涼宮の弟on the 自転車(稀)   作:覚め

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第21話

寒い。もうマヂムリ。命燃やせ恋せよ乙女…ッつーかSOS団はなんでこんなに寒いんだ。何があったんだ。寒過ぎるんだ。家から持ってきた毛布に包まれながら不満たらたらである。まあ俺はパソコンを弄りながらパソコンの熱でも暖を取るが。

 

「…あ!?」

 

「うおっ」

 

「どうしましたか?」

 

「あ〜…ぁ…うっそ…」

 

「だからどうした?」

 

「おや…見事なブルースクリーンですね」

 

「長門っち〜」

 

「わかった」

 

長門さんが無料修理してくれる為、ブルースクリーンだろうがなんだろうが関係ないのだ。ちなみに、治してくれるんだったらコンピュータ研に入っても良かったんじゃ?と思う奴がいるだろう。俺が壊したのを治させるのは少し気が引ける

 

「…終わった」

 

「ありがと」

 

「3…2…1…」

 

「ゴーシュート!!」ブンッ

 

「やれ!俺のジュダルクダイザー!!」

 

「僕のキンダストリートも負けてませんよ!」

 

「詰将棋も飽きてきたな…あ〜あったけぇ〜」

 

「パソコンは本来そのような用途で使うものではない」

 

「知ってるもん」

 

ドンと開いたクソデカ扉は、姉さんの出現を表す。詰め将棋よりも分かりやすいことである。火を見るより明らか…うーん、見るくらいなら近づきたいな。少し暖かい物をくれ。主に火。なんて思っていると、姉は朗報だなんだと言い出した。

 

「今度はなんだよ」

 

「部室に暖房器具を設置する手筈が整ったわ!」

 

「は〜、そりゃまたどこが」

 

「映画作った時にスポンサーになってくれた店が提供してくれるって。去年の売れ残りの処分よ!」

 

「じゃあ取りに行きますか」

 

「そういうこと!じゃ、キョン。よろしく」

 

「俺が?今から!?」

 

「そ、キョンが今から」

 

「お前…ここまできた階段を降りて、二駅越えて、荷物抱えてまた戻ってをやれと言うのか?」

 

「そうよ!急がないとおっちゃんの気が変わるかもしれないわよ!」

 

「お前は暇だろ」

 

「私はこれからすることがあるし…古泉くんは副団長で運ぶような人材じゃないし、有希には辛そうだしで、あんたに決定!」

 

「こいつは?」

 

「私の弟だから除外!」

 

「縁故採用にありがとう。一般採用にさよなら」

 

「…わかったよ」

 

「どうぞ、お気をつけて」

 

「あ、待ってください」

 

「?」

 

「お、マフラー」

 

「今日は冷えますから…」

 

「ありがとうございます」

 

はーやーくー!!と嘆き叫び駄々っ子のように駄々を捏ねまくる姉はなんなんだろうか。善意と好意を履き違えてはいないだろうか。うーん、違うな。全部好意だと思ってようが思ってなかろうが多分駄々こねまくってるわ。多分、おそらく、いいえきっと、will。

 

「いてらー」

 

「ようやく行ったわね…」

 

「ところで」

 

「?」

 

「パソコンの充電器って、どこ?」

 

「はぁ?そんなの…キョンに仕舞わせたからどこにあるかわからないわね」

 

「嘘でしょ!?」

 

「パソコンと同じ位置になかったかしら」ガサガサ

 

「コード系はこっちの箱に詰めてたと思うけど」ゴソゴソ

 

「さてどこへ行ったものやら…」ガサゴソ

 

「ん?…んん?」

 

「どうしました?」

 

「こんなんだっけ?」

 

「ああ!それよ!!」

 

「おお!」

 

「見つかって良かったですね」

 

「よーし充電開始」ブスッ

 

「キョンには何を何処にしまったのかメモさせる義務をつけようかしら」

 

「ドアの内側にでも」

 

「ダメよ!そんなことして盗まれたらどうするのよ!」

 

「じゃあ誰がそのメモ帳管理するんだ」

 

「それはキョンが持てば…」

 

「振り出しに戻ったな」

 

そこから待って何分だろうか。いや、何十分?部屋には長門と俺の二人。本を読んで…本を読んではいるのだが、どこぞから聞こえる変な声で気が散る。うるさい。うるさいと言うか、アニメなのだろうかな?いや、違うか…?

 

「長門さん」

 

「何」

 

「やりたいことってないの?」

 

「ない」

 

「…パソコンとか」

 

「今はいい」

 

俺は見逃さなかった。読んでいる本が恋愛本だと言うことに。俺は勿論本の名前に詳しくはないし、本自体にあまり興味のない人間だ。だが名前がガチガチのラブラブ小説なのだ。小説であればなんでも良いのか…?

 

「恋愛とか」

 

「ない」

 

「…恋愛関係でやりたいことあるならやれば良いと俺は思うよ。ホント。事実。多分ね。

 

「そう」

 

「やっほー!みくるっちいる〜!?」

 

「先輩」

 

「あれ?長門っちと…えーっと」

 

「弟側の涼宮です」

 

「みくるっちどこ?」

 

「あっちー」

 

「おっけー!」

 

「そんじゃのー」

 

「そんじゃねー!」

 

「…」

 

そこから仮睡眠を取るように眠った俺を誰が叱るものか。姉が叱るものだ。うーん、叱らないでくださーい。叱られるとそれ相応に凹むのです。と言うわけで姉が起こすまで寝ていた俺といつの間にか部室に帰っていたキョンさんは、無事いつまでも寝ていたとさ。

 

「…?」

 

「キョンに悪戯するから、しっしっ」

 

「ああ、そういう」

 

「我々も帰りましょうか」

 

「…冬の雨は珍しいのか珍しくないのか…」

 

「どうなんでしょうね?」

 

「うーむ、冬で雨の中でキョンさんは傘を持たず、姉が傘を持っている…」

 

「つまり」

 

「そゆこと。きゃーっもう姉ちゃんも成長しちゃって」

 

「少なくともそう言うものではないと思いますが」

 

「そう?」

 

「そうですね…朝比奈さんはどう思いますか?」

 

「え?えーと…そうですね…良いと思います」

 

「答えになってるのか?あれ」

 

「恐らく」

 

「…」

 

「ああ、そっか。ラブコメならヒロインが何人かいるのか」

 

「どう言うことですか?」

 

「んー…ズバリキャットファイト」

 

「もしSOS団がそのような場所になった場合、そのような言葉で収まる争いになるでしょうか?」

 

「何言ってんだ、それさせないために古泉さんがいるんでしょ」

 

「おや、これは失念してました」




完&結
カンケツ
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