甘木瀬斗の暗殺教室   作:つがう

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21話

 放課後。私はそそくさとカバンの中に教科書やらを入れて帰る準備をしていた。ちなみに怪我をした足には殺せんせーが丁寧に包帯を巻き付けてくれた。大袈裟な気もするが、殺せんせーが怪我を軽く見ていたら怖い目にうんたらかんたら言っていたのでそこで反発するのも馬鹿らしくなり、大人しく包帯を巻かれることにしたのだ。

 と、そんなことはどうでもいいのだ。悟が来る前に早く帰らないと……。

 

「おい」

「うひゃあッ!?」

 

 教室の窓枠に手をかけ、不機嫌そうな声をしたのは……言うまでもなく悟であった。殺せんせーはマッハで教室から出ていった。国家機密だからね。しょうがないね。

 

「さ、悟? 私迎えいらないって私メッセージ送ったはず「足の包帯何」はい」

「お前この間硝子に説教食らったばっかだよな」

「はい」

「俺無茶すんなつったよな。覚えてる?」

「はい」

「じゃあこれは一体どういうことだ?」

 

 悟は私の足を指差した。その顔はとても怒っていて、眉間にシワを寄せている。

 

「ど、どうと言われましても……。あ、歩けない怪我じゃないし……」

「言い訳とかいらねぇから」

「はい……」

「お前は他の雑魚どもとは違ぇだろ。自分の身を守る術くらい知ってるはずだよな? それなのにどうしてこうなったわけ?」

「……ごめん」

 

 正直私のこの怪我はプールが壊れ、水が勢いよく下に落ちていくのに巻き込まれた不可抗力によるものである。でもそれを言えば悟はさらに怒ることだろう。彼の感情が私以外のE組に向くのは避けたい。

 しゅん、としていると悟は大きなため息をつく。

 

「帰んぞ」

「うん……」

 

 高専に戻ったらまたお説教食らうかなぁ。説教が嫌がらせじゃなくて、愛されてるが故ってのはわかるんだけど、それでもやっぱり苦手なものは苦手なのだ。

 下駄箱の方に向かうと、そこには悟が立っていた。

 

「カバン寄越せ」

「自分で持てるよ?」

「……ならカバン抱えろ」

「?」

「いーから」

 

 言われた通りにカバンを抱きしめてみる。すると悟は私をひょいと持ち上げた。いわゆるお姫様抱っこというやつだ。びっくりしすぎて声が出ない。

 

「はは、アホ面」

「ひっ、1人で歩けるってば! 大丈夫だよ!」

 

 慌てて抵抗するのだが、悟はそれをガン無視してスタスタ歩き出す。恥ずかしくて死にそう……。そんな私を見下ろした悟は、すっかり機嫌が良さそうに口角を釣り上げていた。

 

「絶対明日みんなにからかわれる……」

「ふーん、どんまい」

「悟のせいなのに軽いっ!!」

 

 こうして私はお姫様抱っこされながら高専に帰った。もちろん硝子と傑には怒られた。

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