転生したら武天老師って呼ばれるようになったんだが? 作:JOJI
ラディッツと亀仙人は向かい合って座っている。自分の自信の源である力が全く感じられないため嫌に大人しい様子を見せている。
「まずは自己紹介をしようか。ワシは武天老師とも亀仙人とも呼ばれ、本名はジャッキー・チュンという。一応、この地球では一番強いじゃろうな。」
「…ラディッツだ。」
「そうか、ラディッツよ。お主がこの星に来た理由を聞こうかの。お主は随分と好戦的な様子じゃったが、何か理由はあるのか?」
「…特に、理由は無い…。サイヤ人とはそういうものだ…」
「ふむ、お主はサイヤ人という種族と言うことでいいのか?」
「…そうだ。サイヤ人とは戦闘民族であり、星を侵略してその星を移住先を探している他の民族に高値で売りつける事を生業としていた…。」
「ふむ、それではお主はこの星を侵略しに来たと?」
「いや、違う。俺はこの星に飛ばされた弟を探しに来たのだ。」
そこでラディッツはサイヤ人が既に滅びかけている種族であることと、弟はサイヤ人の大勢が星とともに運命を共にする前に飛ばされた飛ばし子である事を打ち明けた。
「ふむ、なるほどのう。その、カカロットというお主の弟の事じゃが1人心当たりがある。」
「なに!? 本当か!?」
「うむ、お主のようにしっぽが生えており強い力を持った武道家じゃ。ワシの弟子で孫悟空と言う。」
「孫、悟空…そいつはどこにいる?」
「ふむ、まぁ話しても良いだろう。今のお主には力を使う術はないからな。ちょうど下に来ておる。一応言っておくが、妙な真似はせん事じゃ。そいつは今のお主はおろか、気流絶を使う前のお主より遥かに強いからのう。」
「な、なに…」
「付いてくると良い。ちょうど、下でその悟空の息子の4歳の誕生日パーティを開いているところじゃ。お主も腹が減っていよう、飯を食っていくと良い。」
「…」
「あ、そこの肌着は着ていいからの。」
そう言うと亀仙人は立ち上がって部屋を出て行く、そしてラディッツも少しして肌着を着たあと亀仙人を追いかけた。
亀仙人の後を追って階段をおりるとリビングに当たる場所は煌びやかに飾り付けをされており、壁に『孫悟飯くん誕生日おめでとう』という文字が書かれた紙がデカデカと貼られている。そこに沢山の人がご飯を食べており、窓から見える景色では外でバーベキューをしている人が更に沢山見えた。
「っ…」
その人混みの中に一際目立つ男が見えた。特徴的な跳ねた髪型が特徴的であり、顔付きはかつての父を思わせる風貌、そしてオレンジ色の変わった道着に身を包んだ男が球が着いた帽子を身につけた子供を抱いて禿の男と話している。
「カカロット…」
その姿を見てそう呟くラディッツ。そしてちょうど悟空がラディッツと亀仙人の姿に気づいてクリリンとの話を中断して2人の元へ歩いてきた。
「オッス、じっちゃん! 今日はありがとうな! 悟飯、ほらお前もお礼を言え」
「あ、ありがとうございます!」
「いやいや、悟飯はもうワシの孫みたいな物じゃからな。当然じゃよ。あと悟空よ、お主に客人じゃ」
「客人? そっちの奴か?」
「うむ」
悟空は悟飯を下すとみんなのもとへと行かせてラディッツへと向き直る
「やはり…貴様はカカロットだな…父親にそっくりだ。」
「カカロット?オラ、そんな名前じゃねえぞ」
「覚えていなくとも無理はない、お前は生まれて間もない頃にこの星に送り込まれたのだからな。」
「一体、何言ってんだ…おめぇなにもんだ?」
「教えてやろう。まず、お前はこの星の人間ではない。生まれは惑星ベジータ、誇り高き戦闘民族サイヤ人だ!」
「!?」
「そして、俺はお前の兄ラディッツだ。」
「オ、オラの兄ちゃん!?」
ひぇ~っと驚く悟空と聞き耳を立てていた一同が驚く。
「悟空、宇宙人だったってよ」
「戦闘民族か…道理で強いはずだ」
「あれまぁ、あの方が義兄様だったってことけ!後で、ご挨拶をしねえと!」
「い、いきなりそんなこと言われてもよ…いまいち実感がわかねぇぞ」
「な、なんだと貴様!」
「まぁまぁ、いったん落ち着いて飯でも食わんか? 積もる話はあるじゃろうが腹が減っては落ち着いて話もできんじゃろう」
「そ、そんなもの…!」
ラディッツが何かを言いかけたが、ちょうどその主の腹から音を出す。ラディッツは少し顔を赤らめてそっぽ向くと
「…よ、よこせ」
ガツガツガツ
ラディッツが一心不乱に飯を掻き込む。一口食べた後に「美味い!!」と叫んだあとからこのありさまである
「ひゃ~、この食いっぷりは悟空の兄だな…。」
「ああ、間違いないな。」
「…」
次々と皿が重なっていく。パーティー用に大量に作り置きしていた料理がほとんどなくなった辺りでようやく落ち着いた。
「ふぅ~…礼を言う…旨かった。」
「お粗末様でした。全く、大食いなのは孫君と同じなのね。」
重なったお皿を片付けながらブルマがそう口にする。ラディッツは悟空のほうに視線を移すと、ちょうど悟飯と戯れながらチチと話す悟空の姿が見えた。ラディッツは立ち上がって悟空に近づくと向こうもラディッツに気づいた。
「あ、初めまして悟空さのお兄様。オラは悟空さの妻でチチと言うだ。こちらは息子の孫悟飯だ。悟飯ちゃん、伯父さんに挨拶するだ。」
「は、初めまして…孫悟飯です。」
「…ラディッツだ。カカロット、少し二人で話をしたい。」
「…分かった。チチ、ちょっくら行ってくる。」
そう言うと悟空とラディッツは家を出て裏手に回る。そして、二人でしばし海を眺めた。
「…ここは、賑やかだな。」
「オラの息子の誕生日パーティだかんな。今日が特別賑やかなだけさ。」
「…誕生日パーティか…ふっ、サイヤ人では考えられん祭りごとだな。」
「そうなんか?」
「サイヤ人の親子関係はかなり薄いものだ。産んだ後は育成カプセルに入れた後、子供の事を忘れるサイヤ人は珍しくなかった。子が親を殺す事も親が子を殺す事もよくある事だ。」
「ひぇ〜、物騒だなぁ」
「お前にとってはそうだろうが、俺からしてみれば今の様子の方が異様に映った。カカロット、お前はサイヤ人にしてはえらく気性が穏やかに見える。大抵のサイヤ人は子供の頃から気性が荒い性格が多く、成人しても変わらん奴がほとんどだ。」
「そんな事言われてもなぁ…流石に赤ん坊の頃とかオラ覚えてねぇぞ。」
「…まぁ、良い。俺がこの星にお前を探しに来た理由を教えよう。」
ラディッツは浜辺に落ちていた石を拾って投げる。気を制限されていたとしても、強靭な肉体のサイヤ人らしく波を切り裂くように石は飛んで行った。
「お前がサイヤ人だと言うことは話したと思うが、そのサイヤ人の殆どは惑星ベジータに巨大隕石が衝突してその殆どが滅びた。俺とお前の母と父もな、生き残ったのは俺が知る限りではたった
「そ、そうなんか…オラの父ちゃんと母ちゃんか〜。会ってみたかったなぁ…」
「俺達サイヤ人は環境の良い星を探しそこに住む者を絶滅させてから、適当な星を求めている異星人達に高値で売りつけるのを生業としていた。それは、フリーザ軍に身を寄せている今も変わらない。」
「…」
「お前を探しに来たのは、ついこの前に俺たちの上司の命令でとある星を制圧する事になったのだ。だが、そこは俺ともう2人のサイヤ人では苦戦しそうでな。そこで、思い出したのがカカロット…お前だ。」
「…」
悟空は浜辺の石を拾って海に投げ放つ。投げれた石はラディッツよりも大きく波を切り裂いて向こう側へと消えていった。
「つまり、兄ちゃん達は星に住んでる人達を全員殺してその星を他の人達に売ってるってことで…オラをその仲間にしたいってことだな?」
「そうだ。」
「断る。オラ、そんな悪い事は死んでも手を貸したくねぇ。」
「…ふん、そうだろうな…貴様がこの星の人間と話しているのを見ていたが…随分とあまっちょろい性格に育ったようだ。貴様を連れて行っても足手まといになるだけだろう。地球人を人質にとって従わせようにも、貴様の師匠とやらのせいで今は戦闘力が大幅に下がっている。」
「ずっと気になってたけんど、その傷ってじっちゃんと戦ったのか? 」
「見ての通りだ。圧倒的な力でねじ伏せられて、戦闘力も封じられた!」
ラディッツは拳を握り締めて地団駄を踏む。その様子に悟空も苦笑いを浮かべて頭を掻く。
「まぁ、そんくらいで済んで良かったじゃねぇか?」
「巫山戯るな! 圧倒的にやられて情けを掛けられ、更に力も失った! まだ、死んだ方がマシだ!」
「ふーん、まぁそんなもんか。で、どうすんだ? おめぇ、このままそのサイヤ人って奴らのとこに帰るんか?」
「…この状態で帰っても奴らに殺されるだけだ…このまま、この星で死んだことにした方が都合がいい。どの道、奴らに使い潰されてそう遠くない内に死ぬことになっていただろうからな。」
「…なんか、昔じっちゃんが言ってたブラック企業ってやつみてぇだな…。」
「話はそれだけだ、……向こうに戻ったら貴様がこの星でしてきた事を聞きたい。」
「お、いいぞ! ならさ、兄ちゃんの話も聞かせてくれよ!」
「ふん、つまらん話になっても知らんぞ」
そう言いながらラディッツと悟空は亀仙人の家に戻った。するとちょうどパーティに集まっていた面々が悟飯を囲むように座って話していた。クリリンやヤムチャとブリーフ一家に鶴仙人ら天津飯達、悟空の息子の誕生日を祝いに遥々やってきたのだ。
「みんな、何話してんだ?」
「今、悟飯くんにドラゴンボールの事を話していたのよ。ほら、ちょうど帽子に着けてるし」
ブルマが悟飯の帽子につけられている四星球を指さしながら笑いながら経緯を話す。
「あぁ、懐かしいな。ブルマとオラが初めてあったのも皆と出会えたのもドラゴンボールのおかげだったな…」
悟空が懐かしそうに四星球を眺めている様子をラディッツが不思議そうに首を傾げている。
「その、ドラゴンボールと言うのはなんだ?」
「簡単に言えば、願いを何でも叶える不思議なボールよ。7つあるんだけど全部揃えると龍が現れて何でも願いを1つ叶えてくれるの。」
「な、なんだと!? そ、そんなものがあるのか…」
ラディッツはそう狼狽えながら話してくれたブルマを見ると、手に自分がつけていたスカウターを持っているのに気がついた。そこでラディッツはある事に気がついて焦りだした。
「おい、女!その手に持っているスカウターを返せ!」
「な、なによ。ちょっと珍しい機械だな〜って見てただけよ? 勝手に触ったのは謝るけどそんなに怒鳴ることじゃ…」
「ごちゃごちゃ言うな! さっさと渡せ!」
「もう! はい!」
ラディッツはブルマからスカウターを受け取ると素早く身につけて弄り出した。
「くそ、やはり通信されている! おい! ベジータ! 聞こえているのか!?」
『よう、ラディッツ。随分と楽しそうじゃないか、ええ?』
「ッ!」
『それにしても、随分と面白い話をしていたな…ドラゴンボールだったか? 何でも願いを叶えられるんだったか…くくくくっ…弱虫ラディッツも偶には役に立つじゃないか』
「…どういう意味だ?」
『ここから大体、その星まで1年ほどか? それまでにドラゴンボールとやらを集めておけ、先に願いを叶えるような真似はするんじゃないぞ?』
「おい! 待て! くそっ! 切りやがった!」
ラディッツはもう一度通信を掛けるが応答がない。
「ラディッツよ。どうしたのじゃ?」
ただならぬ様子を見かねた亀仙人が皆を代表して理由を聞く。その言葉にラディッツは少し悩む。しかし、この男に力を封印されている身で話を誤魔化すのは危険だと判断して素直に話すことにした。
「兄ちゃんの仲間が地球に?」
「あぁ、奴らの狙いは貴様らが話していたドラゴンボールだ。」
「ふぅむ、厄介なことになったのう」
「は、話し合いで何とかならないのか? 仲間なんだろう?」
「…あまり、言いたくは無いが俺は奴らの中での地位は限りなく低い…生かされているのは数少ない同胞だからに過ぎん、利用価値が無くなれば容易く切り捨てられるだけの関係だ。」
「…冷たいんだな…そいつら…」
あんまりな答えにクリリンは思わず同情の言葉を放つ。
「奴らのことだ、ドラゴンボールで願いを叶えればこの星は滅ぼされるだろう。他の奴らに願いを叶えられれば厄介だろうからな…」
「そ、そんな勝手な…!」
「つまり、オラ達でそいつらをぶっ倒してドラゴンボールで願いを叶えさせねぇようにすればいいんだな!兄ちゃん、そいつら強えのか?」
「俺より遥かにな…ナッパの戦闘力は4000ほどだが、ベジータのやつは1万8000の戦闘力を誇るサイヤ人きっての天才だ。ちなみに俺の戦闘力は1500だ。」
「ふぅん、数字で言われてもよくわかんねぇぞ?」
「ちょうど良い、カカロット。貴様の戦闘力を測ってやろう。」
ラディッツがスカウターのスイッチを押すとピピピっと音が鳴る。
「ほう、その機械で相手の気を数字で表すことができるのか? 面白いものを作るものじゃのう」
「そうだ、フリーザ軍で支給されている旧型だがな。」
その言葉を聞いてこの場にいる若き武道家達は面白そうだと盛り上がる。
「ほう、戦闘力314か。なかなかのものだが、到底この兄には及ばんな?」
「あぁ、今ぜんぜん力を入れてねぇかんな。ちょっと待ってろ…はぁぁぁあっ!」
「ッ!? 戦闘力810…1145…1566っ! ば、馬鹿な、戦闘力がどんどん上がっていく!?」
悟空の体から気が溢れ出し徐々に周囲のものが揺れ始める。亀仙人は外でやれと思いながら気で家を補強し始めた。
「だぁぁあっ!」
悟空が気を最大限まで引き上げる。その様子をスカウターで計測していたラディッツは驚愕の表情を浮かべながらスカウターの数字を眺めていた。
「どうだ兄ちゃん? もうちょっと上げれるけどこれ以上は無駄だかんな。」
「…せ、戦闘力…3456…ば、馬鹿な。俺の倍以上の戦闘力をもう身につけていたのか…こんな辺境の星で…」
「そんなもんか…参ったな、そのベジータって野郎には全然敵いそうにねぇや…じっちゃんなら倒せるか?」
「ん? まぁ、どうじゃろうな。やってみんと分からんが…修行をするに越したことはないじゃろう。」
未だに呆然としているラディッツを他所に悟空達と修行の計画を立てることにする。期間は1年、それまでに迫り来るベジータ達を超える事を目標にそれぞれ修行する事になった。
悟空の戦闘力意外と低いなって思ったかも知れないですけど、今作の悟空さは既に農家として活躍しているため修行だけにかまけてないだけです。それでも天下一武道会時よりも腕は上げています。
キャラ紹介いる?
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yes!yes!yes!!
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そんなことより、続き書け