甘木瀬斗の暗殺教室   作:つがう

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27話

 テストから3日後。

 

「さて皆さん、全教科の採点が届きました」

 

 教室の空気が張り詰める殺せんせーの一言に、思わず私の肩にも力が入ってしまう。椚ヶ丘中学校では学年内教科別順位、クラス内教科別順位、そして総合順位と答案。全てが同時に配られるらしい。

 

「では発表します。まずは英語から、E組の1位……そして学年でも1位!! 中村莉桜!!」

 

 クラス中に歓声が沸き上がる。1位を取った張本人は下敷きでぱたぱたと顔を仰いでいる。

 

「完璧です、君のやる気にはムラッ気があるので心配でしたが」

「うふふーん。なんせ賞金百億かかってっから。触手1本、忘れないでよ殺せんせー?」

 

 ぱちんっとウインクをする中村さん。

 ちなみに私はというと、98点。学年3位だ。1問だけミスしたらしい。悔しいなー。

 

「さてしかし、1教科トップを取ったところで潰せる触手はたった1本」

 

 殺せんせーは『破壊予約済』と書かれている小さい旗を自分の触手に刺す。

 

「それに、A組との5教科対決もありますから。喜ぶ事ができるかは、全教科返した後ですよ」

 

 その言葉にみんなが納得したように息を吞んだ。

 

「続いて国語。E組1位は……神崎有希子!!」

 

 またも歓声が上がる。

 

「……がしかし、学年1位はA組浅野学秀!! 神崎さんも大躍進です、充分ですよ」

 

 国語のテストが全員に返された後、やはり話題に上がるのはA組との勝負の際にもずっと出てきていた彼、浅野学秀だ。

 

「……やっぱ点取るなァ、浅野は」

「強すぎ。英語だって中村と1点差の2位だぜ」

「さすが全国1位。中間よりはるかに難易度高かったのに……全教科変わらずスキが無い」

「『五英傑』なんて並べて呼んでるけどよ、結局は浅野1人。あいつを倒せなきゃ学年トップは取れねーんだ」

 

 皆が薄々察してて言えなかった事を誰かが言った。ま、種類がなんにせよ戦力って大体そんなもんだよね。因みに私の国語の点数は93点。学年4位だ。

 

「では続けて社会! E組1位は磯貝悠馬97点!! そして学年では……おめでとう!! 浅野君を抑えて学年1位!!」

「よっし!!」

 

 磯貝君が嬉しそうに大きくガッツポーズする。

 

「マニアックな問題が多かった社会でよくぞこれだけ取りました!」

 

 嬉しそうな殺せんせー。マニアックな問題、というだけあって私の点数は89点。学年7位だ。いや、一桁台だから十分なんだけど悔しいは悔しい。

 

「理科のE組1位は奥田愛美!! そして……理科の学年1位は!! 素晴らしい!! 学年1位も奥田愛美!!」

 

 わあっとひときわ大きく歓声が沸き、殺せんせー自前のクラッカーがパンパンと鳴る。数学の結果を待たずしてE組がA組に勝ち越し決定というわけだ。南の島ゲットだ!

 

「仕事したな奥田!! 触手1本おまえのモンだ!!」

「ってことは、賭けの賞品の『あれ』もイタダキだな」

「楽しみ~♪」

 

 新しい水着、硝子と一緒に買いに行こうかな~とルンルンな気持ちで帰って来た答案を見る。94点また学年4位か。戻ってきた奥田さんにおめでとうと声をかける。それから私は隣のカルマ君がいなくなっていたことに気づいた。最近勉強不真面目だったっぽいからなぁ。だめだったのかな。

 

「数学のE組1位は甘木瀬斗!!」

「えっ」

「ですが数学の学年1位は浅野学秀! 惜しかったですね」

 

 帰って来た96の点数をじっと見つめる。まさか1位取れるとは思わなかったなあ。学年は取れなかったけど。総合では8位。10位以内に入れてよかったなあ。

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