前回の雪精のクエストが失敗に終わった一同は、次の金稼ぎの為にクエストに出向いた。
それは、ゾンビメーカーの討伐であった。
アンデットに対しては、無類の強さを誇るアクアもいる事で、今回のクエストは簡単にクリアできると思われた。
だが、訪れた墓地において、ゾンビはいるが、その墓地にいるゾンビ達は次々と浄化されていた。
そこで、浄化を行っていたのは、なんとリッチーであるウィズであった。
彼女は、ここで迷える魂を日々、浄化していたが、アクアはそれを気にせずに、浄化しようとした。
「さぁ、ブレーザー!あなたのその光の槍で、このリッチーを貫きなさい」
そう、アクアがブレーザーの方へと目を向けると、思いっきり首を横に振っていた。
「何よ、いつもの、あの叫び声と共に、やりなさいよぉ!」
「いや、幾ら何でも、無理ですよ!この墓地で迷える魂を救っている上に、人々に被害を与えていない。そんな彼女を倒すのは無理に決まっているでしょ」
ブレーザーの事をよく知るめぐみんの言葉に対して、カズマもダクネスも思わず頷いてしまう。
「ブレーザーさんは基本的に言葉が喋れないけど、確実にお前よりも賢いな」
「なっ、カズマも、もう嫌あぁぁ!!」
そう、アクアは駄々をこね始めた。
それを見ていたブレーザーはおろおろしながら、どうすれば良いのか、困惑していた。
「うわぁ」
普段は無口で、あまり喋らないブレーザー。
だが、その様子は、まるで我が儘を言う娘に対して、どうすれば良いのか分からずに困惑している父親のような姿であった。
「あわわわわぁ、どうすれば」
「ジュワジュワァ!?」
そう、地面で暴れている様子を見て、おろおろするブレーザーとウィズ。
それは、まさしく、駄々をこねる子供をどうすれば良いのか分からない気の弱い夫婦だった。
「どうしましょう、カズマ」
「あぁもぅ、お前はとにかく落ち着け」
そうして、落ち着かないアクアを止める為に説得を行った。
あの共同墓地は元々はこの街のプリーストが浄化をしてこなかったのでアークプリーストであるアクアが引き受ける事になった。
その結果、カズマ達のパーティーはゾンビメーカー討伐のクエストを失敗して報酬は貰えず終い。
「それにしても、ブレーザーさんって、一体、何者なんですか?」
「いや、まぁ、人間じゃないけど、そう言えば、何者」
ここまでの道中、様々なインパクトを与えてきたブレーザーではあるが、ここに来て、ようやくカズマ達はブレーザーに対する疑問が出た。
「さすがに、こんな魔物は見た事ないな」
「なぁ、めぐみん、ブレーザーさんとは、どうやって出会ったんだ?」
「そうですね、私とブレーザーさんが出会ったのは、丁度、故郷で晩の食事を探してた頃でした。
空から隕石が落ちてきたと思い、向かった場所で、半透明だったブレーザーさんに出会ったんです」
「隕石?」
「えぇ、その時にブレーザーさんに魔力を分け、様々な苦難を乗り越えて、このブレーザーブレスを貰いました!」
それと共にめぐみんは自慢げに語る。
「これは、見た事のない魔導具ですね」
「そうなのか?」
「えぇ、それに、なんというか、うぅん、どう言ったら良いんでしょうか、まるで星のような感じがして」
「・・・なぁ、アクア」
「なにかしら、カズマ」
それと共にカズマとアクアは、ふと疑問に思った。
「お前、ここがファンタジーだと言っていたけどさ、もしかして、もしかするんじゃないか」
「えぇ、私も丁度、それ、思った所だけど、えっ、マジで?」
同時に冷や汗を掻きながら、これまでのブレーザーの戦いを振り返る。
「うん、なんというか、魔法を使っている感じじゃないし」
「もしも、それだとしたら、うん、納得できるけど、まさか」
「そう言えば、ブレーザーさんはどこから来たって言いましたか?」
「空から?
ほぅ、つまりは、あの星から来た訳か?」
「そうなりますね、まぁ、さっぱり意味は分かりませんが」
この、異世界において、地球などの天体という項目はあまり知られていない。
だからこそ、ブレーザーが言った空の向こうをそのままだと、思っためぐみん。
それは勿論、ダクネスもウィズも同じだった。
ただし、それらを知っているカズマとアクアは確信した。
((ブレーザーさん、宇宙人だったぁ!!!))