五条悟の妹は悲劇を変えたい   作:皐月の王

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懐玉―参

「すまない、私のミスだ。敵側にとっても黒井さんの価値を見誤っていた」

 

夏油は頭を下げる。現在、悟、悟里、夏油、天内は路地裏に身を寄せていた。そして黒井について話し合っていたのだ。

 

「ミスって程のミスでもねぇだろ。でもまぁ、相手は人質交換的な出方で来るだろ」

 

「まぁ、順当に考えればそうだよね。理子ちゃんと黒井さんの交換、もしくは理子ちゃんを殺さなければ……的なね。でも、主導権はコッチにあるでしょ?」

 

悟里がそういうと悟は頷きながらに続ける。

 

「ああ、だから取引の場さえ設けることが出来れば、あとは俺と傑でどうとにでもなる。悟里、お前は天内を連れて高専に連れて行け。そして、戻ってきて天内に変装しろ。背丈はそんな変わんねぇから騙せるだろ」

 

「それ遠回しにチビって言ってる?」

 

目を細めて悟を見る悟里。それと同時に座り込んでいた天内が声を上げる。

 

「取引には妾も行くぞ!!まだ、オマエらは信用できん!!」

 

それを聞いた悟は

 

「あぁ?このガキこの期に及んでまだ―――」

 

「助けられたとしても!」

 

天内は悟の言葉を遮り大きな声で言う。

 

「同化までに黒井が来なかったら!?……まだ、お別れも言ってないのに……!?」

 

スカートを強く握り、涙を流しながらに言う。1番天内にとって身近な人物が黒井である。その人物に別れを言うことなく同化するとなると心残りが残るのは言うまでもない。

 

悟はそんな彼女を見て

 

「その内、拉致犯から連絡が来る。もし、アッチの頭が予想を上回って、天内を連れていくことで黒井さんの生存率が下がるようなら、やっぱオマエは悟里と高専に行ってもらう」

 

それを聞いた天内は目の涙を拭い覚悟を決めた表情で

 

「分かった、それでいい」

 

そう答えた。

 

「逆に言えば途中でビビって帰りたくなってもシカトするからな。覚悟しておけ」

 

そして四人が動き出し、護衛二日目

 

「「めんそーれー!!!」」

 

沖縄の海ではしゃぐ天内と悟の姿が見られた。そしてその後ろを黒井と夏油が見ている。悟里は……

 

「なんか、釈然としないんですけど?」

 

「どう考えても一年に務まる任務じゃないでしょ」

 

「僕は燃えているよ!夏油さんに良いとこ見せたいしね!」

 

一年生三人が空港を見張っていた。勿論、呪詛師に空港を占拠されないようにするためである。悟里が空港組に入ったのは、同じ一年の二人の負担軽減が主だった理由である。天内を守るのに悟と夏油がいれば大丈夫と悟が言い出したからというのもあるが。

 

「それに、いたいけな少女のために先輩たちが身を粉にしてがんばっているんだ!!僕達が頑張らない訳にはいかないよ!!」

 

「台風が来て空港が閉鎖されたら頑張り損でしょう」

 

「縁起でもないこと言わないでよ。そうなったら私が高専との門を繋げないとだし。まぁ、私たち三人がいれば何とかなるでしょ」

 

一年生三人は話をしながら空港を見て回る。お土産コーナーを見たり、パンフレットを見たりと時間を潰す。そして……

 

「あっ!七海!悟里さん!滞在1日延ばすって!!何かあったのかな!!」

 

ピキっと固まる七海と肩をすくませる悟里。

 

「とりあえず、ホテルの部屋取ろうか。明日の帰りにはまた向こうに合流するし、休める時には休みたいしね」

 

悟里は携帯でホテルに連絡を取り、二部屋を確保する。

 

(今頃思い出作りで楽しんでだろうなぁ。本当に、どうして空港の警備してんだか……)

 

ガックリと肩を落としながらに小さくため息をつく悟里が居た。そして、その日の夜。悟が泊まっているホテルのベランダに密かに術式を使い行く。

 

「こんな時間に何の用だよ?悟里」

 

それを察知したのか悟が戸を開けて出迎える。

 

「妹が兄様の様子を見に来るのが変かな?飲み物位は持ってきてるよ?」

 

「気が利くな。まぁ、座っていけよ」

 

そして二人でジュースを飲みながらに話す。

 

「いよいよ明日だね」

 

「そうだなぁ」

 

「寝なくても大丈夫?」

 

「傑もいるし、桃鉄99年よりかは遥かにマシだ。それはお前も知ってるだろ?」

 

それを言われた悟里は顔を顰める。悟里も桃鉄99年の経験者だ。内心はもう二度と桃鉄をしてたまるかという気持ちが大きいが、やりと遂げている。

 

「ま、まぁ、そうだけどさ」

 

「なら、無用な心配だという事も知ってるだろ?」

 

手をプラプラする悟に対して悟里はため息をつき

 

(消耗を抑えることは難しいか。なら、勝負は高専の結界内に入った時だね)

 

密かに心を決めた。そしてジュースを飲み干し

 

「じゃあ、また明日空港で、高専に着くまでにへばらないように」

 

「誰に言ってんだよ?そのくらい余裕だっつーの」

 

それを見て悟里はベランダから出ていき

 

「じゃあ、お休み」

 

「おう、しっかり寝ろよな」

 

そして夜が更けていく。何事も無く時間が過ぎ、フライト中に天内の懸賞金の制限時間は過ぎ去る。

 

護衛三日目 同化当日 都立呪術高専 筵山麓

 

時刻 15時 懸賞金取り下げから4時間経過

 

「皆お疲れ様、高専の結界内だ」

 

「これで一安心じゃな!!」

 

「……ですね」

 

安心を喜ぶ天内と同化の時が来たことを寂しく、悲しく思う黒井が居た。そんな隣を五条兄妹が立っていた。

 

「兄様お疲れ様」

 

「悟、本当にお疲れ様」

 

その言葉をかけると同時に、悟里の双眸が紅くなる。しかし、誰も気づかない。そして

 

(……現状1番近くて届く可能性)

 

そして……

 

「二度とごめんだ、ガキのお守りは」

 

「お?」

 

無限を解いた兄に少し横から寄りかかり、思いっきり押す。

 

「んだよ!じゃれて……来んなよ……悟里?」

 

微笑ましい兄妹の戯れじゃなく。それは、悟里が引き寄せた未来。

 

「狙い……通り…!」

 

誰もが予想外だったが、イレギュラーである悟里だけが知っていた事であり、尚且つ眼を使う事で引きずり出すことが出来た。

 

「馬鹿な!!ここは、高専結界の内側だぞ!!」

 

襲撃者の刀は背後から悟里を貫いていた。悟里は冷や汗を流しながらにに刺した主を見ながらある日の冬の日を思い出す。

 

雪が降る道を悟と使用人と三人で歩いている時に、悟が振り返る。それにつられて悟里も振り返ると口元に傷のある男が遠目に立っていた。悟は少し見て悟里は

 

(ここか、伏黒甚爾と悟との出会いは)

 

過去の記憶を呼び起こして居た。そしてニヤリと笑い。

 

「は、初めまして…いや、二度目かな…?悪いけど……兄様は刺させないよ?」

 

「俺の事を覚えていたのか?それは光栄だな、五条家の姫君」

 

イレギュラーな二人が今ここに対面する。

 




名前:五条 悟里(ごじょう さとり)
性別:女性
年齢:15
等級:特級呪術師
術式:重天呪術
呪力量:五条悟、乙骨憂太より多い
呪力効率:非常に良い
趣味・特技:料理(主にお菓子作り)・アニメ鑑賞
好きな食べ物:甘い物
嫌いな食べ物:苦いもの
ストレス:過度に関わってくる時の兄
備考:五条悟の妹であり、転生者。遷延眼
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