【本編完結】ロックバンドにハマったという一人暮らしの息子を訪ねたら「おしゃけしゅきぃ~っ」と寝言を呟く酒カス美女とベッドで眠っていた。 作:SUN'S
私と郁代は太った。
全体的に太るのではなく。局部的に太るように努力を重ねに重ねて、私たちはぼっち並みにでかくなったと断言できる代物を手に入れた。
恨めしそうに私たちを睨みながら自分の胸をペタペタと触っている虹夏に勝ち誇る。ふっ、その程度の戦闘力で私に勝てると思ってるのか?
「イデデデッ…とれるとれる!?」
「あははーっ、もぎ取っちゃうぞ?」
「うわあ、だいたんですねえ」
「(ヒッ、ヒエエェッ!!!リョウさんのあれが虹夏ちゃんに引きちぎられちゃう!?も、もしかして、このあと私もあれをされるの!?や、ややややややっぱり、やっぱり歌詞の納期に遅れたから、あんな風にみんなにリンチされるんだ!!)」
今日も荒ぶっているぼっち。
私たちと目を合わせて話せるようにはなってきたけど。郁代いわく「まだ、学校では話せてないですね。みんなも話したいですけど、やっぱりひとりちゃんが破裂するので」だそうだ。
あの破裂したり変身したりするのを治せれば普通に美少女として通用するだろう。いや、もともとぼっちは外見はかわいい。大体、悪いのはあのフリーズする悪癖だと私は思う。
「あ、そうだ。ひとりちゃん!」
「ふひぇい!」
「また遊びましょうね!」
「は、はいぃ…」
「郁代、ぼっちとどこかいったの?」
そう郁代に訊ねると眩しい笑顔で「はい!この前のお休みの日にひとりちゃんと一緒にショッピングしてきたんです!ほら、これとか!!」と言いながら詰め寄ってきた。
どうどう、おちつけ。
とりあえず、私も虹夏も逃げたりしないし。あとぼっちのお洒落してる写真は店長に売り付ければお金になるはずだよ。
「リョウさん。ひとりちゃんの可愛い写真は全部私のですよ?いくらリョウさんでも言っていいことと悪いことはあるんです」
「あ、はい」
どうしよう。
郁代もめんどくさい。
そんなことを考えながらぼっみの写真を見せてもらおうとする虹夏と星歌さんを見つめる。やっぱり、似た者姉妹だね。
「……ところで虹夏」
「なに?」
「今度のライブっていつやるの?」
「えっ、私はいつでもいいよ?」
「じゃあ、ぼっちの学園祭で」
「ふひょっ!?む、むり「やります!ねっ、ひとりちゃん!!」ふぁあい」
ふむ。そうなるとお兄さんもきくりさんをお呼びするのは大丈夫そうだな。まあ、ぼっちがお兄さん以外とまともに関わりをもてるのか。
それが問題だけど。
それはそれで今さらに思える。…………郁代はなんで張り切ってるんだろうか?と虹夏に聞けば「あーっ、あれだよ。いつものやつ」と言われて、悔しいけど納得してしまった。
〈学園祭に向けて〉
結束バントの目標。
みんなの見ている前で演奏すれば自信もつくよね!というスタンスでひとりちゃんと喜多ちゃんの通う秀華高校に乗り込むようだ。