「決闘ですわ!」
「あぁ、いいぜ!四の五の言うよりわかりやい。」
なんでこうなったんだ、俺まで巻き込むなまじで。先生すごい顔してんぞ。
時は少し遡り…
朝のSHRが終わり、授業を始めるときの話だった。
「授業を始めたいところだが、クラス代表を決めていなかったな。」
クラス代表とは何をするんだ?。部隊の隊長みたいなものか?
「クラス代表は、クラス長みたいなものだ。クラス対抗戦や、学級会議に出てもらう。あとはこういう場での司会などもな。」
なるほど、本当に隊長みたいなものであってるんだな。
「自推他推は問わん。」
「はい!織斑くんがいいと思います。」
「私もそう思います!」
さっそく一夏が推薦され始めたか。まあそれもそうか、あの織斑千冬の弟だもんな。ご愁傷さま。
「うぇ!?俺かよ!なら俺はルイを推薦する!」
「私も〜」
おい待て一夏!俺を巻き込むなー!
「候補は二人か?これ以上候補が上がらないならこの二人の――――」
「待ってください!納得が行きませんわ!」
あー、またこいつかよめんどくせえ。どうせ織斑が突っかかるだろ。
「そのような選出は認められません!!男がクラス代表だなんて、いい恥さらしですわ!このセシリア・オルコットに、そのような屈辱を一年間味わえと仰るのですか!?」
こいつ言いたい放題言いやがるな。俺らは一切自推なんてしてねえし、自分でしなかったお前が悪いだろ。
「実力から行けばわたくしがクラス代表になるのは当然、それを物珍しいからと言う理由で極東の猿にされては困ります!それに片割れは試験監督にも勝てないような雑魚なのですわよ!?」
いや実力的には俺だろ、それに極東の猿って。元はその国の人間がこのISとやらを作ったのでは?
国の代表としてこの発言はどうなんだ?国際問題だと思うんだけど。
一夏の方やみんなの方を見ていると顔をしかめていたり、拳を強く握ったりと、かなりキレている様子だった。
まあでも、俺だってこんな直接言われたらキレるわ。みんなよく我慢してるな。
オルコットのバカは周りの様子に気づいていないようで更に続けていった。
「大体、文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛で――――」
ブチッ!
聞こえてはならない音が聞こえたような気がした。
「イギリスだって大したお国自慢無いだろ。世界一不味い料理で、何年覇者だよ」
あまりにも面白いことを言っていて少し笑いそうになってしまった。おそらく一夏はイギリス料理を食ったことがないんだろうな。
そして一夏の切り返しに気づいたオルコットは顔を真っ赤にし肩を震わせていた。
「あ、ああ貴方、わたくしの祖国を侮辱たしますの!?」
「先に日本を侮辱したのはそっちだろ?」
はぁ…やっぱまだまだガキだなこいつら。
「決闘ですわ!!」
「あぁ、いいぜ!四の五の言うよりわかりやすい。」
まじかよ、つうか俺も巻き込むんじゃねえ!
「ワザと負けたりしたらわたくしの小間使い、いえ奴隷にしますわよ!」
こいつが代表候補生で大丈夫かイギリス、人選間違えてやしないか?
「ハンデはどの位つける?」
「は? あら、早速お願いかしら?」
「いや、俺がどの位ハンデをつけたらいいのかなーと」
一夏がそう発言をした途端、俺や織斑先生、山田先生、篠ノ之を除いたみんなが一斉に笑い出した。そして一夏はその状況を全く理解していないのか、なんで?といった表情で周りを見ている。
「アハハ、織斑くん、本気で言ってるの?」
「男が女より強かったのってISが出来る前の話だよ?」
「もし男と女が戦争したら三日持たないって言われてるんだよ?」
こいつらはなにを言っているんだ?戦争したら3日も持たないなんてことがあるわけないだろ?それに…いややめておこう。
「むしろわたくしがハンデをつければいいのか、迷うくらいですわ。日本人の男性はジョークがお上手ですのね」
「……ならハンデはいい」
「お、織斑くん。今からでも遅くないよ、ハンデをつけてもらったら?」
こいつら…みんなやっぱ染まってるのか。だるいな、やっぱ自分の国に居たかったな。
「ええー、それは舐めすぎだよぉ……」
それを聞いた一夏は黙りこくってしまった。
「これだから男は…」
「もう一人の方は腰抜けでまともに反論もしてこないようですし。試験監督にも勝てないような雑魚ですから仕方ないですわね。」
「所詮軍人とはいえ、やはり男ですし。そもそもその教官も腰抜けみたいですわね。」
こいつ…言いたいこと言いやがって、ふざけんなよ?
いまのは流石に俺でもキレるぜ?自分が馬鹿にされるのはいいが、俺の教官を、あの人達をバカにされて許せるわけがねえ。
「オルコット、貴様は常識がないと言ったな?常識がないのは貴様の方じゃないか?仮にも国を代表したやつが発していい言葉だったか?お前らが大好きなISを作ったのは?第一回目の全国大会を優勝したのはどこの国の人だ?もうちょい考えてものを言えよ。」
「それと…」
「どんだけ人のことをばかにすれば気が済む?いい加減にしろ。」
「ひっ!!」
「別に俺自身がばかにされる分にはいいんだ。でもな…」
俺はポケットにしまってあったナイフを出しながら言った。
「 俺は教官のお陰で生きている。そしてお前の言っていた教官は、二年間の間だけだが織斑千冬だぞ。…俺の仲間をばかにするやつはなにがあっても許さねえ、死ぬ覚悟はできてんだろうな?」
言いたいことちゃんと言えてスッキリしたわ。でもまあ、雰囲気最悪だし嫌われるだろうなこれ。今更誰に嫌われようが関係ないけどな。
元をたどれば好き勝手言ってやがったこいつが悪いし今更か。
「フリューゲル、今は教官ではない。ところで、話はまとまったな?それでは勝負は次の月曜、第三アリーナで行う。候補者の三人は、それぞれ準備をしておくように。それでは授業を始める。」
「そ、それでは今日の授業は昨日の復習からです。」
山田先生からの一言を皮切りにみんなは一斉に準備をし始めた。おそらく俺が言ってたことを聞いて驚いてたんだろう。
本来なら授業中にこんなことになっていいわけないんだが、普段なら怒る織斑先生も今日ばかりはなにも言わないでいた。
明日からが大変だな。