甘木瀬斗の暗殺教室   作:つがう

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17話

 放課後、殺せんせーと一緒に勉強をする。期末テストも近いし、とはいえ私は本来高校3年生の18歳だから一応勉強しなくても大丈夫ではあるが、何せここは有名な進学校。調子に乗れば酷い点数をとってしまうことになるだろう。

 

「……ここまでで質問はありますか?」

「んー、この応用のとこもうちょっと詳しく教えてほしいかも。もう少し簡単な方法ありそうな気がして」

「わかりました。では、もう一度解いてみましょうか」

「うん」

 

 殺せんせーの教え方はわかりやすい。こちらのことを考えているのがよくわかる。

 数学の問題集がみるみる埋まっていく。この分だとあと30分で終わりそうだなぁと考えていると、カバンの中のスマホの通知音がそこそこ大きく鳴った。

 

「あ、ごめん。放課後だと思ってつい通知切るの忘れてた」

「大丈夫ですよ。私に構わず確認して下さい」

「ありがとー」

 

 カバンの中からスマホを取り出し、メッセージアプリを開く。

 

「えっ!?」

 

 思わず声が出てしまった。そこには、悟からのメッセージが。

 

『近く来てんだけど、まだ?』

 

 そのメッセージを見て思わず頭を抱えてしまう。

 

「どうしましたか?」

「友達から……近くに来てるらしくて……」

「もしやそれは例のイケメンの友達ですか?」

 

 ニヤニヤとした表情の殺せんせーが聞いてくる。

 

「またその顔……恋愛感情ないってば……」

 

 呆れたような口調で言うと、殺せんせーはつまらなさそうに頬を膨らませた。このタコ……。

 

「まあそれはそうとして、お友達を待たせるのはよくないですね。行ってあげてください」

「いいの?」

「ええ、もう充分やりましたしね」

 

 そう言って殺せんせーは問題集をトントンと揃えてくれる。

 

「ありがとう、殺せんせー!じゃ、また明日!」

「はい、また明日。気を付けて帰ってくださいね」

 

 殺せんせーに手を振って教室を出る。靴を履き替え、外に出ると既に校門の近くに見慣れた姿があった。

 

「悟!」

「よっ」

「いきなりはびっくりするよ」

「何、嫌?」

「嫌じゃないよ。ただ驚いただけ」

「ふーん」

 

 悟の口角が僅かに上がる。機嫌良さそう。何かいいことでもあったのかな。

 

「なー、コンビニでアイス買ってから帰んね?」

「いいよー」

 

 2人で並んで歩きながら他愛もない話を繰り広げながらコンビニへと向かった。

 コンビニに入ると、2人揃ってアイスケースの方に直行。

 

「あ、ハーゲンダッツ期間限定の味出てる」

「えー、何味?」

「メープルカスタードクッキー」

「甘そ~……」

「俺これにしよー。瀬斗は?」

「ん~。パルムにしようかな。チョコ食べたい気分」

「俺にもちょーだい」

「やだよ、悟口でかいんだから。一口で半分以上持ってくじゃん」

 

 なんて言い合いながら買い物カゴにわさわさと商品を突っ込んでいく。

 

「カップ麺あったっけ?」

「あー、あんまない」

「じゃあ何個か買っていこうか」

 

 そうしてレジへ並び会計を終えてコンビニを出た時だった。

 

「あれ? 瀬斗ちゃん?」

「ほんとだ、瀬斗ちゃんだ」

「茅野さんと中村さん、さっきぶり? だね」

 

 学校で会って放課後も会うとは……。

 偶然だねぇと言いつつ2人もコンビニ袋を手にしている。

 

「瀬斗ちゃん、何買ったのー?」

「アイスとかカップ麺とか。2人は?」

「コンビニスイーツ!」

「これから私の家で遊ぶから先におやつ確保しようってなったんだ~」

 

 女子同士仲良いなぁ。と思っていると、腕をくいっと引っ張られる。

 

「悟? どうしたの?」

「早く帰んぞ」

「え、ああ、うん。じゃあ2人とも、また明日ね」

 

 何故か不機嫌そうな悟に急かされて足早に家路につく。一体なんなんだ……と思いつつもまあいいかと流してしまう。

 

「…………」

 

 少しの沈黙の後、がばっと肩を組まれる。

 

「わっ、なに?」

「迷子防止」

「ならないよ……」

「うるせ、いーからこーしてろ」

「なんなのもう……」

 

 いつも唐突な悟に振り回されるのだった。

 

***

 

 距離の近い瀬斗たちを見て、茅野と中村は思わず口角が上がっていくのを感じた。

 

「あら~~」

「これはこれは……」

「瀬斗ちゃんはなんでもないかもだけど?」

「あっちはそうじゃないみたいだねぇ」

 

 残された2人は顔を見合わせる。クラスメイトのまだ見ぬ恋の予感にソワソワしてしまうのだ。

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