【本編完結】ロックバンドにハマったという一人暮らしの息子を訪ねたら「おしゃけしゅきぃ~っ」と寝言を呟く酒カス美女とベッドで眠っていた。 作:SUN'S
私は後藤ひとり、ギタリストです。
そこそこユーチューバーとしても成功しているし、先日はスーパー陽キャ人の喜多ちゃんから一緒にバンドをやろうとお誘いを受けたり、ほんとに色々な出来事が連続して起こっている。
ひょっとしなくても私の運気があがってるのでは?と思いながら、私は学校で喜多ちゃんとこっそりとギターを練習しています。
まだギターを始めたばかりという彼女の可もなく不可もない安定したリズムの良さに驚きつつ、プロデビューを控えているお姉さん、それからバンドの先輩に教えて貰っていると自慢された。
けど。その二人はベーシストなので「本格的にギターを教えてもらってるのは後藤さんだけよ」と彼女は楽しそうに笑って言う。
ただ、どうしてだろうか。
喜多ちゃんの笑顔を見ていると胸がキュンと高鳴ったりするときがある。まさか、これが心不全!?と不安になってお父さんに聞いたら、なぜか物凄く泣かれてしまった。
「後藤さん、おはよう!」
「ウッ…アッアッアッ…クヒィッ!!…おは、おはははよ…」
「フフ、ゆっくりでいいわよ」
「アッハイ……きたちゃ、おはよござます…」
「うん、おはよう!」
今日も挨拶してもらえた。
私の最近の楽しみは動画投稿と喜多ちゃんとお話しすることかもしれない。そんなことを考えていると、とっくに教室の前まで来ていた。
あっ、あっ、うぅ…喜多ちゃんにふれる話題がない。ギターのことでお話はできるけど。それだと練習やお店で合わせているときに使う話題が…。
「(いや、そもそも喜多ちゃんみたいに可愛くて誰とでも仲良くなれるような女神様としか思えない女の子に私が話題をふったりしていいのかな?いっそのこと喜多ちゃんに私の全権を、あっだめだ。喜多ちゃんに『そんなのいらない』って言われたら確実に戻れなくなるくらい身体が弾ける)…………オウェッヒックピュウイィォォウィィッ!!!」
「どうしたの後藤さん!?」
「……アッナンデモナイデス」
「それならいいけど。あんまり無茶したりするのはだめよ?後藤さんはとってもかわいい女の子なんだから!」
こうやって喜多ちゃんに肯定してもらえるだけで私の意地汚い承認欲求は満たされてます。最近はモンスターになるのも一週間に5回くらいまで減りましたし、喜多ちゃんのおかげです、ありがとう。
「後藤さん、今日もバイト行ける?」
「(いやです、行きたくない!)アッハイ」
「やった!」
今日も喜多ちゃんは太陽みたいに笑う。
〈スーパー陽キャ人〉
喜多ちゃんの呼び名。
秀華高校の天使。イソスタ使い。沢山の呼び名や異名を持っている喜多ちゃんに新しく加わった呼び名のひとつ。基本的に喜多ちゃんを誉めるときに、ひとりちゃんが使うことが多い。