禪院直哉のヒーローアカデミア   作:からや

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評価、誤字報告、感想大変ありがとうございます。モチベにつながるので、これからもドシドシお願いします。(強欲)

1話にまとめたかったですが、思いの外長くなってしまったので分割します。


波乱の入学試験

 「今日は俺のライブにようこそ!!

 Everybody say hey!!!」

 

 「「「「「……………」」」」」

 

 壇上でマイクを持っているのはボイス系ヒーロー、プレゼント・マイクだ。彼は今回、実技試験の監督として受験生の前に立っている。

 彼が出演しているラジオのテンションで切り出してみたが、実技試験前のピリピリした学生たちにはこのノリは不評なようだ。

 

 「コイツはシヴィ〜。

 OK!そんじゃあ受験生のリスナーに、実技試験の概要をサクッとプレゼンしていくぜ!アーユーレディ?  

 YEAAAAAAAAAAAA!!!」

 

 やっぱり不評なようだ。

 

 「これからリスナーには、模擬市街地にて、10分間の戦闘を行ってもらうぜ!もちろん、敵は人間ではなくロボットだ。スーパーマ○オブラザーズやったことあるか?ポイント配分は――」

 

 受験生たちはその説明を注意深く聞く。やっぱり皆、人生の転換点だけあって、緊張してるみたい。………隣に座っている1人を除いて。

 

「くぁ〜〜。ねむ。試験簡単すぎてまだ脳みそ起きとらんわ。」

 

 金髪に黒のメッシュ、鋭い目つき。一見不良だが、一概に不良とも断言できないのは、その顔が整っているからだろうか。

 

 「ち、ちょっと!!ちゃんと説明聞いてた方がいいって!!雄英の実技試験だよ!?」

 

 そんな男の子に小声で話しかける。

 

 「あ゛?なんやお前。って服だけ……光学迷彩か透明化ってとこやな。用があるなら手短に頼むわ。眠気が尋常じゃあらへん。出来るんなら黙っててほしいとこや。てか黙っててくれへんか。俺は寝る。」

 

 男の子は話しかけてきた私の個性に見当をつけながら気の抜けた声で話す。

 というか一瞬で看破されちゃったよ、雄英ってこんなすごい子も集まってるの!!?

 自信なくすなぁ〜。

 

 「す、すごい胆力だね!本番なのに!っていや、今説明中だよ!?聞かなくていいの!?」

 

 すごい人だってのは分かったけどそれでも大丈夫なの!?

 

 「うっざいなぁ。俺がいつ何処で寝ようが俺の勝手やろ。」

 

 「そ、それはそうだけど…ホントに大丈夫なの!?」

 

 私は正直、隣の男の子を変人か何かだと思っている。

 そんな私の視線を無視、或いは気づいていない男の子はあくびをしながら再度応える。

 

 「問題あらへん。そいじゃあ二度寝さしてもらうで。」

 

 そう言って再び眠りについた直哉にえぇ…と声が漏れるが、気にしては行けない人だ、と直感的に感じ、プレゼント・マイクの説明に耳を傾ける。

 

 「あれ?この資料……敵があと一体説明されてない?」

 

 再び資料に目を落とすと、未だ説明のない仮想敵に目が行く。0ポイントって、倒しても意味のない仮想敵なんてなんの意味が……

 

 「質問よろしいでしょうか!!」

 

 右斜め前方に座っていた男子がピンと腕を伸ばす。この資料の仮想敵の事だろうか。こういう場で質問できるのってすごいよね。私ただでさえ存在感薄いから苦手なんだよね…

 

 「プリントには、4種の敵が記載されています!誤載であれば、日本最高峰たる雄英において、恥ずべき痴態!我々受験者は、規範となるヒーローのご指導を求め、この場に座しているのです!

 ついでにそこの縮れ毛の君と、左斜め後ろの金髪の君!説明の最中に居眠りやおしゃべりなど、試験に合格する気が無いのか!!君のような人物はいるだけで全体の士気が下がる。不愉快だ。物見遊山のつもりなら即刻、共に退出したまえ!」

 

 仮想敵だけじゃなくてこっちにも質問飛んでくるのね!!メガネもして真面目そうだもんね!!(やけっぱち)

 縮れ毛の子、すごく慌てちゃってるよ。ちょっと可哀想。対してこっちは…

 

未だ夢の中!!!

 

 ……というか、ここは私が起こすべきなの!?どうなの!?どっちなんだい! 

 

 ………私が起こすべきだよね。

 

 「ね、ねぇちょっと!!寝るのは自由だと思うけど、今だけは起きてよ!呼ばれてるってぇ!!」

 

 ホントに!ホントに起きて!ヤバイよこれ!注目されちゃってるって!全部の視線が集まっちゃってるって!!絶対目つけられるって!

 

 ……私は透明だから大丈夫だよね!(諦観)

 

 「……んがッ!」

 

 あ、鼻提灯割れた。……ホントにあるんだねこんな漫画みたいなやつ。

 

 「…………なんやねん。起こすな言うたやろ。死ねやカス。」

 

 「口悪!!

 というか最早起こす起こさないってレベルの問題じゃないよ!皆に見られてるんだよ!

 あと、前の人から話しかけられてるって!!」

 

 そう言うと男は前方に顔を向ける。

 

 「誰や?俺に喧嘩売ってんの。誰か知らへんけど黙れやドブカス。俺の安眠邪魔すんなやガチ死ね。昨日もの○け姫見て寝不足やねん。」

 

 ホントにヤバイ人じゃん!初対面の、しかも自分を注意してる相手に!何で私この人の隣なの!?

なにか悪い事したっけ私!!ねぇ!神様!

 

 「ドブカスだと!!??

 いや……それよりも君は今神聖な入試を穢しているんだぞ!他の受験生の迷惑になると思わないのか!

 大体人が説明してる中で眠るなど失礼にも程があるだろう!」

 

 皆が受かるために大変な努力をして望む雄英試験、そこにやる気のなさそうな人がいれば誰だって腹が立つよね……真面目そうだしそういうのが許せないのかも。もっと言ってやって!

 

 「ソイツはお前の感想やろ。お前の価値観を汲んでやる義務とか、俺にゃない。

 てか初対面の相手になんやねんその言い方。喧嘩売ってはる?野蛮すぎやろ。同じ文明人だと思われとうないわ〜wwwこんな猿風情とwww」

 

 ヤバいって!!この子レスバ強すぎてメガネの子ものすんごい顔赤くなってるって!!どうすんの!!マジでこの雰囲気どうすんの!!!!!!

 

 「OK、ここでのケンカはナシだ。それよりも、さっきの質問だな。その仮想敵は―――」

 

 あ、プレゼント・マイクが止めてくれた。ホントに良かった〜。試験前なのに疲労感が半端ないよ…。

 

 

 「―――だ。良かったかな?リスナー諸君。」

 

 「…ありがとうございます!!」 

 

 メガネの男子が90度の角度でプレゼント・マイクに一礼する。しかし隣の男の子のことはまだ頭に来ているようで、鋭い目つきで彼の方向を睨む。

 ちなみに彼…名前後で聞こ…は再び目を閉じていた。

 

 「まぁ色々あったが…諸君には、かのナポレオン・ボナパルトの言葉である、わが校の校訓を授けよう!!Plse Ultra!」

 

 

 

 波乱の説明会が終わり、実技試験が始まる。

 

 

 

 

 


 

 

 (俺の試験会場はD…あそこか。さっきの資料を見るに、とにかくロボットを早くぶっこわしゃええわけやな。俺の術式とは相性がええ。………これも最速で終わらしたる。配置が知らされてないて事は感知、索敵能力がまず最初に問われるはずや。なら俺の最初の行動も決まる。)

 雄英入試に降り立った問題児、禪院直哉は考える。

 受験生たちは全員各々の試験会場に到着し、後は開始の合図を待つだけになっていた。

 直哉の眼中にはないが、ストレッチや装備の確認などを行っている者もおり、待機している集団には緊迫した空気が張り詰められていた。

 だがそんな空気をぶち壊すのが禪院直哉だ。

 

 「おいあいつだよ、説明の途中で寝て、注意されたら逆切れしたやつ。

 「あ、あいつか。確かにやばいよな。てか、見ず知らずのやつに退出しろとか言えるメガネのやつもちょっとやばいよな。

 「いやでもあいつよりはな……

 

 「キミかわええなぁ。どうや、試験終わったら俺とお茶せぇへん?」

 「えっあのその……(顔はいいんだけどなんか性格悪そう…)」

 

 

 「「試験会場でナンパする奴には誰もあたおか勝負で勝てねぇよな……」」

 

 「断られてしもたわ。

 うーん、中学にはブスしかおらへんかったし、高校に出会いを期待するしかなかったんやが……名門を受けに来るつってもブスはやっぱおんのやな。ブスは引っ込んどれや。俺の為に。」

 

 直哉は今回の試験、正直楽勝だと思っている。周りの競争相手を見れば、体幹ブレブレの者、筋肉のつき方が不自然な者、本番前に緊張しているのか、変な汗をかいている者。そのどれも競争相手たりえない。

 心配事や観察対象がないから、ナンパに興じる暇がある。

 

 (お?あそこ、気配があるのに視認できひん……あぁ、試験会場で俺を起こしよった奴か。可愛いなら受かってもええ思うけど、ブスなら受からんでほしいな。俺の青春の為にも。)

 

 そんなドブカスみたいなことを考えている直哉に気づいたのか、はたまたあまりに印象的だった出会いだったから興味が湧いたのか、透明な女子が話しかけてきた。

 

 「あ、さっきの口悪い人だ!お~~い!」

 

 はたから見ると靴が寄ってくる光景だが、この女子の個性を前もって把握していた直哉はいたって普通の返答をする。

 

 「なんやねん。何か用か?俺は顔も見えん奴と話すのちょいキモいんやが。」

 「安定の口の悪さだね!まぁ違和感があるとは思うけど!

 でも少しは驚いてほしかったな。せっかくこういう個性なんだし。」

 

 体は動かしているのだろうが、それは不可視であり、直哉は微細な空気の動きから女子の動きを想像するだけであった。

 

 

 「驚くわけないやろ。気配でバレバレや。ほんとに隠密行動したいなら体臭、呼吸、拍動何もかも止めてみぃや。…てかお前、さっきは服着とったはずや。靴は透明化しとらへんし……まさか今全裸じゃあらへんよな?」

 「……」

 

 自分の状態を他人に指摘されるのはさすがに恥ずかしいのか、女子は押し黙る。

 

 そして直哉が全呪力を目に込めようとした瞬間、目に呪力を送る際に副次的に強化されていた直哉の耳が、シ――――という音を拾う。

 

 「………(この音はスピーカーがマイクに接続された時の奴やな。なるほど、読めてきた。)」

 「ねぇちょっと黙んないでよ!私が変態みたいじゃん!」

 「変態には変わりあらへん。顔がよけりゃありがたい変態にレベルアップはするんやけどな。

 そんじゃ、俺はちょっと用事できたから行かしてもらうで。」

 

 そういうと直哉は何度か跳躍をする。

 なんの前触れもないウォーミングアップに面食らい、女子は間抜けな声で反射的に質問する。

 

 「どうしたの?そんなジャンプして。」

 「お前が気にする必要あらへんで。いま動き作ってんのや。てか、もう試験はじまるで。」

 

 そんな直哉の意味不明な発言に、女子は首をかしげる。

 

 「ねぇ、それってどういう「ハイスタートぉ!!!!」え?」

 『どうしたぁ?スタートの合図でもあると思ったか?』

 

 女子は急に入ったアナウンスに驚きつつも、先ほどの直哉の言葉を思い出し、すぐに冷静さを取り戻す。

 

 「すごいね!何でわかったn……」

 

 そこにはもう、砂埃しか舞っていなかった。

 

 

 

 

 


 

 スピーカーの音が聞こえて準備して正解やったな。ビルを術式使って上って、空から他の受験生共が試験場に入る前に敵の数を把握できる。一番他の奴に近い敵は…あそこか。………この試験、最高速度でぶち抜いたる。

 

 ――投射呪法――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 試験開始直後、受験生たちは固まって動いてはポイントの奪い合いになると理解し、スタートの掛け声の直後、いくつかの分かれ道に沿って人数は分散していった。

 そして、いくつかの分かれた集団の先頭を走っていた受験生が、1ポイントの敵を見つける。そういう個性なのか、走るのが周りよりも速い。

 

 「よし!最初の敵だ!まず1p「ちょっとごめんちゃい♡」…はぁ!?」

 

 だがその程度の速さで、『最速』を目指す者には届かない。

 

 

 

 

 禪院直哉が役所に提出している個性は、『アニメ』であり、その内容は身体能力の一部である個性としては、特異なものとなっている。それもそのはず、この力は、超常のものであるのだから。

 この個性―術式―は、脳内で24fpsの動きを作り、その動きを投射(トレース)するもの。しかし、過度に物理法則を無視した動作であったり、動きを作るのに失敗すると、代償として1秒間フリーズしてしまう。しかしこの術式効果を、手に触れた物に強制するということもでき、頭の中でアニメが作れなかったりすると、術者同様、1秒間フリーズする。そしてこの術式の最も強い点は、適度に物理法則を無視できるところにある。なぜなら、この術式は発動時、その直前の動きも加味したうえで動きを作ることが可能なのである。

 

 つまりどういうことなのかというと。

 

 物理法則の無視を積み重ねていけば。

 

 彼のはやさ(術式)に、上限はない。

 

 もっとも、空気抵抗や速度による気圧の変化による空気の確保など、考慮する点は多いが、彼は自身の結構多い呪力量とそこそこの出力、『ヒロアカ世界』の負荷をかければかけるほど肉体は強くなっていくという特性で、音速以上の移動による問題をカバーしていた。

 

 

 そして、そのような強者が雑魚を眼の前にした時、取る行動は一つだろう。

 

 鏖殺だ。

 

 

 

 

 


 

 モニタールーム。そこでは、雄英の教師であるプロヒーロー達が、今年の試験の様子についてあれやこれやと話していた。

 

 「今年は豊作じゃない?ほら、Aのとこの、爆発してる子。もう半分過ぎてるのに、速度が上がってきてる。」

 「だが疲労は見えてきてるな。あの個性の関係上、スロースターターなのか。だとしても、現段階でプロヒーローに匹敵する能力。将来のトップランカーかもな。」

 「うんうん!今年も素晴らしいヒーローの卵がウチの門を叩いてくれて、僕も嬉しい限りなのさ!!」

 

 各テスト会場の監視をする理由。壊したロボットの数を競うのなら本来もっと少なくても良いはず。それでも教師の殆どが集まるのは、生徒に知らされていない評価点…レスキューポイントの審査の為であった。

 その最中、試験会場Dを見ていた教師がネズミ―この学校の校長―に焦りと困惑の混じった表情で報告をする。

 

 「すみません校長先生、試験会場Dのロボットが足りなくなりそうです!至急、補充の連絡を入れてください!」

 

 監視をしていた教師たちの視線が一瞬、校長に報告をした教師に向く。

 

 「……ロボットの不具合かな?だとしたら、今から再試験の段取りを考えなくてはならないけれど。」

 「あぁいえ、故障とかではなくてですね………

 実は受験生の1人が、余りにも多くのロボットを壊しておりまして。私の動体視力ではこの速さをとらえることができず、どの受験生なのか分からないのですが…」

 

 モニタールームには沈黙が流れる。教師の誰もが、その馬鹿げた速さに驚愕しているのだ。「そんなのもうオールマイト並の速度ではないのか」、と。

 

 「どれだい?少し見せて欲しい。」

 

 その脅威の速度というものに興味を引かれたのか、試験会場Bのモニターをじっと見ていたオールマイトがモニターを覗き込む。

 

 

 そこには、加速に加速を重ね、ロボット達を次々に鉄くずに変える禪院直哉が写っていた。

 

 

 「……驚異的だね。彼、戦闘中の私以上の速度で動いてるよ。」

 

 「…それってどれくらいなんですか」

 

 オールマイトの意見を聞いた教師が、怖いもの知りたさで、思わず質問してしまう。

 そして傍から聞いていた他の試験会場の監視担当の教師もオールマイトの次の言葉に耳を傾ける。

 

 「私の最高速度はおよそマッハ5…それも直線の移動という条件があります。それに、ソニックブームが発生するのでめったにそこまで出すことはないのです。それは比較にならないので今回おいておきましょう。

 

 ソニックブームが発生していない事から考えて、彼は現在、亜音速に近い速度かと。

 そして、私でもその速さを維持したまま戦闘するのは難しい。

 だが彼は速さを失わせずに、かつ正確にロボットを行動不能にしている。どうしたらあそこまで洗練した動きができるのか…

 だから、私以上のスピードなのです。ともすると、直線での移動も私は一歩劣るかもしれません。まぁ彼の個性がよくわからない以上確定したことは言えませんが・・・」

 

 オールマイトの個性は本人に凄まじいパワーを与えるというもの。ゴリ押しで数多の敵を屠れてきた為に、彼に素早く的確に動くという発想は生まれなかった。

 

 「ハァ〜〜。そりゃオールマイトにしかわかりませんね。恐ろしい中学生もいたもんだ。」

 

 この場にいるヒーロー全員がその感想に同意した。

 オールマイトとは、ヒーローとして、実質世界の頂点に立つ漢。そこに一分野といえど並ぶなど、どれほど途方もない事か。

 

 「うんうん、将来有望なヒーローの話もいいけれど、まずは不足する恐れのあるロボットの対処だね。至急、サポート科に貸している物も動員して、会場Dに送ってくれ。できるだけフェアな試験にしなくてはいけないよ。」

 

 モニタールームが驚きに包まれる中、最初に口を開いたのは個性、ハイスペックを持つ校長だ。

 

 「連絡行きました。1分でイケます、とのことです。」

 「それは良かった。なんとか、他の受験生が不利になることはなさそうだ。」

 

 なんとか公平な試験が続行できそうで、教員全員がほっと胸をなでおろす。

 

 「それにしても、速すぎる彼、一体どういう個性なんですか?」

 「あの動きを見る限り、加速系の個性なのだろうが…規格外だな。」

 

 規格外。まさにその通りだと、教員達は無言で肯定する。

 ヒーローは事が起こってからでしか動けない。そんなヒーローに最も求められる資質は、どれだけ早く、理不尽に脅かされる人々の下へ向かえるか。それにおいて、禪院直哉の個性『アニメ』は、オールマイトの超スピードと並び、最適解とも言えるものだ。

 

 「願書を見たけど、彼の個性、『アニメ』には結構曖昧なところが多いわね。ソレをあのレベルで使いこなすなんて、相当なセンス、努力を積んでいると思うわ。」

 「全くだ。今年の1年の担任は苦労するだろうな!」

 

 モニタールームに、小さい笑いが沸き起こる。……地味な服装に、マフラーのような布を首に巻いた男の目は、全く笑っていなかった。

 

 「まぁそれでも。」

 「ああ、真価が問われるのは、これからだ。」

 

 赤いボタンが押され、モニターの映像がブレた。

 映像を移している所で揺れが起こっているのだ。

 

 

 

 0ポイントの凶悪な敵が、出現する。

 

 

 

 

 

 

 


 

 「何だよあのデカさ!洒落にならねぇ!」

 「これがお邪魔虫!?雄英は俺等を殺す気か!!」

 「ロボットの数もなんか少ないし、今回の試験どうなってるのよ!」

 「逃げろーー!!!あの質量、どうしょうもない!」

 「あと2分!?全然ポイント稼げてねぇ!!」

 「あのデカさ、無視だ無視!!」

 

 その光景はまさに阿鼻叫喚。突如地面から出現した圧倒的な大きさの仮想敵に逃げ惑うだけのヒーロー志望達。だが仕方ないことだ。彼らはまだ中学生。個性が強くとも、精神はまだまだ未熟。恐れが勇気を飲み込んでしまう。しかし、転生者であり、ドブカスに侵食された彼は違う。 

 

 「……一旦止まった方がええな。」

 

 直哉は高速で移動中、0ポイントの超巨大仮想敵を目視し、ビルの屋上で動きを止める。

 眼下には、0ポイントの出現により、逃げ惑う受験生の姿。

 多少の侮蔑を含みながら、直哉は腰に手を当て、0ポイントの敵を観察する。

 

 「おーおー、雑魚共が逃げ惑ってんなぁ。ダサいったらあらへんわ。ホンマにヒーローになる気あるんか?

 …せや、俺があれぶっ壊して、雑魚を見下せる位置に行くのもええな。」

 

 恐らく弱点は他のロボットと同様頭もしくは動力源のある胸部。

 総合して自分であれば瞬殺できると判断。

 術式で加速し、仮想敵の下へ向かう。

 

 次の瞬間、ビルの屋上には誰もいなかった。

 

 

 試験終了まで、あと3分。

 

 

 

 

 




筆者は葉隠がすき。


関西弁に間違いがあったら報告お願いします…
自信ないので…


ご指摘があったので修正。
オールマイト(弱体化)は最高速度およそマッハ1弱(原作神野より)
オールマイト(全盛期)は最高速度マッハ5と、当作品ではさせていただきます。何故って?原作でもあんま解んなかったんです許して…

拙作のラスト

  • ヒロアカエンド 
  • 呪術なエンド ※人の心あり
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