世間に知られていているアイドルの卵。今作で1番報われるのは彼女だと思う。ツナがいる時点で生存フラグが確定した。最近の悩みはあまりに双子が可愛すぎてスマホの容量が写真でパンパンになりそうな事。まだ双子には愛してるとは言えていないがその自覚のようなものは出てきている模様。
ドラマ撮影当日、俺は晴れて苺プロ所属の子役タレントとなった。
監督曰く事務所に所属をしていないと色々と面倒な事になるからだそうだ。
母さんは別の仕事が入っているため斎藤社長と共にそちらの現場に向かっている。
同じドラマに出演はするが日程が違うため仕方がない。
「いいか早熟ベイビー。日本の場合はキャスティングってのが上の方であらかた決まっているもんなんだ」
「そうなんですね」
「あぁ、金がかかっている企画ほどコケる訳にはいかない。確実に客を呼べる役者を押さえていくためっていうのもある。つまり上には上の戦いがあるんだ」
確かにたくさんのお金をつぎ込んだがコケたでは話にならないだろう。
「キャスティング権のある監督は極々1部の超大物監督か超低予算の監督くらいだ。さて、俺はどっちに見える?」
「監督はおべっかなどは嫌いそうですのではっきり言わせていただきますと今回は超低予算の方ではないかと考えております」
「…何だろうな。大人と話をしているような気がする」
ごめんなさい…。転生しているので大人も経験してます。
「まぁいい、正解だ。ここは低予算の現場だ」
あ、ミヤコさんが来た。
「本日はアクアがお世話になります」
「いやいや。例の件、話は通ってるんだろうな?」
「はい。そこもハッキリさせてきましたので大丈夫です」
「それは良かった。事務所入っていない子役を使うと怒られるからよ」
「改めまして。本日はよろしくお願いします」
「あぁ。それとお前の出演と引き換えにアイを使う。これを業界でバーターって言うからな。基本のことだ。覚えておいて損は無い」
「覚えておきます」
監督はその後ふらっと別の場所に向かった。
「アイさんが息子のバーターって…。その辺はアクアはどうなの?複雑?」
「…正直複雑ですよ。ですが、これをチャンスだと思って動くだけです。出来るか出来ないかではなくやる。それでいいんですよ」
前世ではリボーンにやれって言われながら蹴りが飛んできただろうからね。
「ママぁああ!ママぁあああ!ママのどごがえりだい!なんでママいないの!!」
「ルビー、お母さんは別の日が撮影日なんだ。だから今日はいないんだよ」
「早く会ってバブりたい!!ママの胸でオギャりたいよぉー!」
うーん。知能が完全に低くなってるね。
「私をオギャバブランドに返してー!」
「レディにこう言ってはなんだけと恥ずかしくは無いのかな?」
「それ以上は戦争だよ。お兄ちゃん」
あ、素が出た。
そんなことを考えていると隣で机を叩く音が聞こえた。そっちを見ると俺らと同い年くらいの女の子が睨みつけてきた。
「ここはプロの現場なんだけど!遊びに来てるなら帰りなさい!」
「それは失礼しました。貴方は?」
「私は有馬かな。今日の共演者よ」
「…あ、この子あれじゃない?」
「ルビー?どうしたの?」
「えっと、なんだっけ…?」
「重曹を舐める天才子役…?」
「10秒で泣ける天才子役!!」
「あぁ、思い出した。ドラマとかですごい演技だってたくさんの方が言ってましたね」
「そうよ!私は凄いんだから!」
胸を張るかなさんとそれを見て近づいてくるルビー。
「私、あんまりこの子好きじゃないんだよねー。なんか作り物っぽくて生理的に無理」
「本人に対して目の前で入ってはダメだよ。俺だったら愚痴とかは聞いてあげるからね」
「はーい。お兄ちゃん」
「そういえば知ってるわよ。あなたコネの子でしょ!」
あぁ、そう来たか。
「本読みの段階じゃ、貴方もアイドルの子の出番もなかったのに…。監督のゴリ押しってママも言ってた!そういうのいけない事なんだから!」
まぁ、周りからしたらそうかもしれないけど。
「こないだ監督が撮ったドラマ見たけど全然出番なかったじゃん。どうせカットしなきゃいけないほどへったくそな演技したんでしょ。媚び売るのだけは上手みたいだけど」
「少しいいかな?流石にその言葉は無視してはいれないかな?」
「何よ?本当のことでしょ?」
「なるほど。君はそういった判断をしてしまったんだね。演技は出来ても他のところを見る能力はまだ薄いみたいだ。まず、アイお姉ちゃんがカットされた部分だけどあれは仕方の無い事だったんだ」
「どういうこと?」
「確かに演技は完璧ではなかったかもしれない。それでも視線の写し方や仕草ひとつで主演を喰いそうになってしまった。だからこそ大幅にカットする必要があったのさ。因みにだけどこれは監督とも話し合ってこれで間違いないって所まで推察したからね」
そう言うと彼女は傲慢な態度のまま部屋から出ていった。
「…お兄ちゃん」
「うん。あれが事実だね。母さんが一際目立ってしまっていたからカットが多くなっちゃったんだ」
「そうだったんだね!さすがママ!どんな時でも輝いてる!」
あの後は有馬さんと共演したが上手く出来なかったと言って取り直しを泣きながら懇願していた。取り直しはしなかったがそこはとても印象に残ったかな?
ルビーはルビーでママの悪口を言ったからだ!ざまぁみろ!って言っていたが、さすがに恥ずかしかった。もうやめて欲しいと何度も言ったのだが知るかと言わんばかりに何度も言っている。
「そろそろ落ち着こうルビー。それと終わったから帰るよ。母さんに甘えたいんでしょ?」
「あっ!そうだった!ママー。帰ろー!」
「わかりましたよ。アクアも帰りますよ」
「うん。準備できてるよ」
「ただいまー!あれ?ママまだ帰ってないの?」
「もう少ししたら帰って来れるみたいですよ。あと20分くらいですかね?」
「じゃあ、先に着替えとか用意しておいた方がいいかな?」
「あ、私も準備しよーっと」
「ミヤコさんも大変だったと思いますしソファーとかで仮眠を取ってても大丈夫ですよ?」
「では、少しだけ」
その後、ドラマが放送されたが案の定母さんが主役を食い散らかしていた。俺も良かったみたいで少し名が知られたみたい。子供服のモデルやテレビ出演をしないかというオファーも来ていると斎藤社長が言っていた。
母さんもこのドラマを機にバラエティ番組や雑誌モデルなんかにも出演するようになった。
それと共に近づいてくる超直感からの警報。これが何を指すのかはまだ分からないがいいことでは無いだろう。
最悪の想定もしながら動いた方が良さそうだ。
謎の少女「そういえば息子の血って誰のだろう?我ながら見落としてた」
謎の少女「…へ!?ジョットと沢田綱吉!?」
謎の少女「この世界をバトル系かファンタジー系だと勘違いしてない!?あのお方は」
謎の少女「ん?星野アイって生存する?もし本当に沢田綱吉なら止められちゃうよ。それに超直感があるから私のことも突き止められるかも」
謎の少女「もうやだ。お腹痛い」