ディンガ「ふむ、ナツは何処だろうね?タンスの角に頭をぶつけて、脳髄がぐちゃぐちゃになってないと良いんだが……」
マキナ「怖いよ?ディンガ」
「それで?グレイ。止める側のお前が何故、今件に協力している?」
「言葉は慎重に選びなよ?発言次第では何をするかは分からないからね」
「アニキはどこー?」
避難所に設けられたテント内部、グレイは目の前に姿を見せたエルザとマキナ、マナツの存在にたじろぎながらも辺りを見回す
「ルーシィ……ナツは?」
「わ……わからない。村で、零帝の手下と戦ってたはずだけどそいつ等は片付けられてたのにナツはいなかったの、それでね?とりあえずグレイのところに連れてけって言われて……」
「よくこの場所がわかったな?村の資材置き場だときいたぞ」
「エクスの鼻を利用したんだよ……あとは簡単だったかな。ディンガとリアン、ハッピーが空から見つけた」
「おいら……縛られたままだったんだよ…」
「お姉ちゃんを出し抜いた罰よ?反省しにゃさい」
「弟に出し抜かれる日が来るなんてね。時の流れは残酷だ」
場所が場所なだけに辺境とも呼べる場所、其処を見つけた事をグレイが驚きながらも問えば、マキナが呆れた眼差しで答えを返す。ハッピーは自分が縛られたままである事を主張するがリアンはぷくっと頬を膨らませ、ディンガは頭のガスマスクを撫でる
「マキナ。お前はディンガとデウスを連れ、ナツを探せ。私はグレイと話がある」
「あいあい」
「おや、散歩かい?」
「何処まで呑気なんです?ディンガは」
「ふわぁ〜………眠い……」
「おや、寝不足かい?夜更かしはダメだよ」
「早く寝ないと大きくなりませんよ?博士」
エルザにナツを探すように命じられたマキナは寝不足気味で虚な両眼を擦りながら、小さな欠伸をする。其れを見たディンガ、デウスの注意を聞き流しながらも目の前の遺跡を睨み付ける
「ウォーレンの念話を媒介に開発した発明品で魔力の流れを辿ってみたら、遺跡に着いたのも理解できないけど……ここにナツがいるのも理解不能かな」
中から感じる気配に呆れた様にため息を吐き、苦笑気味に頭のゴーグルに触れる
「確かにナツは遺跡に興味があるタイプではないね」
「散歩にきた……とかではないですよね」
「どうせ………トラブルだよ……」
理解しているが故に、野放しには出来ない。グレイの方にはエルザやマナツ、エクスたちがいる。だからこそ、ナツを見つけるのは自分の役割だと彼は直感的に感じていた
「………げぇ!?マキナ!お前がなんでここに!」
遺跡の入り口で拳を突き合わせていたナツの姿を見つけたのも束の間、背後に現れたマキナの気配に気付いた彼はその場から飛び退いた
「なんでもへったくれもないよ、連れ戻しに来たんだよ。まぁ………エルザ曰く仕事を終わらせる事には賛成みたいだから……協力してあげるかな」
「マジか!じゃあ!爆発系のヤツをドカン!と頼めるか!」
「分かった」
呆れながらも、協力すると告げるマキナにナツは
「火竜の鉄拳!!」
「
「ほう…爆風に傾く遺跡も中々に乙なモノだ」
「ディンガは何に風情を感じてるんですか……」
遺跡の支柱を拳、
「建物曲がったろ?これで月の光は地下の〝悪魔〟に当たんねーぞ」
「〝悪魔〟?あぁ、この妙な気配は其れか……なるほど」
〝悪魔〟、その言葉が意味する何かを感じ取ったマキナは理解したらしく、頭のゴーグルに触れる。悪魔の島と呼ばれる島に何があろうと驚きはしないが、其れが〝悪魔〟となれば話は別だ
「見掛けに反し、キレ者ですな……おや?何やら、増えております」
「何人に増えようと変わらん。我が氷の刃には敵わん!」
遺跡内部に確認した敵は三名、一人はナツが吹き飛ばし、仮面を身に付けた魔導士は初見のマキナに興味を持ち、リーダー格と思われる白髪の魔導士は氷の鳥を造形し、マキナに放つ
「
即座に危険を察知したマキナは
「なっ!デタラメなことを!」
「デタラメじゃないよー………
「は?」
意味深に笑うマキナに対し、氷魔導士は素っ頓狂な声を挙げる
「個体である氷は溶かせば、液体の水に変化し、高温が生み出す熱風によって、水蒸気に帰化する……誰でも知ってる簡単すぎる科学だよ。でもそれさえも魔法を使わずにやってしまう……頭脳が我ながら恐ろしいかな。でも出来るのがボクかな……何故かって?天才だからに決まってるかなー!」
けらけらと笑い、白衣を棚引かせる少年に氷魔導士基リオンは表情を歪ませ、彼を睨む
「ザルティ。その炎の魔導士はお前にやる……俺はコイツを……このガキを片付ける」
「おやおや……零帝様の氷の心に火が灯りましたか…」
「マキナ!お前!俺の敵を横取りすんなっ!!」
「ぐもっ!?今はそんなこと言ってる場合じゃないよねっ!?状況が理解出来ないかな!?」
リオンに敵と見做され、相対しようと目付きを変えるマキナ。しかし、其れを良しとしないナツに殴られ、敵を前に殴り合いを始める。緊張感も何もあったものではない
「兎に角だ!そっちの仮面は任せたからな!」
「はいはい……じゃあ少し移動しようか?素敵マスクさん…!」
「ほ?」
「
床に手を触れ、自分とディンガ、デウス、更に仮面魔導士基ザルティを遺跡内部から外に移動させる。一瞬で変化した景色にザルティは仮面越しに驚きを見せる
「
「珍しい?よく言うよ、〝時のアーク〟なんていう太古の魔法を使うくせに……感謝しなよ?アンタを手駒の目が届かないところに移動させたんだからね」
「おやおや……お見通しというわけですか…何者です?アナタは」
仮面越しに含み笑いを浮かべ、問い掛けるザルティに対し、マキナは頭のゴーグルに触れ、意味深に笑う
「科学者だよ」
「僕は助手だよ」
「発明品ですね」
「なんかいっぱいいる!どうしよう!リアン!」
「落ち着きなさい……取り敢えずはお茶にするわよ」
「この状況で落ち着きすぎよっ!!アンタはっ!!」
慌てふためくマナツを咎め、茶を嗜むリアンにルーシィは即座に突っ込みを放つ
「博士とナツのヤローも暴れてるみてぇだ。どうするよ?エルザ」
「致し方あるまい……丁重に御帰り願うまでだ。エクス、今は私の指示に従ってくれるか?」
「構わねぇよ。お前の魔力を博士にやるには効率が良いからな……
普段はマキナの呼び掛けに呼応し、変化させる戦闘形態に自らの意志で変化したエクスはエルザの手に収まる。元来、開発者であるマキナと同調率が必要となるデウスとエクスは他者が使用すれば、膨大な負荷が起きるのだ
「エクス……マキナには劣るが、しっかりと私に力を貸してくれ」
「仕方ねぇ…」
「あら……枝毛」
「わぁ〜……枝毛ってやだよねぇ」
「緊張感を持ちなさいよ!!」
「あい。リアンとマナツは平常運転です」
ザルティと相対するマキナとディンガ、更にデウス。未知なる魔法に彼らは如何に立ち回る?
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