【本編完結】ロックバンドにハマったという一人暮らしの息子を訪ねたら「おしゃけしゅきぃ~っ」と寝言を呟く酒カス美女とベッドで眠っていた。   作:SUN'S

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今日も元気に喜多ちゃんは「リョウさん、好きです!」と言って騒いでるけど。アホの子な喜多ちゃんはベースとギターの違いが分からない

私は喜多いくよです!

 

現在は山田リョウという運命の人と一緒にいるためにギターとボーカルの練習をしているのですが、まったくどういう訳なのか。

 

リョウさんが教えてくれた通りに音は鳴らず、まったく上手くなっている気がしません。どうしよう?なんて考えるよりも行動しよう!

 

「というわけなので助けてください!」

 

「喜多ちゃん、何時だか分かってる?」

 

「朝の6時です!ごめんなさい!」

 

「ウン、まあいいよ。あがる?」

 

そう言って私を招き入れてくれるのはリョウさんの胃袋を掴んで離さない羽佐間さんという大学生のお兄さんです。なんでもお酒屋さんの跡取りで、すごいお金持ち?だとリョウさんは言っていました。

 

ちゃんとリョウさんの声はボイスレコーダーに記録しているし、しっかりと文字に写し替えたり、保存用と保存用の保存用と布教用の音声も作っているので紛失しても安心できるようにしています。

 

「羽佐間さん、これはもしや!?」

 

「ん。ああ、山田の靴だけど」

 

やっぱり、これはリョウさんの靴だ。

 

………ということはここに?ちらりと羽佐間さんを見れば居間の方ではなく寝室かもしれない部屋を指差している。この部屋にリョウさんがいる!

 

そんな期待と歓喜を抱きながらドアを開けるとリョウさんがいた。あとパジャマ姿の綺麗なお姉さんもいた。この人が羽佐間さんの奥さんなんだ。すっごく綺麗な人なのに、なんでだろうか。

 

ものすごく怪しく感じる。

 

「喜多、なぜここに?」

 

「リョウさんに会いたくて!……というのもありますけど。ちゃんとしたギターの練習をしようと羽佐間さんのところに来たんです」

 

「………いや、それベースだけど」

 

「えっ?」

 

「えっ、知らなかったの?」

 

ど、どうしよう。リョウさんにギターとベースの違いも分からないバカだと思われたりしたら……。あ、だめだ。もう生きていけない。

 

「……とりあえず、座る?」

 

「喜多ちゃん…だっけ?リョウちゃんとはお友達なのかなあ?」

 

「あ、いえ。私は赤ちゃんです」

 

「ん?ん?」

 

私の一言に奥さんは困惑する。

 

べつに普通のことを言っているんだけれど。リョウさんもなんで溜め息を吐いてるんだろ?なんて考えていると羽佐間さんがやって来た。

 

「ちょっと早いけど、朝ご飯だ」

 

「わーい、みっくんのごはんだあ」

 

「お兄さん、今日も大盛りで…!」

 

「え、えと、私は糖質が………」

 

「「「朝はちゃんと食べるべき」」」

 

そう三人に言われてしまった。

 

うぅ、これで太ったら羽佐間さんのせいですからね?と文句を言いつつ、朝からグリルで魚の塩焼きにしているのか、とっても食欲を唆られる香ばしい匂いが漂ってくる。

 

まさか最初から美しかったリョウさんの身体が、さらに女性特有の美しさを醸し出すようになったのは羽佐間さんのおかげ!?

 

 




〈喜多ちゃんは食べ盛り〉

喜多ちゃんの生態。

山田リョウ大好きな喜多ちゃんは彼女の美しさを誇張無しに受け止める山田リョウちゃん信者だ。彼女の傍にいるためさらに女の子らしさに磨きが掛かってきている。ちなみにウソ吐いたのは怒られた。

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