「ただただ、飲みたい」
その日、ケーニッヒは、そう叫んだ。
学園のベンチに座ったケーニッヒの一言と共に会話が始まった。
「この学園生活、全体的に不満はないんだが、アレが飲めないのだけは辛いよな」
「だな」
ケーニッヒの一言に対して、ノイマンもまた、頷く。
「アレはな、1度知ったら」
「だな」
そうカズマもまた、同意するように頷く。
「けど、この世界って、アレ、売っていないよな」
それと共にケーニッヒが思い出したのは、例のアレが売っていると思われる店。
『ジュワジュワ』
『いや、ブレーザーさん、すいませんが、俺達にも分かる言葉でお願いします』
その回想では、なぜかエプロンを付けているブレーザーが、ケーニッヒ達に接客を行っていた。
「あぁ、ブレーザーさんかぁ、あの人、一応、最近、アレを作っているけどな」
「えっ、マジで、アレを作ったのっ」
「けど、めぐみんにも飲める奴だからな、ほとんどジュースだけどな」
「あぁ、ブレーザーさん、彼女の保護者だからな」
「・・・というよりも、それって、下手したら、アレ、作れるって事か」
そのブレーザーの行動を聞いて、思わず言ってしまう。
「いや、一回、とんでもないのを作った事があるんだよなぁ、なんだか、どっから捕まえてきたチョウチンアンコウみたいなモンスターを捕まえて、振る舞ったんだよ。
その時、俺は知らなかったんだけど、その触覚で造った酒を飲んだんだ」
「旨かったのか?」
「信じられないぐらいに旨かった。けど、あのグロテスクな見た目が忘れられない」
「怪獣酒という訳か」
「けど、それが飲めるかどうか」
そう、ケーニッヒ達が喋っていると。
「ケーニッヒ中尉、ノイマン中尉。それがある場所にはあったんですよ」
「どこにあるってんだ?」
「なんと、校長室。この間、校長室で見ちゃったんです」
「えっ、マジかよ、一体なんで」
「それが、なんでも、どこかに出張に行くらしくって」
「あぁ、そう言えば、最近、葉巻を吸っていなかったけど」
「あぁ、それ目的でか」
既に全員が、何を行うとしていたのか、分かっていた。
「なるほど、なるほど。ならば、時間稼ぎが必要だな」
「えっ、どういう事だ?」
そう考えていると、カズマは。
「おーい、ブレーザーさん!!」
「ジュワ?」
「うわぁ、びっくりしたぁ!!」
カズマの言葉と共に、何時の間にか、ケーニッヒの背後に立っていた。
「ブレーザーさん、校長が出張先で、煙草を吸うそうだ。俺達は、校長室に隠していないかどうか探るから、なんとか阻止を頼めるか」
「ジュワァ」
それに対して、頷くと共に、すぐに走り出した。
「・・・おい、後で怒られないか」
「何を言っているんだ、俺は嘘は言っていないぞ」
「後でめぐみんに怒られても知らないぞ」
「なぁに、心配するな、俺に任せておけ!」
そう、カズマは言った。
だが、彼らは知らない。
校長室で待ち受ける罠。
そして、罠を潜り抜けたが、その結果は、失敗に終わる事を。