【本編完結】ロックバンドにハマったという一人暮らしの息子を訪ねたら「おしゃけしゅきぃ~っ」と寝言を呟く酒カス美女とベッドで眠っていた。   作:SUN'S

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ぼっち・ざ・ろっく!
自称・武道館を埋めちゃった女こと後藤ひとりは「ふひょえっ!?」とそれはそれは盛大にビビった。尚、彼女はぼっちなので対人耐性0である


ウワサのギターちゃんについて。

 

まず彼女はひとりで過ごしていることが大半であり、授業中も一生懸命にノートに写しているというのは調査済みであるが。如何せん交遊関係の希薄さ……というよりも彼女はぼっちのようだ。

 

その全身ピンク色というファンキーな見た目、よく見れば美少女な顔立ちなんだけど、彼女は猫背なので判断し難かったうえに唐突に笑ったり落ち込んだりするので、どうやって彼女に接近すればいいのかは不明である。

 

「ねえ、後藤さん!」

 

「ふひょえっ!?」

 

私の呼び掛けにびくんっ!!と身体を跳ね上げ、おろおろとしながらなにかを言おうとしている彼女を見ているとなんだかイジメっ子の気持ちが分かるような気がしなくもはい。

 

いやいや、私にはリョウさんがいるし。

 

確かに、後藤さんは可愛いけど。いや、ほんっとにかわいわね。えぇ……なんで、こんなにかわいいのにぼっちなのかしら?髪の毛で顔は見えにくいけど、小動物みたいでキュートだし。

 

…これはいいわね。

 

「ちょっと私とお話しない?」

 

「…ゥッ…アヒュッ!…ハヒィッ…ウェッ……オヒゥッ…」

 

…………ウン、いいわね。

 

リョウさんとは違ったベクトルで私のハートにぶっ刺さってくるわ。こういう感じの、よわっちい女の子も私的にもありね。

 

そんなことを考えながら後藤さんがいつもギターを弾いているというウワサの廊下の隅っこに座り、彼女が落ち着くまで待ってあげる。…あげるって言い方は、ちょっと違うのかな?

 

「……ウヒッ…ぇと……あなたは?…」

 

「あっ、そうだった。私は喜多っていうの、よろしくね。それで単刀直入になるんだけど。後藤さん、うちのバンドに入らない?」

 

(うぇっふひえっこれどういう状況なんだろ!?いきなり話しかけられたらバンドに誘われちゃうとか夢かな?夢見てるな、うん、これは夢か。そうだよなあ、そんな簡単にバンド組めるわけないし……)

 

「後藤さん?後藤さーん?…………とりあえず、放課後また誘いに行くから考えておいてね。あ、これ私のメルアドと電話番号とSNSの名前とメールアプリのIDね?なくしちゃだめよ?」

 

よし、これでリードギター確保!!

 

あとは四人で練習しながら上手くなっていけば良いし。ウンウン、今日はすごくついてる日だ。……これは、ひょっとしたらひょっとして、リョウさんにも可愛がってもらえたりするかも!?

 

私はウキウキとしながら後藤さんをつれて「STARRY」に行くのを楽しみに放課後まで、しっかりと勉強したりお弁当を食べたりお友だちとおしゃべりしたりして、その日を楽しく過ごす。

 

 

 




〈後藤ひとり〉

自称・武道館を埋めた女の子。

秀華高校に通っている女の子で、じつは「後藤さんは可愛い」と密かに評判になっているけど。そんなことを教えてくれるお友だちはいないので、チラチラと見られていることにも気付いていない。ちなみに夢でも妄想でもなかったことにビビり、校門近くで普通に爆発した。

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