カズマ達は、アクアが乗っているオリを引いて、街まで戻ってきた。
戻ってきた街の住民の多くは、その光景を最初は怪しい物を見るように見ていたが、次にブレーザーの姿を確認すると「あぁ、とうとう狩られてしまったのか」と同情的な目に変わってしまった。
「なんというか、すっかりブレーザーさん、違和感なくなったな」
「別にブレーザーさんは理性的ですよ、何を言っているんですか、カズマは」
「いや、どういう考えだよ、それは、本当に」
めぐみんからの言葉に対して、カズマは呆れていると。
「女神様ぁぁあああ!?」
「んっ?」
何やら大声で叫ぶ声が聞こえたので、その方向を見る。
そこには、まるで勇者を思わせる格好をしている青年がおり、そのままアクアを閉じ込めているオリに近づく。
「女神様じゃないですか!何をしているのですかこんな所で!」
そのままオリを無理矢理、開く。
「おい、私の仲間に馴れ馴れしく触るな。貴様何者だ?」
それにはさすがに気になったのか、ダクネスがそれを止める。
そうして、ダクネスが止めている間に、カズマはアクアに近付き、確認していく。
「あれお前の知り合いだろ?女神とか言ってたし」
「女神…?そうよ!私は女神よ!!」
そう、それまですっかりと女神を忘れていた様子のアクアはそのまま勢い良く立ち上がる。
「さぁ、女神の私に何の用かしら!?…あんた誰?」
「僕ですミツルギ・キョウヤですよ!あなたに魔剣グラムを頂きこの世界へ転生した!」
そう、アクアは、そのミツルギと名乗る人物からの言葉に対して、一瞬、首を傾げるが。
「あぁいたわねそんな人も!結構な数の人を送ったし忘れてたってしょうがないわよね!」
どうやら、アクアはすっかりと忘れていた様子だった。
そんなミツルギに対して、カズマは呆れながら、現在の状況に対して説明すると。
「はぁ!?女神様をこの世界に引きずり込んでしかも檻に閉じ込めて湖に漬けた?君はいったい何を考えてるんですか!?」
それと共にカズマに詰め寄っていくミツルギ。
「ちょちょっと!私としては結構楽しい日々を送ってるしここに連れてこられた事はもう気にしてないし」
そう、アクアがそのままカズマを庇っている。
それをしている間に、ブレーザーは、そのままオリをなんとか直せないのか奮闘していた。
「直せそうですか?」
「ジュワジュワ」
「おぉぉ」
そのまま、先程までは壊れていたオリを見事に直したブレーザーに対して、めぐみんは歓心するように見ていた。
そうしている間にも、会話は進んでいた。
「クルセイダーにアークウィザードか…パーティーメンバーには恵まれているんだね」
「おい、一瞬、あそこに目を合わせて、すぐに逸らしただろ。
言っておくがな、このパーティメンバーの中で、あの人が一番頼りになっているからな」
「あんな怪しい奴をか!」
「お前、マジで巫山戯るなよ!」
それにはカズマは思わずキレてしまった。
「・・・おい、めぐみん、あれって、貸せるか?」
「合意があれば」
「ブレーザーさん」
それに対して、カズマは目を向けると、親指を上に出していた。
「勝負しないか、僕が勝ったらアクア様を譲ってくれ。君が勝ったら何でも一つ言う事を聞こうじゃないか」
「よし、乗った、と言う事で」
その言葉と共にカズマは、そのままめぐみんから受け取ったブレーザーブレスを受け取る。
「んっ、何をしているんだ」
「ここからは、俺が行く」
同時に、まるでキメ顔をするように言うと同時に、ブレーザーブレスにブレーザーストーンを入れる。
それと共に、ブレーザーはそのままカズマと一体化する。
「えっ」
その大きさは、以前のブレーザーと比べれば小さい。
だが、それでも簡単に人を見下ろせるぐらいであった。
「ふっ、人がゴミのようじゃないか」
一度は言いたかった台詞と共に、ブレーザーとなったカズマは思わず言う。
「ぐっ、例え、どんな脅威が目の前にあっても、僕は諦めない。はあぁぁぁぁ!!」
それと共にキョウヤは、真っ直ぐと、ブレーザーに向かって、剣を振り上げながら突っ込む。
それに対して。
「てぃ」「ぎゃふぅん!?」「「キョウヤァァァァ!!!」」
カズマは、軽く、本当に蚊を叩く程度に、力を振るう。
それだけでも、地面にめり込んだキョウヤは、まるでギャグ漫画のように。
「卑怯者卑怯者卑怯者ー!」
「この最低男!卑怯者!」
そう、カズマに向けて、叫ぶ2人。
それに対して、カズマは、空を見上げる。
「あぁ、これがチート能力なのか」
「なぁ、さっきから気になっていたんだが、チート能力って、なんなんだ?」
「この世界に転生する際に貰える物だよ、というよりも誰?」
「誰って、あぁ、そうか、こうして喋れるのは、初めてだったか」
ふと、カズマは誰と会話しているのか、気になって、首を傾げる。
それと共に自然と変身が解除されると共に。
「んっ?」
「こうして話せるのは初めてかな、俺の名はブレーザー。ウルトラマンブレーザーだ」
「えぇ、ブレーザーさん!」
それに対して、カズマは思わず、驚きを隠せなかった。
「かっカズマ、どうしたんだ、確かに変身したのは驚いたが」
「いや、ブレーザーさん、むっちゃ標準語で喋っているんだけど」
「当たり前ですよ、それ、ブレーザーさんの言葉を翻訳してくれるんですから。
というよりも、いい加減、返して下さいよ」
それと共にカズマは、その瞬間、思った。
(あぁ、この人が特典だったら良かったのになぁ)