転生したら武天老師って呼ばれるようになったんだが?   作:JOJI

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前回よりたくさんの感想ありがとうございます! 色んな考察が飛び交っていて面白いです! あんまり期待されすぎると後々怖くなってしまうな。言うまでもなくオリジナル要素でこじつけの詰め合わせのような強化なのであまり期待しないでください。


第27話

 

 

デッドキューブの暗闇の中

 

「クリリン…チャオズ、すまん。ワシが不甲斐ないばかりに…何が武天老師だ、笑わせる。知らずのうちにワシは胡座をかいていたようじゃ。相手の意図も見抜けず、油断しあまつさえ動きを封じられるとは…情けない。武道の研鑽に終わりなし…分かっていたはずなのじゃがなぁ…」

 

亀仙人は上着を脱ぎさる。亀仙人の胸から黄金の光が迸り、そこを中心に黄金に光るラインが腕へ足へ背中へ顔へと走る。身体がだんだんと若返っていき髭が抜け落ち髪が色を取り戻す。

 

「これ以上、犠牲は出させん。武天老師の名にかけて」

 

デッドキューブの暗闇を黄金の光が埋めつくした。

 

 

 

 

デッドキューブの封印を打ち破り、俺は直ぐに変身を解除する。

 

(この力はまだ制御がきかないからな…普段より力が上がっておるのは残り香のようなものか…)

 

普段、老人から若返っても気の総量は変わらない。そりゃ身体の調子は良くなるがそれまでだ、おそらく先程解放した力がいまだに残っているのだろう。この程度ならば誤差の範囲だ。

 

驚き固まっているピッコロ大魔王の元に移動する。

 

「いつまで人の嫁を触ってやがる」

 

ピッコロ大魔王がファンファンを掴んでいる腕を手刀で肩から切り離し、ついでに切り離した腕を気で消滅させる。そして直ぐに地上へと降り立つ。

 

「亀ちゃん…大丈夫なの?」

 

「すまんな、ファンちゃん。心配をかけてしまって、ここからは俺がやる。」

 

俺は他のより気を感じる魔族を見ると、そばには悟空と天津飯が膝を突いていた。そいつは俺を見て固まっている。俺はそいつにギリギリ死なない程度の気功波を放つ

 

「ガッ!?」

 

「これはチャオズの分」

 

身体中から煙を上げて怯んだ魔族の鳩尾に拳をぶち込み、顔面を蹴り飛ばして他の魔族の元へ吹っ飛ばす。手応え的に今ので死んだだろう。

 

「そしてクリリンの分だ…大丈夫か? 悟空、天津飯」

 

「あ、あぁ…」

 

「は、はい…あの、武天老師様なのですか?」

 

「ああ、ちょいと諸事情で若返ってるがな。すまない、俺が不甲斐ないばかりにクリリンとチャオズを死なせてしまった。」

 

「いや、じっちゃんは悪くねぇよ。悪いのはあいつらだ!」

 

「悟空の言う通りです。責任を感じることはありません!」

 

「いや、俺の責任だ。自分の力を過信しまんまと奴らの罠に嵌められた。俺の慢心が招いた結果さ、お前らは他の武道家たちと共に避難しろ。これから先は俺がやる。」

 

俺は返事を待たずに魔族を殲滅し始める。このモノ達と俺との実力差は天と地ほど離れており反撃される暇もなく倒されていく。

 

(全く、こんな拳など弟子達には見せられんな。)

 

感情任せに振るわれる俺の拳、これでは戦いではなくただの八つ当たりだ。地上の悪に染まりきっていない魔族を除いて全滅させた後、上空の魔族を相手取っている鶴の側へと移動する。

 

「手を貸そうか?」

 

「ふん、誰に聞いちょる。さっさと行け」

 

そう言われて俺は他の魔族を鶴に任せて未だに狼狽えているピッコロ大魔王の背後へと移動する。

 

ピッコロ大魔王の背中を蹴り飛ばす。全く、こんな奴に俺はしてやられたわけだ。癪だがこいつは神様と命が繋がっているので殺すわけにはいかない、だが多少ボコボコにしても問題は無いだろう。

 

「くっ、くそ! ピッコロ大魔王様を舐めるな!!」

 

ピッコロ大魔王はさっき俺が斬り飛ばした腕を再生させて殴りかかってくる。邪心の宿った温い拳だ。武術道場に通っている子供の方が良いパンチを放つ。ピッコロ大魔王のパンチと蹴りの連撃を全て最低限の動きで回避する。

 

「くっ、くそぉ!!」

 

ピッコロ大魔王は焦ったのか大振りのパンチを放った。俺は姿勢を低くする事で避けて懐に潜り込みがら空きの腹にパンチを放つ。拳が深くまでめり込み背中まで突き抜ける。

 

「がふっ!?」

 

先の一撃で怯んだところに更に12発の拳撃を人体の各所に放つ。それがよほど効いたのかピッコロ大魔王は痛みで蹲り、それを俺は静かに見下ろす

 

「どうした? 俺はまだちょっと小突いただけだぜ、もうダウンか?」

 

「っ! ズアッ!!」

 

俺が声を掛けると不意打ち気味にピッコロ大魔王は口から気功波を放つが、俺は予めピッコロ大魔王の口に気が溜まっているのを感じていたので瞬時にバリアを張ることでやり過ごす。

 

「ははは! どう…」

 

「今ので終わりか?」

 

「くっ、化け物めっ!」

 

失礼な。地球人目線やとそっちが化け物やぞナメック星人が。いや、こっちの地球は割と多様性に優れているからそうでも無いか…

 

ピッコロ大魔王が後退しながら連続で気功弾を放つのを拳にバリアを張って殴って打ち消しながら追いかける。

 

「巫山戯るな! こんな事が! このピッコロ様が負けるはずないのだー!」

 

「面倒だな」

 

がむしゃらに気弾を連射するピッコロ大魔王に2発気功波を放ち両腕を消し飛ばす。

 

「ぐあっ!?」

 

「そろそろ終わりにしようか」

 

ピッコロ大魔王の元へすかさず近づいて額を裏拳で鎧通しの要領で小突いて脳を揺らし、意識が飛んだピッコロ大魔王の胸元の首飾りを引っ張り、そのまま地面へと蹴り飛ばす。その拍子に首飾りがちぎれて俺の手に収まる。

 

「やはり、これの仕業か。」

 

地面へと墜落したピッコロ大魔王の気が見る見るうちに無くなっていくのを感じる。ピッコロ大魔王の妙なパワーアップはこの邪悪な力を放つ石が与えていたようだ。俺は妙な石を気を放って消し飛ばすと、空へ白い塊が飛んでいくのを見つけた。

 

「あれは…?」

 

ピッコロ大魔王の方を見るとヨダレを垂らしながらかなり息を乱している。しかも、気が随分と落ちていた。

 

「なるほど…」

 

あれはおそらくピッコロが産まれる卵か。自身の敗北を悟ったピッコロ大魔王は最後に置き土産を残そうと言うのだろう。まぁ、後々仲間になる可能性があるキャラだし見逃すか。

 

「さてと」

 

俺は地上へ降り立つとポケットから封印用の瓶を取り出す。こんな事もあろうかと一応用意していたのだ。

 

「また封印される心の準備はできたか? ピッコロ大魔王」

 

「…くっ、くくく…今に見ていろ武天老師。我が無念は必ずや我が子が晴らす! 悪の根が無くなることは決してないぞ!」

 

「さて、果たしてそうかな? 人が人である限り善は悪となる事も、悪が善となることもある。お前らも心がある限り一緒さ」

 

「…我が子が善に染まると?」

 

「さぁな? 善に染まることの無い悪もあるだろう、逆もまた然りだ。だが、神の悪の心から生まれたお前はきっと後者だろうがお前から生まれたやつがそうとは限らないだろう」

 

「くくくく、無駄な考えだ。我が子が善に染ることなぞ決してない! 悪は不滅だ」

 

「確かに無駄な考えだな。悪は消えることは無い、そして善も消える事はない。人の心は俺たちでは想像がつかない。それが答えだ。」

 

封印用の瓶を地面へと置き、気を放出する。

 

「じゃあな。『魔封波』!!」

 

「く、くぉぉおお!?」

 

魔封波の波へと飲み込まれたピッコロ大魔王は瓶へと吸い込まれていく。

 

「次は電子ジャーよりもかなり窮屈だぞ!」

 

「せめて、もっとマシな入れ物用意しろ〜!」

 

その言葉を遺してピッコロ大魔王は瓶へと封印された。瓶の蓋を閉めて、開かないよう封をして小瓶用の袋へとしまってポケットへと入れる

 

「じっちゃーんっ!!」

 

様子を伺っていたのか、終わった直後に悟空や天津飯等が駆け寄ってきた。

 

「終わったのか?」

 

「ああ、ピッコロ大魔王はこの瓶の中へと封印した。」

 

「封印…? 何故、封印を? 確実にここで倒すべきでしょう! また封印が解かれればまた犠牲が…!」

 

「天津飯の疑問はもっともだ。だが、それは俺の口からでは話せない。事情があるんだ。」

 

「ふん…」

 

事情を知っている鶴仙人は苦々しい顔で鼻を鳴らす。悟空たちと共に武道会場から離れた建物の中に入ると、たくさんの人達が避難していた。そして、防ぐことが出来なかった犠牲者たちが安置されていた。武道会を見に来ていた観客や魔族に立ち向かった勇敢な武道家たちである。そしてその、親族と思われる人達が遺体の元で涙を流していた。

 

「…ブルマ。ドラゴンレーダーは持っているか?」

 

「あっ、そうよ! ドラゴンボール! こんな時のドラゴンボールじゃない!」

 

ブルマがドラゴンレーダーを取り出し起動する。

 

「オラ、四星球持ってるぞ!」

 

「鶴仙人様、ドラゴンボールとは?」

 

「昔、7つのボールを集めればどんな願いでも一つだけ叶えるという不思議なボールがあるという噂を聞いたことがあるが…」

 

「そうよ! これを集めれば殺された人たちを生き返らせることだってできるわ!」

 

「「「おぉ!」」」

 

ブルマの発言を聞いてドラゴンボールを知らなかった天津飯たちは希望が湧いたのか声を上げる。

 

「すぐそのボールを集めようじゃないか! そのレーダーはそれしかないのか?」

 

「残念ながらね、だけど少し時間を貰えれば近くの部品店を漁れば2つくらいは作れるはずだわ!」

 

そういうや否や、俺たちは島の部品店へと足を運びドラゴンレーダーの素材になるものを買い漁ってブルマが急ぎで3時間程でドラゴンレーダーを2つ作り3つに別れてドラゴンボールを集める事にする。ブルマは犠牲になった方々の遺体が腐らないように家の権威を遺憾無く使って病院とともに処置するとのこと。

 

そして、ボール集めを始めて半日程たち無事全てのボールが集まった。無駄な混乱は避けるように予め決めていたパパイヤ島から少し離れた地点の無人島に集まり、神龍を呼び出す。

 

ボールを7つ寄せるように置き、お決まりのあの言葉を口にする。

 

 

「出よ神龍! そして、願いを叶えたまえ!」

 

ドラゴンボールが光り輝くと共に空が暗くなる。そしてドラゴンボールから龍が飛び出してくる。

 

「おお!」

 

これが、生神龍! やばい、こんな時だと言うのに興奮が止まらん! サイン欲しい!いや、それだと願いになるのか? いや、待て落ち着け武天老師。深呼吸だ、冷静になれ。

 

『さぁ、願いを言え。どんな願いも一つだけ叶えてやろう』

 

「昨日、ピッコロ大魔王達に殺された人達を生き返らせて欲しい!!」

 

『容易い事だ…』

 

 

 

 

ドラゴンボールで願いを叶えたあと、俺たちは避難場所へ向かった。すると、中は生き返った者と遺族が抱き合い涙を流したり、周りの者達が目の前で起こっている奇跡に喝采を上げたり大騒ぎ。そして、俺達も生き返ったクリリンとチャオズに再会した。

 

「クリリン!」

 

「悟空! 俺、死んだんじゃ…?」

 

「ドラゴンボールで生き返ったのさ!」

 

鶴の方もチャオズと再会して嬉しそうに話している。

 

「えっと、気になったんだけど…この人どちら様で…?」

 

「え? あははは! そうかクリリンは見ていなかったもんな…。この人は武天老師様だよ。」

 

「え? えぇ〜!?」

 

「じっちゃん凄かったんだぞ! オラ達が苦戦した魔族を一瞬で倒して、ほかの魔族もすげー速さで倒したんだ。そして、ピッコロ大魔王もすぐ倒しちまったんだぞ!」

 

「倒したんじゃなくて、封印したんだけどな」

 

「ま、まじか…流石武天老師様だ…」

 

「いや、俺も油断した。ピッコロ大魔王の罠にまんまと引っかかり動きを封じられてしまった。そのせいで犠牲者が出てしまった。本当にすまない。」

 

俺はクリリンとチャオズに頭を下げる。クリリンとチャオズからは慌てたような声が聞こえてくる。そして、急に額を蹴られて無理やり顔をあげられた。蹴ったのは鶴だった

 

「馬鹿者が、さっきから聞いてりゃあ俺の責任だ俺の責任だとうるせぇやつだ! 1人だけクソ強いからっていい気になるなよ! こいつらが死んだのはこいつら自身が弱いのとピッコロ大魔王のせいだ! てめぇの責任じゃ断じてねぇよバカタレが!」

 

「っだが、俺は守れるはずだった! 己の力を過信しピッコロ大魔王が現れたとしても何とかなると驕ってしまった! その油断のせいでっ」

 

「そんなもんしゃあねぇだろ、お前は人間じゃねぇか。自分の力に自信を持つのもそのせいで油断すんのも人間やってりゃやっちまうもんだ。

…どんだけ強くてもお前は1人だけだ、たった1人で全てのモンを背負えるとか思ってんじゃねぇ。それに見てみろよこいつらの顔を…」

 

そこで始めて俺はちゃんとみんなの顔を見る。今まで、皆の顔が怖くて見られなかった。どんな顔をされるか分からなかったから、しかしあったのは悲しそうでそして悔しそうな顔だった。

 

「みんな悲しいのさ、てめぇの力では及ばねぇもんを背負おうとするお前を見てな。責任を感じるな、とかは言わねぇ。だが、全部背負おうとかすんじゃねぇ。見てるこっちがイラつくんだよ、いつまでも湿気た面すんじゃねぇ。それによ」

 

そういうと鶴は、天津飯の腕と悟空の肩を掴む

 

「まだ無理かもしれないが、こいつらは確実に強くなる。いつまでもてめぇにケツ守られると思うんじゃねぇぞ。うかうかしてると、いつの間にかてめぇのケツを守られてるかもしれねぇぞ?」

 

「俺はいつまでも守られる男にはなりません! いつか貴方と共に戦えるくらい強くなります!」

 

「いつまでもじっちゃんに苦労をかける訳にはいかねぇ。今よりもっと修行していつかじっちゃんを超えるからな!」

 

「…あれ、これ僕も言う流れだったりします?」

 

「あんた、少し静かにしてなさい!」

 

「あ、はい…」

 

 

そうか、ワシはいつの間にか孤独になっていたのか。ふっ、滑稽だな。ここには俺を超えうる宝が沢山いるというのに勝手に最強になったつもりでいたようだ。本当に笑わせてくれる。

 

「…はははは、なら俺も更に修行して背中を見せ続けなければいかんな!」

 

「えー! まだ強くなるつもりですか!?」

 

「当たり前だ! 武道の研鑽に終わりは無い!」

 

「へへ! ならじっちゃんよりもうんと修行して背中に引っ付かなきゃな!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ちょっとほっこりする話を書きたかったが、上手く書けた自信が無い…難しすぎる

次回も更に時間が進みます。今年中に無印編は終わらせたいな
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