あ、ありのまま、今起こったことを話すぜ!
お、俺は確かに、確かにトラックにはねられて死んだハズなんだ!だが気づけば俺は5歳のショタになっていた!
な、何を言っているのか分からねーと思うが、俺も何をされたのか分からなかっt
なるほど転生ってやつか(この間0.01秒)。
俺はどうやら死んで転生sホァッ!?
ナニコレ、俺術式持っとるやんけ。それにこのエネルギー…呪力か?つまり此処は呪術廻戦の世界!?
ヤバいじゃん、ジャンプ漫画の中でも結構死亡率高い世界じゃん!えーどうしよ、どうやって生き残れば良いんだ!!
「おーい、直哉ー。ご飯よ〜!」
あ、ママが呼んでる。
「ほーい、今行くで、母ちゃ〜ん!」
…?今強制的に関西弁に直された?しかも直哉?
…瞬間、脳内に溢れ出す、存在しない方程式
直哉+関西弁+投射呪法自覚=禪院直哉に転生
…何だよもぉぉぉぉ!!ドブカス転生かよぉぉぉぉぉ!!!
「ちゃんと噛んで食べるのよ。」
「わーっとるって、母ちゃん。」
…少し状況を整理しよう。まず、ここは禪院家じゃない。ごく普通の一般家庭。それは大変喜ばしい。でも問題はそこじゃない。
まずこの世界はヒロアカ世界。何でって?親から個性ってワードが出てきたからだよ!
「直哉、今日は母ちゃんと『個性診断』行くからね。
ちゃんと病院の待ち時間の暇つぶしの用意しときんさい。」
「お、そういえばもう5歳か、直哉。」
「せやからそろそろ診断に来なさいって市から通知が来てな。」
「…か、母ちゃん、『個性』って何やったっけ?」
「は?アンタいっつもヒーローの特番見てワーワーはしゃいどったやないの。簡単に言うと、『個性』ってのは個々人に発現する能力のことよ。ちなみに私は自分の身の回りに炎を出す個性やね。
父ちゃんは拳をたくさん生み出す個性や。」
「…おおきに、母ちゃん。」
『個性』、『ヒーロー』、ここまで言われれば原作未読の俺でもヒロアカ世界だって気が付く。つまりこの世界も、最終的には個人の力が物を言う少年漫画の世界だって事。
え?何で同じジャンプに連載してるのに原作未読だったかって?呪術廻戦単行本派だったんだよ!
思考停止中――
ハッ!!!!!
考えてもみよう。禪院直哉は人外魔境の呪術廻戦の中でも上位に位置する実力者。その力がヒロアカで通用しないとは考えにくい。あんまりインフレ云々騒がれてなかったし。
こうなったら、目指すは一つしかないでしょ。
『ヒロアカ』の世界で、『最速の術師』になってやる。
……ちなみに、生物学上は無個性だった。術式をちょっと披露して何とか個性有り認定されたぜ。
俺は15歳になった。
ちなみに、前世の記憶は成長する程に薄れてった。今辛うじて覚えてる事は、術式とか、呪力強化の知識とか呪術的なものと、俺を轢いたトラックのナンバーくらいや。
もう以前の名前も思い出せへん。
だが幼い頃抱いた気持ちは忘れていない。
『最速』への憧れは。
まぁそんなことは些事やな。何の問題もあらへん。
『今』の『俺』は、禪院直哉なんやから。
ほんでそんな俺は今…不良共をぶちのめしてます!!!
中学の制服を着た、金髪に黒のメッシュを入れた男子が、ピラミッドの様に山積みになった不良たちの上に座っている。
「いやぁ〜、絶景絶景。いつもとは違う風景って、何かテンション上がってまうよな。わからへん?」
「わ、分かりません……!」
積まれている不良の1人が、今にも泣きそうな声で直哉の問いに応える。頬を殴られており、喋る度に痛そうな顔をする。口の中が切れているのだ。
ちなみに直哉の今の視点は普段より5メートルほど高い。それだけ多くの不良(ドブカス)をボコったのだ。
「は〜、センスないなぁ。そないやからキミ等ドブカスやねんて。」
直哉が不良たちの頭を踏みつけながら不良ピラミッドを降りていく。踏まれた不良は苦しそうな声を上げるが、もう抵抗する気力もないのか、無抵抗だ。
「そんでもドブカスなりに、ええ暇つぶしにはなったわ、ありがとさん♪」
「「「「「「……………」」」」」」
ピラミッドを降りた直哉は、不良たちを一瞥する。
口こそ笑っているが、その瞳には侮蔑しかない。不良たちは怒りよりも恐怖が勝って、動くことができずにいる。
しかしそんな直哉に納得が行かないのか、1人の不良が声を上げる。
「俺達、お前に何かしたか?」
その問の答えは、酷く短いものだった。
「自分で考えろや。そいか去ね。」
直哉がその場を離れた直後、不良ピラミッドは、不良たちのうめき声と共に崩れ去った。
ちなみに何の目的も意味もない。ただ絡まれたから全員ボコっただけである。
不良ピラミッド制作から15分後、直哉は生徒指導室に呼び出されていた。
理由は明白、不良ピラミッドの件だ。
ちなみに直哉を呼び出したのは学校1怖いと言われている蝶野先生だ。直哉の担任でもある。
「ハァ……禪院。オマエはもっと穏便に出来ないのか……。」
「穏便、って言いますと?」
直哉のとぼけたような言い方に、蝶野先生が深いため息をつく。
「……アッチから手を出してきたと目撃情報が挙げられている以上、お前の行動は防衛だった。ここまでは良い。アチラに非があるからな。
だが!不良をのして!その上ピラミッドまで作ったら!言い訳の余地なく過剰防衛だ!罰として反省文3枚、今週中に俺まで出しに来い!良いな!!」
「ヘーイ。」
そして説教を受けている直哉は不満そうだ。その目は明後日の方向を見ている。
何故なら、この禪院直哉という男に、悪い事をしたという自覚は全く、これっぽっちもないからだ。自分の行動は正しいものだと信じて疑わない。
「……反省してるのかどうかミッチリ問い質してやりたいところだが、まあいい。次の話だ。」
「えぇ〜〜!?まだ何かあるんかいな蝶野先生!」
直哉は今度こそ不満オーラを全開にする。
「文句を言うな。お前、一昨日が締切の進路希望調査、出してないだろ。」
蝶野が言葉に怒気を込めて直哉に問いかける。
そんな蝶野に対して直哉は両手を合わせて左ほおの前あたりに置き、
「あー、そういえばそんなもの配ってはりましたっけ。…多分失くしましたわ!ごめんちゃい♡許して?」
………アヤマッタ?ごめん、三人称時空では理解できない謝罪だった。
「うざ。」
「蝶野先生何かいいました?」
「いや何でも。」
直哉のあまりのウザさに教師としてあるまじき言葉が出てしまったことを蝶野は猛省する。いやまぁしょうがないって。禪院直哉だもん。
「……ほら、新しい紙やるから、今ここで書いて提出しろ。まだ提出してないの学年でお前だけなんだから。」
「進路ねぇ……」
渡されたボールペンをクルクル回しながら蝶野に質問する。
「蝶野先生、なんかいい進路無いですかね?」
「……お前は頭が良いから進学だろう。ならば…
雄英高校なんてどうだ?」
「雄英?どこや…何処ですか、そこ。」
国立雄英高等学校ヒーロー科。
数多くのプロヒーローを排出する、自由な校風が売りの偏差値79の名門校。
入学の倍率は300倍と常軌を逸し、グレイトフルヒーローになるためにはまずそこを通らねばならない。
現代最強と目されるオールマイト、No.2ヒーロー、エンデヴァーなど、トップヒーローは皆そこを卒業している。
「日本最難関のヒーロー科がある高校だ。
ヒーローは現代の花形職。お前は強いから、ヒーローに向いているかはともかく、なるのはそう難しい事ではないだろう。まぁオマエを担当する教師には同情するがな。」
「はー、なら……そこにします。ハイ、提出遅れてスンマセン。」
(まあええか。この力は自由に使ってみたいし、何よりヒーローになりゃ今以上にモテるやろ。何よりクズを殴るのは気持ちええしな。)
そんな邪な考えは表に出さず、『第1希望』の欄に『雄英高校』と書いて、蝶野にプリントを手渡し、退出しようとする。
「オイ待て禪院!第2希望は「ほいじゃ、第2希望はここから一番近い高校にしといてくださいや。サイナラ、蝶野センセ。」……ハァ。どうしてあんな出来のいい両親からあんなのができるんだ…」
蝶野のため息が、進路指導室に吸い込まれた。
廊下で直哉はひとりごちる。
「にしてもヒーロー…昔は憧れてたんやろうけど、うーん……まぁ金払いがええなら何でもええか。
てか、『最速』の称号得るならヒーロー以外あらへんな。そういえば。」
だったらとりあえず鍛錬や。中学の範囲は予習し終わってまったし。目標は黒閃の発動による、呪力操作のステージアップやな。
領域展開何て習得した所で無駄無駄。ヒーローになるなら必殺なんてご法度や。
ああ、『最速』になるためにやらないかんことは山積みやな。
そして、三月上旬。
直哉は入学試験会場に来ていた。
人がぎょうさんおるな。これが倍率300…ゆうてもあんま強そうなやつはおらへんな。競い甲斐のなさそうな試験や。
直哉がこう思うのも無理はない。ここにいる者は皆、まだ戦いの『た』の字も知らない中学生なのだから。
毎日のように呪力強化して動き回って呪力をカラカラにしてコントロール可能な呪力総量を増やしたり、術式…個性と真剣に向き合い、解釈を深めていた直哉からすると、皆弱者に映ってしまう。
「えーと筆記の場所は…」
「転んじゃったら、縁起悪いもんね!」
ん?何やこの声。
お、あの男、空中で静止しとる。アイツの個性…いや、声をあげた女の方やな。男があの姿勢で個性を行使するとは考え難い。男の口や腕が動かせる所を見ると『固定』って訳やなさそうやな。さしずめ『無重力』みたいなもんか。
つってもこんななにもない所で転ぶとか、あの緑のボサボサ、ど素人か?ヒーロー科を受けに来たんなら確実に落ちるな。アイツ。どれ、煽りに行ったるか。
「縁起良い悪い関係なく、キミ落ちるやろ。
体は鍛えてるっぽいけど、戦いを筋肉だけで勝てると思っとんのか?」
「「え?」」
転びかけていた体勢を立て直した所で急に話しかけられたと思ったら見知らぬ人に罵倒され、男女は呆気にとられる。男の方に至っては、ポカンと口を開けているだけだ。
「ちょ、ちょっと、いきなりなんや!てか、そんな言い方無いやろ!初対面の相手に!!謝って!!」
「お、おんなじ地方出身やな。君が受かったらよろしゅう。
そんな言い方言うてもなぁ、人生、諦めが肝心やってよう言うやろ。聞いたこと無い?まぁええ。
半端ない強個性なら受かるのもありえんくはないけど、キミ、中2か中3まで全然ヒーローになるための努力してこおへんかったやろ。歩き方で分かるよ、そないなもん。」
直哉はこの世界の主人公、緑谷出久の肉体的な実力を正確に把握していた。体幹、歩幅、呼吸の仕方。判断材料は無数にある。
「平たく言うと弱すぎるんよ、キミ。
いわばその辺の石ころ。義務教育は終わったんやから、その辺の石ころは磨いてもらえへん。それにここは俺が受ける位の名門校。石ころどころか、ダイヤの原石でもないといかん。
キミはどうや?ダイヤの原石なんか?」
いきなりの無理やろ宣言に呆気に取られていた緑谷が、ようやく直哉の言葉に反応する。
「…………自分が力不足なんて事、僕が一番、良くわかってるんだ。
でも、選んでもらったんだ!憧れの人に!
言ってもらったんだ!『君はヒーローになれる』って!」
緑谷は少年漫画の主人公。もとより見知らぬ誰かに無理だろうと言われた所でへこたれるようなメンタルはしていない。
だが。
「なんやキミ、誰かにヒーローになれるって背中押されたからここに来たんか?そこはせめて自分はなれると信じてる!くらいは言えや。
確固たる自分、信念や自信、自己肯定。それを他人に依存しとるやつが、この競争を勝ち上がれるなんて思わんことやな。この競争で勝ち残るんは、ヒーロー足り得る奴だけや。今のキミの背中を見て、一体誰が安心できる?そんなヒーローは必要なんか?
俺が今聞いとるのはそこや。」
緑谷は何も言い返せない。彼も充分ヒーロー足り得る精神を持ってはいるが、ソレを彼はハッキリ自覚していないし、何より今の緑谷から、人を助けるという
緑谷は直哉の言葉に少し納得してしまい、口ごもる。
「……まぁええ。けどな、人には合った生き方っちゅうもんがある。試験に落ちたとて、絶望せん事やな。弱者には弱者なりの生き方があるもんや。
ほんじゃ、俺は行かせてもらうで。」
直哉はポケットに手を突っ込み、黙っている2人から離れていく。
「…………なんやあの人!!あんな人がヒーロー志望なんて世も末やろ!あんな奴絶対受からんわ!」
緑谷を助けた女…麗日お茶子は、直哉の態度に憤る。
べぇ〜っと直哉の去った方向に舌を出すお茶子に、緑谷が話しかける。
ちなみに世も末。
「ううん、あの人が言った事はそのとおりだよ。僕は、ヒーローになれるって言ってもらうまで、何の努力もしてなかった。ただ憧れてただけだった。
でも!あのくらいでへこたれはしない!誰かを助ける、最高のヒーローになるために!僕はここに来たんだ!」
緑谷はこの程度ではへこたれない。今まで何度も言われた台詞だからだ。
それに、直哉の言ったことは全て正しいと分かっていた。
――そして、筆記が終わり、実技試験の説明が始まろうとしていた。
この作品の設定
禪院直哉
オリ主が憑依しなかったら性格ドブカスだけど有能で首に出来ない神作画アニメーターになってました。
オリ主
禪院直哉のドブカス戦闘力が高すぎて……
禪院一家について。
禪院一家は皆、生物学上無個性です。
つまりこのヒロアカ世界は、呪霊の消えた世界、ということになります。
拙作のラスト
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ヒロアカエンド
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呪術なエンド ※人の心あり