久々の投稿です。
少しづつ書いてやっと一段落しました。
この調子じゃあまじ終わんねえ。
ではどうぞ
一生に一度のクラシック。
何故、彼女達は一度しかその機会が無いのか。それは彼女達の現役期間の短さ故に課せられた枷だ。だからより勝者は世間の顔となり、名誉栄誉を我がものとする。
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『ドリフトスピード』
出身は東京の郊外。弟と妹がいる。峠の走り屋に影響されて車好きになる。体格は大柄。欠点らしい欠点のないオールラウンダー型。遠心力に対してかなりの抵抗を持ち、コーナー手前からのスパートが最も速い。内を取られたら抜き返せない。注意度は低。適性は芝の中距離 、ダートのマイル。
ターフの傍らの芝生で少女はスマホを片手に寝転がっている。
『ナイトランサー』
レースの名家生まれ。一人っ子。英才教育を施されたことによる誇りと自信を確立させている。体格は中柄。位置取りと交わし方が巧く、どこに追いやっても差してくる。スパート速度はそこまでだが、タイミングが噛み合うと終盤差される。注意度は中。適性は芝の中・長距離。
木陰で涼しげな風に銀髪を揺らされながら、少女は本を捲るように指を画面に沿わせる。
『クロックスライダー』
言わずと知られる華麗なる一族。姉が一人いる。ゴシックをこよなく愛し、黒い蝶の耳飾りがトレードマーク。体格は小柄。破滅的ともとれるハイペースの逃げを得意とし、均等なラップタイムでレコードタイムを上回る。体内時計が有り得ないくらい正確で、レース中は決して乱れない精神力も兼ね備えている。意識しないと、ゴール前で追い抜くことは不可能に近い。注意度は高。適性は芝とダートの短・中距離。
ターフを力強く走るウマ娘たちを片目に、慈愛に満ちた顔でスライドを繰り返す。
『ナイトロジェット』
都内生まれの都会っ子。GIに勝った履歴があるシングルマザーに育てられた。機械好きで、特にエンジン等の原動機に関して詳しい知識を持つ。体格は中柄。特殊な筋肉の付き方をしており、直線が異様に速い。現時点でも直線だけでいうならルーチェと同等と言える。ただその代償なのか、コーナーは直線と比べかなり遅い。最後の直線で前を塞がないと軽く置いてかれる。注意度は低。適性は芝の短・マイル・中距離。
絵本を読むように和やかに、楽しいことを想像しながら書かれている羅列に目を通す。
『センターサイト』
一般家庭の生まれながらその才覚でトレセン学園に入学した。趣味はサバゲー。長物を扱うのに長けているらしい。体格は小柄。サバゲーの経験から隠密を得意とし、レース中に最も気配を感知するのに苦労する。背後に付かれるのだけは必ず避けなければならない。さもないと、最後に差される。注意度は中。適性は芝のマイル・中距離。
ウマ娘たちの元気ハツラツなかけ声やトレーナーとの会話がひっきりなしに聞こえる。それぞれが勝利を目指し、青春ともいえる輝きがターフに溢れていた。
『レーザーカノン』
お嬢様とまでは言わないが、かなり裕福な家庭で育った。クラシックをよく聞いており、歴史に深い学識を持つ。体格は中柄。スムーズな加速と滑らかなフットワークが武器。生半可なバ群では彼女をより加速させるだけになる。最大限勢いをつけられるとルーチェすら危ういだろう。注意度は中。適性は芝の中・長距離。ちなみに去年のホープフルステークスは彼女が勝った。
「おーい。レウスー!」
スマホから目を離すと、石晶トレーナーがタブレット片手に呼びかけていた。私は上体を起こす。
「ごめんね待たせちゃって。準備できたからトレーニング始めるよ!」
新人トレーナーらしい、元気なテンションに彼女に少し落ち着きが欲しいなと思いながらも腰をあげる。ついトレーナーのタブレットを覗き見してしまったが、ぎっしりと画面に詰まった文字を見て納得した。
(トレーナーも頑張ってるな)
「今日こそレウスをヒーヒー言わせるようなトレーニングにしたから、覚悟しといてよ」
まだまだ青いな、と鼻で笑いながらトレーナーの後を追おうとして、スマホをつけっぱなしだったことに気付く。
『■■■■■』
孤児院育ち。トレセン学園入学前に親しい施設の職員を亡くす。デビュー戦で得た賞金は全て孤児院に寄付しており、今後も寄付していくと語る。GIIを勝っており、十分にトップ層の一人と数えられる。GIでは掲示板に載ったことは無いが、客観的に見ても能力は伸び続けている。特筆すべき点は何一つ無い。注意度は■。適性は■■■■■■■■■。彼女こそが■■■■■■■■。
「レウス?」
「なんでもない、今行くよ」
スマホの電源ボタンを押して、トレーナーの後をついて行く。
(日本ダービー、楽しみだな)
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レース当日。
『天気は少し怪しいですが、本日は
天候は曇り。バ場は良。芝2400m、東京レース場。
ゲート前に集まる私含む18人のウマ娘はレースに備えて集中している。私も手袋を今一度直していると、一人のウマ娘が私に話しかけてきた。
「アルギュロスレウス。……勝たせてもらうぞ」
重い金属では無いであろう鎧を鳴らしながら本日の五番人気、ナイトランサーが私の前に身をさらけ出した。敗北を知ったから、白毛の美しい騎士姿が前より様になっている。
「ランサー、
「…………ああ」
一目で彼女の差し脚がより鋭くなったのが分かる。あれからひたすらに研いでいたんだろう。気迫も必死さの無い、強者にふさわしいそれへと変わっている。
「二人とも、今日も頑張ろうね!」
二人の間にひょこっと誰かが入ってきた。
ボブカットの上に着いたウマ耳を忙しなく動く。殆どの人が私から距離を取って遠回しに見るのに対して、彼女は躊躇いもせずに私に話しかけている。私に気圧されないのはレコードを持つ彼女たちだけ。でも、彼女が身に付けた勝負服に目に留まる華は無い。平凡でつまらない、彼女の見た目はそう言える。
「君は……ああ、確か私と同じクラスのモッブモブ……だね?」
「ちょっと! 忘れかけてるなんて酷くない?!」
「HAHAHA、ごめんね。私は興味のあるものしか覚えられなくてね」
「むぅー」
傍から見てはこの空気に似つかわしくないと感じるだろう明るい会話。心の中で不相応と彼女を貶す者もいるだろう。
しかしナイトランサーはと言うと……、
「………………!」
警戒心を剥き出しにモッブモブに威嚇していた。
「ランサー、顔が怖いよ」
「ッ!? ……すまない」
「?」
凄い顔になってたランサーを諭す。この集中の切れ方は良くない。
私が最大まで圧を強めると、少し緩みかけた空気が再び引き締まる。もうレース前に話すことなんて無いだろう。ゲートに向かい、二人に背を見せる。
「そろそろ時間だ。精々足掻いてくれたまえ」
『お待たせ致しました。日本ダービー、間もなく出走です!』
「お前たちの夢は、到達不可な夢幻と知れ」
誰しも憧れ、夢に見る。日本ダービーが始まる。
次回予告
運のあるウマが勝つと言われる日本ダービーが開幕。しかし、クラシックに夢を見たウマ娘達は気付く。夢は、現実では無いんだと……
次回「日本ダービー」
競走バ編のリメイクいる?(台本形式じゃないやつ)
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いる
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ウマ娘編だけで満足
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欲しい(競走バ編の内容把握の為)