転生銀色バ、銀色に染める   作:アールワイ

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ども、素人投稿者です。

今作は前作と違って早めに原作キャラと絡ませる予定です。


ではどうぞ


私はウマ娘

 

 

 

 

──もし、自分の運命の全てを知ってしまったら

あなたは何を願ってしまう?──

アルギュロスレウス

 

 

 

 空は快晴、風に銀髪を揺らされ、縁側で本を読む少女が一人。少女にヒトの耳は無かった、耳の代わりにウマの耳とウマの尻尾を持っていた。少女はウマ娘であった。

 

「おーい、レウス、手伝えー」

「はーい、ちょっと待ってー」

 

 畑の方から聞こえた男の声に返事をして、レウスと呼ばれた少女は読んでいた運動物理学と書かれた本を閉じて畑に向かう。少女の名前はアルギュロスレウス。畑には作業着を着たおっさんが2人、手にはある器具を持っている。

 

「しっかり働けよ」

「はいはい」

 

 器具を渡されながら腹部に丸みを帯びた方のおっさんが話しかけてくる。それを軽くいなしながらまだ小さな体に不揃いな大きな器具を慣れた手つきで着ける。

 

「どう?」

「よし、異常なし」

 

 少し痩せ型の方のおっさんに確認を取って準備は完了。脚に力を込めて畑を走り出す。轟々とした音を鳴らしながら彼女が通った後の土は綺麗にならされている。

 

「相変わらずはえーなー」

「小さいナリしてよく頑張ってますね」

 

 おっさんズが野次を飛ばす。小さいは余計だと思いながら少女は器具を引きづる。器具の名前はマ(ぐわ)と言って、土の破砕やならしを行う農具である。少女がこうして働いてるのは、何か手伝えることはないかと考えていた時に倉庫の中に眠っていたマ鍬を勝手に修理して勝手に持ってきたのが原因だ。

 

「助かるっちゃ助かるんだが」

「今の時代でこんな子供に肉体労働させてると犯罪臭凄いですね」

「わざわざマ鍬もデカく重く改造しやがって」

 

 彼女が引くマ鍬は彼女が改造したのもあり通常より大きく、更に重りまで載せてあった。彼女が言うには「トレーニングも兼ねれて非常に効率的」だそうだ。

 

 

 少女が畑を走っているのを眺める2人は農家だ。丸いおっさんの名前は橘。細いおっさんの名前は藤原だ。2人が少女の面倒を見てるのは、腹を空かせてウロウロしていた少女に飯を奢ってあげたのが出会いだった。少女は2人のことを信頼し、仕事の手伝いをする代わりにご飯を要求してくるようになった。最初は断っていたが、直したマ鍬を持ってきたり、貰うだけでは罪悪感があって美味しく食事できないと説得されて今の関係が出来上がった。

 

 

「終わった」

 

 おっさんズが雑談をしているうちにならしを終えたレウスがマ鍬を外して引きづってくる。畑の方を見るとしっかり終わっている。手を抜いた訳でもないのにこの速さ、3年も続けたとはいえこの速さはレウスの筋の良さが表れている。

 

「おつかれさん」

「もう働いたから休みまーす」

 

 レウスはマ鍬を置いて縁側へと戻っていくと。本を手に寝転がって読み始める。

 

「あんな難しい本を読んで」

「理解できてんのかな」

 

 

 アルギュロスレウスは他の子と違っていた。小学校にも行かず、市民図書館に通い詰めては難しい本を読み漁っている。本を読んでると思えば、パソコンとにらめっこしていたり、常に何かしらの情報を得ている子だ。そんなレウスには誰にも言わない秘密があった。

 

 アルギュロスレウスはある記憶を持って生まれてきた。それは、転生という言葉が当てはまる現象だった。幼いアルギュロスレウスはその記憶が何なのか分からなかったが、とても大切な記憶(もの)だと感じていた。

初めてレースを見た時、この記憶がレースを走っていた自分であると分かった。が、今は居ない母親に否定され、レースに出たいとは言えなくなっていた。施設に入り、自由を得たアルギュロスレウスは様々な情報媒体を掻き集めた。本、インターネット、新聞、テレビ、全てに目を通してこの世界と前の世界の違いを探していた。

 

 

 そこで気付いたことがいくつかあった。

 まず1つ目に、この世界にはウマ娘と呼ばれる存在が存在している。太古昔から存在するウマ娘の存在は、この世界が前の世界と全く違う歴史を辿った原因だ。お陰で歴史は最初から学ぶ羽目になった、勉強は好きじゃないんだ勘弁して貰いたい。

 2つ目に、この世界は作物の成長が前の世界の倍以上速い。ウマ娘はよく食べる。前の世界でも食糧不足は国際問題としてあげられていたのだ。ウマ娘と言う飯食らいを野放しにしていてはあっという間に食糧不足待った無しだと思ったが、この世界は作物の成長が爆速、前の世界の作物が自転車ならこの世界の作物は特急電車くらい速い。原因を調べると、土地の栄養素が豊富で土地が枯れることは無く、作物も消費に追いつくよう品種改良された形跡があった。この世界では食糧不足の問題は起きないと断言出来る状態だ。

 3つ目は、この世界の技術発達の理由だ。前の世界は戦争の兵器開発によって技術が進歩したが、この世界はレースが世界の中心、レースの為に車が走り、レースの為に鉄道が引かれ、レースの為に飛行機が空を飛ぶ。平和と言えば素晴らしいが、気味が悪くて仕方ない。

 

 

 アルギュロスレウスは、この世界で自分が何をしたいか分からないでいた。ウマ娘は別の世界のウマソウルと呼ばれるものを宿して生まれる。この記憶がウマソウルのものなら、レースにおいてとんでもないアドバンテージを得たことになる。だが、結果の分かっているレースほどつまらないものは無いだろう。自分は走ったレースの全ての結果を()()()()()()()()()。だからつまらないレースの世界にいきなり身を投じるより、知識を得て世界を知り、やりたいことを見つけることを選んだ。

 

 

 記憶の中でもう一度会いたい者はいる。でも、この世界で会っても()()()()()()()()じゃない。それに、会うだけならレースに出なくても会える。レースは必須条件ではない。こんな想いになってしまうくらいにはこの記憶は厄介なものだ。

 

 

 ()()の人格を自覚したのはつい最近。この肉体には、最低でも三つのモノがぐちゃぐちゃに溶け込んでいる。()はこの世界のイレギュラーだ。故に、行動するなら慎重に慎重を重ねなければならない。

 

と、レウス本人は思っている。

 

 

 

「お腹空いた」

 

 時間は飯時にはまだ早いが、少女は小さく呟いた。




競走バ編が気になる人は前作を見てね。
……クオリティはミリも保証しないけどね。いやマジで。

競走バ編のリメイクいる?(台本形式じゃないやつ)

  • いる
  • ウマ娘編だけで満足
  • 欲しい(競走バ編の内容把握の為)
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