甘木瀬斗の暗殺教室   作:つがう

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2話

 そして翌週、届いた制服に早速身を包んだ私は3人に見せに行くことにした。もうこうなったらヤケだ。高校2年生という身分でありながら、中学3年生を満喫してやろうじゃないか。

 

「じゃーん! 制服届いたー!」

 

 くるりとその場で回転してみせる。私の格好を見た3人は思い思いの感想を述べる。

 

「いいね、似合ってんじゃん」

「ブレザーは着ないのかい?」

「スカートの丈短くね?」

 

 順番に硝子、傑、悟の順番である。

 

「ありがとう。ブレザーはちょっと暑いから脱いだ。スカートの丈は普通だと思うんだけど……」

 

 と順番に答えながら、スカートの裾をわずかに持ち上げてみる。

 

「硝子も普段このくらいじゃん?」

「私は別に気にならないけど。瀬斗普段肌出さないから見慣れてないだけだろ」

「あ~……」

 

 なるほど。確かに私普段ズボンだもんね。

 

「制服届いたし、明日から登校?」

「そー」

 

 ――ずるり

 

『ママ、ぁたらシい、ふく?』

 

 突然聞こえてきた弟切の声に、私たちが振り返ると、そこには先程までいなかったはずの弟切の姿があった。

 

「こら、また出てきて。ダメでしょ」

『ママ、カァイイ』

「はいはいありがとうね」

 

 頬に擦り寄ってくる弟切をよしよしと撫でてやる。なんか視線を感じる気がするが多分気のせいだ。

 

「任務とはいえせっかく新しい学校に行くんだし、どうせなら筆記用具とか新調しようかな~。買い物付き合ってくれる人~!」

『アイ』

「弟切は早く中に戻りなさい」

『ヤ゛』

「怒るよ」

『……ァイ……ママ』

「いい子」

『ァイ!』

 

 ずるん、と弟切がその場に溶けるようにしていなくなる。一連の様子を見ていた傑が苦笑する。やっぱり弟切はヤンチャがすぎるな……。今度からはもう少し強く言い聞かせないと。

 

「それはそうと、結局誰が買い物ついて来てくれるの?」

「あ~、私これから任務」

「えぇー! 2人は?」

「私も硝子と同じ任務」

「俺は暇」

「じゃあ悟一緒に行こ!」

「しゃーねぇなぁ」

「やった! じゃあ着替えてくるからちょっとだけ待ってて!」

 

 そう言って自室に戻った私はささっと支度を整えたあと、悟と共に高専を出た。

 

***

 

 ショッピングモールに来たのはいいが、平日だというのに案外人が多くて疲れてしまう。本格的に参ってしまう前に一番の目的である文房具を揃えなくては。

 文房具店に入り、少々悩んだものの、ぱぱっと買いたいものを決めてしまう。

 

「こんなもんかなぁ」

 

 十数分後、買ったものが入った紙袋を手に提げながら言う。

 

「クレープ食いたい」

「いいね。食べてかえ……」

 

 ぴたりと言葉が途切れる。視線の先には服屋。店先にあるシンプルながらにも大きめのサイズのカーディガンが可愛くて、思わず釘付けになってしまう。

 

「何、あれ欲しいの」

「え? あ、欲しい、けど……あそこのお店、基本高いから……」

「ふーん」

 

 もうちょっと任務頑張って、お金溜まったら買おうかなぁ。

 そう思っていると、隣に立っていた悟がおもむろに私の視線の先にあった店に入っていく。

 

「ちょっと、悟!?」

 

 慌てて追いかけると、既に悟はレジにいた。行動が早すぎるよこの男!

 私が止める隙もなく、悟の手には購入したカーディガンが入っているショッパーがあった。悟はそれをずいっと私の方に差し出してくる。

 

「わっ、私買ってなんて言ってないよ!?」

「あれくらい高い買い物でもねえし。やるよ」

「そんなわけにいかないよ! 私からすればこれ結構な値段するし……」

「いーから。黙って受け取れ」

 

そう言って悟は私の手に無理やりショッパーを持たせた。

 

「も~……五条家の金銭感覚で考えないでよ……。クレープは私が奢るからね」

「やりぃ」

 

 嬉々としてクレープ屋さんに向かう悟を見て、私は小さくため息をつく。……まぁ、ほんとはすごく嬉しいんだけどさ。

 クレープを買った私たちはベンチに座って食べ始める。私はいちごとチョコのクレープ。悟はホイップクリーム増し増しのチョコバナナだ。

 

「うまっ」

「あそこのクレープ屋さん生地もちもちで好きなんだよね~」

「また今度別のやつ食おうぜ」

「いいね、また来よう」

「ん」

 

 口元についた生クリームをぺろりと舐めとりながら悟が笑った。

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