【本編完結】ロックバンドにハマったという一人暮らしの息子を訪ねたら「おしゃけしゅきぃ~っ」と寝言を呟く酒カス美女とベッドで眠っていた。 作:SUN'S
どうもミツルのお母さんです。
今日こそミツルに会おうと部屋を訪れたらきくりさんだけでなく金髪美女もいた。もしかして、私の息子ってプレイボーイというやつなのかしら?と考えながらタバコを吸っている金髪美女に話し掛ける。
「………ども」
なるほど、クールビューティーってやつね。
とりあえず、よろしくね。
ちらりときくりさんを見る。この前とおなじで唸りながら寝ているので背中を擦ってあげる。しかし、きくりさんがミツルの彼女なら、この金髪美女は誰なのだろうかと考える。
「あーっ、アタシはミツルの働いてるお店の店長をやってるんで、そこまで考え込まなくて平気ですよ?男手があるとこっちも助かるので」
あら、そうなの。
………ちょっとだけ残念だわ。
また、どっちもどっちなヤニカスと酒カスではあるし、そこまで深く考えるのもだめよね。えぇ、そうよ。いくらミツルがプレイボーイだからって二股するなんて有り得ない……と信じたいわね。
ところで、店長さんはなぜここに?
「……こいつのお守りです」
あら、そうなの。
てっきりミツルに会いに来てるのかと思ったんだけど、そうじゃないのね。私はそう言って安堵するように息を吐く。ただ、店長さんがビクッと身体を震わせたのは見逃していない。
「…うむぅ、みっくぅん……」
「アタシはミツルじゃねえよ」
「ぶみぃ…」
どこか呆れたように店長さんはきくりさんの鼻をつまみ、直ぐに手を離した。ちょっとしたイタズラなのは見ていてなんとなく分かったわ。
こういうのを仲良しっていうのよね!
そんなことを言ったら「いや、仲良くはないっす」と返された。でも、ずいぶんときくりさんは落ち着いている見えるけど。ほら、なんていったかしら。えーっと、あれよ、きくりさんは安心できるのよ、店長さんがいても。
普通の人は他人が近くにいるとうまく眠れないって言うじゃない?と私は店長さんと話しながらきくりさんが起きるのを気長に待っていると店長さんが「やっぱ、にてるな」と呟いた。
ふふん、そうでしょうとも!
「あ、忘れるとこだった。伊地知星歌です」
はい、こちらこそよろしくね、星歌さん。
私のことはお義母さんと呼んでくれてもいいけど、そのときはきくりさんやミツルとしっかり話し合ってからにしてね。そう言うと星歌さんは「……はい」とつぶやき、またきくりさんの鼻をつまんだ。
もしかして、仕返しなのかしら?なんて考えながら星歌さんときくりさんのやり取りを静かに見守る。…そういうのも流行ってるのだろうか。
〈伊地知星歌〉
義理の娘(?)。
息子のアルバイト先の店長さん。どこかツンツンとしているけど、とても優しそうな金髪美女だ。もしものときは二人と相談して決めてもらうつもりなので、彼女達の関係は見守っていく予定。