体調崩して軽く死にかけてました。
レースはどんな感じにしてくかは進めながらちょくちょく変えると思います。
ではどうぞ
夢の種
クラシックレース。一生に一度の出走しか認められていない、最も誉あるレース。
皐月賞、日本ダービー、菊花賞のクラシック三冠。
桜花賞、オークス、のトリプルティアラの二冠。
多くのウマ娘が誰かの想いを背負って駆けるそのレースは、世間からも支持の高い。それぞれにドラマがあり、感動があり、希望がある。
目を瞑ってしまいそうになる眩しい場所だ。そして……
「
クラシック三冠最初の一冠、皐月賞の前哨戦。弥生賞が今、始まる。クラシックの幕が上がる。
「
パドックへと踏み出す。
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レース開始まであと数分。控え室で軽くストレッチをする。
「準備はいいか、ドリフトスピード」
「バッチリだ」
この弥生賞は強敵となる同期が居ない。オレは慢心していた。今日は強敵となるオレと同じレコードホルダーのアイツらが居ないオレに敵無し、確実に一着を取れるってな。
「負ける要素がねえ。一着をもぎ取ってくるぜトレーナー」
「油断し過ぎるなよ。レースは何が起こるか分からんからな」
「ハッ、峠道の野良レースに比べりゃあ簡単だぜ」
トレーナーに見つけてもらうまでオレはド田舎で延々と野良レースをしていた。山ばっかなとこだったもんだからオレの近所にはよく走り屋が集まった。
だから感化されたオレも同じく車を好きになったんだ。心が震える爆音と、ガソリンの燃えた匂い。オレはスピードの虜になった。
車とレースをする日々、コーナーはどんな奴にも負ける気がしなかった。
それが車好きの中央トレーナーに見つかって推薦をもらうことでオレのウマ生に刺激が増えた。最新鋭の器具、施設。トレセンはオレをワクワクさせるものに溢れていた。
だからオレを見つけてくれたトレーナーの為に、トレーナーの夢であるクラシック三冠をオレが達成する。
「クラシック三冠のステップレース。絶対に勝ってくるぜ」
「……ああ、お前なら勝てる。行ってこいドリフトスピード!」
「おうよ!」
トレーナーに活を入れられる。オレの伝説はここから始まるんだ。
~~~~~
[各ウマ娘ゲートに入ります]
オレは二枠3番。内目の良い番目だ。
弥生賞は中山・芝2000メートルの内回り。特徴としてはゴール前に急勾配の上り坂があること。スタート直後から坂を上って向こう正面にかけて下る。残り600メートルの3コーナー付近から小回りのコーナー、ここでオレは勝負を決める。
今回のレースは10人が出走している。好都合なことに同期の強い奴は全員未出走だ。ペースが早くなることは無い。
[ゲートイン完了。間もなく始まります]
ゲートの中だとソワソワして実況の声もハッキリと聞こえない。いつでもスタートを切れるように集中する。
―ガコン。
ゲートが開くのと同時に走り出す。オレの脚質は先行だが、トレーナーからは周りが遅けりゃ合わせる必要は無いと言われた。
オレは悠々自適に逃げの後ろに着いた。トレーナー的にはこの逃げすら抜かして行ってもいい、ってことなんだろうけど、このレースは皐月賞と同じコースだ。先行でスパートの位置を確認しておきたかった。
1、2コーナーを回って向こう正面、下り坂。ウマ娘の走行速度はおよそ時速50~70キロメートルだと言われている。過去のレースのタイムは大体が2分。
ウマ娘のレースはあっという間に進んでいく。その短い時間に位置取りやらペース配分やらと考えることが多い。そんな極限状態だからレースはウマ娘の視野を極端に狭くする。
(ま、オレにとっちゃこのペースはヌルイんだがな)
先行争いも簡単にいったし、脚も十分過ぎるほど残してる。後はコーナーで勝負を決めるだけ。死闘を繰り広げるのは皐月賞になりそうだ。
(標識残り600メートル。コーナーの手前──)
「コーナーの手前三歩、約十メートル」
(!!?)
驚き過ぎて振り返ってしまった。オレの視界を何かが横切る。
「え? は?」
気付けば誰かに抜かされていた。長い銀髪に尻尾、鼻の奥を通る爽やかな匂い。10番のゼッケンを着けたウマ娘だ。
「く!」
「訂正。二歩後、右足でスパート」
「なっ!!」
対応して仕掛け所を変えても、オレの前に居るコイツに内を塞がれる。斜行じゃない、ギリギリ2馬身よりあった。
外から抜くのは無理だ。コーナー前ならまだしも、流石にこのオレでも小回りのコーナー中で外にいけば膨らみすぎる。
「な……は……」
突然のことに息を乱された。息苦しさが急激に押し寄せてくる。
でも目を離せない。珍しい髪色だからとか、前に位置取られたからとかそんなモンじゃねえ。特別な存在感、それがコイツにある。
(ダメだ! 勝つのはオレだ!)
外に膨れるのを承知でスパートをかける。相手の速度は速くない。外へと引っ張られる身体を必死に抑えながらも、横に並び着く。
(ここで抜けば、コイツを視界に入れなくて見なくて済む!)
頭の中はそのことで一杯だった。オレに
―刹那。
横の彼女がゆっくりと下に沈む。まるで時間の流れが歪んでいるように。
「ありがとう。君のお陰で一つ
彼女の瞳から火花が散る。それが火花ではなく血であると認識した瞬間には、彼女はオレの5馬身先に居た。
~~~~~
結果はオレが2着、アイツは1着。初めての敗北だった。
「は……ははは……」
「レースはこんなこともある。次に向けて切り替えるぞドリフトスピード」
「あん? いや、落ち込んでるんじゃねえよ」
控え室に戻ったトレーナーの目にオレがどう映ったのかわからねえが、これだけは言える。
「レースって……楽しいな。相手が強ければ尚更」
「はは、そうだろう。でも次は今日みたいなヘマはするんじゃないぞ?」
トレーナーの言葉に疑問を持つ。オレがヘマを? オレは今日アイツにかき乱されただけだ。出遅れもかかりも無かったはずだ。
「ヘマ? そりゃ何の話だ?」
「とぼけてんのか? 3コーナー手前からお前はペースがグチャグチャだったじゃねえか」
「言い訳するようで悪いが、今のオレはアイツの揺さぶりを耐えらんねえよ」
「揺さぶりだぁ?」
「銀髪の……そう、名前は確か……」
「1着のアルギュロスレウスのことか? それこそ何言ってんだ」
「え?」
何かおかしい。オレの気付いていない何かが起きている。
「
「………………は?」
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─生徒会室。
「……ほう」
机に立て置いたタブレットで流されるレース映像に、そのウマ娘は僅かに犬歯を見せた。
ドリフトスピード→アルギュロスレウス
オレはこういう奴を待ってた!
アルギュロスレウス→ドリフトスピード
本当に速すぎマジワロエナイ。(なんだかんだ勝つ)
次回予告
無事?に弥生賞を終えたアルギュロスレウス。しかし彼女の肉体はどこかおかしいようで……
次回、「覚醒、しちゃいます」お楽しみに!
ではまた!
競走バ編のリメイクいる?(台本形式じゃないやつ)
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いる
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ウマ娘編だけで満足
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欲しい(競走バ編の内容把握の為)