その騒動は、一つの会議から始まった。
「ジュワァッ」
普段は、職員のみしか集まらない会議室。
そこには、ブレーザーが、立っていた。
彼は、その会議室において、今回、彼自身が出した議題に関してを、発表した。
「・・・いや、それは幾ら何でも横暴ではないか」
その議題に対して、ルーデルドルフは溜息を吐きながら、言う。
それは、あまりにも馬鹿馬鹿しい内容に対して、溜息を吐くように。
「そうでしょうか?私としては、今回のブレーザーさんの意見には賛成ですよ」
「えっ」
だが、そんなルーデルドルフの意見とは反対にウィズは賛成意見を出した。
「そぅですねぇ!我が主がいるこの学びの場所において、彼の意見は尊重できる意見ですねぇ!」
「まぁ、実際に、特に反対する理由もないのーね」
「いやいや、待ちたまえ!それでは、その、困る者もいるはずだ!そうだろ、レルゲン!」
そう、ルーデルドルフスは、そのままレルゲンに眼を向けた。
「えっ、いや、特には、私も、最近ではなくても、困らなくなったので」
「…」
それに対して、ルーデルドルフスは、呆然としていた。
この場において、彼の味方はいなかった。
「ジュワジュワ」
「そうだねぇ、では、ブレーザーさんの案を通すとしようか」
そう、議題が書かれてあるホワイトボードに眼を向ける。
「この校内の全域を禁煙に決定しました」
同時に、ルーデルドルフスは葉巻を落としてしまう。
「いやぁ、それにしても、突然、ブレーザーさんが出てきた時にはびっくりしましたよぉ」
「ジュワジュワ」
「めぐみん君もそうだが、最近入ったフィーロちゃんの事も心配しての行動らしいからね」
そうして、ぞろぞろと会議が終わった教員達は次々と出ていく。
そう、取り残されたルーデルドルフの肩をゼートゥーアがそっと摩る。
「まったく、馬鹿馬鹿しい、何が禁煙だ」
そうしながら、ルーデルドルフスは校舎の入口近くまで行く。
あくまでも校内では吸ってはいけない事もあり、校舎の入口近くならば、誰も文句は言わない。
そう思っていたのだが。
「「…」」
「むっ」
ヴィルヘルムとセバスの視線を感じる。
それは、まさしく嫌悪の表情であり、見上げると、そこには禁煙と書かれていた。
「…」
そのまま、ルーデルドルフスはすぐに別の場所へと向かう。
ファミレスでは。
「すいません、ここでは禁煙になっています」
カラオケでは。
「こちらでの喫煙は遠慮しています」
コンビニの前では。
「あのぉ、他の人にも迷惑になるので」
様々な場所で、喫煙が出来なかった。
その結果、ルーデルドルフスは荒れていた。
「吸わせろぉ!!」
それは、これまでの鬼の形相を遥かに超える表情。
それと共に近くにある電柱に頭を何度も叩く。
そうして、彷徨っていると共に見えたのは、一つの喫煙所。
「おぉ、あそここそっオアシス!!」
それを見つめた、ルーデルドルフスはまさしく希望を見つけたように、ゆっくりと進む。
その脚で、真っ直ぐと。
そして。
「ジュワあぁぁ!!」
ブレーザーのスパイラルバレードによって、あっさりと砕け散った。
「いやぁ、ブレーザーさん、なかなかに気合入っていますね!えっ、街、全域で喫煙禁止になったので、その撤去を行ったらバイト代が入りますか!それは、楽しみです!!」
あと少しで届いた場所が壊された。
それと共にルーデルドルフスの耳元に入った情報は、まさしく地獄であった。
まさしく、希望が潰えた。
そう思った瞬間だった。
「お忙しいですねぇ」
「まぁ、出張と言っても、一泊二日だからね。明日には戻ってくるよ」
そう言いながらも、ルーデルドルフスは、全く別の事を考えていた。
(町内で、吸えないのならば、町を出れば良い!喫煙者を舐めるなよ、ブレ―ザーがぁ)