天才は妖精の尻尾にいる。   作:田中滅

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マキナ「前回のあらすじ、妖精の尻尾の魔導士にして天才科学者であるボクことマキナは……村の秘密を解き明かす為に推理を始める。しかーし!この村にある秘密は一筋縄でいかないかな」

ディンガ「どうしたものか……悪魔を相手にするとなると、相応の準備が必要になってくるね」

マキナ「一応、言っておくかな。悪魔撲滅が依頼じゃないよ」


第二十七話 天才くん、村の秘密を解明する(解決編)

「それでだ、話を戻すが……何故、調査をしなかったのだ。三年もの間に誰も遺跡が何らかの元凶であると気付いていたにも関わらず、調査をしなかったのは何故だ」

 

「確かに……言われてみると可笑しいわよね」

 

「元凶を突き止めているにも関わらず、調査をしようとはしなかった。正に職務怠慢だね」

 

「其れはちょっと語弊があるかな。ディンガ」

 

穴から這い出たエルザが最もな疑問を打つけた事に小説家志望のルーシィ、頭脳明晰なディンガは妙な違和感を感じた。その言い分に思うところがあるマキナは相棒に突っ込みを放つ

 

「我々も何度も調査をしようとは試みましたが……如何せん、どうしても遺跡に近付くことすら出来んのです」

 

「アタシがおかしいの?何を言ってるんだかわかんない」

 

「大丈夫かな、マナツじゃなくても理解不能だよ」

 

「マキにわからにゃいなんて、これは猫の手を借りても無理ね」

 

「博士に暴けない謎となるとお手上げだ」

 

「なにぃーーっ!!マキナにもわかんねぇのかっ!?」

 

「あいさーーっ!?」

 

「アンタ等のマキナに対する信頼度の高さはなにっ!?」

 

天才魔科学者としての確かな安心と信頼の実績を持ち合わせたマキナでさえも、理解不能な摩訶不思議な現象に誰もが戦慄する。其れもその筈、年齢こそは幼いが彼の持つ知識から生まれ出る解答は真理にも匹敵するのだ。その彼に理解不能であるという事は、この場にいる誰にも理解する事は不可能なのだ

 

「理解不能ってのは冗談なんだけどね」

 

「「「冗談なのかよっ!!!一本取られたよっ!!」」」

 

「当然かな!だってボクは天才(ジーニアス)!つまりは天才だからね!」

 

天才であるが故の冗談に騙されたナツたちからの突っ込みに当の本人(マキナ)は自信満々に胸を張り、自分が天才であると主張する

 

「取り敢えずだ、これより月を破壊する!!ナツ!マキナ!付いてこい!!」

 

「「あいさーっ!!!」」

 

事情を知らない者が聞けば、「どういうこと!?」と突っ込まれ兼ねない衝撃発言(パワーワード)。何も気にしないナツ、何かを知っているマキナだけはエルザの呼び掛けに応え、追随する

 

「おいらの台詞が取られた!!」

 

「月を壊すのかー。あり?でもさ、月って壊せるの?」

 

「にゃんでも構わないわよ?あたしは。だって、紅茶のアテになりそうじゃない」

 

「いやいや、流石のエルザも月を壊すのは無理だろ………無理だよな?」

 

「一概にも断定は出来ないよ。エルザ単体であるなら、不可能性も否めないけれど、今回は僕の相棒である博士(マキナ)に加え、ナツが参加しているんだ。月の破壊くらいは造作もないさ、簡単に言うとルーシィの頭をかち割るくらいの容易さだ」

 

「だから発想がエグいわっ!!というか!なんで、あたしっ!?」

 

月の破壊は不可能と一般論を語りながらも、自らの相棒を信じて疑わないディンガ。その最後に放たれた不穏な一言を聞き逃さなかったルーシィが吠えた

 

「この鎧は巨人の鎧、投擲力を上げる効果を持つ……そして、この槍は闇を退けし破邪の槍」

 

「更に更に〜!天才魔科学者のボクが開発した発明No.0027!増幅籠手(ブーストハンド)を合わせて!月にぶん投げちゃうかな!」

 

「おお!!エルザのパワーにマキナの魔科学が合わさるのかっ!スゲェ!!其れなら破壊できるなっ!」

 

((イヤイヤ……無理だからっ!!))

 

「マキナかっくいーっ!」

 

有り得ない事を平然と言って退けるエルザとマキナ、其れに同調を示すナツに誰もが心中で突っ込みを放つ中で、マナツだけは幼馴染の発明品に瞳を輝かせていた

 

「でもまぁ、仕上げはナツに掛かってるんだけどねー」

 

「おん?」

 

「パワーを増幅しても人間の体力には限界が存在する。だからこそ!此処で科学を利用するんだよ!槍の下に石突きってのがあるんだけど、其れをナツが火を纏った拳で殴り付ける……すると、どうなるか…火力を増した槍は遥か空に届く!」

 

「なるほど!」

 

「うむ、流石はマキナだ。完璧な説明だ」

 

「ぐもっ!?」

 

仕上げの説明を終えたマキナを抱き寄せたエルザであったが、鎧着用中であったが故に物言わぬ屍と成り果てたのは御約束である

 

「ナツ!!マキナ!!準備はいいなっ!」

 

「おぉう!!」

 

「……い、いたい…」

 

エルザの投擲、マキナの魔科学、ナツの火力。正に三位一体の力を得た槍は、天高く、遥か彼方、村を照らす月明かりへと

 

「届けぇぇぇ!!!」

 

「天才に不可能があるわけないかな」

 

真っ直ぐに、止まることを知らぬ光の如き速さで、月を穿つ

 

「「「ウソだぁーーーーーっ!!!」」」

 

「紅茶のアテにぴったりね」

 

「何時見ても博士の魔科学は素晴らしいね」

 

「発明品の私が言うのもアレなんですけど、何処が科学なんです?力技ですよね」

 

「言うだけ無駄だろ」

 

「あい」

 

驚くマナツ、ルーシィ、グレイの三人を他所に二匹は各々の感想を漏らし、デウスの発言がエクスとハッピーが如何に無駄な言葉であるかを告げる

 

「あり?なんか変じゃない?わっ!!見て!空が割れてるよっ!!」

 

誰よりも早くに異変に気付いたマナツ、その視線の先を見れば、確かに月は破壊されていた。しかし、其れは空とともに(・・・・・)である

 

「なんで月だけじゃなくて……空も?」

 

「簡単に言えば、この島は邪気の膜に覆われてたんだよー。月の雫(ムーンドリップ)が発生させたガスみたいなのが島の上空一体に膜を張り、結晶化現象が起きたことにより、何の関係もない月が紫色に見える視界の錯覚を起こしてた……でもまぁ、錯覚はもう一つあるんだけどね」

 

三度目の驚愕をする一同を前に科学的な説明をマキナは披露したが、晴れゆく村に風景を見ながら、意味深に呟いた

 

「「「あれ……戻ってない?」」」

 

「どうなってんだ?マキナの言う通りなら、人間に戻るはずだろ?」

 

「マキナは何も間違っていない。確かに元通りだ」

 

「そうだよ。なにせ、島民は最初から悪魔(・・)かな」

 

「「「な………なんですとっ!!!」」」

 

四度目にも慣れば、反応は薄れると思っていたが表情豊かなマナツにつられたナツたちも驚きを見せる

 

「ネエちゃんにお土産を買わないとだ」

 

「博士はカナが大好きだね」

 

「シスコンもほどほどにしにゃさいよね。少しはマナみたいに付かず離れずの距離感を---にゃぁぁぁ!マナぁぁぁぁ!!」

 

「が、ガルナ島……恐るべし……」

 

安定の姉第一主義のマキナに呆れるディンガの隣で、其れに突っ込むリアンは、自分の隣にいた相棒を見習う様に促すが地面に蹲る彼女を前に悲鳴を挙げる

 

「デウス。マナツはどしたの?」

 

「遺跡付近で拾った草を食べたらしいです」

 

「なるほど……診察するね」

 

死にかけている幼馴染を前に、デウスに理由を聞いたマキナは冷静な態度で彼女に聴診器を当てる

 

「マキ!容態は!?」

 

「食あたりです」

 

 




依頼達成!しかし、これはこれ、それはそれ……ナツたちの処遇を決める為にギルドに帰還したマキナたち!だが!彼等に未だかつてないマジヤベーイな摩訶不思議な現象が襲い掛かる!

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