それは、唐突に起こった。ある日、自転車に乗って下校していた時のことだった。自転車を漕いで校内を走り回る。それだけで楽しい物だったのだが、変な教室に来た。頭がハテナしてると変なものも飛んできた。おや、あれはキョンという人物に、姉がよく言う委員長?っぽい人。眉毛がトレードマークと聞いていたが、思ったよりトレードマークをしていらっしゃる。
「…」
「貴方、涼宮さんの…」
「ちょ、お前どっから入ってきた!?」
「ふふん…何この空間、知らん。助けて」
「え?」
「は?」
「とりあえず…どんな演劇か知らんが、文化祭にはまだ気が早いわぁぁぁ!」ギコギコ
「嘘でしょ!?」
「そのままだと轢いちまうぞ!?」
「なんてね」スッ
わ、綺麗な机。机。机。机。つ…ん?あ、これ俺の方に向かってんのね。うん。え。ん?は?理不尽な!!耐えられるかよそんなの!!うおおお!!ウィリー走行で耐えろ!あ、無理横からも飛んでくる!これぞ本当の横槍ってね!
「ぐぇっ」
「嘘」
「ウィリー大回転走術!!」グルグル
「物理法則を知れ!」
「私の空間なのに…!」グッ
「おお!?回転が止まった!?何々!?フォ○スの力的な!?」
「何あいつ、すごいノリ軽いんだけど」
「あ、ちげえ!チェーンぶっ壊されてる!降りるしかねえな…」
「あら、純粋な体術で私と戦えると思ってるの?これだか」
「俺もフォ○スの力ぁ!」グッ
「ぁっ!?」
「…なんなんだ、この厨二病全開の戦いは…」
「…?フォ○スの力使えるなら自転車治せるじゃん」グッ
「やめろ、フォ○スの力はそんな力じゃない」
「あ、本当だ…」
これ、姉ちゃんからもらった結構お気に入りな奴なんだけど…ぶっ壊れちった…え…どうしよ…あいつ…フォ○スの力でぶっ飛ばすしかねぇ!!うおおおお!!フォ○スの力!!
「…あれ?」
「残念、ここは私の情報制御下だから、諦めるのが一番」
「…あ、なんだ回るじゃん」
「えっ」
「よーし乗れキョン」
「乗れ…乗れって言ったって、お前…」
「じゃあ俺だけだっし」
「だーめ」バチィンッ
「っだぁっ!」
「そんなことはさせな」
「甘い」
「!」
「ケーキ屋に置いてあるクソドロッドロのハチミツより甘いわぁ!」バギィッ
「ごっ」
「…彼は何?」
「いや、俺にもわからん」
「のぉりやぁ!」ゴンッ
「こ、この空間は私の情報制御下であって」
「この空間に異物巻き込んだらその異物は制御下にねえだろ。馬鹿かお前」
「い、いや、そうじゃない…」
「それは全くの無根拠。何故なら、この空間に入った時点でこの空間と同じだから」
「うるさい!無理が通れば道理は引っ込む!」
「出典は」
「長門、こんな時までそれをしなくて良い」
「…想定外が多すぎるなぁ…」
「(人間じゃねえ二人に人間が混じってる!!)」
「(場違いな場所にいるって自覚のない人がいる…)」
「(?????)」
「(…そういや、俺どうやってここに来れたの?)」
「まあいっか。死になさい」ブンッ
「死なぬわぁ!!」スッ
「そっちじゃない」
「角度変更!!」バッ
「えっ」
「終わった」
「な、何が?この戦い?それともその人間?」
「違う。情報連結解除開始」
「そんな…!」
「みてキョンさん、腕ない(笑)」
「笑えねえよ!来んな!」
「おお、見る見るうちに再生して行く!!」
「いつかまた、私みたいな急進派が来るか━」
「うるせえ!!自転車治してから消えろ!!」
「ごめん、それ無理」ニッコリ
「こんなの姉ちゃんになんで説明すりゃ良いんだよ…」
「大丈夫。ついでに再構成しておく」
「あざす長門さん!うれち!!」
「…本当に大丈夫なのか…?」
さて、『よくわからんが自転車乗りまくってたらこうなった件について』とか言うクソ長いタイトルのラノベ描けそう。いや、ラノベの題名そんな長くねえか。あっても10字…最大はジャンプのお巡りさんくらいだろうなぁ!
「…メガネの再構成を忘れた」
「してない方が可愛いと思うぞ…俺にはメガネ属性ないし」
「…メガネ属性って、何」
「キョンさん…あんた女子の前でベッドの下を異様に陣取る男子みたいな追い詰められ方してんね」
「う、うるさい!」
「わわわ、忘れ物〜♪…うわ!?3人!?」
「…じゃ、俺自転車乗って帰るんで」
「すまん。…ごゆっくり!!」
「面白い人」
「どうすっかなぁ!」
「朝倉涼子は転校!行き先は…カナダ!そんでもって貴方たちの関係はそりゃもう学校でイチャつくくらいの仲!それじ」
「待て待て待て!」
「…そうする」
「待てぇい!」
「あ、自転車ありがと」
「今かよ…」
「それじゃあさらば!」ギコギコ
「…古臭い擬音だな…」
「じゃあ、新しい擬音にする」
「え?」
「なんか音変わった?」シャァーッ
「オイル差さないとダメじゃないか?ああ言う自転車」
「登校している時に見た自転車はあんな音だった」
「差しとけオイル」
翌日。あんなことがあっても自転車は動く。姉には何度も『やめときなさいよその自転車。それに乗ってられると私まで気分が悪くなるのよ』なんて言われるが、知らん。第一あんた、何かでかい買い物したかったのよねー、身体が大きくなった時用に!とか言ってこの自転車買ったのあんただろ。…覚えてないか。
「…」
「…」
「貴方は」
「?」
「ガッチャマン」
「長門さん、もしかして最近アニメ見た?それとも漫画?小説版ガッチャマンはなかったと思うけど」
「そう」
「…古泉さんも」
「なんでしょう?」
「聞きたいことあるなら、手短に」
「…貴方は、どこの組織の人間ですか?」
「知らん!俺も知りたい!昨日体験したことを赤裸々に話しても姉は信じないだろうし、それどころか多分クソみたいな嘘つくなって足が飛ぶし!!」
「面白い」
「おや、そう思いますか?…さて。何故、貴方は知らないと?」
「俺は。あんな体験したのは昨日が初だし、SOS団も出来た翌日までは知らんかったし!」
「では何故この高校へ?」
「…そういや、なんでだろ…俺、中学の最後の方で成績爆上がりしたんだよね」
「彼女の力ですか…」
「恐らくそう」
最後の談義のせいで、朝倉涼子の家を訪ねる時に長門とはすれ違いませんでしたとさ。