転生したら武天老師って呼ばれるようになったんだが?   作:JOJI

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おまたせ。遅くなって申し訳ありません


第29話

 

 

ピッコロ大魔王の騒乱から数ヶ月ほどたった頃、人里離れた森林にて1人の少年が拳を振るっていた。いや、その姿は緑色の肌に額に2本の触覚を生やしているなど一般的な人間とはかけ離れた容姿をしていた。その姿は数ヶ月前に天下一武道会を騒然とさせたピッコロ大魔王にそっくりである。彼はピッコロ大魔王が封印際に己の力のほとんどを振り絞って生み出したピッコロ大魔王の生まれ変わりである。

 

「見っけ」

 

突然、少年の背後から声がしすぐさま距離をとって振り返る。そこにいたのは黒髪で黒いサングラスに紺色のカンフー服に身を包んだ男だ。声をかけられるまでその存在に気づかなかった少年、ピッコロは冷や汗をかく。

 

「誰だ、貴様!」

 

「あれ、覚えておらんのか。生まれ変わりって言っても記憶は引き継いでいないのじゃな。」

 

「なに!? 貴様、父を知っている様だな…! 何者だ! 」

 

「これこれ、名乗る時はまず自分からとお父ちゃんに教わらなかったのか?」

 

「…貴様、死にたいようだな」

 

少年は瞬時に飛び立つと男の肩に向けて貫手を放つ、しかし男は僅かに肩を逸らす事で躱し、返しに少年の額にデコピンをお見舞いして吹っ飛ばした。木にぶつかって地面に尻もちを搗いて落ちるとデコピンの痛みに悶える少年。

 

「ふぉほっほっほ、随分と手緩い攻撃じゃの。それではワシには当たらんぞチビピッコロよ」

 

「…貴様、その強さ。まさか武天老師か!!」

 

「ピンポン! 正解! お礼にサイン書いちゃおっか?」

 

「父上の仇!!」

 

怒りのままに飛び出すピッコロは飛び蹴りを放つが指1本で止められ、続けて回し蹴りを首筋に向けて放つがまたもや指1本で沿うように受け流される。

 

「クソ! うりゃりゃりゃりゃっ!!」

 

ピッコロはさらにラッシュで責め立てるが全て指1本で止められ流されるなどして1発も当たらず、ラッシュの合間に鼻くそをほじられる始末である。

 

「舐めるなぁ! 爆力魔波ッ!!」

 

「おっ」

 

ピッコロの目の前が眩しく光り、次の瞬間には気功波が武天老師を飲み込んだ。ピッコロの放った爆力魔波が爆発して砂煙を巻き起こす。

 

「ハァハァ…やったか?」

 

「それはフラグというものじゃよ、ピッコロくん」

 

「くっ!?」

 

背後から声がし、振り返り際に目から気功波を放って離れるがバリアのようなもので防がれる。

 

「チッ! 化け物め!」

 

「酷い言われようじゃな」

 

ピッコロはどう足掻いても敵わないと悟ると直ぐに逃げに徹し始めるが、武天老師が許すはずもなく追いつかれてはデコピンされ追いつかれてはデコピンをされる始末だ。

 

「ハァハァ…貴様、一体何がしたい!」

 

「あー…、強いて言うなら様子見と暇つぶしじゃな。」

 

「な、俺を殺しに来たのでは無いのか!」

 

「ふぉほっほ、殺しに来たのならこんな無駄なことせんとちゃっちゃと殺っとるわ!」

 

「ぐ…何のためにこのような事を」

 

「言ったじゃろう、暇潰しと」

 

そういうと武天老師は手を突き出しクイクイと手招きをする。

 

「どうした、もうバテたのかの? 魔族の力はこんなものか?」

 

「ふ、ふざけるな! 俺様はピッコロ大魔王様だぞ! 舐めるなよ!!」

 

挑発を受け取ったピッコロは果敢に飛びかかる。真正面から攻撃をしてくるピッコロに武天老師は「真っ直ぐすぎるの、フェイントはないのか?」と問いかけると次からの攻撃にフェイントを交え、攻撃の合間にデコピンを入れられ「攻撃後の無駄が大きすぎる。親の方がまだマシじゃぞ」とさらに挑発をかけると次の攻撃からは無駄が無くなっていく。

気功弾で攻撃をすると同じ力の気功弾で押し返され「気の練りが甘い、ワシの弟子の方がもっとマシなもん撃っとるぞ」と言い、すると次の気功弾からは改善を図る。

 

「うぐっ…はぁはぁ…くそ」

 

「ま、こんなもんかの」

 

絶え間ないデコピンにとうとう疲れ果てて倒れたピッコロに武天老師は背を向ける。

 

「では、また来るぞい。」

 

「ま…まて…貴様、何が目的だ…! 殺すためでも…いたぶる為でもない…俺を強くしようとして、貴様に何の得がある!」

 

この戦いでピッコロは相手からの攻撃には殺意のようなものが乗っておらず、親が子へ教えるような親しみのようなものを感じられた。無論、ピッコロにはそんなものの名は分からぬが殺意では無い何かかが込められているのは分かった。そして攻防の合間に仕込まれる挑発紛いの指摘。敵にわざわざアドバイスをする意味がピッコロに分からなかった。

 

「…さてな、それはワシにも分からん。」

 

「…は?」

 

「ワシがやりたいと思ったからやったのじゃ。理由とか得とか全くないぞ、強いて言うなら強い奴がいると喜ぶヤツが弟子にいるくらいか。」

 

「…意味がわからん」

 

「ふぉほっほっほ! 今日の晩飯は肉じゃがじゃ、嫁が作る肉じゃがは絶品じゃぞ。どうじゃ、お主も来るか?」

 

「…俺は水しか飲まん」

 

「ほー、そうか。じゃ、また来週な」

 

そういうと武天老師は飛び立った。ピッコロはなんとも言えない気持ちを抱きながら拠点にしている小屋に戻っていく。

 

そして宣言通り武天老師は次の週にまた来てピッコロを稽古する、もちろんピッコロは殺す気でかかってくるが。さすがはピッコロ大魔王の生まれ変わりか武天老師の教えを嫌な顔をしながらも吸収していく。そして武天老師が満足するかピッコロが疲れ果てて動けなくなると帰っていく。そして数日日を空けてまたくる。

時には稽古以外にも

 

「ピッコロ、デュエルしようぜ!」

 

「は?」

 

カードゲームに付き合わされたり時には

 

「釣りは良いぞ、心が落ち着く」

 

「意味がわからん」

 

近くの川で釣りをさせられたり、基本的な読み書きはできるが算数や歴史などは知らないと聞くと教材を持ってきて勉強させようとしてピッコロが興味無いと突っぱねるも弟子を引き合いに出されると謎の対抗心が湧き上がって勉強に取り組んだり。更にはゲームや漫画に映画など修行以外の暇つぶしに半ば強引に付き合わされる。

 

そんな日常が続き、何も無かった小屋にはいつの間にか凄まじく邪魔な小物が溢れかえっていた。

 

「…チッ」

 

何度消し飛ばしても同じものを持ってきて置いて帰るので諦めたピッコロ。修行後に置いていった本をいつの間にか手に取って読んでいる自分にイラつき舌打ちをする。

 

「あいつ、一体なんなんだ」

 

 

 

その暮らしが続き、なんだかんだ着々とピッコロが力をつけていたある日。武天老師がいつものようにピッコロにデコピンを食らわせていると

 

「ピッコロ、お主天下一武道会は知っておるじゃろう」

 

「ハァハァ…ああ、知っているが…それがどうした」

 

「今日からちょうど3ヶ月後に開催される。その大会にはもちろんワシの弟子たちが出場する。」

 

「っ! それを俺に話してどうする。俺に出ろというのか?」

 

「いや、ただの世間話じゃよ。優勝者には一千万ゼニーの他にワシへの挑戦権が与えられる。」

 

「なに!…くくく、面白い。貴様の弟子共を大勢の観客の前で無様に負けさせて、大会の最後を貴様の死で飾ってやろう!」

 

「そいつはどうかのう? ワシの弟子たちは強いぞ。ワシに挑戦する間でもなくワシの弟子に負けるかもしれんぞ?」

 

「はっ、有り得んな。この俺様が貴様以外に負けるはずがない! そして、次に戦う時が貴様の最後だ!」

 

「…(なんか、背伸びしている子供みたいじゃな)」

 

「おい、なんだその目は?」

 

「いや、じゃあ今のセリフ的に次会うときは3ヶ月後じゃな。ワシも少し済ませたい用事があるからのう。…ワシに会いたいと思っても知らんぞ?」

 

「ほざけ! 貴様の顔を見なくていいと思うと清々するぜ」

 

「ほっほっほ、それもそうか。それじゃ、また天下一武道会で会えるのを楽しみにしておる。」

 

「…ふん」

 

 

 

 

 

 

 

 

そして3ヶ月後の天下一武道会にて

 

「あれが武天老師の弟子たちか…孫悟空という男は少しはやるようだが、それ以外は大した事はないな。やはり、俺の脅威は武天老師だけか」

 

しかしそう思ったのもつかの間、ファンファンとシェンの試合が始まる。

 

「な、なんだあの女は…まるで底が見えん…! あの男も相当レベルの高い人間だが、あの女はまるで別次元にいやがる! この大会で1番警戒しなければならないのは武天老師の弟子ではなくあの女だ…!」

 

以前までのピッコロならば、それでも俺の敵では無いと慢心していたが武天老師という現状この世界で1番の使い手と嫌になるほど組手をしてきたのでファンファンの動きはまだ全力では無いと見抜いていた。

 

「面白くなってきやがったぜ…」

 

 

 

 

 

 

「なんと、桃白白が…」

 

「我が弟ながらしぶといやつじゃわい。」

 

本戦前の休憩で悟空達は亀仙人達と警備に駆り出されていた鶴仙流の門下生率いるランチと合流して予選中にあったことを話していた。そこでサイボーグになった桃白白が悟空と天津飯に宣戦布告をした出来事やファンファンと戦った凄い達人の話などで盛り上がった。

 

「そろそろ時間じゃな、お主たちが成長した姿を楽しみに見ておるぞ! 頑張ってこい!」

 

「「「はい!」」」

 

「天津飯、気張っていくのじゃぞ!」

 

「はい!」

 

「天さん、頑張ってきてくださいね!くしゅん!

負けたら承知しねぇぞ!」

 

「ランチさん、はい! 頑張ってきます!」

 

「チャオズさんの無念を晴らしてきてください!」

「ついでに警備で参加出来なかった俺たちの無念も!」

 

「ああ! チャオズやお前たちの分まで頑張ってくる!」

 

「みんな頑張って!」

「ヤムチャさん、優勝ですよー!」

 

選手控え室に急ぐ彼らを見送った後、ランチ達は警備に戻り亀仙人達は観客席に向かっていく。

天下一武道会の会場は前回よりもさらに進化しており、悟空たちのような気の技を扱うような武道家達の流れ弾が観客に被害を与えないようにカプセルコーポレーションを中心に各企業が総力を上げて気を弾くエネルギーバリアを開発して観客席を覆うように設置する事で安全性を向上させ、万が一のための避難経路を充実させる。

さらに随所にカプセルコーポレーション作の超スーパースローカメラを設置する事で音速を超える埒外な武道家の試合にも対応するなど、安全面以外にも凄まじく力を入れていた。

 

そして、亀仙人達はカプセルコーポレーションの令嬢であるブルマがいた事でいわゆるVIP席といえる会場をちょうどよく見渡せる場所の席を確保することに成功した。

 

「ふふん、感謝してよね! バリアの開発には私も1枚噛んでるんだから!」

 

とはブルマの談である。もはやカプセルコーポレーションの技術力には凄いより怖いの方が勝ってくる亀仙人である。

 

さて、試合が始まりまず行われるのは桃白白対天津飯である。原作とは違い鶴仙人は桃白白改造には噛んでいないらしいが桃白白が試合前に天津飯に自慢しだした。どうやらレッドリボン軍の生き残りの技術者に偶然拾われて改造されたらしい。ドクターゲロじゃないよな?

 

ちょっとした不安が覗いてきたが性能自体は原作とは余り変わらずのようで原作通り天津飯に情けなくボコられて退場した。原作とは違う点は気絶から目覚めた桃白白が喚き散らすのを見かねた鶴仙人が問答無用でボコボコにして放り投げたことだろうか。あの様子なら地球の裏側まで飛んでったな。

 

そして続いての試合は悟空対チチだが、原作通り悟空はチチに気づいていないらしくレベルの高い痴話喧嘩のようなものを繰り広げた末に結婚した。これは素直にめでたい。

 

そして続いてのマジュニア兼ピッコロ対クリリンだが、奮闘の末にクリリンが敗北した。油断していたピッコロにダメージを与えていたが、油断を無くしたピッコロには敵わなかったようだ。

 

そして、続いてのファンファン対ヤムチャだが…まぁ、うんヤムチャは頑張った方だと思う。心なしか原作より見せ場がなかったように見えるが、これも修行じゃ。

 

 

 

 




遅くなりましたが、鳥山明先生のご冥福をお祈りします。貴方の生み出した作品であるドラゴンボールは私の人生の1部でした。

さて、リアルでメンタルブレイクしたりコロナになったりドグマ2やったりしてめっちゃ遅れました申し訳ありませんm(_ _)m

相変わらずの亀更新ですがこれからもこの作品をよろしくお願いします!
超が完結するまでには追いつきたいなぁ…
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