謎の悪魔、バニルとの戦闘が行われる事になった。
基本的に、人間に対して無害だという言葉は、ブレーザーからの反応を見ても、真実であるという事は、カズマ達も理解できた。
だが。
「そう、人間にはな」
「■■■■■■■■■■■―――!」
その一言をきっかけに戦闘は始まる事になった。
ブレーザーの、その野性的な動きと共に、真っ直ぐとバニルへと向かって、攻撃を仕掛ける。
「ほぅ、これは厄介だ、幾ら動きを読めて、しかも、本来の力を発揮していないとはいえ、ここまで厄介とはな」
そうバニルは、ブレーザーからの攻撃を飄々と避けながら呟く。
時折、土から人形を生み出し、爆発させようと仕掛けるが、素早く薙ぎ払う事で、爆発を避ける。
それらの攻防はまさしく異次元ではあった。
だが、その戦いも長くは続かなかった。
「■■■■■■■■■■■―――!」
ブレーザーは、素早く造り出した槍を真っ直ぐとビニルに向かって、投げる。
本来ならば、それを簡単に避ける事は出来るはずだった。
「うわっと!?」
激しさを増した結果、地面に転がっていた岩に脚を滑らせてしまったカズマ。
その衝撃は、そのままバニルにぶつかり、槍を避ける事が出来なかった。
「やったのか?」
「あぁ」
見てみると、そこにはバニルの身体は土になっており、仮面だけが、そこに残っていた。
それに対して、少し安堵したカズマ達だったが。
「ジュワァァァ」
「ブレーザーさん?」
未だに警戒しているブレーザーに対して、カズマは首を傾げる。
「野生の直感というのは恐ろしいな、だが、少し爪が甘い!」
「なっ」
それはバニルの仮面が、真っ直ぐとダクネスへと取り憑く。
突然の出来事で、カズマもブレーザーも困惑を隠せない。
「おい、ダクネス!返事をしろ!」
それに対して、カズマはすぐに叫んでしまう。
だが。
「ふふふっふわははははぁぁぁ!!小僧!光の戦士よ!聞くが良い!『どうしようカズマ!ブレーザーさん!身体が乗っ取られてしまった!』どうだ、小僧と光の戦士よ!この身体に攻撃できるならば『一向に構わん!遠慮無く攻撃してくれ!さぁ、早く!これは絶好のシチュエーションだぁ!!』やかましいわぁ!!」
そう、取り憑いたはずのバニルが、取り憑かれたダクネスに対して、思わず突っ込んでしまう奇妙な光景であった。
それに対して、どうするべきか、考えている間にも、ブレーザーはその手にはいつもの槍を取り出していた。
そのまま、槍の先を少し曲げると、まるでバールを思わせる形になる。
「・・・」
「いや、駄目だから、そんな事をしたら、ダクネスの顔が剥がれるから」
『それは本当か!私は一行に構わんぞ!!』
ブレーザーが行おうとしている事に気づいて、さすがにカズマは止める。
それと共にダクネスは、荒い息と共に、むしろ期待するように言う。
そうしている間にも、ダクネスとバニルは、互いに何かを言い合っている様子が見られる。
それを見ていたカズマとブレーザーは互いの顔を見ると共に、そのまま頷くと同時に通り過ぎる。
「あぁ、ブレーザーさん、用意していたのはあるか」
「ジュワァ」
「おぉ、それじゃクリエイトウォーター」
そのまま、背後でやり取りを無視しながら、カズマとブレーザーは、そのまま魔方陣を消す作業をしていた。
普段から、そういう家事も行っている為か、魔方陣は瞬く間に消す事が出来た。
「さて、アクアの所に行って、さっさと浄化して貰うとするか」
「それは、困るな」
それと共にダクネスの剣が、そのまま真っ直ぐと、カズマに向けていた。
「とりあえず、借りといて良かったぜ、本当に」
『あぁ、それは!』
「なっ、まさか」
それと共にカズマは、その腕にはブレーザーブレスを装着しており、そのままブレーザーと合体する。
同時にカズマと合体した事によって、魔力に制限はなくなった。
それによって、スキルの一つであるバインドを発動させ、ダクネス達を拘束する。
『よし、それじゃ、このまま、地上まで走りますか、ブレーザーさん』『そうだな』
そのまま、ダクネスを抱えたまま、ブレーザー達は真っ直ぐとダンジョンの入り口前まで向かう事になった。