【本編完結】ロックバンドにハマったという一人暮らしの息子を訪ねたら「おしゃけしゅきぃ~っ」と寝言を呟く酒カス美女とベッドで眠っていた。   作:SUN'S

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今どきJK喜多ちゃんは「わたし、先輩の赤ちゃんになりたい」と真顔で言った。尚、それに山田リョウは首を横に振って拒否した

きくりさん、かわいすぎないか?

 

俺は「STARRY」にやって来ては伊地知店長やPAさんとにゃんこのごとく荒ぶっている三人を横目で見ながら開店準備を進めていると山田にくっついた赤髪の女の子を見つけた。

 

いったい、どうしたのだろうかと考えながら虹夏ちゃんに聞けばゲリラライブに飛び入り参加したところを見られていた挙げ句、山田によく分からない理論を話しているそうだ。

 

「リョウさんの赤ちゃんになりたい」

 

ウ~ン、ヤバくね?

 

チラリと虹夏ちゃんを見る。

 

どこか可哀想なモノを見つめるように山田と女の子を見ているけど。俺は虹夏ちゃんが小声で「良かった、これでリョウは脱落だ」と呟いているのをハッキリと聞いてしまった。

 

「ばぶぅ」

 

「お兄さん、助けて」

 

「えっ、むり」

 

「そんな…!」

 

とりあえず、山田は見捨てるとしてだ。顔とベースの腕前だけは最高ときくりさんに褒められていた山田と女の子の間になにがあったのかを俺は不本意ながら知らなくてはいけない。

 

「コホン。あーっ、君はだ「うるさい!リョウさんの鼓動が聴こえないでしょ!!」………虹夏ちゃん、こいつはあれだ。ただの変態だ」

 

「へ、へんたい!?」

 

「にじか、たすけて」

 

「ばぶぅ…ままぁ…」

 

すりすりと山田に身体を押しつける謎の女の子の対処に困っていると虹夏ちゃんがカウンターからなにかを持ってくるのが見えた。おお、なにか使えるものを見つけたんだな!

 

しかし、俺の予想はハズレた。 

 

虹夏ちゃんは伊地知店長の愛用するクマさんタオルを思いっきり振り抜き、バチィンッ!!という破裂音を店内に響かせて山田と女の子を殴り倒した。………虹夏ちゃん、さすがにソレはダメだぞ。

 

「さ、さつじ、ん、タオ…ル…」

 

「いたぁ………ハッ、ここは!?」

 

山田はもろにタオルをぶつけられたせいで気絶しているが、女の子のほうは無事に正気を取り戻してくれたようだ。

 

ほんとに良かった。

 

いきなり俺が話しかけるのは事案っぽいので虹夏ちゃんに任せる。こんなことやってるのにきくりさんたちは楽しそうにジャンケンをしている。俺の所有権とか言ってるけど。

 

俺はきくりさんので、きくりさんは俺のだから。そんな争いをされてもフツーに困るし、伊地知店長やPAさんとは友人のつもりです。

 

「ミツルくんミツルくん」

 

「ん。どうした?」

 

「はじめまして、リョウさんの赤ちゃんになるつもりの喜多です!!ぜひリョウさんを魅了するという魅惑のお弁当の作り方を教えてくださいね、ミツルさん!!」

 

「虹夏ちゃん、どういうことかな?」

 

俺がそう問い掛けると彼女はぷいっと視線を反らす。えーっ、どうすりゃあいいんだ?べつに俺は山田のためにお弁当は作ってないんだが?

 

 

 




〈喜多ちゃん〉

女子高生。 

山田リョウの赤ちゃんになりたい女の子。そのために羽佐間ミツルの料理を習得し、山田リョウの胃袋もろとも彼女を手に入れようと奮闘している。ちなみに赤ちゃん発言はガチである。

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