にできるというのはなんとも皮肉なものである。

 

 「これは俺たち、知っちゃいけないことだったんだよ。クソ、怒るなって言われたけど兄貴に怒鳴りてえ。」

 「どうされました?兄弟喧嘩ですか?まずは落ちついてください」

 

 ブロッシュ軍曹とロス少尉が駆け込んでくる。

 

 「違う。……そうかもしれねえけど。俺、今兄貴にむっちゃ怒ってるから。頑張って落ちつかせてるとこ。賢者の石の材料が分かった。その材料が、なあ。胸糞悪いだけだ。百歩譲ってこの際賢者の石の材料なんてどうでもいいよ。こんなもんをあの数時間で理解する兄貴がわからねえ。いらねえ優しさだ。こんなもん、なんであいつは分かるんだよ気持ち悪い。本当に、あいつ……」

 

 エドは、なんとかでかかった言葉を飲み込む。ここにはアルもいる。アルは違う。絶対に本物だから。兄と比べたらそれは本当によく理解できた。これだけはアルの目の前で言わないとエドワードは心に誓っていた。

 エドは益々、今回のことで不気味さが増したのだ。

 ミシェル・エルリックは本当に、自分達が知るミシェル・エルリックなのか?

 あの兄は、ここまで本当に優秀な錬金術師だっただろうか。問い詰めたい。

 

 

 お前は、誰だ?と。

 

 

 

 

 




お盆で実家に帰省してるので更新遅くなりました。
とりあえず頑張って続きます。グリリンみてえの勢いだけで書いてます
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