【本編完結】ロックバンドにハマったという一人暮らしの息子を訪ねたら「おしゃけしゅきぃ~っ」と寝言を呟く酒カス美女とベッドで眠っていた。 作:SUN'S
どうもミツルのお母さんです。
お昼に訪ねるのはやめて夜遅くに息子の部屋に行ったらピアスを開けた怪しげな美女が星歌さんやきくりさんと一緒にお酒を飲んでいました。こういうときは、どうすればいいのか。
ちょっとお母さんには分からない。
っていうか。とうとう三人目が現れたことにお母さんはビックリしすぎて叫びそうです。えぇ、まさかミツルが二股じゃなくて三股もするドブカスクソ野郎になっているなんて予想外すぎる。
「こんばんは、どなたですか?」
「この前話したろ、ミツルのお母さん」
「あ゛~っ、ままだぁ…」
「ミツくんのお母さんなんですか」
どうもミツルのお母さんです。
えぇっと、あなたもミツルの彼女でいいのかしら?と問い掛ける。すると、にこやかに星歌さんを見たかと思ったら直ぐに私に向き直って、私にゆっくりとぺこりとお辞儀をした。
「初めまして、私が本当にミツくんとお付き合いしているPA…本名は結婚の挨拶のときにしますのです。それでこっちとあっちで酔っぱらってる二人はただのせむぅっ!!」
ニコニコと笑っていた怪しげな美女が吹き飛んだ。枕と服を丸めたもので攻撃されたのか。ごろりと床に倒れてしまった美女を見下ろしつつ、私は星歌さんときくりさんに振り返る。
もう、そういうのはだめですよ?
三人とも女の子なんですから怪我したらどうするんです。ミツルの貯金だけで暮らせるほど世の中は甘くないのよ。いや、星歌さんは経営者だからセーフと考えていいのかしら?
ところで、本当はだれが?
「いや、こいつですよ」
「うへへへっ、かのじょどぅえーす」
すごい酔ってるけど、大丈夫なの?
「いつもっすよ、こいつは」
「あうっ」
そう言って星歌さんはきくりさんの頭をペシッと叩き、彼女の飲んでいたお酒を奪い取るなり、いっきにお酒を飲み干した。
星歌さんもお酒がすきなのねえ…。
………そういえばミツルは?
「「「追っかけしてる」」」
そこは三人とも揃うのね。と、私は密かに思いながら今日こそミツルに会って誰が私の未来の娘になるのかを教えて貰わないといけない。
せめて、実家は継いでほしい。
「…なにかやってるんですか?」
うちは古い酒屋なのよ。とはいってもそこまで有名じゃないし、小さくて少量のお酒しか売ってないし、ネットもやってないから地元でばっかり売ってるわねえ。あ、これがそのお酒ね?さすがに売り物じゃないからラベルはついてないけど。
「…これ香り的に純米ですか?…」
「おしゃけっ!!」
「たぶん、お高いやつですよねこれ」
ふふふ、みんな驚いてるわね。
そうですよ、純米のお酒です!
ミツルに飲ませようと思っていたんですけど、ロックバンドに現を抜かしているようなのできくりさんたちで飲んじゃっていいですよ。
〈PAさん〉
義理の娘(?)。
怪しげな黒髪の美女。ミツルの本当の彼女を名乗るも伊地知星歌と廣井きくりに妨害されたため真偽は不明である。しかし、彼女からは星歌さんのような諦めの気配はなかった。