「
「な、なんだね!君は!」
此処はオシバナ駅。入場規制される中、乗客に呼び掛けていた駅員に一人の女性が問いを投げかける。何を隠そう、エルザなのだが問いに問いで返した駅員を頭突きで気絶させると次々に同じ問いを投げかけていた
「即答出来る人しかいらないってことなのね……」
「あれは打ち所が悪いと死んじゃうよー」
「前にエルザの頭突きを喰らったヤツは何年も見てないねぇ」
「怖いこと言わないでくれるっ!?」
引き気味のルーシィの背後で物騒な発言を言い放つマキナとカナ。即座に振り返った彼女は突っ込みを放つ。余談だがナツとマナツは乗り物酔い継続中の為にデウスとエクスの背に乗せられ、エルザは駅員全員を物理的に戦闘不能にしていた
「それじゃあ、目的のおさらいでもしようかな………放送するつもりだよね?
駅内に入ったマキナは目の前の大きな鎌を持った魔導士エリゴールを真っ直ぐと見据え、導き出した答えを言い放つ
「ほう?ガキのくせに頭が回るみてぇだな……そうさ、これは粛清なのだ。権利を奪われた者の存在を知らずに権利を掲げ、生活を保全している愚か者どもへのな。この不公平な世界を知らずに生きるのは罪だ。よって死神が罰を与えに来た。死という名の罰をな!!」
「なによそれ!元はと言えば自分たちが決まりを破ったからじゃない!!」
「浅はかね……権利を取り戻す為に力に訴えようなんて……勘違いも甚だしいわ」
「ここまで来たら欲しいのは権利じゃない。権力だ。権力があれば全ての過去を流し、未来を支配することだって出来る」
「そんなことはさせっかよ。俺たちがここでぶっ潰す」
エリゴールは其れを聞いても鼻で笑い飛ばし、笛を吹きに行くと言って風の魔法で飛び去り、その場を任されたのは大量の『鉄の森』ギルドメンバー。エリゴールが去ったのを見たエルザはナツとグレイに彼を追うように命じる
「はぁ………結局はこうなるかな。戦闘は嫌いなのに」
「まあそう言わずに暴れてやろうじゃないかい。何時も通り……
戦闘を好まない
「咲かせてあげる……でっかい花火をね!リアンも暴れるよね!」
「仕方にゃいわね……気は進まないけど……他ならないマナからの御指名なら答えてあげなきゃよね」
花が咲いた様に笑う
「スコル。今日は何をやろうが咎めはせん……存分に暴れて構わん!!」
「言われるまでもねぇ!本能のままに暴れてやるぜっ!!」
「ねぇ……ハッピー。リアンって変身できたの?ハッピーみたいに翼が生えるだけじゃないの?」
「あぁー、ルーシィは初めてだっけ?リアンはね、おいらと同じ猫だけど実は魔導士としては実績も経験も遥かに上なんだ。なんたって……
「
「ルーシィ…一つだけ教えてあげるわ。女はね?可愛いだけじゃ生きていけないのよ。強さ、美しさ、気高さの三つが揃ってこその可愛いさが女を彩るの」
妖艶に笑う姿は正に魔性、可愛いと自負するだけの事はある。今の彼女は明らかに誰よりも可憐な女性にしか見えない
「たった六人で何が出来るってんだ?」
「しかも何人かは女だぜ?」
「後ろの方に居る女もなかなかだ」
「殺すには惜しいなぁ…」
「とっ捕まえて売っちまおうぜ!」
「いやいや、その前に妖精の脱衣ショーだろ!!」
下種な笑みを浮かべ、女性陣を品定めでもするかのように厭らしく見る鉄の森の魔導士達に対し、エルザは顔を歪ませ、マキナも幼馴染と姉に対する発言に瞳を細める
「下劣な」
「前言撤回かな……潰すよ」
「可愛すぎるのも困りものね」
「女の魅力は隠せないね」
「カナは兎も角としてルーシィはおかしい事を言うよね」
「鏡を知らないのよ」
「ハッピーもリアンもルーシィにイジワル言っちゃ駄目だよ!確かにルーシィは変だけど、ちゃんと可愛いよ!変だけど!」
「マナツはフォローしたいのか、貶したいのか、どっちよ!?」
フォローをするつもりが更に追い打ちを掛けるマナツにルーシィの鋭い突っ込みが飛ぶが当の本人は何のことかわからないとでも言いたげな表情で首を傾げる
「どいつもこいつもまどろっこしいぜ……要は全部ぶっ飛ばせばいいだけじゃねぇか!!」
「ガキが粋がってんじゃねぇぞ!テメェ等、
「やっちまえーーー!」
剣を片手に魔導士達がマキナたちの眼前へと迫った。だが、次の瞬間。逸早く走り出し、剣を構えたエルザが魔導士達の懐へと入り込み、敵を薙ぎ払う度に武器を変え、剣から槍、槍から斧…斧から双剣へ、明らかに異常な速さで変わる武器に魔導士達は驚きを隠せない
「こ、この女……なんて速さで“換装”するんだァ!?」
「…換装?」
「魔法剣は別空間にストックされている武器を呼び出すって原理なんだ。その武器を持ち替えることを“換装”って言うんだよ。でもね、エルザがすごいのはここからなんだ。魔法剣士は通常“武器”を換装しながら戦うんだけど……」
初めて見る魔法にルーシィが驚く中、ハッピーが解説を始める
「エルザは自分の能力を高める“魔法の鎧”も換装しながら戦うことが出来る。その名も
ハッピーが、エルザの魔法名を口にした瞬間。彼女の着ていたハートクロイツ製の鎧が羽が生えたような造りの“天輪の鎧”へと変わる
「舞え、剣たちよ………天輪!!“
「「「「ぎゃああああああっ!!!!」」」」
悲鳴と共に逃げ惑う魔導士達。だがこれで終わりではなかった
彼等の逃げた先に現れたのは翡翠色のポニーテールの少女、マナツ・ドラグニルと黒髪ポニーテールの猫耳少女、リアン。二人はゆっくりと息を吸う
「花竜の舞踊脚!!」
「
マナツが美しく舞う様に次々と花弁を纏う蹴りを叩き込むのに対し、リアンは半月を描く様に脚を動かすと斬撃にも似た衝撃波を放つ
「リアンも蹴り技を!?」
「元々、マナツに蹴り技を教えたのはリアンなんだ。ナツは力任せに殴ったり、頭突きとかの力技を使えるけどマナツは筋力的に力技は使えない……だけど蹴り技なら、回転とかを利用することで威力を高める事が出来る。そして、リアンのは其れを猫ならではの身軽さを取り入れて、速度に特化させた蹴り技、その名を“
「ちぃっ!次はてめぇだ!小僧!!」
瞬殺される仲間を前に残った者達は女性陣には到底、敵わないと悟ったのか次の標的に攻撃を仕掛ける
「くたばれぇぇ!」
「スコル!」
「心配ないよ。ルーシィ」
「え?」
「な、なんだと!?」
ルーシィはハッピーの意味深な言葉に首を傾げるが直ぐに魔導士の一人の叫び声を聞き、スコルの方に視線を向けた
「イラッと来るぜ……俺が弱いだぁ?ざけんなゴラァ!!」
「なぁっ!?剣をへし折りやがった!!」
「なんだコイツ!!バケモンかぁ!?」
「バケモンだぁ?んな生温いモンじゃねぇよ……俺は。牙狼天眼!!」
驚く魔導士たちを他所に拳、蹴り、頭突き等の暴力の嵐が吹き荒れる。その姿は正に獣、荒れ狂う一匹の狼を彷彿とさせる少年がぎらっと犬歯を覗かせる
「スコルの魔法……荒々しいのね…」
「あいっ!自らを獣であると暗示させることで、力を爆発的に増加させる火力特化型魔法、その名は“
「くそっ……なんなんだよ!コイツら!」
予想外の強さを見せつけるエルザ、マナツとリアン、スコルに恐怖を覚えた魔導士たちは戦意を失い、武器を手から落とす
「「ちょっと待ったぁ!!」」
刹那、その声は響いた。幼くも逞しい声と美しくも綺麗な声、ルーシィと魔導士たちは駅の入り口に視線を向ける
「真打ちの登場を見せずに帰すと思ってるのかな…そう!この巷で大評判の天才児!マキナかな!」
「酒に溺れても人には溺れないが私の座右の銘!その手から繰り出すは摩訶不思議なワンダーランド!私の前に敵はない!カナ様の御登場だよ!」
「「我等!
効果音が鳴り響きそうなくらいに決め台詞を放つマキナとカナ。その姿に今やるべきことなのか?とルーシィは唖然とする
「
「お、おい!待てよ!?アイツらが
「ふっ……聞いたかい?マキナ。有名になると魔法無しでも名を知られるんだね」
「当たり前かな。なにせ、ネエちゃんは
「カナ!マキナ!ふざけている暇はない……奴等を片付けろ…くっ……!」
互いを褒め合うカナとマキナに対し、エルザは檄を飛ばした後に疲れた様に剣を杖代わりに膝を付いた
「魔導四輪の飛ばし過ぎかな。ちょっと休んでるといいよ……やるよ、ネエちゃん」
「仕方ないね、可愛い弟からの頼みだ。
エルザを労い、前線に立つ白衣の少年に感化され、姉も長い髪を掻き上げる
「
「
マキナが
「何処からともなく現れる姿のない攻撃は正に摩訶不思議、天才故に生み出した魔科学と占い師故に繰り出す札の魔法。それは誰が見ても奇妙奇天烈!奇々怪界!これが!これこそが!!」
「マキナ!
「むぅ……疲れるけど仕方ないかな…」
カナからの呼び掛けに、頬を膨らませながらも最終的に頷くのは彼也の姉への反抗と甘えを融合させた細やかな抵抗であるが、今は其れを気にしている時ではない
「
「了解かな!!」
カナは
二つの爆発は重なり合い、巨大な爆風と化す。誰が呼んだかは知らないが、二つの魔法が一つとなり、巨大な力を生みし力、其れ即ち
「「
「
爆風に靡く白衣と長髪、その背は只管に格好良く、誰よりも美しく、それでいて不思議さを感じさせる。その姿は正に摩訶不思議な二人組、故に人々は彼等をこう呼ぶ
「流石はマキナだね!今日もナイス
「当然かな!だってボクは
「リアン〜、これって食べれるかなぁ?」
「マナ?ばっちいから触らないの」
「エルザが死に掛け……今なら殺れる!くたばれェェェェ!ぐもっ!?」
「出番ありませんねー」
「花を持してやろうじゃねぇか。後でドデケェ仕事があるんだからよ」
「なんというか…緊張感の欠片がないわね……」
「あい!何時も通りです」
敵を蹂躙したマキナたち、駅の外に出た彼等が見たのは衝撃の光景!
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