その知らせは、突然だった。
屋敷に入ってきたセナから街に溢れる怪しげなモンスターの原因が、カズマたちではないかと疑ってきたのだ。
その話には、思い当たることがないカズマだが、アクアが自信満々に聞き捨てならないことを言い出した。
「あのダンジョンには、私の魔方陣があってね、あそこにある魔方陣のおかげでダンジョンには邪悪な存在が立ち入れないようにしているの」
それは、ブレーザーとは別行動していたカズマ達が潜ったダンジョン。
そこには、リッチーとなったキールが眠っていた洞窟。
カズマ達が訪れる以前から数多くの冒険者が探検しており、既に宝の多くは取り尽くされていた。しかし最近になって未踏区画が発見されたので、カズマ達が探検する事になった。
冒険者の中にはこの中で命を落としてアンデッドになった者も多く、その他にはグレムリンやミミックの一種の『ダンジョンもどき』が巣食っている。
だが、ダンジョンの主であるキールはキール自身は「彼女がいないこの世にはもう未練は無い」とアクアに浄化を頼み、そのまま浄化された。
それによって、キールは浄化された。
だが、その後が問題だった。
先程の、アクアの言葉通り、キールのダンジョンに魔方陣。
それが原因ではないかと、カズマは考えた。
「とにかく、なんとかしなければ。
また、問題を起こしたら、面倒な事になるぞ」
カズマは仕方なくセナや街の冒険者たちと共にダンジョンへと向かうカズマたち一行。
それと共にダンジョンの奥から次々と出てくるのは、手の平サイズ程度の人形であった。
次々とダンジョンから出てくる人形。
その人形は、近づいた存在に抱きつくと共に爆発する。
そんな性質を持っていた為、討伐を急いでいた。
その為、人形の爆発に耐えられるダクネス、どんな状況でも対応できるブレーザー、様々な支援が行う事ができるカズマがダンジョンに入る事になった。
深部へ潜ったカズマ達が見たものは、せっせと泥人形を作っている怪しい仮面の男だった。
「アレ、どう考えてもこのモンスターたちの主だろ……」
「貴様が元凶か」
そう、カズマが構えていると、ダクネスが前に出る。
「ほぅ、よもや、ここまで辿り着くとは、ようこそ我がダンジョンへ冒険者よ。
そう我輩こそがこのダンジョンの主にして魔王軍の幹部! この世のすべてを見通す大悪魔にして地獄の公爵! バニルだ!!」
「お、お前が魔王軍の幹部だと!?」
その一言にカズマはすぐに警戒する。
「さて、吾輩としては、すぐにでも、この迷惑な魔方陣を張った奴をどうにかしたい所だが、ふむ」
その視線は、ブレーザーへと目を向けていた。
「・・・厄介だな、実に厄介だ。
見通す悪魔と言われた吾輩だが、まさに、これは厄介だ」
「まさかっ」
その時、カズマは思考したのは、ブレーザーの能力。
これまで集めた情報だけでも、宇宙人である事が分かり、もしかしたら魔法を遙かに超えた力を持っている為、それで防いでいるのではないかと。
「いや、汝が考えているような事ではないぞ。
むしろ、反対で、このブレーザーの思考、あまりにも単純過ぎる。
それこそ、吾輩に対しては、人間に危害を加えないならば、別に倒さなくて良いから、帰って、何を作ろうかと考えているぞ」
「ジュワァ」
「えぇ」
それに対して、カズマは思わずブレーザーの方を見る。
「吾輩としては、このブレーザーというのは、まぁ人間には危害を加えないし、吾輩としても人間に危害を加えるつもりはない。
つまりは、互いに敵対する理由がない以上は、下手に戦いたくないからなっと」
それと共にバニルは、ふとブレーザーの思考を読み取る。
「えぇ、マジで、そんなのがいたのか」
「えっ、なに?」
「そんな事が、えぇ、この近くにマジでいるの、そんな奴らが、えぇ」
「だから、どういう事だよ!!」
何やら、ブレーザーから何かの情報を読み取ったバニルは、驚きを隠せない様子でいた。
「このアクセルという街で、まさかそのような事が起きていたとはな。
それにしても、マジかぁ、まさか、魔物以外にも、そんな奴らがいたとはなぁ」
「だから、何を見たんだぁ!!」
バニルの言葉が気になりながら、カズマの雄叫びがダンジョンに木霊した。