涼宮の弟on the 自転車(稀)   作:覚め

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孤島症候群のあれこれ


第7話

…面倒だ。そう思うのは、SOS団の合宿か、それとも姉の提案か。合宿先を検討する古泉さんは副団長の地位を預かり、ははーっとしている。うん。だいたいいつも通り。親戚とかの伝手があるのって羨ましい〜!

 

「あー、めんど」

 

「は?」

 

「えっ」

 

「驚きですね…貴方がそう言うとは」

 

「と言うのも、遠出することに対してトラウマしかない」

 

「なんでよ!SOS団の合宿よ!?」

 

「…行った先全てで珍事に巻き込まれ…果ては姉にわーきゃー騒がれ…」

 

「安心しろ。古泉の言った通りなら、そうそう珍事は起こったりしないさ」

 

「そうよ!安心して、大船に乗って行くのよ!!」

 

「そんな大きい船はないはずですが」

 

「と言うわけで!それじゃあ行くわよ!」

 

「ちょっと待った。何その名探偵って奴」

 

「…ふん!」

 

「いやだぁぁぁああああ!!」

 

「落ち着け!見苦しい!」

 

「つーか船!?」

 

「船だが?」

 

「俺、船酔い激しいんだが」

 

「そんなの、海にでも吐き出してなさい!」

 

「酔い止め飲んでろ」

 

「おんぎゃぁぁあ!!」

 

と言った感じで、船。ゔぉえ!ゔぇ!ぉづぶ…ぼぇっ!言われた通りに吐き出していると、長門さんが寄ってきた。酔い止めでもくれるのかと期待しては見たが、変な呪文を唱えどこかへ消えた。するとどうだろうか。船酔いは消えた。やったぜ

 

「でも後味悪い…」

 

「トランプやるわよ!」

 

「わかった」

 

「恒例のババ抜きね!負けたらみんなのジュースを奢りなさい!」

 

「…!?」

 

「ああ、これは俺の妹だ。見なかったか?」

 

「こんな小さい人間が船酔いを克服しているとは…」

 

「そもそもほとんど揺れてない状態で酔えるお前が異常なんだろうが」

 

「まあ、気付いてなかったら死体処理事件になってただろうけどね」

 

「待て、なぜ知っている」

 

「さあなぁ…オラにも超能力が目覚めたのかも知れねぇなぁ…(声真似)」

 

「その誤魔化しをその声でやるんじゃない」

 

「てへ♪」

 

「…古泉、お前の番だ」

 

「おや…ざんねん」

 

「いやぁ、遠いなぁ…合計何時間だっけ?」

 

「合わせて七時間程の旅になりますね」

 

「遠いわねぇ…でも、その分孤島らしい事件が待ってるんでしょうね!」

 

「(何も起こりませんように何も起こりませんように何も)」

 

「懇願したって無駄だぞ…上がり」

 

「なにぃっ!?」

 

「俺、水道水」

 

「珍しい味覚してるなオイ」

 

「…安いんだよ」

 

「お前も可哀想な奴だな」

 

そう言ってジュースを買いに行く。その背中を見ながらほんのりと思う。お前の方が可哀想な奴だよ、と。両手に花というより茨でも持ってそうな人間だ、しかも自覚なしで。生きて帰れる自信しか無いようだが、茨の棘に刺されて倒れてそうでもある。

 

「…っ!ぷはーっ!」

 

「さて、この隙に課題でも終わらせ」

 

「あっ」ベチャッ

 

「…」

 

「…だ、だだ、だ、大丈夫だ、タオル越しに掃除機で拭き取れると聞いたことが」

 

「何よキョン、課題なんか持ってきてるわけ!?雰囲気丸潰れじゃ無い!」

 

「しかしなぁハルヒ、俺も流石に課題をやらないというわけには」

 

「これは合宿よ!!」

 

「…俺は姉の課題ごと終わらせたぞ」

 

「優秀な弟を持つと苦労しないわねぇ!」

 

「(半分は落書きで済ましたがな)」

 

「本当に可哀想な奴だな」

 

「水道水もう一回かけてやろうか」

 

「すまん、それはやめてくれ」

 

「もうそろそろ着くみたいですよ」

 

「はぇー」

 

「…気になったんだが古泉」

 

「なんです?」

 

「船の故障とかはないよな?」

 

「あり得ません。万が一あっても、専属がいますから」

 

「金持ちは良いねえ…専属の修理人がいるのか。俺の家のゲーム機にも欲しいよ」

 

「キョン君ね、先週ゲーム機を送ったばっかなんだよ。だから」

 

「待て、それ以上言うな!」

 

というわけで第二走者、個人クルーザー。個人というには少しでかい気もするが、個人が所有しているので個人クルーザーだ。誰が何と言おうが、個人クルーザーだ。うん。流石に無理があるだろう。古泉さん。流石にその設定には無理があるだろう。

 

「…怪しい執事は言い過ぎだと思うんだが」

 

「俺もそう思う」

 

「そしてなぜここで本を読むのか」

 

「長門の趣味だ、許してやれ」

 

「水分を吸ってだめになりそうなんだがなぁ」

 

「そういうものか?」

 

「…姉ちゃん、そろそろ恥ずかしいから座って待ってようぜ」

 

「嫌よ!」

 

「お、見えてきた」

 

「…なんか、普通ね…」

 

「そうだろうか。あの形、俺からしたら某フリーゲームの…」

 

「やめろ。余計に口を滑らすと、その某フリーゲーム会場になりかねん」

 

「僕からも、そう言った類のことは言わずに居てくれると嬉しいですね」

 

「…あまり推奨はしない」

 

「非難轟々じゃん。泣きそう」

 

「むしろお前、これまででよく珍事に巻き込まれるだけで済んだな」

 

「到着しました」

 

「では、降りましょうか」

 

「…」

 

「やっほーい!」

 

「わははー!」

 

「…」

 

「何考えてんだお前は」

 

「パソコン部長の彼女について」

 

「狙ってるんですか?」

 

「あれ…んー、なんでもない」

 

「深追いは推奨しない」

 

「うおっ!?」

 

と言うわけでついたぞ館。外見はともかく、中身はともかく、部屋に入ってすぐに寝たい。そう思うのは自然だろうし、自然というよりアレだろう。本能的な。三大欲求の内二つが失せている。性欲と食欲。つまり今すごく眠たい。

 

「部屋だ…」

 

「一人一部屋だ」

 

「じゃあ十時間くらい寝るんで」

 

「ダメよ!みんなで話し合うのよ!」

 

「ぐぇっ!」

 

「…」

 

「何見てんだ、見せもんじゃねーぞ」

 

「ご、ごめんね…」

 

「こいつらの口の悪さは血族的な何かか?」

 

「まず!島といったら海!海といったら遊ぶ!」

 

「姉ちゃん、俺水着持ってきてねえよ」

 

「そういうと思ってあんたの分持ってきたわよ」

 

「通りで見つからないわけだ。俺が少し前から探してた水着が姉ちゃんの鞄から出てくるなんて、弟びっくりだ」

 

「じゃあ、行くわよ!!」




ここではあの事件が起こります。
え?どんな事件かって?
そりゃあもちろん…
game over的な物以外ですよ…
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