理子ちゃん(ストロベリー風味) 作:呪術使えない
「久しぶりだね。鹿紫雲」
「そっちの名前で呼ぶのかよ」
調整を終え、受肉を終えた。呪物を取り込ませて、マーキングをして、そこから今までの間は病院での寝たきりの状態だった、彼、鹿紫雲一は起き上がる。
「まあね。いろいろあって、こっちの名前の方がこれからは不便ないよ」
住民票に、戸籍に、いろいろあるが、なにより死滅回遊で参照されるのは、肉体の名前の方だ。
連携という意味でも、肉体の名前を浸透させた方が、他の術師もやりやすい。
「それで、宿儺はどこだ?」
「んー、ちょっとね。ごめん。約束破っちゃうことになって」
「は? 何言ってやがる?」
宿儺と戦わせるという約束で、鹿紫雲は呪物と成り時を渡った。だからこそ、こうして宿儺にこだわるのは当然だろう。
「いやー、それがね。宿儺、やられちゃったんだ。残った指は二本分……ま、一本は行方知れずだから、二十分の一の宿儺になっちゃうけど、それで我慢してもらえるかい?」
それを聞いて、鹿紫雲は獰猛に嗤う。
「いるんだな? この時代に。――
「あぁ、そうだね」
***
「日本人が持つ呪力という力を操れるのは、神に選ばれた人間だけ……ね」
「冥さん。来たんですか」
「まったく、夏油くんはよくやるよ。こんな非常時……神に縋りたくもなるってことかな」
私たちの宗教施設は人でごった返していた。全て入信を希望する人間たちだった。
「えぇ、現状……日本人は呪力というわけのわからない力を持っているということで、世界から狙われてます。自分に恩恵を与えないその力のせいでですよ? その力を自由に使えるという話があるなら、身を守るためにも……」
「それに、君たちの揺るぎない強さもあるだろうね」
そんな冥さんの言葉に、肩をすくめる。
「大義ですよ」
力だけで全てを押し通していくのであろうと確信をする冥さんの物言いに、反論せざるをえなかった。
「ま、いいさ。五条くんはいないみたいだけど?」
「ええ、たぶんもう直ぐ帰ってくると思いますけど」
「君は行かないでいいのかい?」
海外からやってくる戦闘機やら、なんやらのことだろう。
「呪霊ならいくつか配置してますから……。それに、今は足場を固めたい。私自身は、ここに留まっていたほうがいいでしょう」
「ふーん、なるほどね……。この国は今や戦争状態だ。東京は機能不全、日本中の資産は大暴落、外国の口座は凍結。この国での生活は結構絶望的かな。かくいう私も、外国に逃亡しようとしたんだけど……あっちはあっちで日本人に結構厳しくてね。まぁ、蜻蛉返りだね」
「賢明でしょうね」
日本人を捕まえて、人体実験という話もある。
散発的に起こるその事件に、人工仮想怨霊で強化した呪力出力によって、世界レベルで範囲を広げた呪霊操術を使って可能な限り未然に防いでいた。
ただ、それでも、世界に散る個人個人を救うのは難しい。
「それにしても、夏油くん……呪霊で国を守ってる上、全国で発電機まで回してるんだろう? 疲れてる? 今の君なら私でも倒せるかな?」
「負けるつもりはありませんけど?」
「冗談、冗談。そんなヒリつかないでほしいな……。とりあえず、電気……燃料はいいとしても……食料の方はどうだい? 輸入ストップしてるだろう?」
「そこは、呪霊でどうにかできる問題ではありませんけど、今は備蓄でなんとか」
「買い占めが起こってるね? 予想よりもペースが早いんじゃないかい?」
「……なんとか」
目下の課題ではある。このままでは、全国民に食べ物が行き届かなくなる。
「鹿児島とか、新潟とか……疎開するために道路は渋滞だね。食料自給率で言えば……北海道なんだけど……」
「あそこはロシアが近いですから」
「ま、そういうこと。夏油くん……私は昔から、君のこと、五条くんよりも評価していたんだ」
そんな口ぶりに呆れる。
「冥さんの評価基準は、冥さんにとっての用益潜在力じゃないですか……?」
「いやぁ、この有事に、インフラを維持してくれていて助かるね。私が快適に暮らせるのも、夏油くんが貧乏くじを引いていてくれるおかげだよ」
だから、そういうことだろう。この人は昔から変わらない。
「それで、冥さんはどっちの味方ですか?」
「そんなの決まってるよ。お金の味方さ」
サラッと言ってのける。気軽にこっちにやって来たのは、状況が変わったからだろう。
冥さんにとって全国民の術師化は、呪霊討伐という利益の得方ができなくなる、絶対に認めてはならないものだった。
ただ、今、術師の存在がおおやけになり、海外からは軍が送られてくる。おおやけになった呪術の使用によって、非術師相手から儲けを得るというやり方が、冥さんの中には現実味を帯びて、選択肢に上がっている。
冥さんは高専に味方する以外の最善の稼ぎ方を選んでいる最中ということか。
「そうですね……できればカラスを飛ばして、偵察をして欲しいんですけど……幾らですか?」
「そうだね……今、日本円って言っても価値はそれほどないから、米千キロでどうだい?」
「暴落しても知りませんよ?」
「その時はその時かな」
冥さんがいるなら、少しは楽ができる。呪力は問題ないが、術式を使いっぱなしで神経がすり減っていっていた。
「傑ー、ミサイル落として来たぞー」
「お疲れ、悟」
「てっ、冥さん、来てたんだ」
「久しぶり、五条くん。私のことは覚えていてくれたんだね」
悟は、人の名前をけっこうな頻度で忘れている。昔から悟は、あまり他人に興味がなかった。
「その髪型なに? 前、見にくそうなんだけど……」
「それは目隠しをしてる五条くんから言われたくはないかな」
冥さんは昔と違って、独特な髪型をしている。後ろで三つ編みをするのはなんともないが、もう一つ、前髪全体でゆるい三つ編みをしているせいで、顔のほとんどが見えなくなってしまっていた。
「僕、六眼だし……いや、冥さんには烏がいるか……」
冥さんは術式で操る烏と視覚を共有することができる。術式を使えば、自分の目が見えなくとも問題はない。
「そういうことだよ。オフなら、さすがに普通の髪型だしね」
「ふーん、そっか」
戦いになる可能性を考慮して来たと言っているようなものだ。ここまで開け広げだと、逆に安心していいだろう。
「というか、ミサイルね。東の国はなかなかせっかちか……」
「なんというか……あっちの方は術師をエネルギー源として利用したいという気持ちより、一刻も早く取り除きたいという恐怖の方が感じられますね」
「まぁ、普通はそうか……。特に五条くんなんか目の当たりにしたらね」
「え? 僕のせい?」
悟は注目を集めて、首を傾げる。
非術師にとって、悟の強さはわかりやすいか。わかりやすく空を飛んで、わかりやすく無敵バリアで、わかりやすくミサイルや戦闘機を落としていく。
外国にとっては悪夢のような光景だろう。
「ま、悟。戦闘機と戦う時は、あんまり殺さないようにね。軍人で、大義のために覚悟を決めてやってきているとはいえ、悪人ではないんだから」
「はいはい」
――相変わらず、弱者に気をつかうのは疲れるよ。
***
「あー、疲れた疲れた。毎日しんどいねー」
戦闘機を落とし終える。
戦闘機に乗ってた外国人は脱出したみたいだから、海にいた傑の呪霊が捕虜として回収したはずだ。
一息ついて、港に降り立つ。
「よぉ」
「誰? お前」
「鹿紫雲」
棒を構える立ち振る舞いを見るに、たぶんそれなりには呪術を使える方だ。
高専の術師じゃない。呪詛師……で、こんなのいたか……? 呪力の性質が独特だから、知ってたらそこそこ記憶には残ってもおかしくない。
いや――、
「受肉した術師か……!」
六眼で見た雰囲気が、宿儺と少し似ている。ただ、弱いなコイツ。
「宿儺、倒したんだってな? お前」
「正確には、僕たち、なんだけどね」
「だったら、もう一人連れて来てもいいんだぜ?」
誰かになんか吹き込まれて来たんだろう。面倒だ。傑は今、忙しいだろうし。
「いや、お前弱いじゃん。僕一人でじゅうぶんだよ」
「口ばっかじゃあ……ないことを祈るぜ?」
ま、いいか。相手してやろう。ちょうど試してみたいこともあったし。
***
鹿紫雲一は、五条悟と対峙して、その存在感に気圧されていた。呪力から、この目隠し男は……五条悟は
「くく……っ」
羂索から話は聞いた。宿儺は二人で倒したという。最低でも、各個撃破だと羂索は言った。
――それは、雑魚の思考だ。
二人同時に相手をして倒す。それこそが宿儺を超える勝利条件。そのためには、まず……
「楽しくなって来たじゃねぇか!!」
如意を振るう。当然、五条悟にだ。
それを五条悟は棒立ちで受ける。
もちろん、寸前で止まる。
「術式の開示、いる?」
「いらねぇなぁ!!」
羂索は五条悟と戦う上での最低限として、その不可侵の攻略を挙げた。鹿紫雲一の生きた時代、似たような防御の術式がなかったわけではない。
そして、鹿紫雲一は、かつて戦った全ての術師を討ち滅ぼしてきた古き時代の最強だった。
――彌虚葛籠。
如意が、無限を突破する。
「ん? ちょっと違うけど、簡易領域みたいなものかな? 本来なら、自分を覆って守るそれを武器にだけに纏わせることで、自分を守らない縛りとして出力を上げているって、なかなかに器用だな」
本来、簡易領域や彌虚葛籠は術式を中和しない。領域展開に対抗する際は、結界そのものを中和することで、術式の必中を防いでいる。
だが、〝領域〟は術式を中和する。領域展開の中では術式が中和され、五条悟にも攻撃が当たる。
洗練度に違いはあれど、簡易領域や彌虚葛籠は〝領域〟の一種ではある。だからこそ、本来なら術式を中和する役割を持たずとも、出力を無理矢理に上げた彌虚葛籠を纏わせた呪具は、無下限の守りを中和し、突破する。
「くらえよ!」
無限を通った如意を、五条悟は驚くことなく、手で掴み、受ける。
「なるほどね。ちょっとピリッとする」
この無限の防御を破れてこそ、五条悟と同じ土俵だ。要するに、この無限を突破できるかどうかはただの足切りラインにすぎない。
そして、五条悟は防御不能という電気の呪力特性をほとんど無視して攻撃を受けている。出力と呪力量で防いでいる感じではない。
ただひたすらに、呪力操作の精度が神がかっている。これが、五条悟か。
「いいなぁ!!」
如意で追撃を与える。なかなかに楽しいじゃないか。術式防御頼り、なんてがっかりさせる相手ではない。
如意を腕で防がれ、すぐさま顔面をぶん殴られる。
――ただの打撃じゃねぇなぁ! これは……っ!
ぶっ飛ばされて、港のコンテナにぶつかる。鼻から垂れる血を拭う。
「無下限対策してきたのはいいけど……でも、僕が領域使ったらおしまいでしょ、それ」
「使わせるかよっ!!」
領域を使われたら、守りに彌虚葛籠を使わざるをえない。そうなれば、領域を防げたとしても今ほどスムーズに無限を破れなくなり、ジリ貧で負ける。
どうするかは簡単だ。領域が使えないよう、続け様に攻撃を仕掛けるだけ。
「そんなに領域使ってほしくないってことかな?」
こんなふうな口を利かれるのは癪に障る。だが、警戒をしなくてはならないのも事実。
五条悟の掌印は片手。ブラフでも、五条悟の右手の動きに気を取られる。
「ち……っ」
カウンターの拳をかろうじて如意で受ける。
見立て通りか、如意で受けた五条悟の拳は、顔をぶん殴られたときより軽い。五条悟が拳に重ねている術式を、如意に纏わせた彌虚葛籠が中和したからだろう。
術式込みの五条悟の体術に、こちらは確実に負けている。
五条悟には、領域以外にも隠し玉があるだろう。なかなかに、やり甲斐がある。
距離を取る。
「……ん?」
五条悟は驚きを顔に出した。
当然だろう。さっきまで、あれだけ領域を気にしていたのに、こうして距離を取ったんだ。
「いいの? 領域使っちゃうけど」
「使えるもんならなぁ……っ!!」
――これは効くだろ……っ?
五条悟の不可侵。何者も通さないそれだが、無差別に全てを拒絶しているわけじゃない。たとえば空気……空気さえも拒絶しているというのなら、五条悟はいま息をしていないということになる。
要するに、対象の選別。自身に害のあるものを選別して、不可侵で弾いている。
この瞬間、鹿紫雲一と五条悟の間には、鹿紫雲一の呪力特性による仮想の電圧が発生している。ただその電圧に、五条悟を害する効果はない。
しかし、鹿紫雲は電気の特性を持つ自らの呪力を、攻撃と共に五条悟に蓄積させていた。
「爆ぜろよ?」
攻撃は、五条悟の体内から。溜めた電力を引っ張り、爆発さ
――輪転術式。
「ははっ、なかなかやるじゃん」
だが、それは不発だった。
「なに、しやがった……っ!?」
不可侵の要件を変えた……には不自然な挙動だった。確実に、一度は引っ張れたはずだ。だが、そのすぐ後、完全に手ごたえがなくなってしまった。
「僕自身の呪力特性を変えたんだ。ま、君みたいにアウトプットできるもんじゃないけど、防御には使えるでしょ?」
「人間かよ?」
電気の持つプラスとマイナスの特性を利用していた。五条悟に溜めたプラスの電荷の呪力を、体内で生成したマイナスの電荷の呪力で相殺したのだろう。
反転術式……なら、まだわかるが、呪力の特性を変えるなんて技は見たことがない。
「ははっ! 術式反転『赫』!」
「……っ!?」
とっさに、如意を盾にして受ける。衝撃波だった。一つ、二つとコンテナをぶち抜いて吹き飛ぶ。
如意を噛ませて、ある程度は中和できたからいいものの、直撃だったら死んでたか。
印象に残ったのは赤い光。それだけだった。
吹き飛ばされた痛みで項垂れていた顔を上げる。
「さっきので死なないなんて、なかなかにタフじゃん」
「……な……っ」
速い。五条悟がもう目の前にいる。
おそらく、ただ速いだけじゃない。これは術式を使った移動。
「ここらへん、ごちゃごちゃしててやりづらいか。術式順転『蒼』」
周りにあるコンテナが、五条悟の作り出した青い球体によって引っ張られ、空中で潰れる。
だいぶ、見晴らしが良くなった。
「めちゃくちゃやりやがる」
「さてと、第二ラウンドだな。そっちもいい加減術式使えよ? じゃないと死ぬよ?」
目隠しを五条悟は外していた。
ギラリと六眼が光る。
「あいにく、使ったら死ぬ術式なんでね。使うのはお前ら二人と同時に戦う時だけだぜ?」
「あっそ。じゃ、俺一人でフルボッコにしてやるよ。術式輪転『翠』!」
今度は、緑色の球体だった。
五条悟から離れて、空に打ち上がり、しばらくののちに破裂する。
「なんのつもりだ?」
風が、その緑色の光に向けて流れていく。あの光に突っ込んだら、まずい感じがビンビンする。そしてなかなか緑の光は残存する。
「よっ!」
「ちっ……」
殴られる。如意で受けたが、その後なにかに引っ張られる。五条悟の呪力の動きから見て、術式順転の応用か。
緑の光に一直線に、体が放り投げられる。
――置きトラップかよ。
如意に溜めた電気の呪力と、自身の呪力を反発させる。如意を弾いた反動により、かろうじて、緑色に放り込まれるコースは逸れる。
おおかた、風の流れから言って、あの緑は消失ってところだろう。大気が消されて、圧力差で吸い込まれ続けている。
電荷を切り替え、如意を引っ張り、手に掴む。
まともに術式を使い出されて、こうもいいようにやられるのか。
「紫、黄色と、青緑。どれがいい? 死に方くらい選ばせてやるよ」
宙に浮いた五条悟がそう言う。ナチュラルに空飛んでやがるところがムカついてくる。見下しやがって。
「全部だ」
「じゃ、大盤振る舞いだ。避けるんだよ?」
「あんま、ワクワクさせんなよ?」
今まで以上のなにかがくる。それだけは察せる。
――術式順転『蒼』。
――術式輪転『翠』。
「虚式『碧』」
青緑の光が照らす。
「な……っ!?」
引きずり込まれる。引力なんて優しいものではない。それは、空間の爆縮だった。
避ける以前の問題だろう。五条悟がその気なら、終わっていた。引き摺り込まれた左腕が、完全に消失していた。
「驚いた? これは、順転と輪転、二つの無限をぶつけることで、空間が消失させられてるってわけね」
「あ……?」
「そうすると消えたところを埋め合わせる感じで、周りの空間が引っ張られていくってところかな? んで、引っ張られたら空間ごと消し飛んでおしまい」
「バカかよ?」
引っ張る力に、消す力……組み合わせられるのかよ。
なるほど、これは最強だ。一つの術式で応用性が段違いだ。赤、青、緑……それらが組み合わせられるというのなら、その応用は……、
「んじゃ、次ね」
「ち……っ」
――術式反転『赫』。
――術式輪転『翠』。
「虚式『黃』」
黄色い閃光が脇を掠める。
呪具、如意が消失している。とっさに手放さなければ、右腕もそうなっていただろう。
「呪具だぞ?」
「ま、反転と輪転だね。こっちは仮想の時空を生成して膨張させる。過去の術師だっけ? 原子って、知ってるかな?」
「わからん」
「物質は原子っていう粒々が繋がってできてるわけだけど、原子と原子の間の空間が広がったことによって、つながりが絶たれて、バラバラになったってわけだね」
原子……受肉先の記憶を辿ってみれば、塩水に電気を流すと塩素ガスが出てくるとか、確かにそんな知識はある。奥底に眠っていた。どうやらこの受肉先は、あまり勉強熱心ではなかったみたいだ。
「アリか……? それ」
面倒な理屈はさておいて、どんなものでも問答無用にバラバラってことだろう。
防御はするだけ無駄か。
さっきの青緑といい、今の黄色といい、クリーンヒットは確実の即死か。
だが、見た限り……虚式と言ったか……青緑、赤緑の組み合わせのどちらにも、単独での使用と比べて溜めがある。
なら、そうだ。大きく距離をとる。
あの虚式二つの射程範囲は理解した。五条悟は高速移動ができるとはいえ、それは術式を使った移動だ。
高速移動で術式を一つコントロールしながら、併用してあの破壊規模の攻撃を制御することはできない……できないはずだ。
もうすでに距離はとった。射程範囲に入れるために、近づいてきたところをカウンター。絶えず攻撃を入れて、虚式はもう撃たせない。
「んじゃ、三つ目、いくよ?」
呪力の高まり。
――術式順転『蒼』。
――術式反転『赫』。
「まじかよ……っ」
「虚式『茈』」
避ける間もなく攻撃が届く。
距離を取ったというのに、あまりにも速い。確実に仕留めるための一撃だった。
紫色の攻撃が放たれてから、着弾まで、人間の反応速度では対応不可
「――術式解放『幻獣琥珀』」
右腕だけで済んだのは奇跡か。
術式の解放とともに、電磁波を照射し、ある程度は相殺できた。術式を発動し、上昇したアジリティでようやく反応が追いつく。
――『幻獣琥珀』。
呪力によりあらゆる現象を引き起こせるよう肉体を変化させる術式だった。
この術式は、肉体を大きく変化させるために、術式終了時に体が崩壊してしまう。
五条悟相手に、使わざるを得なかった。
宿儺には届かなかったという悔しさはある。だが、同時に清々しい気分でもあった。
脱出不可の『碧』、防御不可の『黃』、回避不可の『茈』。大雑把にはこんなところだろう。
攻撃範囲は『碧』、『黃』、『茈』の順で広くなるが、必殺性とトレードオフ。
両腕と呪具を失ったが、幻獣琥珀を使った今、それらは大した問題にはならない。
――あぁ……。あぁ……!!
「教えてくれよ、五条悟!! 俺にとって、他者は脆い土塊でしかなかった!! 突いたらたちまちに壊れてしまう……そんな他者をどうやって愛すればいい!!」
「まぁ、その気持ち、理解できないでもないかな……。ただ、僕には親友がいるからね……。あいつが……いや、あいつ
「そうか……恵まれてるんだな」
「でも、ま。つついたら壊れかけって、僕にとって君のことじゃん。そうだね……憂太あたりだったらいい勝負するかな。紹介してあげてもいいけど」
「術式使ったから、もう死ぬけどな……っ」
「そっか。じゃあ、そうだね……全部って言ってただろう? 最期にいいもの見せてあげよう。特別サービスだ」
五条悟の術式は、五条家相伝……無下限呪術。
相伝のメリットは、術式の取り扱いが先駆者により、開拓されているところだった。
だが、無下限呪術は通常の相伝……加茂家の赤血操術や、禪院家の十種影法術とは異なるところがある。
まともな術者の出現が、数百年に一度というところだ。
ゆえに無下限呪術は、十種や赤血と比べ、明らかに
だが、その無下限呪術も、一つの終着点へとたどり着く。
――術式順転『蒼』。
――術式反転『赫』。
――術式輪転『翠』。
三つの無限を重ね合わせ、弾けるのは三つの虚。
――さらに、重なる。
三つの原色、重なり合って生まれる色は……、
「――極ノ虚『
***
「五条悟が新しく覚えた技は、術式輪転の『翠』に、虚式の『碧』と『黃』。さらには最後の……詳細は途切れてわからなかったけど『シロ』とでも呼んでおこうか」
スマホを手に、羂索は呟く。
「良かったのかよ。鹿紫雲ってやつは、結構な戦力だったんじゃねぇのか?」
そんな羂索に、日下部は問いかける。
「確かに鹿紫雲は強いけど、集団行動ができないからね。こうして敵の情報を引き出す役割が一番有効さ」
「それでも、五条悟が情報を隠そうとしてたら、完全に無意味だったろ」
「ま、そのときはそのときかな。ただ、五条悟の性格から言って、それはないよ。絶対にない。あれは新しい力を手に入れたらバンバン使うタイプだ。五条家で秘匿されていた『茈』も遠慮なく使ってるだろ?」
「あぁ……うん。そうだな」
絶対に実力差が覆せないとわかっているが故に、五条悟は小細工を弄さないのだろう。
「空間系の術式なら、一人心当たりがある。対策は彼女に頼もうか」
「おいおい。あの規模の術式だぜ? そんな簡単に対策ができるのか?」
「できないだろうね。でも、何もしないよりはマシだろう?」
「そりゃ、そうだが」
羂索は全国を周り切り、術師の受肉、覚醒をすでに済ませていた。
死滅回游に強制参加をさせられる術師たちには式神をつけ、定期的にミーティングを行っている。
「あの……」
「ん? 庵歌姫か……」
「メカ丸の……与くんの……件。ありがとうございます」
「いや、彼は重要な戦力だからね。当然のことをしただけだよ」
羂索は、その権力により、与幸吉の死刑を、これからの作戦に従事することを条件に取り消していた。さらに、真人の無為転変を用いて、術式が使用できるレベルにまで彼を回復させている。
与幸吉の作り出した、『簡易領域』さらには『反転術式』の術式効果を保持する機構。そこに羂索は目を付け、技術提供を行い、さらには呪詛師の組屋鞣造を捕縛し、強制的に協力させることで、呪具として小型化、量産化に取り組んでいた。
「本当に……京都校のみんなも、喜んでいて……」
「いや、目的のために必要なことをしただけだからね。本当なら、私はお礼を言われる立場にないさ」
「それでも、……ありがとうございます」
もちろん羂索は、与幸吉が窮地に陥った原因が羂索にあるということは他言無用だと、そういう縛りを与幸吉に結ばせている。
「ケヒ……ッ、輪転術式……。相も変わらず、五条悟は魅せてくれる。小僧、身体を渡せ。仕上げるぞ」
「おい! 器の貴様! 今すぐ宿儺様と代われ! うんと言うまで私が痛めつけ続ける!!」
「ええ……」
映像を見て、なかなかに悠仁のまわりは賑やかになっていると感じる。
「さて……」
宿儺が負けるという想定外。さらには、実力を高め続けている五条悟だ。
正直に言えば死滅回游をおこなっても、勝てるビジョンは見えてこない。
そのための準備期間でもある。
海外に夏油傑や五条悟が釘付けになっているおかげで、こちらには時間ができている。
「もういっそ、夏油さんや五条さんにこの国を任せるのはどうでしょうか?」
「ナナミン……」
一級術師、七海建人は言った。
「七海。それはダメよ。あのクズどもに国を任せるなんて」
「今は状況が違います。現実的に考えて、あの二人をどうにかした後、私たちに外国との外交をどうにかする体力は残ってない。この有事なら、日本人の総術師化もそれほど悪い話じゃない」
七海建人の言い分は間違っていない。けれど、それは羂索にとって困るものだった。
どう言い含めようかと、羂索は頭を巡らす。
「ナナミン、俺は嫌だよ。あの二人って、たぶん、殺すって選択肢を躊躇なく選べるんだと思う。必ずしもその必要がなくたって、近道なら、たぶん、選ぶ。そんなのが上に立つって、俺は嫌だ」
思わぬ援護に、羂索は口を謹み見守ることに決めていた。
「はぁ……。虎杖くんはそう言うんでしょうね。わかりました。付き合いますよ」
「ナナミン!!」
あの二人との再戦ともなれば、虎杖悠仁は宿儺の器として矢面に立つ。それを七海建人は大人として放って置けないというところだろうか。
「さて、私もいろいろと調整をしてくるよ」
ひとまず、空中分解ということはなさそうか。
今日ほど、五条悟の暴れっぷりに感謝した日はないかもしれない。
なにも、羂索も今回の件で日本を破滅させたいわけではない。目的のためなら日本人の人口はある程度に保つ必要がある。五条悟に夏油傑を倒した後の外交について、軟着地をするための各国との交渉を続けている。
「ヒヒ……良いものだな。力での序列というのは」
怪しく宿儺は呟いていた。
***
「これが、輪転術式」
「なるほど」
新しい技術を僕は憂太に、教えていた。
「どう? できそう?」
「ちょっと待ってください。里香」
「あい」
どういうわけか、憂太は里香を呼んだ。なにか、考えがあるんだとは思う。
「はい、できました」
「マジ?」
憂太は、てのひらの上で、呪力を電気のようにバチバチとさせていた。
本当にできてる。てのひらの上でってことは、体外へのアウトプットはできてるってことか。
「そうか……祈本里香の呪力特性は変幻自在。その特性を利用すれば、悟の言う輪転術式もさほど難しくなく可能ってことか」
傑は言った。だとしても、こうも簡単に再現されるのは、ちょっとへこむ。
「それじゃ、無下限を使うので……」
「うん、強化しようか」
いつものように、憂太は無下限を使えるまで傑の呪霊によって重複強化されていく。
憂太は、『蒼』、『赫』までを辛うじて完成させるところまで来ていた。
「『茈』は、まだちょっと難しいんですよね」
憂太はまだ、『茈』の指向性を絞り切るところまでコントロールできていない。
指向性を絞る工程は、そこまで難しいと思ったことはなかったが、憂太には難しいらしい。何度か暴発して、天内に助けられていた。
「とりま、『翠』、やってみようか。これ、手本ね」
人差し指の上で、『翠』をつくる。僕の呪力の流れとか、術式の動きは、呪霊で強化された憂太の感覚ならトレースできるだろう。
「すごい。いろんな呪力を無下限に通して発動した術式を重ねてる? その上で、安定してるなんて……とりあえず、やってみますね」
憂太が、人差し指の上に反応を作る。
「あ……っ」
すぐに『蒼』になって崩壊した。
「憂太。『蒼』じゃないんだよ。もっとニュートラルを意識した方がいいかな」
「はい!」
そして、また憂太は反応を作ったが、今度は『赫』になって崩壊した。
このまま行ったら、『茈』が暴発するかもしれない。ま、そうなっても、天内いるし、なんとかなるか。
「憂太、頑張れ!」
とりあえず、応援する。
手持ち無沙汰で暇な間、人差し指の上で、『蒼』、『赫』、『翠』をくるくる回して適当に遊ぶ。
「ずいぶんとカラフルになったね」
「ま、そんなもんでしょ」
傑が話しかけてくる。
憂太が修行している間、やることがないのは傑も同じか。
「それで、試してみてどうだったんだい?」
「『碧』は、なかなか指向性を絞るのが疲れる感じだね。『黃』はその分、楽かな。範囲も出るし。でも、やっぱ射程は『茈』が一番広いな」
「となれば、近、中、遠で使い分けってところか」
それにしても、ノリで歌姫の学生たちに使わなくて良かったかもしれない。制御ミスって一人くらい死んでただろう。
「というか課題は、虚式撃つ隙をどうやって作るかだよな……ぁ」
同レベルになると、そもそも虚式は撃たせてもらえない。宿儺レベルなら、まず無理だろう。傑にも、かなり準備をしなければ通らない。
「呪詞みたいに『赫』で時間を早めるのは……いや……」
「二つの無限を重ねるのが虚式だし。さすがに反応中に『赫』の干渉があるとコントロールの難易度が桁違いになるかな? ま、できなくはないだろうけど……やっぱなぁ」
最悪、自爆になる。
今のところ、素直に打ち出すしか方法がなかった。
「あ……っ」
ちょうど、『茈』を暴発させた憂太が、天内によって救出されていた。
俺は、ああはなりたくないよね。
しばらく憂太は練習を繰り返して、まぁ、なんとかそれっぽい『翠』の反応を作れるところまでは辿り着いた。
「夏油様、五条様。例の件、準備が整いました」
そうこうしているうちに、黒井さんがやってくる。
持っているのは骨壷だった。新しいやつっぽいから、多分移したんだろう。
「悪いね。墓荒らしみたいな真似させちゃって……」
「いえ、関係者の許可はきっちりいただいたので。では、憂太様」
「うん、里香ちゃん」
骨壷を憂太は優しく撫でる。
「憂太ァ、里香、コッチぃい!」
呪霊の方が反応していた。骨壷の中身に対抗心を燃やしている。
「じゃ、いきますよ」
憂太は、呪詞を唱え出す。必要な呪詞は、資料をあたって引っ張ってきた。歴史ある術式な分、そこまで苦ではなかったと津美紀たちは言っていた。
しばらくして、憂太が呪詞を唱え終わる。
黒井さんが、一欠片の遺骨を飲み込む。
――祈本里香。
「ギャアァアアア!!」
祈本里香の呪霊が、黒井さんに吸い込まれていく。そうなんのか……。
「憂太……?」
「里香……ちゃん?」
黒井さんの姿が、幼い少女のものへと変わった。祈本里香の死ぬ前の姿、ということなのだろう。
「憂太、久しぶり……って言うのもおかしいかな」
「里香ちゃん! 里香ちゃん!!」
憂太は、祈本里香へと駆け寄っている。もうすでにぐしゃぐしゃに泣いていた。
「里香ね。ずっと幸せなんだよ。憂太とずっと一緒にいられて。憂太の役に立てて」
「うん、里香ちゃん……。ごめんね。ごめん。僕は里香ちゃんに頼ってばっかりで……里香ちゃんには何にも返せてなくて……」
「ううん、憂太。里香はね。憂太からたくさんもらってるんだ」
泣いて懺悔をする憂太を、祈本里香は優しく抱きしめて、慰めていた。
「もらってるって……僕は大したことなんて……」
「ふふ、全部憂太のおかげなんだよ? だから、これからも、一緒にいようね」
「一緒に……? あぁ、うん」
今ひとつ、祈本里香の言葉を理解しきれないまま、憂太は頷いていた。
「憂太、とりあえず、今日はここまでかな。魂の情報を降ろすのは黒井さんへのリスクが高い。というか、祈本里香の呪霊をそのまま受肉させることになってしまっている。どんな悪影響があるかわからない。だから……」
傑が、頃合いを見計らってか、止めに入った。
ま、こんなところだろう。憂太の、もう一度、祈本里香と話したいという願いを聞く形で、今回、セッティングがなされていた。
「わかりました。夏油さん。里香ちゃん、今日はおしまいだよ?」
「憂太、ずっと一緒だよ?」
「うん、里香ちゃん。解呪……」
そうして、憂太は呪術を解く。
「……?」
「か、解呪」
呪術が解けない。
「いや、そうか!? 憂太の術式は、祈本里香と接続したことによる模倣。呪霊だった祈本里香との接続が、降霊により絶たれたんだ。つまり、今、憂太に降霊術を解呪する権限はない!」
「でも、あれだろ? 受肉先の呪力が切れれば、自然に解除されるやつだろ? なら、待てば……」
祈本里香を六眼で見れば、無尽蔵の呪力が溢れ出していた。
「憂太。ずっと、一緒だから……」
「まずい……!!」
黒井さんの肉体が完全に乗っ取られる。
とっさに、受肉した魂だけを沈めるために、無量空処を放とうとする。
「いや、悟。こちらにはこれがある!」
傑は、呪霊を呼び出す。忘れもしない……あの……あれだ……あいつが使っていた格納呪霊だ。
その呪霊の中から取り出されるのは、
――天逆鉾。
その力は、発動中の術式の強制解除。
一度は完全にぶっ壊してやろうと思ったこともあるそれだが、持っていてよかったかもしれない。
勝負は一瞬で着いた。
呪霊で全力バフをした傑が、祈本里香の腹に天逆鉾をブッ刺して終わった。
今は天内が黒井さんの治療をしていた。祈本里香の潜在能力を考えると、傑でさえ黒井さんの肉体を気遣う余裕はなかったから、黒井さんはかなりの重症だった。
天内はそれを一瞬で治す。治るから、まぁ、いいだろう。
「ごめんなさい! ほんとに! 僕のわがままで……」
「いや、憂太。大事にならなくてよかったよ」
憂太は謝り倒していた。俺も傑も今までにないほど冷や汗をかいたが、なんとかなって本当によかった。終わりよければ全てよしだろう。
黒井さんは天内と傑に任せて、とりあえず、憂太と一緒に室内に戻った。
「憂太、どうだった?」
戻るなり、降霊術の成否を津美紀が尋ねてきた。術式の使い方とか、文献の収集を一番に協力したのは津美紀だった。
「いや、ちょっとね……いろいろあって……」
成り行きを、憂太は津美紀へと話す。そして、津美紀は青い顔になる。
「黒井さん!!」
「今は、安静にしてるから……っ。それに、理子さんもいるし」
「そっか、そうだね……。うん、なら、大丈夫か」
津美紀は責任を感じているようだった。結果的にみんな元気だし、僕はそれでいいと思うけど、みんなはそうじゃないみたいだった。
そうして喋っていれば、美々子に菜々子も集まってくる。そうなると、ずいぶん賑やかになってくる。
「そういえば、恵。まだ帰ってこないね……」
ふと、津美紀がつぶやいた。
渋谷のあの件から、恵は音信不通が続いていた。
「ていうか、恵のやつ……本気で五条様と夏油様のこと倒そうとしてんの?」
「恵に倒せるわけないのに……」
「まぁ、うん……すごく頑張ればワンチャンぐらいあるんじゃないかな」
美々子も、菜々子も、酷い言いようだった。あんまりに恵が可哀想だから、ちょっと擁護しておく。それでも、まぁ、恵は勝てないだろう。
***
「それで、頼みの綱の魔虚羅だけど、三種類の虚式全部を警戒しなきゃいけなくなったわけかな」
「マジかよ」
呪術高専、そこの独房に、伏黒恵は軟禁されていた。
渋谷での一件の後、伏黒恵は呪術高専に合流していた。形式的に軟禁されることにはなったが、貴重な戦力としてしばらくの取り調べを済ませ、自由が約束されていた。
「基本的に、虚式を撃たれないように立ち回ることが、五条悟を倒す上で、必要条件になってくるだろうね」
「くそ……」
魔虚羅が無量空処、順転に適応した上で、まだ不利だ。
今まででも反転や茈には警戒しなくてはならなかったのに、輪転に新しい虚式もあるという。本当にふざけてる。
「悠仁と一緒に、前に出ることになるだろうから……ま、息子と仲良くしてやってね」
「…………」
――渋谷でのあの時も、俺が強ければ、あそこで全てが終わっていたんだ。
――宿儺という呪いに頼っても、結局俺は弱いままだった。
「……っ!? アラート? 高専結界に侵入者か……!?」
羂索が反応をする。
このタイミングで、いったい、誰が……。
***
「ひさびさだね」
そこにはまず、一人の女がいた。
着物を着て、穏やかに微笑む彼女。そんな彼女が相対するのは一体の呪霊だった。
「…………」
「借していたものを、取り返しにきたのかな?」
彼女の姿は、天内理子……かつて星漿体として選ばれた少女の姿をしていた。
天内理子の遺体……それには夏油傑の命令を受け、呪霊となった天内理子により処置が施されていた。
当然ながら、天内理子は生き返ることはなく、そこには生命活動を続けるが、抜け殻となった肉体だけが残っていた。
天内理子の遺志を汲むため、その生ける死体は薨星宮へと届けられた。
同化に失敗し、上位の存在となった天元は、その生ける死体を依代として結界術を行使し、上位存在となる際に散逸するはずだった自我を固着させ、強固に保っている。
「直感でわかるけれど、私の結界術なら、この肉体がなくても、たぶん私は自我を失わないんだろうね。でも、とても助けになったよ」
本来なら、辿り着けないこの場所に、この呪霊が辿り着いた理由は単純。自らの肉体との繋がりを辿って来たからだ。
「…………」
「君が何を目指したいのか、ゆっくり聞かせてもらえないかい?」
登場人物紹介
鹿紫雲一
五条に負けた。
羂索
決戦に向けて準備中。
夏油傑
日本のために超頑張ってる。
五条悟
新しい技を使えて一番楽しい時期。
冥冥
お金稼げればそれでいいらしい。
日下部篤也
渋谷不参加。蘊蓄があるから羂索に連れまわされてる。
庵歌姫
羂索は胡散臭すぎるけど、クズどもはぶっ飛ばさないといけない。
虎杖悠仁
渋谷駅地下五階の大量虐殺が印象深くて、五条たちは認められないでいる。宿儺から実害を受けたことがないため、宿儺への警戒心が緩い。
両面宿儺
修行頑張ってる。
裏梅
宿儺のお世話頑張ってる。
七海建人
虎杖が危うすぎるから、とりあえず付き合うことにしている。
乙骨憂太
里香ちゃんを降霊してあわや大惨事だったから
祈本里香
一応、解呪されてない呪いだから、肉体ゲット狙ってみた。天逆鉾は強敵だった。
黒井美里
ざっくり刺された。リスクは承知の上だったから、責めることもなかった。
津美紀、美々子、菜々子
降霊術の調査の手伝いをした。恵が勝てるとは一ミリも思ってない。何やってるだろ、って感じ。
伏黒恵
一応捕まってる。また再戦することになるらしい。
理子ちゃん(天元)
同化できず、結界術の外郭になってる。当時より成長した姿らしい。
入り切らなかった話。需要調査。
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