転生したら武天老師って呼ばれるようになったんだが?   作:JOJI

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隙を見ての連続投稿


第20話

 

(えー、ちょっと台本と違うんじゃけど…ファンファンが勝ってそれでおしまいだったはず…っ!)

 

この時、亀仙人はファンファンから感じるプレッシャーと目を見た。静かであるが、しかし内に秘めた闘争心が目に現れている。

 

(正しく武道家の目じゃ…なるほど、悟空たちに当てられたのは本当か…! ならば、それに応えなければ武道家とは言えんのう。)

 

「あ、あの〜、武天老師様に挑戦って…それってもう50年も昔の話じゃ…」

 

「ほっほっほっ、そこまで言われてしまったら受けざるをえんのう…!」

 

「は!? この声は!?」

 

亀仙人は念の為に持ってきていた黒い上着にズボンとカンフーシューズを取り出して空中に投げる。そして自分も空中に躍り出てそれを目にも留まらぬ速さで着替えて武舞台へと降り立った。

 

「実に50年振りといったところかのう。ここに立つのは…」

 

「あ、あ、ああ、な、なんということでしょう!! まさか貴方が武天老師様であらせられますか!?」

 

「うむ、ワシこそが武天老師じゃ。その挑戦、受けてたってやろうぞ」

 

「な、なんということでしょうか!! 私達は今! 伝説を目にしておりますー! 今から数えて実に300年あまり! この今の武術会を作ったと言っても過言では無い、超偉人! 生ける伝説! 武術の神様と言われる武天老師であります!」

 

\ワァァァアア!!/

 

「全くむず痒いのう、止めんかい。わしは何もやっとらんわ」

 

「彼を倒さずして武術の天に立つ事などありません! 私たちは今、実に50年振りの伝説の一幕を見れるというのでありましょうか!!」

 

「こいつテンション高いな」

 

武舞台で亀仙人が現れて盛り上がっているそばで、クリリンによって運ばれた悟空が目を覚ました。

 

「あれ…? 試合はどうなったんだ?」

 

「あ、目を覚ましたのか悟空! 試合は残念だけどお前の負けだったよ」

 

「そっか…-残念だなぁ」

 

「それより見てみろよ! すげーことになるかもしれないぜ!」

 

「え?」

 

クリリンによって指を指された先には先程自分が倒されたチュンリーと道着へと着替えている亀仙人が向かい合っていた。

 

「あれ? なんで亀仙人のじっちゃんがあそこにいるんだ?」

 

「お前を倒したチュンリーって人が武天老師様に挑戦するんだってよ!」

 

「え? じっちゃんに挑戦? そんなこと出来んのか!」

 

「ああ、悟空が知らないのも無理もない。50年以上昔の天下一武道会では優勝したものに武天老師への挑戦権が与えられたんだ。勝った者には賞金がさらに倍になるおまけ付きでな。だが、未だに武天老師に勝った者はいなかったんだ。」

 

「ひゃー! すっげーなぁ! くっそー! オラもじっちゃんと戦いてぇなぁ!」

 

「は、はは、お前あんなに戦ったあとなのにすげぇな…」

 

「どんな試合が見れるかなぁ! ワクワクすっぞ!」

 

武舞台と控え室を繋ぐ間の先の戦いで崩れた塀の穴から見れる戦いにワクワクしながら悟空達が見守るそばで、武舞台でも今試合が始まろうとしていた。

 

『そ、それではチュンリー選手対武天老師様のエキシビションマッチが決まったところですが、チュンリー選手のために1度休憩を…』

 

「必要ありません。このまま始めてもらっても結構です。」

 

『あ、さ、左様ですか。えー、武天老師様は?』

 

「ワシもこのまま始めてもらって結構じゃ。」

 

『あー、分かりました。ンンでは改めまして…』

 

「チュンリー…いえ、もうこれは必要ありませんね。」

 

バサッとチュンリーが髪の毛を引っ張ると青い髪に隠れていた紫色の髪が顕になる。どよっと広がる困惑の声。

 

「武泰斗流ファンファン。1人の武道家としてお相手願います。」

 

「…まるで、若い頃に戻ったかのようじゃな…。武泰斗流改め亀仙流ジャッキー・チュン。1人の武道家としてその挑戦、受けて立とう!」

 

2人が同時に呼吸を整え大地に両足を落とし構える。

 

『え、あ、えっと、展開がよく』

 

「「いざ、参るッ!!」」

 

2人が同時に地を蹴った!

 

「はぁ!」

「ぬん!」

 

お互いの体がぶつかり合い、バチィと稲妻が走るような音が会場に響き渡った。その1つの攻防で中心で竜巻が巻き起こったかのような突風が吹き荒れた。

 

「しっ!」

「ふっ!」

 

互いに同じ拳法、流水の如き激しい乱打戦が繰り広げられるがしかし、この拳法を編み出した亀仙人が圧倒的に分があるようだ。

 

(このまま打ち合っても負ける、ならば)

 

「コォォオ…ハッ!!」

 

「ぬ!?」

 

特殊な呼吸法で一時的に肉体の限界値を引き出す技を使い一時的に増した力を振り絞り蹴りで吹き飛ばす。さしも亀仙人も受け流しきれない角度から放たれた攻撃に防ぐしかなく後方へ吹っ飛ばされるがその隙に亀仙人の背後に回り込んでいたファンファンが鉄山靠で亀仙人を背後から上空へと打ち出す。更に追撃として上空へと飛び出しダブルスレッジハンマーで叩き下ろそうとするが

 

「甘い!」

 

亀仙人によりその攻撃は完璧に受け流され、空打ちに終わってしまう。そこへ体勢が崩れたのを見計らった亀仙人が両足をファンファンの首に挟んで回転しながら地面へと落下する。

 

「くっ、そうはいきません!」

 

ファンファンは両腕から気功波を撃ち出して回転を止めて、更に亀仙人に両膝蹴りを入れる。

 

「お!」

 

微かに拘束が緩んだ隙にすかざずファンファンは抜け出して更に落下の蹴りを入れようとするが亀仙人により受け流される。そのまま空中で舞空術を交えながら高速で乱打戦へ入る。もはや常人では何が起こっているかは見ることすら叶わないであろう。

 

「な、なんて速さだ…! もう俺では影すら捉えられない!」

 

「ファンファンさんあんなに強かったの!?」

 

「す、すげぇ! オラでももう見えねぇぞ! 姉ちゃんもじっちゃんもすげぇ!」

 

塀のそばで観戦していた悟空達は目の前で繰り広げられる激闘に驚愕か感動を覚えている、アナウンサーも観客も言葉を忘れて見入ってしまっている。地上から空中へまた地上へと繰り広げられる秒間にして数百の攻防、しかし

 

「くぁ!?」

 

体勢を崩された末に打ち込まれた拳の重み、何一つ無駄のない洗礼された業。気の総量は互角、いや互角にされている。その上でファンファンは圧倒されている、故に感じられる己と亀仙人の圧倒的差。力の入りが違う、技の起こりが違う、【武】の重みが違う。これが武天老師、武に愛され、武に努力した男。

 

だから

 

「だから()がれた! これは、私のケジメ! 貴方への()いを問えるかの戦い!」

 

ダンッと力強い踏み込み(震脚)、武舞台の端から端まで砕け散り破片が空へと舞い上がる。

 

「受けてください、私の思い()を!」

 

「来い!」

 

踏み込みの勢いをそのままに一気に前進したファンファンの一撃は亀仙人の体を捉えた。ズドンッと重い音を響かせ撃ち込まれた一撃

 

「受け取ったぜ、ファンちゃん」

 

「ふふ…」

 

しかして合わせられたカウンターにファンファンが崩れ落ちた。

 

『……はっ、しょ、勝負あり〜!! 勝者武天老師様ー!!』

 

\ワァァァアア!!/

 

『凄まじい激闘でしたチュンリーいや、ファンファン選手!! 私なんぞでは到底追うことが出来ず実況すらままなりませんでしたが、果てしない激闘だったのは想像に難くありません! 健闘したファンファン選手に惜しみない拍手をお願いします!!』

 

\ワァァァ! パチパチパチ!/

 

5分もしない激闘であったが実に1時間も戦ったかのような充実感であった。知らぬ間にここまで腕を上げておったとはワシでも分からなんだわい。

 

 

こうして無事?に天下一武道会はファンファンの優勝で幕を閉じ、結局は身内同士ということがバレてしまったが悟空とクリリン、更にヤムチャに更なる研鑽への火を焚き付けたので結果オーライとした。

 

ちなみにファンファンが騙したお詫びとして帰りに寄った高級レストランで爆食いした悟空によって賞金の500万ゼニーの7割が消し飛んでファンファンが若干泣いた。

 




Q結局何がしたかったの?
A拳で愛を語りたかった

それ以外にも武道家として憧れた背中に近づけるかの限界を超えたファンファンの挑戦でもありました。でも、結局愛をぶつけた。

サラッと今作での亀仙人の本名が登場。原作での偽名をそのまま本名にしました。これから先も出るかは不明

次回は占いババかな?
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