「ふむ」
その日、カズマは悩んでいた。
先日の、ブレーザーの裁判の1件も無事に解決した。
だが、その前に、彼らには解決するべき問題があった。
「くぅん」
「うぅぅん、どうしよう」
それは、デストロイヤーから出てきた巨大なロボット、アースガロン。
かつて、デストロイヤーを開発した転生者が作り出した事もあって、その装甲はデストロイヤーと同じく魔法攻撃をほとんど効かず、さらには巨体故にパワーが過剰なぐらいにある。
さらには、デストロイヤーにはなかった二足歩行で可能である事も含めて、その能力はかなり高い。
だからこそ、現在、アクセルでは、アースガロンに対して、どうするべきか悩んでいる。
「別に良いんじゃないですか、この子、結構気に入っていますし、大人しいじゃないですか」
「そうね、ロボットとは言え、何もしていないのに、いきなり壊すといのも」
「まぁ、それは俺も思うけど」
実際に、ブレーザーが捕まっている間に、カズマもアースガロンと一緒に過ごした。
最初は、その巨体故に、ビビってしまう事もあるが、まるで子犬を思わせる動作、巨体から出ているとは思えない可愛らしい声。
それらは、最近になってお世話になっているサキュバスとはまた違った癒やしをカズマに与えてくれた。
さらには、エネルギーは、太陽光発電によって、まかなっており、餌代もない。
「実際に街の人からはクレームは来ているんですか?」
「巨体故に、影となって、洗濯物が干せないというクレームが数多くあるからな」
「あぁ、どうすれば良いんだ!」
そう、考えていた時だった。
ブレーザーは、ふと見つめていた。
「どうしたんだ、ブレーザーさん?」
そう、悩んでいた時であった。
ブレーザーは、そのままアースガロンに近づくと共に、何か指示をした。
すると、アースガロンは、そのまま伏せた。
「おぉ、これはいわゆる伏せというのね」
「んっ?」
それと共に、アースガロンの背中にハッチが開く。
「これはもしかして」
「乗れるんですか!!」
それは、まさしく男の浪漫であった。
それに目を輝かせるめぐみん。
それは、勿論カズマも同じだった。
「いやぁ、まさか、アースガロンに乗れるとはな、巨大ロボットなんて、浪漫があって、良いじゃないか」
「そうですね、これは紅魔族の血が騒ぎます。
という事でさっそく、私が最初に」
「おい、待て。こういうロボットは主人公である俺が乗る物だ。第一、お前はブレーザーさんがいるだろう」
「時にはロボット、時にはブレーザーさん。両方やらなくちゃいけないのが、天才のつらい所ですよ」
「「……」」
そして、その思考は同じだった。
2人は同時に走り出した。
「ちょ!? 何で二人とも走ってるんですか!! ここは私の番でしょう!!」
そんな2人に対し、アクアは慌てて叫ぶが、二人は止まる事無く走る。
そして、その先にあるアースガロンに向かって、走る。
アクアもまた、アースガロンを最初に操縦するのを楽しみにしているのだ。
3人は、まさしく阿鼻叫喚の中、駆け抜けていった。
「こらー! 待ちなさいよ!!」「あっ、ずるいぞ、アクア!! 俺が一番乗りなんだからな!!」「何を言っているんですか! 私こそ一番です!!」
こうして3人の争いが始まった。
それはまさに混沌であった。
だが、それは以外な結果で終わる事になった。
「うわぁ、これって以外と大きいかも」
「ゆっゆんゆん、何時の間にって!」
アースガロンの上には何時の間にか、ゆんゆんがいた。
それは、3人が争っている間にも、遊びに来ていた。
それと共にゆんゆんを案内していたブレーザーがアースガロンを紹介していると、そのまま興味本位で見ていた場所が搭乗口だった。
「うわぁ、びっくりしたって、きゃぁ!」
「「「あっ」」」
ゆんゆんは、そのままアースガロンへと入ってしまった。
「えっ、なにここ!? えっと、これは一体、きゃぁ、動いたぁ!」
そんなゆんゆんの悲鳴と共にアースガロンは起動し、そのまま、アクセルから出て行った。
「アースガロン、行っちゃいましたね」
「どうしよう」
「まぁ、ゆんゆんの事ですから、その内戻ってくるでしょう」
「ジュワァ」
そうして、アースガロンが、どこかへと向かってしまった為、今回の騒動は、そこで終わりを告げた。