転生したら武天老師って呼ばれるようになったんだが? 作:JOJI
仕事が忙しくてなかなか筆記をするタイミングがなく、ようやく色々落ち着いたので初投稿です。
人気のない荒野、その場所にて亀仙人は瞑想をしていた。3年ほど前、天下一武道会にてピッコロ大魔王に封印された際に解放した力により若返った身体はそのままであり、現在、彼はその解放した力と向き合うために瞑想をしていた。彼の胸は赤い光を灯し、周囲の気を無作為に食い荒らす。それを強靭な意志と絶妙な力のコントロールにて押さえ込んでいる。
「むむ…」
彼はこの力に頼らずに自身の力のみでこの先を乗り越えるつもりであった。しかし、ピッコロ大魔王に封印され自身の力の無さに絶望した。この先、どれほど修行し力を高めようともこの先現れるであろう巨悪を相手に戦えるかと必死に考え悟った。
遠くないうちに置いていかれると、それは地球人と戦闘民族サイヤ人との種族の差。孫悟空は彼が数十年かけて修行して手に入れるほどの成果を1年足らずで超えてくる。
故に彼は拘りを捨てることにした。故に彼は与えられた力に向き合うことにしたのだ、不死鳥から加護と同時に与えられた
この異能の主な性質は吸収、貯蓄、解放、変質の4つ。なんてことの無い力のように聞こえるかもしれないが、吸収の力は大地、植物にやどる気を一方的に吸い取ることができてしまう。貯蓄は吸い取った気を貯蓄する事ができ上限は分からない。解放はそのままの意味で貯蓄した気を解放することが出来る。変質は気を炎や風という形で変化させる事ができるのだ、さらに炎の温度は任意で操作できる。
この力に気づいたのは天界で修行していた頃だ。加護に隠れるように引っ付いてきていた謎の力、初めて解放した時は自身に溢れる全能感に身を蝕まれたが何とか冷静になりこの力は危険だと断じて封印していた。
亀仙人と同じく加護を受けていたファンファンであるが、彼女にはこの力が宿ってはいないようでどうやら亀仙人のみにこの力は与えられたようだ。
しかし、この力を試すほどに深まる謎は不死鳥とは一体どういう生物なのかということだ。
亀仙人は以前神様に不死鳥について聞いてみたが、不死鳥は初代の神様がいた時代から既に存在が確認されており神様も不死鳥について詳しく知らないらしい。その子供である同じく不死鳥であるペットのフウも特別な力を持っているようで風を自在に操ったり生み出すことができるようだ。しかし、気の吸収やその他は今のところ確認できていない。
この力についてもまだ全容を把握出来ておらず、まだ力に振り回されており実用段階には至っていない。
「亀ちゃん、そろそろ時間よ」
「む、もうそんな時間か」
今日は待ちに待った天下一武道会の開催日である。ピッコロ大魔王達に荒らされた会場をリニューアルして安全性を向上させ警備員として達人を多く排出している鶴仙道場から人を貸し出すことでまた魔族レベルの者が強襲してきても対応できるだろう。
亀仙人はファンファンから上着を受け取って会場へと急ぐことにした。
武道会場は受付開始からそう経っていない時間にも関わらず既に人で溢れており、やる気に満ち溢れる武道家から会場を楽しんでいる観客や各種テレビスポンサー等など会場は、すでに賑わっていた。
そして亀仙人とファンファンはここに来るであろう弟子たちを受付所の近くで待っていた。亀仙人の弟子たちはそれぞれの道を歩んで修行させるために旅に出したのだ。そこへ小柄な影が近づいてきた。
「よぉ、誰かと思ったら亀ではないか。もう爺にはならんのか?」
「む? 鶴か、いやなに爺をやる事に飽きてしまってのう。一度あの不便な体から解き放たれてしまったらもう戻れんくなったわ。あ、今もまだ不便な身体のやつがおったなすまんすまん(笑)」
「お? やるか? 喧嘩なら買うぞ亀頭野郎!」
「亀頭言うな! ぶち殺すぞ鶴っぱげ爺!」
「はいはい、いい歳した大人がすぐ喧嘩しないでみっともない!」
すると横からブルマがやってきてずいっと鶴仙人と亀仙人を引き剥がす。
「おお、あの時の姉ちゃんか。見ないうちに随分と美人になりおったのう」
「久しぶりねブルマちゃん。大学は順調かしら?」
「友達はできたか?」
「久しぶりファン姉さん! 順調というか退屈って感じね、あと爺さんは余計なお世話!」
そしてコソコソとファンファンの背後に近づいた小さな影は察知したファンファンに首筋をつままれて持ち上げられる。
「ウーロンくんも久しぶり」
「あ、お久しぶりです」
久しぶりに集まったメンバーは雑談をしながらここに来るであろう人を待っていると、亀仙人が見知った気配がコソコソと近づいてくることを察知した。
「まさかお主が一番乗りとはの、前回とは逆じゃな。悟空」
「へへ、やっぱりじっちゃんには気づかれたか。驚かそうと思ったのによ」
気を限りなく薄くしてほとんど気配を消していた悟空は亀仙人の背後に現れた。
「え? 孫くんなの?」
「随分と見違えましたね」
以前の姿を知っている面々は今の悟空の姿を見て驚きを隠せない。それもそのはずで小柄だった少年が一回り以上大きくなり若くなった亀仙人も少し見上げるほどの好青年と成長していたのだ。
「神様のとこで修行したんじゃったな。随分と腕を上げたな、このワシが近づかれるまで気配に気が付かないとは思わなかったぞい」
「へへへ、まぁな!」
褒められた悟空は照れかくしに頭を掻きながらブルマに身長のことを話したり神様の元での生活のことを話したりしているとクリリン、ヤムチャ、天津飯にチャオズも合流した。そして受付を済まして選手の
そして会場の男子更衣室にて
「まさかファンファンさんも参加するなんて…俺今回こそは優勝狙ってたのにな〜…」
「な、何弱気になってるんだクリリン! お、俺たちだってこの3年間死ぬ気で修行してきたんだ! ファンファンさんにだって…せめて足元くらいにでも…」
「後半から一気に弱気になっているぞヤムチャ」
「ヤムチャ足、凄く震えてる」
「いやー、ワクワクすんなぁ! ファン姉ちゃんと戦えるなんて思わなかったぞ!いつも稽古くれぇで思いっきし戦えなかったからな!」
「よくそんなに盛り上がれるな…お前」
そう今回の天下一武道会にファンファンも出場することにしたらしいのだ。自分から出場するタイプでは無いので恐らく亀仙人の差し金だろうと悟空以外は察している。
「あれ? 悟空お前、尻尾はどうした?」
道着に着替えているとクリリンが悟空の尻尾がなくなっていることに気がつく。
「ああ、なんか神様が『もしうっかり満月を見られるとかなわん』とかよくわかんねぇこと言って取っちまったんだよ。ひでぇだろ?」
「あはは…ナイス神様」
悟空たちが予選会場に着くと先に来ていたファンファンと合流する。
「ちょうど良い時間に来ましたね悟空くん、もうすぐ予選が始まりますよ。」
「お、やりー! …ん!」
すると悟空が何かを感じ取ったのかとある方向を見ると、白いターバンと白いマントを着た緑色の肌をした男が立っていた。遅れて気がついたヤムチャやクリリンらが同じようにその男を見つける。
「な、なんだ…あの凍るような目は…?」
「なんか、見たことあるような…?」
「…!? ば、馬鹿なあいつは!?」
「…じっちゃんの言った通りだな…」
男は目のあった面々に対し不敵な笑みを浮かべると背を翻して去っていった。
「ご、悟空。あいつはピッコロ大魔王の手下の生き残りか…? あの独特な見た目の雰囲気、忘れようもない!」
目のいい天津飯が悟空に近づいて小声で問いかけると、悟空からはそんなもんだという返答がくる。
「ファン姉ちゃんも気がついてんだろ? ファン姉ちゃんもじっちゃんに言われてきたのか?」
「そのようなものです。…おや?」
すると悟空の肩をとんとんと叩く人物が現れる。悟空が振り返ると長い黒髪を後ろで纏め、カンフー服で身を包んだ美少女である。その少女は照れるように悟空の名を口にしたが、当の本人は心当たりがないのか誰だと答えると顔を真っ赤にしてバカと悟空に怒鳴りつけると怒って去ってしまう。
「いきなり、誰なんだあいつ…?」
「悟空くん、本当に心当たりがないんですか?」
「ああ、全く知らねぇ!」
「もしかしたら、子供の頃に会っているかもしれませんよ?」
「いや、あったことねぇな?」
「…はぁ…」
唯一、心当たりのあるファンファンは溜息をつき教えるか迷ったがこれは当人に気づいてもらった方がいいと思って放置した。
そして、色々あったが予選が始まった。運良く今回もバラバラのブロックでの予選となり各々が修行後の腕試しと言わんばかりに腕を振るっているとなんとチャオズが敗れたという。相手は悟空に倒されたはずの桃白白であった。命からがら生き延びた彼は裏事業のツテを使って自身を改造させたらしい、生身だった部分がかなりメカメカしくなっていた。
少し慌ただしくなりつつも予選は恙なく進み次々と本戦出場の切符を勝ち取っていく面々。そして、ついにファンファンの予選突破前の試合が始まる。
ファンファンの相手はどこにでも居そうな眼鏡をかけた小柄なおじさんである。そんな相手にクリリンやヤムチャは弱そうだと言うが天津飯はただならぬ気配を感じとり冷や汗をかき悟空は不敵な笑みを浮かべている。
「試合開始!」
試合開始の合図が放たれたが、両者共に構えを取らず笑みを浮かべながら見つめあっている。観戦しているもの達は何してるんだと野次を飛ばしているが、悟空たち離れたところで様子を伺っていたターバンの男は両者の間に行われている静かなる攻防に息を飲んでいる。
「すげぇ、どっちも全く隙がない…!」
「2人の放つプレッシャーにこっちまで震えてきたぜ…」
「悟空、あの男は何者か分かるか?」
「さぁ、でもすげぇ達人なんだろうな」
「……チッ」
ファンファンと対峙しているシェンと呼ばれた選手の額から冷や汗が流れ落ちた時、突如として突風が巻き起こる。シェン選手が両手を突き出し、ファンファンが何かを受け流したかのような構えを取っている。
「とぉぉー!!」
シェン選手が掛け声を上げてファンファンに向けて駆け出す、シェン選手から突き出された拳をファンファンは紙一重で避け返しに放った突きは防がれる。シェン選手が突如ファンファンの目の前から消えると背後に現れ奇襲しようとするが、それを読んでいたファンファンは残像を残してさらにシェンの背後へと回り込んで回し蹴りを叩き込む。
「うわっと!?」
すんでのところで前へと飛んでダメージを抑えたシェン選手は宙返りをして距離を取り、着地と同時に飛び出す。今度は左右に小刻みにステップを踏みさらに左右共に残像が現れてファンファンに挟み撃ちを仕掛ける
「「どちらか分かるかな!」」
「…随分と子供だましな事をしますのね」
ファンファンは仕掛けられる拳を避ける素振りを見せず、そしてどちらの攻撃もファンファンをすり抜ける。どちらも残像だということを見抜いていたファンファンは上空へと掌を突き出しシェンの飛び蹴りを防ぐ。
「わわっ!?」
飛び蹴りの威力を倍にして返されたシェン選手は天井へと吹き飛ばされるが、回転することで威力を逃がして天井を蹴って武舞台へと降り立つ、と同時に2人の姿が掻き消える。
常人の目では捉えきれないほどのスピードでの攻防はクリリンやヤムチャであっても全ては追えないでいた。この場で追えているのは天津飯と悟空、そしてターバンの男くらいだろう。
一際凄まじい拳打音が鳴り響くとダンッと舞台に降り立つシェン選手と空中からゆっくりと降り立つファンファン。どちらも未だ無傷であるがシェン選手は息が上がっている一方、ファンファンは息1つ乱していない。
「ハァハァ…ファンファンさん、ひとつよろしいですかな?」
「なんでしょう?」
「『彼』はあの存在に気づいていて貴女を?」
「『貴方』なら既にご存知でしょう? ここは私に任せて貰えませんか?」
「……分かりました…、いやー! 参りました! 参りました! 降参です! 素晴らしい腕前でいらっしゃる! 」
「うふふ、ありがとうございます。貴方も素晴らしい腕前でした」
「…あ、えっと50番降参により45番、天下一武道会出場決定!」
「「「おお!!」」」
いつの間にか予選に出場していたほとんどの選手がファンファンとシェンの試合を観戦していたようで拍手が巻き起こった。シェンは照れるように頭を掻きながら早足に予選会場を後にしていく。
「す、凄い試合だったな」
「俺、ファンファンさんに当たったら棄権しようかな…」
「ダメですよクリリンさん、そんな事したら根性直しに亀ちゃんによるそりゃもう凄まじい修行が待っています」
「覚悟していてくださいよファンファンさん! 俺、修行の成果をとことん見せてやります!!」
(冗談ですけど)
「あれ? ファン姉ちゃんと試合していたおっちゃんどこいっちまったんだ?」
「もう予選会場を出ていったみたいだぞ?」
「ええ!? ちょっと話したかったんだどなぁ…」
そんなこんなで予選が終わり天下一武道会出場者が決まった。
流派:亀仙流 「孫悟空」
流派:亀仙流 「クリリン」
流派:亀仙流 「ヤムチャ」
流派:鶴仙流 「天津飯」
流派:記述無し「マジュニア」
流派:記述無し「匿名希望」
流派:記述無し「桃白白」
流派:武泰斗流「ファンファン」
久しぶりに書いたからあんまり自分で見直しても違和感がありますが、またそのうち直すと思います。これからもこの作品をよろしくお願いします