理子ちゃん(ストロベリー風味) 作:呪術使えない
「えっと……誰かな……?」
呪霊を取り込んで来て帰ってみたら、理子ちゃんとWiiで最近買ったマリカーをしているトゲトゲしい男の子がいた。
今回は、それほど階級が高い相手と戦う想定ではなかったから、理子ちゃんを連れてはいかなかった。
「あぁ、傑? この子は、伏黒恵くんだよ? ほらほら、あの……あれだよ。あれが……ほら、息子って言ってただろ?」
「あぁ……そうか……」
伏黒……聞き覚えがある。忘れもしない、理子ちゃんを殺した相手の名前だ。
悟は私に耳打ちをしてくる。
「傑。この子も殺すかい?」
理子ちゃんを見る。
男の子と一緒にゲームをしていた理子ちゃんは、ゲーム画面から目を離してこちらに振り向くと、首を振った。理子ちゃんは、画面を見ずともゲームを操作できているようだった。
「悟。この子は縛りの対象外だよ」
「なるほどね。末代まで祟ってはなかったわけか」
「幸いにね」
肩をすくめる。
悟は、そう察した上で連れてきたのだと表情でわかる。もし本当にこの子まで殺さなければならないことになってしまったならどうするつもりだったのか。いや、その読みが外れてもいいと思って連れてきたのかもしれない。
後で悟には、キツく言っておかなければならないか。
悟が連れてきたこの子と話したいと思った。しばらく、待つ。
ゲームは理子ちゃんが圧勝して終わっていた。
「恵くんだね。えっと、そう、お母さんは?」
「津美紀の母親なら、少し前から帰ってない」
「えっと、津美紀……」
「ん……」
悟が、視線を向ける。つられてそちらを見ると、美々子と菜々子が、知らない女の子とDSのオシャレ魔女♥︎ラブandベリーで遊んでいる姿が見える。
たぶん、あの子が津美紀ちゃんだろう。
わざわざ、あの子の母親と言うあたり、継母というわけか。ネグレクトのようだった。
「そっか。ま、とりあえず……これ、食べるかい?」
「これ?」
「お土産だよ? 鳩サブレー」
県外に行ってきたら、こうしてみんなの分のお土産を買ってきている。予定にない人数に、お土産は足りなくなるけど、ま、それは私の分をあげたらいい。
「どこ行ってたんだっけ?」
「神奈川」
「あぁ、神奈川か」
「では、傑様、お茶にします」
「悪いですね、黒井さん。じゃあ私も手伝いますね」
子供たちが見守っていた黒井さんが声をかけてくる。美々子や奈々子の面倒もほとんど見てもらっているし、黒井さんには頭が上がらない。
食器を出し、お茶の準備をする。その間も、悟は何もせずソファーでくつろいでいるだけだった。
「お、きたきた」
悟は、すぐに自分のカップをひったくると、ドバドバと砂糖を入れる。
私と悟と黒井さんは紅茶だが、子供たちにはマグカップに麦茶をそそいで渡している。
「じゃ、これ、一つずつね」
お土産の鳩サブレーだ。六枚入りだったから、ちょうど行き渡る。理子ちゃんは食べないから、Wiiリモコンを握ったまま、少し寂しそうにしていた。
「夏油様は、食べないの……?」
恵くんに、津美紀ちゃん、美々子、菜々子に、悟、黒井さん。これでちょうど六人だから、とうぜん私の分はない。
それに気がついて、奈々子はそう尋ねてくる。子どもというのは意外に目敏い。
「あぁ、私はお腹が空いていないからね」
「これ、あげる」
「私も……」
美々子と奈々子が、鳩の形をしたサブレーを折って、渡してくれる。そんな彼女たちの心遣いに、ジンとくる。
「クク……ふふ、傑、それ、アヒルの生首ぃ」
「鳩だよ?」
「あぁ、鳩だっけ」
悟は、もうすでに一口に食べ切った後のようだった。
「これ、私も……食べきれなさそうだから」
津美紀ちゃんも、そう言って私に渡してくれる。
「ありがとうね。みんな」
「く……くふふ……生首コレクション……」
そんなふうにして、悟は笑っていた。
「アレは、やっぱり食べないのか?」
恵くんだった。理子ちゃんを見ながらそう言う。
理子ちゃんといえば、やっぱりWiiリモコンを握ったまま、ちょっと寂しそうな顔でこちらを見ている。
「理子ちゃんは呪霊だからね。食べたりはしないんだ」
「そっか……」
恵くんはなんとなく寂しそうな顔で俯く。一緒にゲームをして遊んでいたからだろうか。
「理子ちゃんと、一緒に遊んでくれたみたいだね」
「……あのさ。いつも見えるああいうの、危なそうなやつばっかりでさ。だから、こういうふうに、なんというか、優しいやつもいるんだな」
「いや、呪霊は負の感情から生まれたものだよ。みんな危ないさ。私の術式は、呪霊を取り込んで操る術式だから、制御下にあるってだけだね」
「操ってる?」
「まあね。理子ちゃん。こっちに来てくれないかい?」
そう呼ぶと、理子ちゃんはWiiリモコンを置いて、こちらに駆け寄ってくる。
そうすると、理子ちゃんは近くにいた美々子の髪の毛をいじりはじめた。美々子はリラックスして、なすがままにされている。
「操れてる?」
「まぁ、彼女は少し特別だね。あるていどは、自由意思を尊重するようにしてある」
「特別……? じゃあ、その名前は……」
「あぁ、彼女は人間が死んで呪霊になった存在なんだ。だから、それは生きていたときの名前だね」
君のお父さんに殺された……なんてことは口が裂けても言えないだろう。親は親、子供は子供。それだけの話だ。
理子ちゃんも、恵くんのことはなんとも思っていないようだった。
「家族?」
「どうかな。あのときに、理子ちゃんと家族だったのは黒井さんか。でも……今はでも、ここにいるみんなが私にとっては家族だからね」
「俺と津美紀みたいなものか……」
自分なりの形で、恵くんは納得をしたようだった。
「なぁ、傑……家族って、俺のこともか?」
聞いていたのか、悟が茶化してちょっかいをかけてくる。
「そうだね。できの悪い弟みたいに思ってるかな?」
「なんだと? この……」
悟は、全力で私の頬をつついてくる。私も無下限の自動防御が発動しない程度の威力で反撃につつき返す。
「ふふっ……」
笑っていたのは理子ちゃんだった。
黒井さんは少し慌て、恵くんは呆れたようにこちらをみていたし、女の子三人はポカンとしているだけだった。
「ま、弟っていうのは少し違うか。かといって兄でもないし」
「親友は親友だろ?」
「まあね。でも、家族のように思っているっていうのは本当さ」
そういえば父親と母親とは、だいぶん会っていない。呪術界の上の人間に、なにかされていないといいが。
「そうだ、聞いてくれよ。傑」
「なんだい?」
悟は、恵くんに近づくと少し強引に肩を組む。恵くんは迷惑そうに顔を顰めていた。
「なんと、こいつの術式……禪院家相伝、十種影法術」
「それは……」
いつだったか悟が話していた気がする。
かつて悟と同じ六眼で無下限呪術を持つ五条家の当主が、相打ちになった相手の術式と同じものだ。
「いずれ、俺らに並ぶ術師になるぞ?」
「そうか」
悟がそう断言するなら、そういうことなのだろう。
単純に考えるなら、私たちにとってリスクになりうるということだ。
「ま、どうせ禪院家にうっぱらわれて酷い目に遭うなら、こっちで育てた方がいいと思ってね。二人も四人も変わらないでしょ」
「悟。犬猫じゃないんだ。それに悟はたいして手伝わないだろ? 私も、全国を飛び回るからそこまで手伝えない。ほとんど黒井さんの負担になる」
「私なら大丈夫ですよ……?」
「黒井さん……!」
「そこまで、手のかかる年頃じゃありませんし……大丈夫です」
もし無理でも、黒井さんなら無理を続けてしまうだろう。
非術師の信者の人間に手伝ってもらうという発想も浮かばなくもなかったが、ああいう手合いの人間が子どもたちに悪影響を与える可能性を考えると、勧められることではなかった。
家政婦を雇うにしても、非術師になるだろう。容易に信頼できない。
「私のことはいいです。恵だけなら……」
津美紀ちゃんだった。立ち上がって、そう言った。
「だって? 傑ー。傑は健気な女の子を見捨てるのかい?」
「はぁ……。黒井さん。無理はしないでくださいね。もし、無理だったら、そのときはすぐに手を打ちますから」
「はい」
「じゃ、決まりだ」
そう言うと、恵くんと津美紀ちゃんの肩を悟は抱く。
「……なっ!」
「これから、家族になる伏黒恵くんと、伏黒津美紀ちゃんでーす。仲良くするんだよ?」
そんなふうに、美々子と菜々子に詰め寄って言う。二人は、黙ってこくりと頷いた。
悟がこんなのだから、二人はまだあまり悟には慣れていない様子だった。
「はぁ……それにしても、これから本格的に禪院家を敵にまわすことになる」
「まあね、でも今更でしょ。それに大丈夫だろ? 俺たち、最強だし」
「たしかに……そうだね」
高専側から呪詛師と認定されていることに変わらない。
今やっている宗教活動も、呪術規定を破るものになる。呪術界が一枚岩でない以上、禪院家側がどう出るか、わからない部分もあるが、まぁ、今まで通りで大丈夫だろう。
うちもだいぶ賑やかになる。
***
「じゃあ、離れるなよ?」
「わかってるさ」
悟の肩を掴む。悟が掌印を結ぶとともに、理子ちゃんにも掌印を結ばせる。
「領域展開」
「領域展開」
同時に、領域を広げていく。
「『無量空処』」
「『久遠色界』」
そうして始まるのは領域の押し合いだった。
拮抗……だが、それも少しの間だ。悟の領域へと飲み込まれていく。
「今回は一分もったか……」
「前よりも、洗練度が上がってるけど、どうやったんだ?」
「呪霊操術の強化で、理子ちゃんの術式の出力を上げたんだ」
「今までは、確か……」
「前までは、領域展開に理子ちゃんの呪力の出力全てを注ぎ込んでたね」
「呪力量のゴリ押しだったもんな」
理子ちゃんの無限とも呼べるほどの呪力量があれば、ほとんどの領域展開は、押し返すことができるだろう。
ただ、悟の領域展開は別だ。六眼による精緻な呪力操作による桁違いの洗練度により、理子ちゃんの領域は押し返される。
「さすがに呪力押しじゃ限界を感じたから、理子ちゃんからもらった呪力で呪霊操術を使って、理子ちゃんを強化してみたわけだね」
「それで領域の練度をあげたってわけね。だけど、そうすると、今度は領域に充てる呪力量が少なくならないか?」
「そこら辺は試行錯誤さ。やってみてベストの割り振りを見つけるしかない」
このまま、領域の押し合いで悟に負け続けるのも癪だった。
まぁ、領域だけでは勝負は決まらない。
「じゃ、一分ね。一分以内に俺に領域を保てないほどのダメージが与えられなければ傑の負けってことだ」
「一分もあれば……どうだろうね?」
「領域展開」
術式の焼き切れから回復した理子ちゃんが、もう一度、領域を使う。
押し合いが発生し、必中効果が中和される。
悟から離れ、戦いを始める。
呪霊操術により、呪霊を呼び出す。もちろん、無下限により呪霊の攻撃は悟には当たらないが、今はこれでいい。
「来いよ? 来るんだろ?」
呪霊に乗り、直接仕掛ける。
「領域展延」
からかってきた悟を、キレた理子ちゃんがぶん殴って攻撃を当てたことから発見された技術だった。
領域展延。術式を付与されていない領域を体に薄く纏うことにより、悟の無下限を中和し、攻撃を当てる。その間、生得術式は使えなくなるが、すでに領域に付与されたものや、今私が出している事前に命令を与えた呪霊のようなものは別だ。
呪霊操術での理子ちゃんへの強化もなくなるが、理子ちゃんの領域はもう展開されている以上、ほとんど支障はない。
つまり、単純な体術勝負だ。
「術式なしで、勝てるかよ?」
私は展延で術式を使えないが、悟が術式を使えないわけではない。無下限と組み合わせた体術と戦わなければならない。
無下限により、引き付けられる。悟の拳を直に受ける。
計算の内だ。
「ま、こっちも使える術式はあるからね」
理子ちゃんの術式の効果により、ダメージは一瞬で修復される。
もとより、カウンター狙いだ。こちらの拳も悟へと当たる。
「ちっ、その纏ってる呪霊は身体の強化の術式か? 普通、巻き込まれて死んでるだろ?」
「きょぁああー」
「でも、理子ちゃんの術式のおかげで、こうして耐えられてる」
「きょぁああー」
「ちょっと、うるさいね」
事前に、喋らないようにと命令をしていなかったから、展延を使っている以上、黙らせる方法がない。
「その再生するの、うざったいし。じゃあこっちを狙おうか」
「な……っ」
――術式反転『赫』。
悟は狙いを理子ちゃんに変える。
とっさに展延を解き、呪霊操術で呪霊を呼び出し『赫』に対する盾とする。
呪霊は次々に吹き飛ばされていくが、それらは呪力で強化されたものの群だ。最終的には『赫』を受け止めきることができる。
「解いたな? 展延」
「……なっ」
次の瞬間には、『蒼』で引き付けられていた。悟の無下限で強化された拳が目の前だ。
悟が『赫』で理子ちゃんを狙ったのは、要するにブラフ。最初からこちら狙い。
「終わりだよ」
「そっちがね」
「げっ……天内!?」
理子ちゃんの展延ぱんちによって、悟が吹っ飛んでいく。
「――『久遠色界』」
同時に、生得領域の支配が理子ちゃんのものに押し広げられて、覆い尽くされる。
まぁ、最初から理子ちゃんを戦わせずに、さらには守っていたのは、理子ちゃんで攻撃しないと見せかける心理誘導だ。
悟はうまく引っかかってくれたようだ。
「悟、負けだよ」
地面に転がった悟に手を差し出す。
「いや、俺、負けてないし」
「今、理子ちゃんの領域の中なんだけど……? 悟、術式焼き切れてるよね?」
必中必殺の領域の中に、術式もなしだ。負けたも同然のはずだろう。
練度によるが簡易領域もすぐに削れるし、悟の使える落花の情もほとんど効かない。
「天内の領域に付与された術式なら、呪力で術式を受けた細胞を壊して、反転で新しく再生させてやれば問題ないからな。まだ全然戦える。ま、天内の術式より、俺の術式の方が格が上だね」
考える。確かに理子ちゃんの領域での攻撃は細胞に術式を当て暴走させるものだ。
どの細胞に術式がかけられたか分かれば、悟の言ったような対抗手段が取れる。
「理子ちゃんの術式で、人間一人の掌握が済むまで、だいたい六十秒……人間の細胞が約六十兆個と言われているから、一秒あたりに一兆個の細胞を破壊して再生させなきゃならない」
「一個一個、特定してランダムにってわけじゃないでしょ? 範囲的に攻撃が来るなら、おおまかにでこっちもやればいい」
「だったら、脳に術式の対象を絞るのはどうだい? それなら、悟でも回復は難しいはずだ」
「ま、そんときはそんときで全力で回すよ。後遺症は残るかも知んないけど」
できるのか、という疑問が浮かぶが、おそらく悟ならできるだろう。
「六眼の力かな……。すごいよね、悟は」
「それ、皮肉?」
地面に寝転がりながら、悟はそう言った。
「素直に褒めてるよ。そういう私も、女の子だよりだからね。ありがとう、理子ちゃん」
隣にいる理子ちゃんを撫でて、悟にはそう返す。
理子ちゃんが領域を解く。生得領域が崩れていく。
領域の結界が崩れて見える景色は、『帳』の降りた山の中だった。私たちの活動する宗教法人の私有地であるが、念のために『帳』をおろしていた。
「ねぇ、ねぇ、どっちが負けた?」
硝子だった。
「悟だよ?」
「だから、負けてないって」
勝った方でなく、負けた方を聞くのが彼女らしい。
「で、硝子。どうしてここに? 最近は大学で実習とかで忙しいって聞いたけど」
最近は彼女は、大学に通っていると聞く。どういう手を使ったかわからないが、医学部の五年生らしい。
「高専からの案件だね。それと、黒井さんから、こっちにいるって聞いたから」
資料を硝子は手渡してくる。簡単に読み込むと、特級案件だった。
二件ある。
「この時期に特級の案件が二つかい?」
まだ春真っ盛りのこの時期だ。繁忙期ならいざ知らず、ほとんどあり得ないことだった。
「そういえば、七海は呪術師やめるらしいよ?」
「そうか。彼ほどの術師なら、いてくれたらと思うけど……賢い判断か」
「バカ二人を止められない呪術界に未来はないって……」
「ああ、うん」
後輩が道を諦める決定打になってしまったのは、心境として複雑なものがあった。
「じゃ、渡したから」
そうして、硝子は帰っていく。
学生のときのように、もう少し話したい気持ちもあったが、彼女も忙しいのだろう。
「あいつ、大学行ってから冷たいよな? 高専中退で中卒の俺たちの相手はしてられないってか?」
「そんなに学歴が気になるなら通信高校でも通うかい? そうなったら、私も付き合うよ?」
「いや、いいけど。というか、この時期に特級案件が二つって、あれじゃね?」
「まぁ、罠だろうね。目的は分断……かな。狙いは、私たちが出払った後……こういうことをしてくるのは禪院家あたりだろうから、恵狙いかな」
禪院家相伝の術式を持つ恵だ。
連れ去りたいのか、あるいは相伝の術式の情報が流出しないために殺したいのか。なんにせよ、狙われる理由としてはじゅうぶんだった。
「無視するのは?」
「こういうあからさまなことをしてくるってことは、片方は本物の可能性が高い。今回はなしだ」
私なら、そうする。一度で引っかからない相手でも、二度目は出ざるを得なくなるからだ。
「そこまで相手の頭が回るか?」
「それでも、こっちの頭が回った以上、行く理由ができるからね。責任を果たすべきさ」
「はいはい。にしても、報復が怖くないのかね? まずは禪院家から潰してから行くか?」
「さすがに、それは避けたい。あんな家でも呪霊を祓う役割だけは果たしているからね」
呪術師は万年人手不足だ。
派手にやれば、呪術師全体が機能不全に陥る可能性すらある。怪我を治すのにも時間がかかるし、反転術式を他人にかけて治すなら硝子の負担だ。
総監部の時……つまり硝子が、高専にいる時とは違って、大学で学業に集中している今、硝子に負担をかけるのは望むところではない。
「じゃあ、どうする?」
「悟? 最短でこの案件から戻ってどのくらいだい?」
資料を渡す。
「ちょっと待ってくれ」
資料を見て、次の瞬間に悟は消える。無下限の『蒼』での瞬間移動だった。
「あ、戻ってきたね」
「だいたい最短で三時間九分だ」
「悟、新幹線の時刻表だね。それ」
「いや、だって『蒼』もそんなに便利じゃないぞ? というか、恵連れてきゃよくない?」
そうするのもいいだろう。けれど、黒井さんが人質にとられたときと似たようなことになる可能性もある。そうするのであれば、私たちの家族は一人も置いて行けない。大所帯でいちいち移動するのも手間が多い。
「相手に仕掛けさせて、それを跳ね除けたいかな。ずっと恵やみんなを連れ回すことになるのも悪いし、付け入る隙がないってところを見せておきたい」
「全部ぶっ壊して、後のことは後で考えりゃいいでしょ。雑魚敵にまで気を回さなきゃならないとか、ほんっと面倒すぎる」
「やるとしても、最後の手段さ。選べるなら、手段は選んだ方がいい」
***
「夏油傑やな?」
「だったら、なにかな?」
一級術師が行方不明になっているという案件だった。
特級の呪霊が関わっているかはわからないが、一級一人で手に負えなかったものは、基本的に特級案件となっている。
そんな場所に来て、会ったのは目の前の男だった。
「いや、術師として、呪詛師を見逃してはあかんからな。少しお話せぇへん?」
「一級呪術師なら、複数人でかからないと勝負にならないと思うけど、逃げないのかい?」
「つれないこと言わへんでよ。ま、噂に聞く特級なら、俺も相手にならへんだろうけど」
「一級術師が行方不明という話だったんだけど、知らないかい? まさか君がかい?」
「俺は別のでたまたま通りかかっただけやから、知らへんなぁ。ただ寝過ごして、連絡、忘れただけちゃう? というか、呪詛師のくせに呪術師の心配するのはおかしくあらへん?」
のらりくらりと会話をして時間を稼ぐつもりだろうか。この男が一級術師をどうにかした可能性も考えられる。
「君、禪院家の人間かい?」
「禪院家といえばあれやな。甚爾くんを殺したって聞いたけど?」
露骨に話題を逸らされる。
この人間は、禪院家の人間で確定だろう。総監部の件にこの術師はいなかった……おそらくは高専に通わずに呪術師として認められた特別一級の術師か。
「あぁ、私が殺したよ?」
「なら、そうやな……俺がお前があっち側か確かめてやる。五条悟に弱らされた後、雑魚にやられたんじゃ、甚爾くんも浮かばれへんやろ? 俺が仇討ちしてやる」
禪院家は、案外身内同士の結束が固いのかと思ったが、少し言い方が気になる。
というか、それだったら、禪院甚爾は伏黒甚爾にはなっていないか。
「ずいぶん、親戚想いなんだね?」
「というか、例の特級呪霊は出しておかへんの? なめられたもんやな」
「そうだね。でも、手加減はしないよ?」
イカの呪霊を弾に打ち出す。それが戦いの狼煙だった。
***
案件は、こっちが
一級の術師が相手の術式に、イージーミスでやられて死んだというそれなりにはある話だ。
新幹線に乗り、駅から最速で『蒼』を使い急いで帰る。
ちょうど呪霊の首を引っこ抜いたあたりで、傑の呪霊から合図を受けていた。
連絡用の呪霊だ。
恵たちにつけた呪霊を消失させることで、それに気づいた傑がこちらにつけたこの呪霊に命令し、合図をおくってくれる。そういう段取りだった。
帰って、俺が目にしたのは、『帳』、そしてその中の領域の結界だった。
周りを囲う『帳』は、ただの一般人避けの『帳』で侵入は自由。その『帳』の中には、領域の結界を囲うように、何人もの術師がいる。
「ちっ、まだ呪力切れにはならんのか……?」
見たことがある。こいつが、禪院家の当主。
どうやら、当主直々にやってきている。
「やぁ? 領域で消費する呪力量は、天内にとっては自己補完の範囲内だよ。倒したかったら、領域に入って行けばいい」
「五条悟……!?」
「酒、のんでる?」
顔が赤い。缶ビールが転がっている。
酒を飲んで、領域が解かれるのを待っていたということだろうか。
「帰るぞ……!」
判断は早かった。禪院直毘人はこちらを確認するなり、逃げの手を打つ。それに従い、周りにいた人間たちも散ろうとする。
「こうしよう」
反転の『赫』を使い、天内の領域の結界を部分的に破る。
破れた結界の向こうに俺を見た天内の行動は――、
――領域展開の解除。
「な……っ!?」
「止まるな!! たわけがっ」
「術式順転『蒼』」
「が……っ」
簡単な話だ。
禪院家の連中は、天内の呪力が切れて結界が解除される瞬間を待ちに待った。
五条悟から逃げることしか選択肢しかなかった人間に、領域の中に匿われていた恵に仕掛けるという選択肢が生まれたわけだ。
長時間、天内の領域展開が解けるまで待っていた。待ち侘びていた。それだから、最初から五条悟に夏油傑と戦わないという選択をしていたにも関わらず、判断が狂い、足を止めた。
結果として、禪院家の術師は全滅した。
「一人……」
それは、禪院直毘人を除いてだ。
投射呪法。
その力を十全に発揮し、最速の術師と呼ばれている男だった。
もちろん、俺の方が早い。
だが、競走をするには、こちらは出遅れすぎていた。禪院直毘人は天内の領域の解除にも、動揺せずに一直線に逃げたからだ。さらに、こちらが『蒼』を放ったぶんも遅れた。
面倒な術式だった。
「天内。よくやった」
順転の『蒼』で、天内のところに跳び、労って頭を撫でる。
そして、また場所を移り、構える。
***
対象の時間の進みを遅らせて、近づいてきた物体に、当たるまでに無限の時間をかけさせる呪術。
これこそが、そう――、
――無下限呪術。
ここで重力について考えてみよう。
重力というのは時空の歪みとも言われている。大きな重力を持つ物体に近づいた場合、近づいた物体は近づく前と比べて、時間が遅れて進んでいく。
ブラックホールの特異点に落ちていく物体は、遅れる時間により、ブラックホールの中心へたどり着くのに、あたかも無下限呪術にかかったように無限の時間がかかると言われていた。
だからこそ、ブラックホールからのアナロジーだ。
対象となる物体のみに適用していた無下限を呪力で強化、球状に空間へと適用させる。生じる時空の歪みは、ブラックホールのように引力を発生させ、全てを吸い込む無限の収束が生じるだろう。
――術式順転『蒼』。
さらには、その反転だ。
呪力の代わりに反転した正のエネルギーで術式を回すことにより、術式を反転させる。引力でなく斥力となる。生じるのは、全てを拒む無限の発散。
――術式反転『赫』。
もう一つ、たとえばそうだ。ボールを壁にぶつけた場合、こちらへと跳ね返ってくることは想像するまでもない。
ただ、ボールの質量がマイナスだった場合はどうなるだろう。
ボールは壁にぶつかった瞬間、跳ね返るために壁の反対に力を受けるが、負の質量を持つボールは受けた力の負の向きに進んでしまう。つまり、ボールは壁の方向へと押し付けられ続けるということだ。
このことから、質量が、同じ大きさで、正と負のみが異なるボール同士をぶつけた場合、正の質量のボールが負の質量のボールに際限なく押され続けることとなり、はじまるのは無限の加速だ。
もちろん、『蒼』にも『赫』にも実際には質量はない。この二つをぶつけてみよう。
類似的な現象だった。術式順転『蒼』は重力の作用に類似するため、仮想的に正の質量を……術式反転『赫』は重力の反対、つまり仮想的に負の質量を持つような振る舞いをすることになるだろう。
正と負の重ね合わせだ。しかしエネルギーそのものが消えてなくなるわけではない。
二つの無限を重ね合わせる。
生み出される現象は、仮想の質量を押し出す無限の加速――、
***
――虚式『茈』。
それは、不可避の一撃だった。
最速の術師でさえ回避不可能、五条家でさえごく一部のみしか知らない秘奥。
同じく御三家である、禪院家の当主でさえ、その存在は知らなかった。
「あぁ、死なないようにやるなんてしんどいわ」
深手を負い、気を失った禪院直毘人を引きずって戻る。
天内なら、再生の術式で治せるだろう。
ふと、空から降りてくる。
呪霊……竜の呪霊だった。俺が見たことないやつだ。
竜の呪霊が降りてきて、口を開けると、中から人が出てくる。
「悟。ずいぶん派手にやったじゃないか?」
「うわ、唾液でベトベトじゃん、傑」
「それはいいけど、建物を修理するのにもお金がかかる。そこらへん、気にしてくれたらいいんだけど」
たしかに『蒼』や『茈』で周りの建物は崩壊している。
一応、傑のやっている宗教法人の施設ってことで、人里離れたところにあるから、それ以外には被害はない。
「ま、そこら辺はこいつが壊したってことで」
引きずってきた禪院直毘人を放り投げる。
ほとんど死に体だが、生きてはいる。天内が近寄ってくる。
「理子ちゃん。頼むよ?」
「領域展開――『久遠色界』」
今日二度目になる領域展開だった。もう術式の焼き切れも回復している。
「治療に領域展開って、いちいち大袈裟だよな」
「まあね。理子ちゃんの術式の範囲は、自身か、生得領域で繋がっている私、さらには私の操る呪霊だよ。だから、他人を治療するには、こうして生得領域の中に入れないとならない」
縛りを課した上で天内を取り込んだことにより、傑には、天内と生得領域が繋がっているバグが起こっているらしい。
六眼で見ても、その異常はわかったが、そこまで悪影響のあるものではなさそうだった。
「そうだ。傑、こいつやるよ」
倒してきた一級呪霊の頭だ。『無量空処』で再起不能にして、その後に引っこ抜いてきた。
「ん、あぁ、ありがとう」
受け取るなり、傑はその呪霊を玉にすると、飲み込む。
「やっぱりまずい?」
「あぁ、うん。でも、そうだね……理子ちゃんを取り込んでから、ストロベリーの味になったんだ」
「なにそれ? じゃあ美味いのか?」
「いや、なんというか……まずい薬をストロベリー味にして飲みやすくするみたいな。まぁ、ようするに……ちょっと飲み込みやすくなったって感じかな」
心なしか、天内が誇らしそうにしている。
ゲロまずい味が、ゲロまずいいちご味になっただけだろう。
それでも最近は、低級呪霊を飲み込まずに、準一級以上の術式持ちの呪霊だけを傑は飲み込むようになったから、天内の力は大きい。
「さて……そろそろ」
「うぐ……これは……五条悟に、夏油傑……」
「てめえは負けたんだよ、ジジイ。なめた真似しやがって……」
足蹴にする。あの禪院家の当主だ。ロクなジジイじゃない。
「五条悟……ふん、お前が呪詛師となったことで、五条家は力を失っておる」
「俺の実家は関係ねぇだろ? お前、自分の立場わかってる? そこは殺さないでください、なんでもします、お願いしますだろ?」
さらに強く踏みつける。
「悟、やめろ」
「は?」
「子どもたちが見てる。教育に悪い」
そういえば、いた。天内の後ろには、黒井さんがいて、その後ろに子どもたちだ。
津美紀なんかは、ドン引きして、恵にこちらを見せないようにしていた。美々子と菜々子は、目を輝かせてこちらを見ていた。
「マジか……」
「まぁ、言葉を選んだ方が良いって意見には同意なんだけどね。ここは領域の中のわけだし」
禪院直毘人に低級呪霊をたからせて、傑は言う。
俺が踏みつけてた時よりグロさが増した。それにより増した津美紀のドン引きっぷりも、美々子と菜々子の目の輝きっぷりもすごい。
というか、津美紀は非術師のはず。いや、領域の中で本能が命の危機を感じて一時的に見えてるのか。
「ふん、なにが望みだ?」
「金輪際、私たちの家族や、関係者に手を出さないことだね。あと、この周りの建物の修繕費もお願いしたいかな」
「なら、こちらからは二度と手を出さない。今回は見逃せ。それなら禪院家当主として縛りを結んでやる」
「いちいち上からだな……」
「ま、いいよ。それでいこう。あぁ、私の呪霊で倒れているみんなを送ってあげようか。禪院家までね」
「……っ。それでいい」
「じゃ、成立だ。禪院家のお帰りだね」
傑が、一度に数十の呪霊を出す。
その呪霊たちに、禪院家の人間を一体に一人ずつ丸呑みで食べさせていた。
「しかし、のう呪霊よ」
禪院直毘人は、なんの脈絡もなく、天内になにかを話しかけていた。
「…………」
「昨今の、解像度やフレームレートを上げたがる風潮。デジタルテレビ……。HDやら、60fpsやら……無粋だとは思わんか?」
「……っ!? ……!」
天内は反応し、強く頷いていた。
その反応を見て、禪院直毘人はニヤリと笑った。
そうか、こいつ……。
「天内。プレステは良いゲーム機だろ?」
「…………」
天内はこちらから顔を背けた。プレステで天内がゲームをやっている姿を見たことはなかった。きっと、そういうことなのだろう。
「傑様、タオルとお着替えです」
「悪いね、黒井さん」
呪霊の唾液でベトベトになった傑に、黒井さんはいつのまにか着替えとタオルを持ってきている。
「俺にもお願いできへん?」
傑が入ってやってきた呪霊の口から、新しい人間が顔を出した。傑が連れてきたのか、いるにはいたが、今まで気絶をしていたのだろう。
「直哉!」
「いやぁ、ええ女やん。傑君は良い趣味やな。やっぱり女は三歩後ろを歩くくらいがちょうど良いんや。悟君もそう思わん?」
こいつ、俺も名前くらいは聞いたことがある。禪院直哉は、父親の呼びかけを無視して、黒井さんを見てそう言った。
「なぁ、傑。こいつ殺した方がいいんじゃないか?」
「やめておこう。もう、たぶん会わないだろうし」
「なんや、冷たい――」
ガバリと、竜の呪霊は口を閉じる。まだ口の中にいた禪院直哉は、完全に竜の呪霊に仕舞われる。
「く……っ、直哉……っ」
「それじゃ、適当に合図を出せば、呪霊はそれに従って、その方向に行くから」
「あぁ、わかった」
そうして、禪院家御一行のお帰りだった。
禪院直毘人の先導によって、禪院家の人間を体内に含んだ呪霊の集団が帰っていく。
「さぁて、一件落着だ。ポケモンでもしようか」
術式順転の『蒼』で壊れていない部屋もたくさんある。禪院家の金で直してくれるなら、もうなにも心配する必要はない。
「悟、意外とポケモン、ハマったみたいだね」
「ま、やってみたらそれなりに面白かったかな」
「じゃ、交換しよう。こっちには出てこないポケモンもいるからね。図鑑埋めたいし」
***
「なぜ、彼女が呪霊の女王なのか……彼女自体は現世への未練で呪霊へと転じただけに過ぎない」
だが、呪霊である天内理子の力は強大だ。
その出力に、領域展開を使おうと呪力切れのない自己補完の速度。その呪力は、実質的に無限とさえ言えるだろう。
「魂を抑留する縛り……というのもあるかもしれないが、それは大した影響ではないかな」
夏油傑との繋がりとして、術式の拡張に寄与してはいるものの、それだけだった。
「一番は、五条悟にある」
そう、数百年ぶりの六眼と無下限呪術の抱き合わせ。今の呪術界は、この男を中心に廻っている。
「五条悟の爆誕により、世界の均衡が崩れ、五条悟の成長に合わせて呪霊は年々力を増してきただろう?」
上限が外れた、という言い方もできなくもない。けれど、バランスが崩れたと、ここではその言い方がピタリとハマる。
「さらにはあの時、五条悟が現代最強の術師へと覚醒し、世界の均衡が大きく揺れ動いた。その瞬間に世界のひずみを一身に受け、呪霊が生まれたらどうなるだろうね?」
もちろん、あの瞬間に生まれた呪霊は、全国を探せば天内理子だけではないだろう。
「なぜ天内理子だったのか……それは、五条悟との断ち切られた因果がたどられたから……かな。とにかく、近い存在だったからだろう」
これは考えても、想像にすぎないか。
単純に物理的な距離だった可能性すらある。なんにせよ、世界にとってちょうどいい存在が天内理子だった。
「最強の術師と成ったその
最強の術師と、呪霊の女王。つまり二人は、本来はぶつかり合ったら消えてしまうような両極の存在のはずだった。
「だが、その呪霊の女王は、呪霊操術の術師に吸収された。五条悟のいる……
冗談のような話だろう。呪霊操術の術師の存在によって、呪霊の女王と現代の最強は行動を共にしている。
「あるいは、これも新しい因果なのかもしれない。笑っちゃうね」
星漿体、天元の同化、六眼と因果が紡がれたのと同じだろう。なにか新たな因果が繋がり、繰り返されるようなそんな予感だ。嫌な予感ほどよく当たる。
「現代最強の術師と、呪霊の女王を操る術師。私にとって、一番の障害だろうね。あちらは呪詛師で、そして私は呪術界を掌握させてもらったわけだ。普通なら立ち位置が逆だと、少し滑稽に思うのだけれど……」
六眼のいない呪術界の掌握はたやすかった。
こちらには、大きく動く理由がある。
「……なんにせよ。新しい時代がこれからくる。楽しみとは思わないかい? 天元」
そうして、旧友に問いかける。
***
二○一一年三月。
東京都立呪術高等専門学校学長・夜蛾正道による完全自立型人工呪骸の製造を確認。同名を特級術師に認定。また同名は、特級呪詛師・五条悟及び夏油傑による一般人の虐殺、総監部の襲撃を首謀し、現在も密通を続けている疑いあり。
総監部による協議の結果、無期限の拘束の後、夜蛾正道の秘匿死刑を決行。
登場人物紹介
理子ちゃん(術式解説係)
積年の恨みのこもった領域展延パンチを五条悟に決めた。二回目以降は普通に避けられた。
無下限呪術の解説をでっちあげた。
夏油傑
五条悟と同格感を出せている。ストロベリー味を食べるたびに理子ちゃん(術式解説係)を取り込んだ時のことがフラッシュバックするらしい。
五条悟
力で全てが解決できるんじゃないかと思ってる節がある。世界の見え方が、最強の自分たちとそれ以外になっているかもしれない。
黒井美里
子育てのおかげで、理子ちゃん(術式解説係)を失ったショックから立ち直りつつある。
伏黒恵
どっちもクソな選択肢しかなかったというのは、選んだ後に気がついたことだった。
伏黒津美紀
ちょっとこの環境、恵に悪影響なんじゃないかなと思ってる。
枷場美々子・菜々子
夏油傑と五条悟の関係に自分たち二人の関係を投影してる。二人の悪いところを学習中。
家入硝子
キャンパスライフで忙しい。最近冷たくなったらしい。
禪院直哉
人の心とかないんか?
禪院直毘人
同志を発見した。
額に縫い目の人
理子ちゃん(術式解説係)の発生の由来を楽しく考察中。目的のために行動中。
完全自立型人工呪骸パンダの行方は……
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額に縫い目の人が回収
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楽巌寺学長に託される呪いに
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家入硝子に遺される