後一話、頑張りマース。
ではどうぞ
──二週間後
私ことアルギュロスレウスは、小規模なレース場に来ている。今日出るキッズレースは規模自体は小さいものの、近くの商店街との連携のお陰もあり中々に盛り上がりを見せている。……あの出店には後で寄って行こう。
レースは小学生の部、中学生の部の二つがあり、自分が出るのは小学生の方だ。細かい分け方ではなく小学生と結構大きい括りになっていて、小学生の中でも
「頑張れよ」
「行ってこいレウス」
激励のつもりなんだろう、観客席の橘と藤原がストレッチしてる私に応援のメッセージを送ってくる。
「勝つよ、普通に」
私は真顔のまま言う。すると周りのウマ娘たちから視線が向けられる。ある者は敵意、ある者は怒り、レースを走るに相応しい感情がこの場に渦巻く。
備え付けの時計の長針が上を向く、そろそろ私のレースが始まる。私はゲートに向かって歩き始めた。
~~~~~~~~~
わたしは、小さい頃から走るのが速い。
わたしが一着を取ると、両親はわたしを褒めてくれる。わたしが走ると、みんなわたしを応援してくれる。わたしはそれがとてもうれしかった。だからトレセン学園に入って、重賞を勝って、誰かを笑顔にするのがわたしの夢になった。
だから今日も勝って、みんなを笑顔にするんだ。
ゲート前で待機している時に同じレースの出走者を見る。見た感じわたしより速いと思う人は居なかったが、中でも特に小さい銀髪の子が目立った。
(あの子小さいな~。まあ、今日もわたしが勝つけどね!)
見た目で速くなさそうだと判断してわたしは安心する。今日の一着はわたしの物だ。
「次のレースを始めます。出走者はゲートに入って下さい」
係のヒトがわたしたちに大声でゲートに入るよう言ってくる。ゲートは苦手なんだよな~。
「よ~し! 今日も勝つぞ!」
いつも通り自分で自分を鼓舞する。よし、わたしはやれる!
自信に満ちた顔でゲートに入る。
[さあ、続いて次のレースが始まります! 優勝賞品のにんじん一年分を手にするのは一体誰だ!]
今日のレースは実況もあってテンションはMAX。最高のコンディションだ。いつもより速く走れるかも!
[小学生の部、第3レースが今、スタートです!]
「よし!」
ゲートが開いてわたしは走り出す。もしかしたら過去一のスタートかもしれない。このまま逃げ切る!
[スタート直後抜け出したのはアルギュロスレウス。ですがハナをとったのは───]
(よし、先頭を取れた。あとはいつものように逃げ切れば勝ち!)
わたしはこの時、もう勝ちを確信した。
「うん、もういいよ」
「……え?」
視界にくすんだ銀髪が入り込む。何が起こったのか分からない。気が付けば抜かれていて、わたしの前を走っている。
「っ! はああああぁぁぁ!」
まだレースの中盤なのにスパートに入る。本能がここで抜き返さないといけないと訴えてくる。まずいっ、間に合わなくなる!
「……は?」
でも、前を走るあの子の背中はどんどん遠くなる。なんで? わたしは全力で走っているはずなのに。嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!
必死になって走っても、差は広がるだけ。わたしが最後の直線に入った時には、あの子の背中はゴールの向こう側にあった。
ゴールした後、あの子を見るとわたしと目が合った。そこにはわたしみたいな見せかけじゃない
何……怖い……。
もう…………嫌だ。
わたしは、レースを辞めた。
~~~~~~~~~~
レースは当然の一着。一番速かった逃げの子を潰せば後は殆どウイニングランだった。…………正直呆気ない。しかし、実際に走ることで課題が色々見つかった。もう既に次のレースのことを考えている時点で
ゴールラインを超えて私は振り返る。しばらくすると、二着の子がゴールして、息を切らして膝に手をつく。レース前の自信に満ちていた姿はもう何処にもない。只在るのは自尊心と夢を失ったボロボロの姿。
見つめていると目が合った。嫉妬、憤怒、絶望、様々なモノが混ざった目を見て、私は──
激しく高揚した
この胸の奥から滲み出るモノは、
この芳醇な美酒の味は
嗚呼、
~~~~~
全てのレースが終わり、表彰や賞品の受け渡しを済ませた私は、帰るべく達と藤原の所へ向かっていた。
「ねぇ、そこのアナタ!」
頭の中に浸透する良く透き通る声、幼く可愛らしい口調で呼ばれたので後ろに振り向く。立っていたのは
「私はインペラトルーチェ。アナタ、私と一緒に来て!」
私は出逢いを果たした。
報告無し!以上!
ではまた!
競走バ編のリメイクいる?(台本形式じゃないやつ)
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いる
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ウマ娘編だけで満足
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欲しい(競走バ編の内容把握の為)