天才は妖精の尻尾にいる。   作:田中滅

30 / 109
マキナ「前回のあらすじ、妖精の尻尾の魔導士にして天才科学者であるボクことマキナは……ガルナ島の救う謎を解明し、月を破壊したボクたちは島民を元に戻すことに成功。これも天才魔科学者のボクのおかげかな!」

ディンガ「流石は博士だ、見事な手際だね」


第二十八話 天才くんwith仲間たち、入れ替わる

「いやぁ〜終わった、終わった」

 

「ホントに……一時はどうなるかと思ったわよ。でも、マキナたちが来てくれたお陰で助かったわ!報酬に鍵だけは貰えたから良しとしましょう!」

 

「S級クエストの対価の割には合わないけどねー。まぁ、無いよりはマシかな」

 

ガルナ島の依頼を終え、帰路に着くマキナたち。正式に受理された依頼ではないが故に報酬金は受け取れなかったが、せめてもの御礼にと渡された鍵はルーシィの手に渡った

 

「そうだ!其れを売ろうよ」

 

「ナイスアイデアね、ハッピー。お姉ちゃんも賛成よ」

 

「右に同じくだよ、誰か一人だけが得をしても、僕たちにメリットはないからね。だったら、全員が得を得る道を選択すべきだ」

 

「なんてことを言うの!?このドラネコ三匹はっ!」

 

意見という名の暴論に行き着く三猫にルーシィが吠える。余程、今回の報酬が自分に利益を与えるもののようだ

 

「エロ牛にゴリラメイドの次はなんだろー?」

 

「人馬宮の鍵よ」

 

「「「「人馬だと……!!」」」」

 

鍵の星霊が人馬であると聞いた途端に、ナツとグレイ、マキナとマナツが声を揃え、反応を示す

 

「人馬……」

 

グレイは頭が馬と化した体が人間の珍妙な生物を想像する

 

「人馬………じゅるり……」

 

マキナは人馬と呼ぶに値すらしない加工済みの馬肉を想像する

 

「馬………にんじん食べたいなぁ」

 

マナツは思考を放棄し、好物の野菜である人参を思い浮かべる

 

「人馬………ぷぷっ!」

 

極め付けにナツは馬でも人でもない謎生物を想像していた

 

「発想がバラバラじゃないの……ていうか!マキナのは既に食品加工されてるじゃないの!」

 

「与太話は其処までだ。これより、ギルドに戻り次第、お前たちの処分を決定する」

 

「「「わ、忘れてたぁ!!!!」」」

 

「残念かな……ナツとグレイは兎も角として、ルーシィにご飯を食べさせてもらえなっちまうなんて……短い付き合いだったけど、ご飯食べさせてくれたことは忘れないかな」

 

「マジでっ!?アニキいなくなるのっ!?やだよ〜!!」

 

忘れかけていた無断受注に於ける罰則の存在を思い出したナツたち。その背後で意味深な事を呟くマキナに対し、兄と過ごせなくなると知ったマナツが涙目で喚き出す

 

「いなくなるっ!?ちょっ!何をされるのっ!あたしはっ!?というか、あたしに対する思い出がご飯関連しかないんかいっ!!アンタは!」

 

「ま、まさか………〝アレ(・・)〟を再びみる日が来るとはな……残念だ」

 

「そんにゃ…〝アレ(・・)〟をされちゃうの?かわいそうなハッピー……」

 

「〝アレ(・・)〟を最後に見たのは何年前だっただろうね…実に感慨深い」

 

「〝アレ(・・)〟ってなにっ!?あたしは何をされるのっ!?」

 

「最後に〝アレ(・・)〟されたイモヤマさんは元気にしてるかなー」

 

「下町のポポロとピピラ……惜しい人を亡くしたねー」

 

「誰っ!?というかホントに〝アレ(・・)〟ってなんなのよーーーーっ!?」

 

意味深に言うが故に余計に怖さを感じる〝アレ(・・)〟、何も知らないルーシィは見えない恐怖に叫びにも似た声を挙げる

 

「気にすんな!じっちゃんならよくやったって、誉めてくれるさ」

 

「前向きにも程があるわっ!!」

 

「其れをボクがナツたちを見た最後であったかな」

 

「其処のちびっこバカ科学者!不吉なナレーションしない!」

 

「失敬だな、ボクは天才魔科学者だよ」

 

不吉なナレーションを呟く魔科学者にルーシィが何度目になるかも分からない突っ込みが放たれる

 

「「ただいまー!!」」

 

「マスターはおられるかっ!!」

 

「ん……なんだ、マナツにリアンか……其れにエルザ……聞いたよ?ガルナ島に行ったらしいじゃないか。マキナを危ない目に遭わせたりはしてな-----どうしたんだ!?マキナ!手が傷だらけじゃないかい!!」

 

「心配しすぎかな、ネエちゃん。其れはそうとお土産のハルジオンの酒だよー」

 

「酒よりもマキナの怪我だよ!今は!待ってな!アルコール消毒をしてやるからねっ!」

 

勢いよく扉を開けたマナツとリアンを待ち構えていたのは、相も変わらずに酒樽片手のカナ。即座に自分の愛弟を巻き込んだ件をエルザに問い詰めた彼女であったが、最後に会った時には無かった無数の傷跡が痛々しい(マキナ)に駆け寄り、過保護さを見せる

 

「あり?おじじはー?」

 

姉と戯れる幼馴染、ミラと話すエルザを他所にギルド内を見回していたマナツはマカロフが見当たらない事に気付いた

 

「評議会のなんたら会合とかなんたらがあるとかで、昨日から出掛けてるぜ」

 

「なんたらってなんですかっ!?」

 

「ワケがわかんねぇ」

 

「仕方ねーだろ!思い出せねぇんだからよ!」

 

中途半端な答えを口にするマカオにデウスとエクスが其々のテンションで突っ込みを放つ。その間も、罰則組は〝アレ(・・)〟に怯えていた

 

「残念かな、ディンガ。じっちゃんはいないらしいよー」

 

「ふむ…久しぶりに心を躍らせていたのだけどね」

 

「全くよ。〝アレ(・・)〟をされるナツたちをアテに紅茶を飲みたかったわ」

 

「〝アレ(・・)〟はおあずけかー。ミラー!野菜スティックちょうだいだ〜い!」

 

「だから、〝アレ(・・)〟ってなんなのよー!!!」

 

未だに〝アレ(・・)〟が何かも知らないルーシィの叫びがギルド内に木霊する

 

「仕方ない……マスターが帰ってきたらすぐに判断を仰ぐ、S級クエストに手を出した罪は罪!心の準備をしておけ!!分かったかっ!」

 

「「「ひぃぃぃぃぃ!!!」」」

 

何時もの倍以上の威圧感を含んだ怒気を放つエルザにナツたちは恐怖で体を震わせ、〝アレ(・・)〟に対する不安感は高まるばかりである

 

「でもちょっと可哀想ではあるかな。ナツとグレイはともかくとして、まさかのルーシィが〝アレ(・・)〟を体験するなんて……」

 

「確かになぁ〜マキナの言う通りだぜ。ルーシィちゃんがあんな目に………気の毒だ」

 

「気の毒!?何をされるのよっ!ホントにあたしは!!」

 

「マキナにワカバ!!ともかくとはなんだコラァ!!」

 

「そうだ!あんなチョロ火ヤローと一緒にすんじゃねぇ!!」

 

「ガタガタとうるせぇな……久しぶりの〝アレ(・・)〟にビビるぐれぇなら、最初からやんなって話だろ」

 

「違うぞ!スコル!漢には責任の取り方ってもんがある!見せてもらおうじゃねぇか!コイツ等の漢をなぁっ!!」

 

「ルーシィは女だよ?エルフマン」

 

「其れに関しては今更な気もするかな」

 

漢という言葉に反応を見せるマナツ、其れに呆れた眼差しのマキナが真っ当な突っ込みを放つ

 

「あぁ?んだ、いやがったのかよ?もやしゴーグル」

 

「うるさいかな。バカ猿は山に帰れ」

 

「あんだとゴラァ!?張り倒すぞっ!もやしゴーグル!!」

 

「うるさいかな!迷彩ゴリラ!!」

 

「ズルいよぉ〜オイラはなんで、そのともかくに入ってないんだよぉ〜!」

 

「ハッピー。おさかなをあげるわ」

 

「あい…」

 

売り言葉に買い言葉、喧嘩を繰り広げる面々。蚊帳の外にされたハッピーは不満そうであるがリアンに慰められ、僅かに機嫌を直した

 

「お!なんか変な依頼があんぞっ!なんだこれ?」

 

「やぁ、どうしたんだい?」

 

「ロキだー!げんきー?」

 

「やぁ、マナツ。元気だよ」

 

「なになに?なんか楽しそうね」

 

「………ルーシィも帰ってたのかーー!!?」

 

とある依頼書に目を止めたナツ、その傍らから声を掛けたロキはマナツの挨拶に優しい声色で返すがルーシィを見た瞬間に飛び退いた

 

「はぁ?当たり前じゃないの。あたし、マナツたちと同じチームなのよ?」

 

「そ、そうか……そうだよね!それじゃあ!僕は失礼す---ぐもっ!?」

 

呆れた目線のルーシィに対し、その場を去ろうとするロキであったが目の前に出現したエルザの鎧に激突し、声にならない声を挙げ、地面に倒れた

 

「ネエちゃん!アレを見るかな!報酬に50万Jって書いてるかな!」

 

「なんだって!?本当かい!マキナ!」

 

「今は金よりもエルザに激突したロキの心配をするべきだと思うけどね。然し、無理な話だろうね、なにせ博士とカナはお金が大好きだ」

 

「50万かぁ〜!サラダにプリンがお腹いっぱい食べられるねっ!リアン!」

 

「そうね、マナ。世界中の紅茶を飲み比べたりも出来そうだわ」

 

「でもよぉ?なんて書いてんだ?ワケわかんねぇ文字だぜ?マキナ、てめぇなら読めんだろ。さっさと読みやがれ」

 

「生憎と古代文字には精通してないけど…ゴーグルに確か解読機能を付けてたハズ…解読してみるかな」

 

解読不可能な古代文字に興味を持ったマキナは頭のゴーグルを掛け、解読に乗り出す

 

「ちょっと待て!!隣に現代語訳ある!ウゴ・トゥル・ラス・チ・ボカラニ…意味わかんねぇ!!」

 

「ちょっ!?ナツ!調べもしてないのに読むのは御法度かな!何が起きるかも分からないのにっ!!」

 

然し、時は既に遅かった。ナツが口にした現代語訳が引き金だったのだろう、眩い光が放たれ、マキナたちを包み込んだ

 

「さ……寒い……」

 

「あ?氷使いが何で寒いんだよ」

 

「体の中が異常に寒ぃ〜〜っ!草以前に花も咲かないよぉ〜!!」

 

突如、震え出すグレイ。氷の魔導士であるにも関わらず、寒さを訴えた彼に誰もが首を傾げる

 

「あん?どうなってんだ?俺の目線がヤケに低い………って!なんだこの凹凸がすくねぇ体はっ!?」

 

「どうしたっ!マナツ!?女がはしたねぇぞ!」

 

「はしたない?何を言って………ぎゃぁぁぁぁ!!アタシがいるぅぅぅぅ!!」

 

何故かは不明だが「はしたない」と聞き、グレイがマナツを見ると叫び声を挙げた

 

「酔えない!どうなっちまったんだい!私は!?って、酒樽が重い!?」

 

「落ち着くかな、ネエちゃん。酒樽の重さなんてたかが知れ……かな?ボク?」

 

「私!?なんで私がいるんだいっ!?」

 

「博士とカナはどうしたんでしょうか」

 

「知るかよ」

 

酒樽を前に叫ぶアルベローナ姉弟、デウスとエクスは疑問を抱くが割と何時も通りに見えるが確かに何かが可笑しくも見える

 

「あん?なんだぁ?寝てたのか?俺は」

 

「ふっ…ていうか、僕はなんで立ってるんだ?」

 

起き上がったロキは口調が荒々しく、スコルは普段よりも大人しい口調。やはり、何かが可笑しく見える

 

「何がどうなっているんだい?奇妙なこともあるね」

 

「ナツの口調から奇妙なんて言葉が出た!?どうなってんだぁ!」

 

「んだとゴラァ!!やんのかっ!」

 

頭の良さそうな雰囲気を醸し出し、腕を組んだナツに誰かが驚けば、有り得ないまでに喧嘩腰のディンガが反応を示す

 

「落ち着きない、紅茶の邪魔よ」

 

「エルフマンが紅茶を飲んでるっ!?」

 

「うぉぉぉぉ!!目線が低いっ!漢だっ!」

 

「なんだかリアンが暑苦しいぞっ!!」

 

漢臭い筈のエルフマンが紅茶を嗜み、大人の女(猫)を自称するリアンが暑苦しい、何かが違う

 

「一体何を騒いでいる!」

 

何処か、何か、違和感を感じる状況に響いたのは我等が風紀委員長のエルザではなく、キリッとした表情のハッピーだった

 

「わぁー、ナツ見て見て……アレ?ナツは?」

 

「あん?なんだよ、てか目線が低い」

 

「おいらの胸に格好いいおっぱいが二つもついてるよ。ほら」

 

ナツと呼ばれ、反応を示したディンガ。其れにエルザは自分の胸を触り、揺らし、男性陣から歓喜の声が挙がる

 

「…………ま、まさか……ボクたち、入れ替わってるかなっ!?」

 

「「「な………なんですとぉぉぉ!!?」」」

 

かくして、摩訶不思議な入れ替わり現象は始まったのである




入れ替わってしまったマキナたち!制限時間以内に戻れないと解除不可能!?どうなっちゃうの!?

マキナの賑やかさに元気をもらえたら、お気に入り登録お願いしまーす。コラボとかも気軽にメッセージ飛ばしてくれたら、反応しまーす
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。