その日の晩、ブレーザー達は夜の肝試しを行う事になった。
そのグループは別れており、基本的に5人1組で、次々と向かう事になっていた。
そして、ブレーザーのグループは、ブレーザー、ターニャ、アインズ、スバル、アクアの5人だった。
「それにしても、ブレーザーさん、こんな夜なのに、むっちゃ光っているなぁ」
そうしながら、ブレーザーのカラータイマーが明かり代わりになっている事もあり、彼らはほとんど電灯を持たずに、向かっていた。
「そう言えば、前から気になっていたけど、結局、ブレーザーさんって、何者なんだ?」
「じゅわぁ?」
スバルは、その素直な意見をブレーザーに問いかけるが、この場において、ブレーザーの言葉を翻訳する事が出来るめぐみんがいない為、それは不可能であった。
「私達は、以前、ブレーザーから話を聞いたが、どうやら、彼は宇宙人らしいぞ」
「マジかよ、まぁ、この見た目だったら、むしろSFの部類に入るとは思うけどな」
それと共に、改めて、ブレーザーの全身を見ながら、スバルは頷く。
「ねぇ、そう言えば、貴方達」
「何か?そろそろ突っかかるのは、止めてくれたら「違うわよ」むぅ?」
アクアからの質問に対して、アインズはそのままため息を吐くが、そんなアインズの言葉を、アクアは否定する。
「貴方達、地球から来たでしょ。
さっきから、ブレーザーさんの事を宇宙人と言っているようだし」
「まぁ、それは確かにそうだけど、そこまで分かるのか?」
「当然よ、カズマもその1人だから。何よりも、カズマをあの世界に転生したのは、私だから」
「っ」
それと同時にターニャの様子が変わった事にブレーザーは気づく。
それに対してブレーザーは必死に腕を×にして、アクアの言葉を止めようと、首を横に振る。
スバルもアインズもそれに気づいて、首を傾げるが。
「その話を、もう一回」
「だぁかぁら、私は神様として、カズマを地球から呼び出したの、魔王討伐の為に」
「神様として?」
「そう、私、女神だから」
そう、アクアとスバルが呑気に会話をしている間にもブレーザーは必死に止めようとする。
それを見た、アインズも首を傾げるが、その視線の先がターニャである事に気づき、同時にブレーザーの行動の意味を理解する。
「貴様が、存在Xかぁ!!」
その咆哮と共に、ターニャを中心に、魔力が放出される。
そう、それはまさしく、伝説の超人が誕生したシーンを沸騰させるように。
「ターニャ君!待つんだ!」
「止めないでくれ、アインズ君!」
「ちょっ、待って、怖いんですけど!?」
「怖いだと、存在Xともあろう者が情けない!この神を名乗るペテン師が」
「ちょちょ、状況が分からないけど、多分、あんたが怒る対象は、こいつじゃないと思うぞ」
それに対して、スバルとブレーザーはすぐに前に出て、止める。
「その通りだぞ、この世界は、幾つもの世界が重なった世界。
おそらくは、彼の言う通り、彼女は君の言う存在Xではないだろう」
そうして、スバルとアインズの2人の言葉を聞き、スバルの後ろで怯えるアクアを見て、落ち着きを取り戻す。
「・・・確かに、全く違う」
「だろう」
「そうだった、この世界は、沢山の世界が絡み合った場所だったな。アクア殿、失礼した。
神を自称する者に過敏になっていたな」
「えっ、でも私、前から言っていたけど」
「えっ」
「あぁ、言っていたな」
「あぁ、あまりにも女神っぽくないから、俺達、脳に染みていなかったんだわ」
「なるほど」
「それ、酷くない!!」
そう、アクアは、その一言に思わず叫んでしまった。
「それにしても、助かったぜ、正直に言うと、ブレーザーさんが一緒で、心強かったしな」
「ジュワジュワ」
「あぁ、けど、ブレーザーさんは宇宙人だから、日本とか、意味の分からないよな」
「じゅわぁ」
そうして、スバルがお礼の会話を行っている間に、ターニャは、その会話の最中で、気になる動作をした。
「・・・あれ?」
「どうしたんだ、ターニャ君?」
「いや、気になる事があったので、確かめるが、ブレーザー君。
君は日本を知っているのか?」
「いきなりどうしたんだ?」
「いや、以前から、まるで日本の常識を知っているような態度をしていたからな」
「そう言えば、一緒に暮らしている時も、料理とか洗濯とかも普通に家電を使っていたわ」
「いや、確かにそうかもしれないが、幾ら何でも」
それに対して、ブレーザーは、首を縦に振った。
「「「「・・・えっ」」」」
それは、その場にいた全員が驚愕した言葉だった。
「アクア、一応聞くが、ブレーザーさんは転生者じゃないんだよな」
「当たり前よ!ブレーザーさんのように目立っていたら、すぐに分かるわ!」
「では、それ以前に知った可能性は?」
「そこまでは分からないわ」
「だったら、確認だけど、ブレーザーさん、日本の国旗とか知っているか?」
それと共にブレーザーは、そのままその辺に落ちている木の棒を拾い、そのまま地面に書く。
それは紛れもなく、日本の国旗であった。
「・・・えっ、ブレーザーさん、もしかして日本に行った事があるの」
これまでにない謎を前にして、ブレーザーの謎がますます深まるばかりであった。