甘木瀬斗の暗殺教室   作:つがう

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35話

 高専に帰るなり、トタトタと小さい子が走る足音が聞こえる。

 

「高菜!」

 

 そのまま私にダイブするようにぶつかってきたのはもちろん棘だ。私はそれを難なく受け止めて抱きしめる。

 

「ただいまー棘。いい子にしてた?」

「しゃけ!」

 

 頭を撫でると、その手に擦り寄ってくる。腰抜かすほど可愛い棘をうりうりと撫で回す。すると、棘が来た方から傑がやってきた。

 

「面倒見てくれてありがとう傑。棘、大丈夫だった? 迷惑かけてない?」

「とても大人しかったよ。夕飯も出来ているから早く着替えておいで」

「うん」

 

 私は一旦部屋に戻り、制服からラフな格好へと着換える。それから食堂に行くと、机の上には既に夕食が並べられていた。今日はオムライスのようだ。

 

「カスミさん、明日の夜までいないんだっけ」

「そう。このオムライスは私と棘君とで作ったんだよ」

「しゃけ!!」

「え~! そうなの? すごいね~棘!」

 

 そう褒めると、照れくさそうに笑う棘。天使かな? 可愛すぎて死ぬわ。

 その後、3人で手を合わせていただきますをして、オムライスを食べ始める。卵がふわトロだ。美味しい。

 

「美味しそうな匂い」

「ん、硝子。硝子も食べよ。隣来て座って」

「はいはい」

 

 そうして硝子が加わり、4人でご飯を食べる。

 にしても今日は冷や冷やした。ロヴロさん、表情変えずに質問してくるんだもん。私が一般人だったらあの圧で泣いてたよ。

 

「あ~!」

 

 そんな騒がしい声と共に食堂に入ってきたのは悟だ。

 

「何俺抜きで食ってんだよ!」

「五条うるさい」

「今帰って来たのかい?」

「そー、俺も飯食う」

「報告書は?」

「別に良くね?」

「また夜蛾センに怒られるよ?」

「知らね~~」

 

 そう言ってキッチンでオムライスの卵をささっと作り始める悟。相変わらずだなぁ、と思いながらスプーンを口に運ぶ。

 

「棘、美味しい?」

「しゃけしゃけ~」

 

 満面の笑みで答える棘に癒されながら、私は食事を続けた。

 夜。一緒の布団に棘を寝かせる。

 

「すじこ、ツナ」

「だぁめ。もう寝る時間だよ」

「ツナ~……」

 

 ぐずるように私の胸元に顔を埋める棘。ほんと、こういう所はまだまだ子供なんだな。でも、こうして甘えてきてくれることが嬉しくもある。私は棘の頭を優しく撫で、優しくお腹辺りをとんとんと叩く。するとすぐに規則正しい呼吸音が聞こえてきた。ぴったりと私にくっついているせいか、子供特有の体温の高さを感じる。それが暖かくて心地よくて、私の瞼も次第に重くなっていく。

 

「ふわ……。私も寝よ。おやすみ、棘」

 

 そして、棘の額にキスを落としてから眠りについた。

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