ジュニア最終回です。
ではどうぞ
トレーニングを終えて寮に帰る。結局あれから四セットやって十分な負荷を得ることができたが、いかんせん一回が軽すぎるせいで時間がかかってしまった。
「風呂だな」
一刻も早くこの身体に纏わり付く
「ちょっといいかな?」
寮の入口で声をかけられる。見るとフジキセキが青筋を浮かべている。
「なんですか寮長。綺麗な顔が台無しじゃないか」
「なんでじゃないよね? 今何時だと思ってるのかな?」
「二十三時」
「門限は?」
「二十二時」
「なんで怒ってるかわかるよね?」
「なんでやろなぁ」
フジキセキの青筋が増えた。耳は後ろに絞って尻尾は暴れてる。
「まあまあ、あと少ししたらトレーニング時間が減りますって」
「そう聞いて二ヶ月が経つんだけど」
「時間が無いんだよ。許せ。王は多忙なのだ」
「時間の管理も出来ない愚王は黙っててくれるかな?」
ほーん、言ってくれるやん? それならこっちにも考えがある。
私は懐からある紙を取り出す。
「そ、それは……!」
『温泉旅行券』と書かれた二枚の紙切れ。私はこんなもの毛程の興味関心は無いが……予測的中。目の前のウマ娘には効果はバツグンだ。
「この前商店街に買い出しに行った時、偶然手に入れてね。私たちには期限まで行く暇が無ないし、かと言ってこれを唯の紙屑にしてしまうのは勿体ない。そこでだ……」
頬を僅かに紅くしながら、右へ左へと揺らす紙切れを目で追うフジキセキ。
「これを使って……満喫、ないし一層親睦な関係を築けるような人を探してたんだが。どうだいフジキセキ?」
「……!」
彼女がこれ目当てで担当トレーナーと商店街に買い出しという名のデートに行ったのも、抽選で目当ての温泉旅行券が外れたのも知ってる。情報は巧く使ってこそ意味があるんだぜ。
「……そ、そこまで言うならその券はありがたくもらうよ。でも、次は無いからね!」
ミッションコンプリート。私は指先をヒラヒラさせながら自室に向かう。
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風呂、夕飯を済まして自室に入る。部屋に明かりは無く、薄らとシーツの擦れる音と寝言が聞こえる。
(……)
私は自分のベッドに腰掛けて同室の彼女を見る。こうして見ると嫌でも彼女との差を実感する。
インペラトルーチェは既に完成されたウマ娘。彼女はもう阪神ジュベナイルフィリーズを勝って私を置いてGIクラス。対して私は重賞一勝クラス、差は歴然だ。
レース内容もそうだ。彼女は逃げで大差勝ち。対して私は一馬身と三馬身。情けないにも程がある。
先行、追い込み、二通りで勝ったが私に脚質は無い。『皇帝』の血を受け継ぐ私の脚質は言わば『自在』。脚質という概念すら煩わしい。
なら勝率の高い脚質を選べばいい。でもそれが出来ない、勝てない。足りない
長く伸びた彼女の金髪に触れる。艶やかで花の良い香りがする。
「待っててくれ。必ず君の隣に相応しくなってみせるから」
髪にフェザーキスを落とす。これは私に課せられた使命であり、
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転生とは何か。俺は魂の更新だと思っている。
器を喪った魂は何処に行くのか? 答、別の世界に移動する。しかし殆どが消滅する。行き着く先との
狭間とは何か? 答、無数を内包した
そして、天文学的確率でそれは起こる。
同世界への転生。その事例は確認されている。俺の
転生した魂はどうなるのか? 答、転生先の器への影響が増す。産まれたばかりの小さな器に入りきらない大きさの中身を入れることは出来ない。器が大きくなるにつれて次第に浸透するんだ。
魂は器ごとに産まれる。満たされた中身に産まれる新しい魂は既存物と共存する。多重人格がこれにあたる。
結論、転生とは魂が増設されてその
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この魂に刻まれたものを私は受け入れた。東奔西走と世界中を駆け抜け。ただ一つの敗北を知らず、ただ無数の勝利のみを知った。
己の運命を知り、この世界で私は何を成したいのか。長い時間考えていた。
まだ満たされていない
繋がれた鎖は未だ健在だ
忌々しい
苦々しい
嫉妬 傲慢 怠惰 憤怒 強欲 色欲 暴食
まだそこにある我が
世界は拒み続ける
受け入れ解き放て
全てを……染め上げろ!
蠢く、揺らめく、囁く。
我慢する必要なんて存在してはいけない。
この手で……
雲に隠れていた月が顔を出す。太陽を根源とした光を私の髪が取り込んで淡く輝く。
想像とは創造の元だ。私は今
10評価頂いたので裏設定をば
アルギュロスレウスの成長率は
スピード/スタミナ/パワー/根性/賢さ
5%/10%/5%/5%/5%
次回、クラシック開幕! 「夢の種」
お楽しみに!
ではまた!
競走バ編のリメイクいる?(台本形式じゃないやつ)
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いる
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ウマ娘編だけで満足
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欲しい(競走バ編の内容把握の為)