「昨日の任務どうだったんだよ傑?」
白髪にサングラスを着けた少年、五条悟が夏油傑に聞く。その様子は面白半分ならぬ、面白八割興味二割という形相だった。その話は反転術式を使える家入硝子も聞いていた。夏油は答える。
「ああ、私が現場に着いた時には、呪霊は愚か、廃ホテルすらも……影も形も無かった」
そう言うと
「はぁ?何言ってんだよ?じゃあ、任務の場所は間違えたのか?ダッセー!」
それを聞いが悟が夏油を煽るが、その煽りに乗らず
「最後まで聞け悟。厳密には、落ち合うはずだった呪術師が先に事を済ませていたんだ。生存者の確保、呪霊の掃討も手際がいいと言うか大胆と言うか、まさか建物ごと祓っているとは思わなったよ」
「何それーウケる。誰だったのその相方の呪術師」
「誰だよそんな頭のイカれた事をする呪術師は」
悟と家入は笑いながらに聞く。夏油は大きなため息を着きながらに答える。
「悟、君が頭のイカれていると言った呪術師の名前は五条悟里と言うそうだ。君の妹さんなんだろう?」
ピキリ! 空気が凍りつくのを感じる夏油はため息が出そうなのを堪えて二人を見る。
悟は固まり、家入は目を輝かせていた。十中八九弄るネタが出来たと喜んでいるのだろう。
「五条!妹居たの!何で言わなかったの?」
「あのバカ任務を安請け合いしやがって!怪我しても知らねぇぞ!?」
悟は悪態を着きながら頭を抱える。その反応を見て夏油と家入は少し距離を置きひそひそと話す
「え?五条ってもしかしてシスコン?」
「その可能性は大いにあるかもしれない。よく思い返しても……」
夏油と家入は思い返す。
『あのバカメール送ってんのに返信寄越さねぇ!』
『電話かけても出ねぇし、折り返しも無いって常識的にどう思う?』
『あ〜アイツが無視する。泣いて謝っても許してやんねぇからなぁ!』
そんな事を悟がのたまっていたと。もしも、それが妹、悟里の事だったとしたら
「ああ、合致するね」
「そうだねー」
「あぁん?何の話だよ?」
「「いや、別にぃ?」」
悟は少し顔をしかめながら夏油に質問をする。
「で、傑。悟里のやつは怪我とか無かったのかよ?」
「私が見る限りは無傷だったさ。何処かを庇っている素振りも見せずに、全くの無傷だったさ」
「そうか……。それならいいんだ」
悟は安堵のため息を着く。それに対して
「妹さんが心配なのは分かるが、彼女は強いんじゃないか?私が見た限りでも、呪力量に関しては私よりは上のように感じたし、歩き方でも相当な身のこなしができると思うけど」
「そうじゃねぇんだよ……。アイツは目を離すと色々無茶をするし、家の連中が色々任務を受けさせるんだよ……!それで過去に死にかけたことだって……」
それを聞いた傑は目を伏せ
「そうだったのか、それは心配するのも当たり前だね。すまない、私がもっと早く着いていれば負担を減らせたんだが」
「いや、傑は悪くねぇ。悪いのは家と悟里だからな。アイツは強くなる事に貪欲なんだよ。それ自体は良いんだが……。とりあえず、生存確認しねぇと死んでてもおかしくないような奴なんだよ」
それを聞いた夏油は怪訝な顔をする。夏油が見た限り、そんな素振りは見られなかった。会って話す時間が短かったためそう思っただけなのだろうかと。
「その割に、構いに行くと『クソ兄様』や『邪魔しないで』とか言うんだよアイツは!少し、アイツの甘味を食べたり手合わせで虐めただけなのにな」
それが原因で電話やメールが繋がらないのでは?と言いそうになったが、とりあえずは抑える。
「よし、とりあえずこの話はお終いだ!」
悟は手を叩き話を切りあげる。
「どうしたんだ、いきなり」
夏油は先ほどの空気と打って変わっていつも通りになった悟をみて驚く。
「どうしたもこうしたも無いって事だ。悟里のやつがなにかする為に強くなろうとしてるのは分かるし、最強の俺が鍛えたのもあるから……まぁ、大丈夫だろ」
「それで、その五条の妹はどんな感じの子なのさ?五条」
「あぁん?どんなんって、俺に似てとしか」
夏油は思い出したように携帯を触り、硝子に見せる。
「この子が悟の妹の悟里ちゃんだよ。私の右に写っている子が」
「へぇ〜結構と言うか、すごい可愛いじゃん。白髪と目の色が同じなのはやっぱ兄妹か」
「はぁ!?何で傑が悟里の写真持ってんだよ!」
悟が夏油の携帯を奪い取り写真を見ると、夏油と並んでピースをしている写真があった、それを見て悟は震える。手からは携帯がこぼれ落ちるが、夏油は瞬時に携帯を受け止める。
「なぁ?何でお前が悟里の写真を持ってんだよ?そして人の妹を捕まえて悟里ちゃんって気安く呼びやがって……!五条さんって呼べよ!」
(こ、ここまでのシスコンだったのか……悟のやつ)
と内心冷や汗をかいていた。だが、言い返さない夏油では無い。
「写真を持っている件は悟里ちゃんから記念に撮ろうと言い出したからだ。君たち兄妹で苗字呼びはややこしいだろう?それともちゃん付けで呼ぶのがダメなら悟里と呼ぼうか?」
「何それ彼女かよ!それなら五条の事は義兄様と呼ばないと行けないじゃない?」
「何を言っているんだ硝子、流石に悟義兄様と言わなくちゃ行けなくなるじゃないか」
家入は夏油の言ったことに笑いながらに突っ込むが、悟は静かにサングラスを外す。悟は怒りで呪力が迸り、六眼で夏油を睨みつけて
「外で話そうぜ?傑」
「寂しがり屋かい?一人で行きなよ」
呪霊を構えて臨戦態勢を取る。その時、
「授業始めるぞ」
夜蛾が入ってきたことで二人がぶつかり合うことは無かった。
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それから数ヶ月が経ち
「悟里様、行ってらっしゃいませ」
「うん、行ってきます」
五条悟里は呪術高専に入学する。等級は特級である。相当危険視されているんだろうなぁと考えていたが、悟里からしたらそこまで気にするほどでもない話なので頭の片隅にとどめる程度にした。
(確か、七海と灰原と同じ学年だよね?まぁ、しっかりしてる2人だし大丈夫でしょ。呪具も空間に入れてるし)
そんな事を考えて歩き、教室に向かうと既に二人の男子学生が居た。悟里は教室に入り、二人に向き
「おはようございます。初めまして、五条悟里と言います。これからも学生生活よろしくお願いします」
丁寧に挨拶をする。
「うん!初めまして!僕は灰原雄!これからよろしくね!五条さん!」
「貴女があの五条家の姫君ですか……。私の名前は七海建人と言います。よろしくお願いします」
「え!?五条さんってお姫様なの!?七海!」
「御三家の五条家のご令嬢、一年先輩の無下限呪術と六眼の抱き合わせの五条悟の妹さんですよ」
「物知りだね七海!」
黒髪の少年・灰原と金髪の七三の髪型の七海が自己紹介をする。その後七海が灰原に五条悟里に着いて説明する。
「ご存知とは光栄です。そして、これからよろしくお願いします……。最初に言っておきますけど、私のことは気軽に悟里と名前で呼んでください……」
そう言ったあと少し考える素振りをしてから、大きく息を吐き
「うーん、家の者は居ないし、別に良いか。ごめん、さっきの堅苦しいのは無し!改めて、呪術高専一年の五条悟里です!ひとつ上に兄の五条悟と言う私の兄がいるから、苗字だとややこしいから、名前で呼んで。これからよろしく!」
面倒くさくなったのか悟里は砕けた口調にする。それに面食らった二人だが
「分かったよ!これからよろしく!悟里さん!」
灰原は直ぐに順応したようだ。七海も
「……貴女がそういうのであれば分かりました。これからよろしくお願いします。悟里さん」
こうして悟里の呪術高専の生活が始まる。
「という事で、親睦会の為になにか食べに行かない?ハンバーガーとか!」
「いいね!行こう七海!」
「悟里さんはハンバーガー等いいんですか?」
「家の人はいないから問題なし!と言うか、私が食べたいんだよ!」
「……分かりました、そういうのであれば行きましょうか」
新1年生三人はファーストフード店で親睦会をする。
悟と悟里の仲は悪くは無いです。悟里は悟の事は信頼しているし、信用もしてます。だけど、昔からのいがみ合いで、素直になれない感じですね。