【本編完結】ロックバンドにハマったという一人暮らしの息子を訪ねたら「おしゃけしゅきぃ~っ」と寝言を呟く酒カス美女とベッドで眠っていた。 作:SUN'S
私の親友と後輩は敵だ。
ほんとに敵対してる訳じゃないけど。
ミツルくんと仲良くしてるだけじゃなくて、まさかお姉ちゃんを差し置いてお泊まりしてたなんて、ずる…予想外だ。
そういうことするなら私も呼んで……じゃなくて、リョウは元から怪しかったけど。お姉ちゃんより十歩、いや百歩くらい先を行っているのは驚いたし、それなりに納得はできた。
「リョウ、喜多ちゃん」
「なに?」
「なんですか?虹夏先輩」
「ミツルくんと不倫してるの?」
「「いや、それはない」」
二人は私の問い掛けを即答で否定すると「お兄さんはきくりさん一筋みたいだし、それに私のダイエット料理も作ってくれるし」「羽佐間さんときくりママは優しいですけど。さすがに割り込んだりするのは無理ですよ、あと私はリョウさんとそうなりたいです」なんて言う。
リョウのはわかった。
けど、やっぱり喜多ちゃんは怖い。
リョウもまだ諦めてないのかと言いたげな視線を向けてる。そりゃあ確かにリョウはかっこいいし、スタイルも…最近は女の子らしさが増してるから…まあ、ほあれだけど。
兎に角、喜多ちゃんはとても怖い。
「ゴリマッチョのにじえぷぎゅう!?」
「アハハーッ、誰がムキムキマンウンテンゴリラサイクロプスだってぇ!?」
「いや言ってませんよそんなこと!?」
私はソフトクリームを食べ終えてご満悦になっているリョウの顔、とくに頬っぺたを真正面から片手で鷲掴みにしながらにこやかに笑う。
まったく、そういうところだぞ☆
そう呟きながらリョウに詰め寄っていると喜多ちゃんが「リョウさんの美顔が潰れちゃいます!せめて、せめて潰す前に写メらせて!!」と騒いでる。
「そこは止めてあげなよ…」
「ぷはぁ…やっぱり虹夏は「ん?なに?」な、なんでもないから手をワキワキしないで」
むう、ちょっとやりすぎたかな?
そんなことを思いながら二の腕や肩の近くを触ってみる。べつにリョウや喜多ちゃんとそんなに変わらないと思うんだけどなあ?
なぜか二人に睨まれた。
「虹夏、それは戦争だよ」
「なんで!?」
「そうですよ。虹夏先輩、いくら自分がゴリゴリのマッスルレディになりそうだからってか弱い私達を巻き込んだら、戦争になりますよ?」
「だからなんで!?」
そんな変わらないよ!?
えっ、いや、変わらないよね!?
…………どうなんだろ。
えっ、ほんとに私ってマッチョなのかな?それともリョウと喜多ちゃんが私を騙そうとしているだけなんじゃあ……。
「そういえば私ってギターとボーカルを素人のクセに兼用じゃないですか」
「うん。べつに怒ってないよ?」
「それがどうしたの?」
「うちの学校に…おそらく?たぶん?もしかしたら?軽音部に入部してないと思う、ギターの女の子がいるみたいなんですよね」
「「ほほう?それで」」
「リードにどうかなあ…なんて」
なるほど、それはありだね。ボーカルとしては満点の喜多ちゃんを支える、もう一人のギターを加入させるってわけだ。
うんうん、すごくいいね!
〈ウワサのギターちゃん〉
喜多ちゃんの話。
どうやら喜多ちゃんの通う高校にフリーの全身ピンク色のギターちゃんがいるそうだ。もしかしたら四人目のメンバーになってくれるかも?