翌日、案の定死ぬほどからかわれた私は勉強する気力がゴッソリ削れた。
今日はなぜか外での授業で、みんな草むらに座り、木にもたれかかりながらそれぞれ教科書やノートを覗き込んでいる。私はもう昼寝しますみたいな態度を貫いてやっている。
「ヌルフフフ、皆さん1学期の間に基礎がガッチリ出来てきました。この分なら期末の成績はジャンプアップが期待できます」
総勢50体は超えているんじゃないかという殺せんせーの分身が各々に声をかける。理科やら国語やら数学やら……。私は今日英語の鉢巻を付けた殺せんせーが前にいる。けど勉強しないぞ。殺せんせーも私のこと散々からかったからな。私の前にいる殺せんせーがワタワタし始めるが、私は木の幹を背に目を閉じる。
「瀬斗さん!? 勉強しましょうよ! ね? さっきはからかってすみませんでした。あんなアオハルを見せられて先生ついテンションが上がってしまったんです。ね? ね?」
「…………はあ」
結局根負けした私は渋々問題集を開いた。ぱあっと表情を明るくさせる殺せんせーにイラっとしたがここは飲み込んであげることにした。
「殺せんせー、また今回も全員50位以内を目標にするの?」
渚君が木に寄りかかりながら聞く。前回の目標はそんなだったのか。すごいな、ここって成績不振者が落ちるクラスなんじゃなかったっけ? それなのにそんなバッチバチのトップ争いをしようとしてたわけ? 殺せんせーの教師としての向上心エグいな。
「いいえ、先生あの時は総合点ばかり気にしていました。生徒それぞれに合うような目標を立てるべきです。そこで今回は、この暗殺教室にピッタリの目標を設定しました!」
殺せんせーが「LUCKYCHANCE」と書かれた単語帳を私たちに見せながら言う。一体何なんだろう? でも多分この先生は上手くやるんだろうなぁ。
今までの経験で分かっていることだが、殺せんせーは触手を失うと動きが落ちる。殺せんせー曰く、触手1本につき約20%の能力が低下するらしい。
「……そこでテストについて本題です。前回は総合点で評価しましたが……今回は皆さんの最も得意な教科も評価に入れます。教科ごとに学年1位を取った者には、触手を1本破壊する権利をあげましょう」
その言葉を聞き、全員の表情が変わる。総合と5教科全てでそれぞれ誰かがトップを取れば、6本もの触手を破壊できます1本で20%も能力が低下するというのに、それが6本も破壊されるとなれば相当な痛手となるはずだ。
「これが、暗殺教室のテストです。賞金100億円に近付けるかどうかは皆さんの成績次第なのです」
皆の目が輝き、やる気に満ちていくのが分かる。
私は、どうしようかな。