五条悟の妹は悲劇を変えたい   作:皐月の王

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サブタイトルが浮かばぬのだオニイサンタチユルシテ


動き出した時間

「チッ!諦めて無かったのか…あのメロンパン!しかも、上層部め……タイミング悪く任務入れやがって…これで何連勤よ!挙句の果てに京都校で負傷者の治療…は良いけど!これじゃ津美紀の容態確認できないじゃんか!」

 

悟里は現在、仕事にて京都に訪れていた。仕事の内容とは負傷者の反転術式よる治癒と失敗した任務の後処理である。

 

「そりゃ、東京に反転アウトプットできる人材が二人も固まるのは問題なんだろうけど。仕方ないでしょ、私も家入先輩も東京校出身なんだし」

 

愚痴りながらも京都校に門を繋げて門を潜る。

 

「あっ!悟里!こっちこっち!!早く!」

 

「歌姫先輩、久しぶりです!」

 

門を潜ると歌姫が出迎えてくれる。そしてそのまま負傷者の所に連行される。

 

「悪いわね、東京から京都まで来てもらって。今度一杯奢るわよ」

 

「いえいえ、仕事なんですから言いっこなしですよ。そのための私と門なんですから」

 

悟里は反転術式を他者に使うことが出来る現在確認されている2人の内の1人である。更にその出力は非常に高い。そのため、上層部からは京都校に術式による門の設置と要請があれば急行するように決められていた。それが東京校で席を置く条件だった。

 

「今回は何人なんですか?」

 

「5人よ2級が2人、準1級が2人と1級が1人ね」

 

「……まぁ、死者が居ないだけマシですね」

 

「アンタがこっちに在住してくれたら良いんだけどね?」

 

歌姫がため息をつきながらに言う。無駄だと分かっていながらそれでも言わないと気が済まないのだ。

 

「娘も居ますし、夫が東京校の先生ですからねぇ」

 

「本っ当によく結婚したわね。あの片割れと」

 

目を細めてみる歌姫。歌姫の傑の印象は良くは無い。舐めている後輩。真面目だけどクズ。そんな印象が強いのだ。

 

「まぁ、そう言われますよね〜。でも、あの人、真面目なんですよ?まぁ、兄様が絡むとタガが外れてやんちゃするんですけどね。話は後ですね?」

 

悟里がそう言う。目的の医務室に到着したからである。歌姫は壁に背中を預け

 

「それじゃあ…お願い」

 

「ええ、勿論」

 

悟里は隣の部屋に入り白衣を身に纏うと医務室に入る。そして五人の呪術師の治療に取り掛かる。そして一時間ほどで出てくる。

 

「終わりましたよ」

 

「珍しいわね結構かかったんじゃない?」

 

「そうですか?まぁ、手酷くやられてましたからね」

 

悟里は息を吐き椅子に座り、空間からペットボトルのカフェオレを取り出し飲む。

 

「1週間は安静ですね。任務に復帰は2週間後が望ましいですかね。まぁ、あくまで目安なんで、休む分には体が鈍らなければいくらでも休んだ方がいいでしょうね」

 

「安静ね、分かったわ。呪霊の方だけど」

 

「葵君とか憲紀君が組んで今からでも行けるとは思いますけど……あ、待ってください」

 

悟里がスマホで何やら調べる。そして大きく溜息をつきながら額を覆う。その様子を見ていた歌姫は怪訝な顔で

 

「どうしたのよ、悟里」

 

悟里はスマホを歌姫に見せる。そこには番組表が載っていた。そこには東堂葵が好きなアイドル高田ちゃんの番組が載ってあり、今から2時間もの番組だった。それを見て歌姫は察した。

 

「これは無理ね。東堂はテコでも動かないわ」

 

「二人で行ってくれたら楽できるのに、何で態々私なのかなぁ」

 

思わず愚痴を吐くと歌姫は

 

「アンタの兄同様に目をつけられてるからじゃない?タダでさえ特級4人中3人が東京に固まってるしね。……頼むから本当に京都校に来てよー悟里〜!アンタの授業も評判の良いしさぁ!」

 

項垂れながら悟里の肩を掴んで激しく揺らす。悟里は目を回しながらに

 

「で、でも実質的に!両方やってるみたいなもんじゃないですかー!仕方ない、パパっと祓って来ますから」

 

歌姫の拘束から逃れ、門を繋げて学外へ出る。そして、待っていてもらった補助監督を連れてその場所へと向かう。街中に近いという事で夜まで待ち

 

「ここね、時間帯的に観光客が居ないのが幸いね。それじゃあ、お願いしますね」

 

悟里がそう言うと補助監督は帳を降ろす。

 

「それなりの呪霊なら徹底的に疲弊させて傑さんへの手土産にしようかな」

 

悟里がニヤリと笑いながらに呟く。傑が家で悪寒が走ってクシャミしたのは言うまでもない。

 

「でも、そんな易い呪霊じゃなさそうだよね」

 

悟里の耳に妙な鳴き声が入る

 

"ヒョーヒョー"

 

非常に気味の悪い声で鳴く何かが、ゆったりと悟里の前に姿を現す。体に雷を纏い四足歩行の獣のような何かが悟里の目の前に降り立つ。

 

「なるほど、良くもまぁ、あの人たち無事とは言わないまでも生きて帰って来れたね」

 

頭部は猿、胴は狸、獅子は虎、尾は蛇の呪霊が悟里と相対する。

 

「特徴的には……妖怪の方の鵺とでも言った所かな?恵君連れて来て鵺対決とか面白そうかなだったかな?でも、まぁ、とりあえずこれ以上怪我人を増やされても面倒だし、悪いけど祓わせてもらうよ」

 

言葉を理解したのか呪霊もけたたましい咆哮をあげて悟里に襲いかかる。凄まじい速度で悟里の背後を取り、電気を纏った爪で引き裂こうとする。完全に不意を突いた初撃。今までの術師はこれに対応出来ずに深手を負った。だが、

 

「舐めすぎ、突っ込んでくるのは悪手だよ」

 

完全に不意を突いた一撃の筈のそれに対して、悟里はカウンターで呪霊の両腕を紙一重で躱し、呪力を纏った蹴りを腹部に入れる。呪霊は凄まじい勢いで何回も跳ねて地面を転がる。転がり止まった時に呪霊は悟里を探すが見失う。直後に体が引っ張られる感覚に襲われ

 

「術式順転・『朱』」

 

そのまま押しつぶされる程の重力の塊をぶつけられ地面に叩きつけられる。

 

「――!――!!」

 

起き上がろうとするが、起き上がる事ができない。そう感じると放電の攻撃に切り替えた。

 

「なかなかに賢いね!」

 

悟里は放電に対して後方に跳び躱す。なりふり構わずの放電に対して悟里は少し距離を置く。それと同時にようやく重力の束縛を逃れ、再び悟里に襲いかかる。今度は放電と自身の爪による前後の同時攻撃……だけではなく、尾の蛇の噛みつき。三方向の同時攻撃。だが、

 

「術式反転・碧」

 

悟里が左手を真横に伸ばしそう呟く。すると碧い呪力が迸り、呪霊と電撃を引き寄せる。引き寄せられた呪霊は、己の電撃に身を焼かれながら、強くなる収束に体をめり込まされていく。

 

「これで、終わりだよ!」

 

悟里がそのまま拘束した呪霊を何処からともなく出した刀の呪具で切り伏せようとする。呪霊は最後の抵抗と言わんばかりに尾の蛇で迎え撃つが、呪具の刀は蛇の尾を意に介さず、バターを切るように切り本体を切り伏せる。その結果呪霊は祓われ後には悟里だけが残る。

 

「さすが、五条家の秘蔵の呪具の一つ…倶利伽羅剣ね」

 

悟里は呪具を片付ける。帳の外に出て補助監督に呪霊を祓った事を伝える。それと同時に伊地知から連絡が来る

 

「もしもし?伊地知君?どうしたのさ」

 

『もしもし、お疲れの所申し訳ございませんが、悟里さんに新たな仕事が入りまして……次は至急東京に戻って来て欲しいとの事です』

 

「いや、まぁ、戻るけど…どうしたのさ?」

 

伊地知は少し申し訳なさそうに

 

『明日の学生の任務で乙骨憂太君と禪院真希さんを当てるとのことで、五条さんが休暇で富山に行くから、悟里を当てといてと……傑さんも別件の仕事で……。それと、五条さんと傑さんから伝言です」

 

「伝言?直接電話してくりゃいいのに……。なに?」

 

『五条さんからは「生八つ橋お土産よろしく」と、傑さんは「帰ってきたら、夕飯皆で食べに行こう。そしてお土産も買う余裕があれば私も生八つ橋食べたいな」との事です』

 

それを聞き悟里は京都の星空を見上げながらに大きく溜息をつき肩を落としながらも少し笑い

 

「……じゃあ、バカ目隠しに伝えといて、津美紀ちゃんの情報をしっかりとまとめて家入さんに渡して私にも送るようにって!!傑さんには……私からショートメッセージ入れとくわ。それじゃあ伝言よろしく」

 

悟里は電話を切り、時刻を確認する。時間的に土産屋が開いている時間では無いのは明らかなのを確認し、再度大きな溜息を着いたのは言うまでもない。




名前:倶利伽羅剣
等級:特級
効果:呪力を切ることが出来き、傷から呪力を流出させる。
備考:五条家が所有権を持つ特級呪具。悟里が蔵を漁っている時に見つけ出し、一応兄の許可を得て所持している呪具。悟里は状況に応じて天逆鉾と使い分けたり同時に使ったりする事もある。呪力を切るという性質上、呪霊対しては硬度を無視して切る事が出来る。

能力はぬら孫の祢々切丸を参考にしてます!
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