天才は妖精の尻尾にいる。   作:田中滅

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考えに考えた、その結果に出来たのがショタ!ヒロインはロリ(オリジナル)!故に主人公はショタ!大事な事だから二回も言いました!


第一章 とある魔科学の天才少年
第一話 天才くん、金髪少女に出会う


永世中立国フィオーレ王国。その中でも王国最強と名高い魔導士ギルド『妖精の尻尾』。後々に至るまで数々の伝説を残すギルドに一人の天才がいた

 

魔法が主体とされる世界で科学と魔法を組み合わせた新たな世界を切り開いた彼を人々は

 

天才(ジーニアス)》と呼んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーむ………完全に乗り物酔いだね。これは」

 

「あい!診断するまでもないよ」

 

「介抱した方がよろしいのでは?」

 

「意味ねえだろ。どうせ、また酔うんだからよ」

 

港町ハルジオン。魔法よりも漁業が盛んな街の駅で、乗り物酔いで死に掛ける桜色の髪の青年を診断するのは、深紅の癖毛に白衣が印象的な少年。彼の背後から覗き込むのは、一匹の青猫と二匹の狼、側からみれば完全な旅行客である彼等は身形だけ見れば、かなりの異色である

 

「無理!!もう二度と列車には乗らん……うぷっ……」

 

「乗り物に乗る度に同じこと言ってるかな。頭のネジが緩んでるなら、締め直してあげようかー?」

 

「あい!それは無理だよ」

 

「ちょ……ちょっと休ませて……」

 

白衣の少年基マキナがドライバー片手に問い掛ければ、青猫基ハッピーが無理と告げる。そして、列車から降りる直前に桜髪の青年基ナツが休養を訴えるのに気付かず、彼等は列車から降りた

 

「博士。ナツがいません」

 

「迷子か?」

 

「あれ?さっきまで居たよね?」

 

「…………あっ」

 

二匹の狼基デウスとエクスの問い掛けに辺りを見回していたマキナは気付いた。然し、時既に遅かった

 

「た~す~け~て~」

 

ナツを乗せたまま、列車は走り出す。厄介事に巻き込まれるのを嫌うマキナは身を翻し、空を見上げる

 

「拝啓。ネエちゃん、ハルジオンは今日も漁業が盛んです」

 

「おいらはナツを迎えに行くから、マキナは火竜(サラマンダー)探しをお願いね」

 

「ネエちゃんのおつかいを済ませてからでもいいなら、探しておくかなー」

 

「あい!どうぞ」

 

ハッピーがナツを迎えに、飛び立つ背を見送り、マキナはデウスとエクスを連れ、ハルジオンの街に一歩を踏み出す

 

「博士。そういえば、おつかいとは何を買われるので?」

 

「ハルジオンの酒」

 

「未成年の博士が買っていいのか?それは」

 

「大丈夫だよー。ネエちゃんのいきつけらしいかな」

 

軽い足取りで歩く姿は年相応の少年。然し、付き従えるのは白い狼のデウスと黒い狼のエクスという余りにも異形な布陣、誰もが彼を苦笑気味に見詰めていた

 

「此処に書いてるのをくださいな」

 

「あん?ガキが酒を欲しがるなんざ、二万年早ェよ。帰れ」

 

酒屋を訪れたマキナが買い物リストであるメモを見せるが、店主は子供に酒を売れないと彼を遇らう

 

「むぅ………ネエちゃんに頼まれたのに……」

 

「ネエちゃんだぁ?」

 

「うん。ネエちゃんが前にね、此処で買った酒が美味しかったから、行くならお土産に頼む!って言うから、買いに来たんだー」

 

最初は剥れていたマキナだったが、姉の話になると彼は花が咲いた様に語り始める。姉の事を語る姿は正に年相応、彼が如何に姉を慕っているのかが理解出来る

 

「…………ネエちゃんの名は?」

 

「カナ……カナ・アルベローナだよー!そんでねー、ボクはマキナ!」

 

「なんだ、カナの嬢ちゃんの弟か!なるほどな!気に入ったぜ!マキナ!店にある酒を何でも持っていきな!」

 

「わぁ!ありがとー!」

 

嬉しそうに笑うマキナの頭に犬耳が見えた様にも気もするが気の所為だろう。気の所為に違いない

店主に気に入られ、買い物リストに書かれていた酒の他に適当に見繕った酒を購入し、店を後にする。刹那、マキナの耳に女性たちの黄色い声援にも似た声が聞こえてきた

 

「「火竜(サラマンダー)様よ〜〜〜っ!」」

 

「サラワレタ?なんだろ………聞いたような……聞かなかったような………」

 

火竜(サラマンダー)ですよ……博士…」

 

数時間前に聞いた筈の火竜(サラマンダー)の話題を既に忘却の彼方に消し去っていたマキナにデウスが優しく突っ込みを放つ

 

「おい、デウス。臭いぜ?あのヤロー」

 

「臭い……確かに言われてみれば……これは魔法…しかも…魅了(チャーム)か!博士!あれ?博士は?」

 

相方からの呼び掛けに答えたデウスは、主人であるマキナに呼び掛けるも反応が無く、辺りを見回す

 

「………………」

 

「何かな?少年」

 

騒ぎの中心になっている男の前に移動していたマキナは曇りなき瞳で彼を見据えていた

 

「顔に落書きされてるよー」

 

(いやそれファッション!!)

 

沈黙から放たれた爆弾発言にデウスは心中で鋭い突っ込みを放つ。然し、悪気がない本人は白衣のポケットから取り出した手拭いで彼の顔を拭いている、かなりの気配り上手だ

 

「君はどうやら、俺を知らないようだね?だがこう言えば分かるかな?火竜(サラマンダー)とね」

 

男が名乗れば、火竜(サラマンダー)と言う聞き覚えのある名にマキナは数回に渡り、首を傾げると興味を失ったように去って行く

 

「マキナ!火竜(サラマンダー)を見つけたのかっ!?」

 

列車から救出されたナツが姿を見せ、火竜(サラマンダー)の所在を興奮気味に問うと、マキナは後方を指差す

 

「ナツ。アレ(・・)火竜(サラマンダー)なら、変な父親だねー」

 

「んだとコラァ!カナも飲んだくれじゃねぇか!」

 

「ネエちゃんは美人だから問題ない。嘘だと思うなら、自分で確かめた方が確実かなー。百聞は一見にしかずと誰かも言ってるかな」

 

呆れた眼差しで、彼の家庭環境を憐れみながらも自分の身内は美人だから全てが帳消しであると主張し、火竜(サラマンダー)の正体を確かめる様に促す

 

「イグニール!!…………マキナ、飯屋はどっちだ?」

 

「来た道を戻ればいい筈だよ」

 

「ちょっと失礼じゃないの!?アンタ等!」

 

「そうよ!火竜(サラマンダー)様はすっごい魔導士なのよっ!」

 

思っていた者と違う男に興味をなくしたナツがマキナと共に去ろうとするが周りにいた女性たちから抗議を受ける

 

「まぁまぁ、彼らも悪気があったわけじゃないんだ。許してあげたまえ、これは僕のサインだ。友達に自慢するといい」

 

二人を取り囲んでいた女性たちを諭した男は色紙を取り出し、彼等に手渡す

 

「いらん」

 

「知らない人に物をもらうとネエちゃんに怒られるからいらない」

 

「「なんなのよっ!!アンタ等はっ!!」」

 

「「ぐもっ!?」」

 

色紙を拒否すれば、ナツとマキナを女性たちが蹴り飛ばす。それ程までに彼は有名人なのだろうか?然し、脳内に膨大な情報を持つマキナであっても、彼を知らない

 

「君たちの歓迎には感謝するけど、僕はこの先の港に用があるので失礼するよ。夜は船上でパーティーをするから参加してくれたまえ」

 

「なんだぁ?アイツは」

 

「顔に落書きされたままだったよ」

 

「本当いけすかないわよね………でも、さっきはありがとね」

 

去り行く男を見送っていたナツとマキナが疑問符を浮かべていると、背後から声が聞こえた。振り返れば、其処には金髪の少女が佇んでいた

 

「ナツの知り合い?」

 

「いや、マキナの知り合いだろ?」

 

「知らない人だよ?お姉さんは誰?」

 

「あたしはルーシィ。どう?御礼に一食おごるわよ」

 

知り合いではないが、御礼に一食奢ると言われ、ナツとマキナは彼女の後を追う。途中でハッピーとデウス、エクスも合流し、三人と三匹はレストランに入る

 

「あんふぁいいひほふぁがぁ…」

 

「うんうん」

 

「ほふぇりょふりゅふぇふ」

 

「博士。口に物を入れながらの会話は御行儀が悪いです」

 

「というか、何を言ってんだ?」

 

「………ごっくん。適当に喋ったから、意味はないよ?」

 

口に物を入れながら、喋るナツとハッピー。更に同じ事をするマキナをデウスが咎めるのを見ていたエクスが問いを投げかけると、彼は適当に喋っていただけで意味はないと告げる

 

「ナツとハッピー、其れにマキナとデウスにエクスだっけ?ゆっくりと食べな、食べ物は逃げないから」

 

「もぐもぐ……はぐはぐ…」

 

(なんか小さいのが大量に食べてる……!!)

 

久し振りに味合う真面な食事に舌鼓を打つナツとハッピーの隣で、山の様に皿を積み上げていくマキナにルーシィは戦慄する

 

「申し訳ないです。博士は食べ始めると止まらない悪癖がありまして……」

 

「此奴の姉貴も飲み始めたら止まらねぇくらいだしな」

 

「そうなんだ………というか、アンタ達は食べないの?」

 

「「お構いなく」」

 

礼儀正しく謝罪するデウス、彼の姉についての補足をするエクス。二人と一匹とは裏腹に何も口にしない彼等にルーシィが問えば、二匹は構いわないでくれと告げる

 

「それで話の続きなんだけど、あのっ火竜(サラマンダー)って男、魅了(チャーム)って魔法使ってたの。この魔法は人々の心を術者に引き寄せる魔法なのね。何年か前に発売禁止された筈なんだけど…そこまでして、女の子たちの気を引こうなんて、やらしい男よね」

 

「ネエちゃんが言うには酒に弱いヤツは男じゃないらしいから、そういう魔法に頼る人とは関わらない方がいいよ」

 

「言われるまでもないわ。というか、マキナにはお姉さんがいるのね。どんな人?」

 

「酒を愛してるけど、二日酔いが天敵な弟思いの美人」

 

「前半と後半が矛盾してない?まぁ、でもさっきは助かったわ。アンタ達が来てくれたお陰で魅了から解けた訳だし……あたし、こー見えても魔導士なのよ?まだギルドには入っていないけどね。…あ!ギルドっていうのはね、魔導士達の集まる組合で魔導士達に仕事や情報を仲介してくれる所なの!!魔導士ってギルドで働かないと一人前と言えないものなの!!」

 

「そうなの?」

 

「なんで知らないんですか……博士は」

 

「肝心な部分がバカだよな」

 

興奮気味に語るルーシィを尻目に、マキナが疑問符を浮かべるとデウスもエクスも、呆れた様にため息を吐く。彼は興味がある事に関しては、類い稀なる才を発揮するが普段は割と呑気な雰囲気を醸し出している、故に彼がある筋では名の知れた人物である事を知らない者は多く存在する

 

「そう言えば、誰かを探してたの?」

 

語り終えたルーシィは次に彼等の事情を聞く為に問う。確か、彼等は誰かを探していた筈、それを問えば、ハッピーが口を開く

 

「あい、イグニール」

 

「火竜がこの街に来るって聞いたから来てみたけど…別人だったな…」

 

「火竜って見た目じゃなかったもんね?」

 

「ボクはおつかいの寄り道」

 

「いやいや博士も火竜探しに来たんですからね?一応は」

 

「そもそもだ。普通に考えると有り得ねぇだろ、火竜が街中にいるとか」

 

「見た目が火竜って、人間としてどうなのよ」

 

「イグニールは人間じゃねぇよ、本物のドラゴンだ」

 

話の流れで投下された爆弾発言にルーシィは両目を見開き、此奴等は馬鹿なのか?と言いたそうな眼差しを向ける

 

「そんなの街中にいるハズないでしょーー!!」

 

「「「……………!!」」」

 

「オイイ!!今気付いたって顔すんなー!!!」

 

今更ながら、気付いたナツとハッピー、マキナが表情を変えた事に鋭い突っ込みを放つとルーシィは代金を置くと、店を後にしようとする

 

「ごちそうさまでした!!」

 

「したー!!」

 

「おかわり!!」

 

「博士も御礼を言ってください!」

 

「世話になった」

 

心の広いルーシィにナツとハッピーは土下座するが、食べる事に夢中なマキナはおかわりを要求しており、デウスに叱られていた。彼の代わりにエクスが軽く挨拶をする

 

「きゃー!!やめて!!恥ずかしいから!!ほら…お互い助け合ったから…おあいこでね?」

 

「助けたつもりはないけど、感謝の念は大事だよ。御礼にこれをあげる」

 

「俺も!」

 

謙虚なルーシィに対し、上から目線なマキナは白衣の内側から取り出した色紙を彼女に差し出す。同じようにナツも御礼に同様の色紙を彼女に渡す

 

「いらんわっ!!!」

 

色紙を弾き飛ばし、店を後にする彼女を見送るとマキナは食後のミルクティーを口に運び、頭のゴーグルに触れる

 

「ちょっときな臭いかなぁ………デウス、エクス。調査を任せていい?」

 

「「博士の御命令とあらば…!」」




レストランで大量の料理を食べたマキナとナツたち、彼等の耳に聞き慣れた名が響く。然し、其れは……

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